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  3. 2012年1月3日

鈴鹿:福王山

福王山の中腹にて、毘沙門天を祀る福王神社(菰野町)はローカルな存在だが、正月や節分、春・秋の祭りは参拝者で賑わう。下一桁が「3」の日が縁日なので、新年の福王神社と福王山に出掛けた。

登山日
2012年1月3日火曜日
ルート
福王神社-奥ノ院-福王山-福王神社

福王神社

鳥居前の駐車場は満車。四日市駅、菰野駅からの路線バスが廃止されて日が経つが、こんな日に営業する土産物屋2軒が残っている。コンクリート舗装の急坂を登る。充分な幅員があり、排気ガスを撒き散らして上の駐車場まで行けるが、それは老人用と心得る。

車道終点から社域に入ると、彩色された天狗の石版が現れ、申しわけ程度に猿田彦大神とある。天狗は寺方の存在だから仕方ないが、この神社の祭神は毘沙門天。寺か神社か、ヤヤコシイことだ。背後に見える伊勢平野と別れ、杉木立の参道を登る。

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左の石鳥居に猿田彦大神の青幡が立つ。しかし、石碑には「天狗杉旧陵」と刻まれ、「大正」の字が読み取れる。奥に祀られた石像は山伏姿の大天狗だ。背後の羽には「大正九年七月」とある。昔々、天狗が棲む大杉がありましたということか。

残念ながら、福王山の天狗には太郎坊、飯縄権現、半僧坊のような固有名を聞かない。毘沙門天を祀るので、あるいは鞍馬山僧正坊が出張しているのかも知れない。

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不動明王、竜神、豊川ダキニ真天、大黒天、福王天神、天乃秀吉之命など、神仏が雑居する参道を歩いて拝殿前の石段を登る。社務所の屋根は雪で白い。

福王山

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毘沙門天を参拝し、拝殿右手の太子堂から奥ノ院参道の山道へ入る。七福神の残りメンバーの石像が途絶えると急勾配になり、拝殿から30分で植林帯の山頂部に着く。左(南)1分で奥ノ院の祠、右(北)15分で山頂だ。

奥ノ院の祭神は竜神と記憶しているが、それを現地で判断できるものを知らない。

写真12

山頂への道は怪しい。倒木を跨ぎながら、適当に積雪5センチほどの稜線を歩き、一番高そうな場所を山頂(598m)ということにした。この付近は、地形図に行政境界が記載されていない場所だ。

天狗の山であるためか、山頂は植林されていないが、ほとんど展望は無い。「天狗の踊り場」と呼ばれるほどの特別な場所だったのだろうが、この有様では感慨は出てこない。

福王豆

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神社へ引き返し、樹勢に衰えが見られる太子杉を見上げて下山した。土産物屋は、天狗の看板を掲げて派手にやっている。

ここで「福王豆」を見つけた。天狗が印刷されている。大方の土産物と同様に、原材料や内容量の表記がない一品だが、ゴム印で賞味期限 24.3.31 とある。「県立鈴鹿公園」の文字に、太古からの生き残りと知れる。売値は500円也。

厚手の紙袋からは多度豆の兄弟が出てきた。脱酸素剤が入ったパッケージに最密充填されている。紙袋の裏面には、「奥の院は白龍神社、白河滝、籠堂、中腹におみやげ物売店、食堂、茶店等有り」などと記載されていた。

行程表

10:55駐車場
11:34奥ノ院参道入口
12:03奥ノ院
12:15山頂
13:04奥ノ院参道入口へ戻る
13:34駐車場
(作成 2012.01.03)(最終改訂 2012.01.16)