鈴鹿:綿向山・竜王山
綿向山から竜王山へ周回した。綿向山からの下降は面倒な急坂だが、道は良く整備されている。山麓には紅葉が残っていたが、立ち寄った西明禅寺は紅葉に縁がなかった。
- 登山日
- 2017年11月27日月曜日
- ルート
- 表参道-綿向山-竜王山-西明禅寺
綿向山
御幸橋駐車場を出発し、標識に従って佐久奈度(さくなど)神社に立ち寄った。大祓詞によれば、祓い清められた罪、穢れは高山低山から佐久那太理(雪崩れるよう)に落ちて川から海に流される。そんな場所とのことらしい。山頂の大嵩神社とともに、馬見岡綿向神社の境外末社となっている。
表参道は何度か登ったが、良く整備されて歩きやすい。大嵩神社の参道なのでMTBなど禁止され、轍が道を痛めることはなくなった。七合目の行者コバでは既に表参道は閉鎖され、冬季コースに誘導している。仕方なく尾根の直登コースを登ると、葉を落としたブナ林に低いササ原が現れて、先週の雪が僅かに残っていた。

山頂には金属製の山岳展望図が設置されている。なかなかの良品だ。目前には御池岳から油日岳まで鈴鹿山脈の山々が並んでいるが、御在所岳は雨乞岳に隠れている。ただ、ここからの眺めはスッキリとしない。正午前の太陽の位置が、鈴鹿南部にとっては逆光になるからだろうか。
大嵩神社には天照大神の次男・天穂日命が祀られている。ここから見える鎌ヶ岳の山頂には天照大神の小祠があるが、お互いに背を向け合っている。親子関係とは難しいモノだ。無事の登山にお礼を述べて竜王山へ向かった。
竜王山

綿向山山頂から北へ歩くとイハイガ岳の分岐に標識がある。ここから尻餅をつきそうな急坂を下る。前回、1996年の下降時には背丈のササの切り開きだったが、ササ枯れで展望が良くなった。そしてシャクナゲの962mからは落ちるように一丁坂を急降下する。
鞍部では西側が植林帯になり、鞍部から僅かに登ると標識がある。ただ、ここから奥ノ平の植林帯経由で西側の水木谷林道にエスケープするルートの案内がない。レスキューポイント標識より大切だと思うが、この道は何故か登山地図からも消えた。道が不明瞭になったのか、或いは山で煙草を吸ったり、バーナを持ち歩く怪しい輩を通したくないのか。



この鞍部から竜王山までは始めて歩く。北へ登り、東西の尾根に乗ると展望が拡がる。西へ歩くと「ここは標高917m峰」の標識があり、竜王山まで雑木や植林の穏やかな起伏の尾根道が続いた。
913mは展望がなく、北の尾根への立入禁止標識がある。鉄塔手前の尾根上には「オンバノフトコロ」標識があり、表参道151鉄塔の巡視路が南斜面を降っている。到着した152鉄塔からは展望良好。付近は冬枯れだが、山裾には紅葉が見える。


竜王山にはヒノキが2本立ち、その前に自然石が据えられている。雨乞いの神様なのだろうか。祭祀の雰囲気は薄い。大安楽寺があったという千畳平を降ると紅葉が残っていた。落ち葉で踏み跡が薄い登山道を水木谷林道に下りた。
西明禅寺に立ち寄るが紅葉には無縁。西側の「大安楽寺」は、案内板によれば竜王山の大安楽寺関係の施設を遷したものとのこと。紅葉を見ながら駐車場に戻った。

出発時の駐車場は自動車が5台ほど。ヒミズ谷出合小屋で登山者1人、山頂で4人、竜王山で1人に出合った。表参道・行者コバの案内板には、現在の登山道は明治期に開かれたとある。それ以前、行者たちは北側のタカオチ谷ルートで行者コバまでとのこと。「綿向生産森林組合山林及び隣接する山林の固有名称」には「大字音羽の故・正木菊次郎氏(元製材業)が土木工事」で登山道を作ったとある。
水木谷林道には「日野町猟区」の看板があった。表参道は鳥獣保護区のようだが竜王山はそうでない。「広報ひの」によれば、今年度の猟期は11月1日~3月15日まで。利用条件は土日祝日と猟区管理者が承認した案内人を付けること。イハイガ岳側のような乱場とは違って管理されてはいる。
行程表
9:17 | 御幸橋駐車場 |
11:38 | 綿向山山頂(11:38-11:48) |
14:05 | 竜王山(14:05-14:10) |
14:43 | 林道・竜王山登山口 |
15:24 | 御幸橋駐車場 |