鈴鹿:御在所岳
中道は相変わらず通行止。本谷から中道のキレットへ登り、紅葉を楽しんで峠道を下山した。本谷からキレットへの道は歩かれておらず、一般の登山道としては利用不可だ。
- 登山日
- 2025年11月8日土曜日
- ルート
- 本谷-中道-御在所岳-峠道
鈴鹿スカイライン
中道登山口への到着が遅れた。7時5分前だが駐車場は満車で、周辺道路の空きスペースは溢れた自動車により占領済み。中道登山道の通行止は続いているが、紅葉時期には登山者の殺到が容赦ない。仕方ないので「湯の山かもしか大橋」へ引き返す。徒歩30分、標高差150mの追加だが、御在所岳のみの予定なのでどうということもない。

大橋の駐車スペースはガラ空きだ。自動車を置いて鈴鹿スカイラインを歩けば、各所に駐車された自動車からは登山者が行列になって出発していく。タクシーも上がっていった。
中道登山道は通行止の障害物が横へ移動されており自主開通らしい。5月末にオバレ石が大きく傾いて以降、危険との判断で地主が通行止にしているのだが。
傾いたオバレ石の安全性など判定できないので、対策は迂回路の設置しかないことは明らかだった。中道は登山者を菰野町へ呼び込む観光資源なので、早期に対策すると思っていたが行政や観光協会からは音沙汰なし。登山者は委細構わず中道へ入って行くけれど。
予定通りに本谷からキレットへ上がってオバレ石を迂回することにする。本谷へ入ることは久し振りなのだ。
本谷
中道登山口から僅かに西へ歩くと茂みの中に道がある。「御在所山の家」の解体工事にあたり、危険回避のために関係者によって切り開かれた迂回路だ。その入口に蓋をするように滋賀県ナンバーの自動車が置かれていた。とっても邪魔だ。
電柱がある石段に出て登れば痛んだ「御在所山の家」があるが、解体工事はまったく進捗していないようだ。本谷へ入る。


堰堤上流側の砂地に足跡があるが、左岸側を歩いてみる。道跡らしいものがあるけれど黄色のテープで終点。前方にあった道は崩れたか。黒い導水ホースの残骸とかある。記憶が曖昧だが、以前は本流の滑滝を登る親父さんを横目に左岸の道をスタスタ歩いたような。まったく本谷の様相が違っている。
岩ゴロゴロの谷を歩けば左岸が崩れており、その上流側に赤テープ(標高645m)が見える。這い上がれば、その上に道が残っていた。直ぐに御在所ロープウエイの点検道の標識があるが、現状は歩かれている雰囲気がない。
最後に本谷へ入ったのは2010年4月のこと。アカヤシオの様子を見ながら中道をキレットまで登り、本谷へ下って帰っている。登山日記には何も書き残していないので、本谷はこんなに荒れていなかったのだろう。記憶では点検道から本谷へ降りた所の下流側左岸が少し崩れてはいた。その後、本谷は危険だとか、通行止だとかの事態になったけれど。
本谷を離れて曖昧になった点検道を拾いながらカマ跡(705m)に達した。ここで左後方へ道は曲がっていたはずだが、崩れたのか見当たらない。踏み跡はないが一段上がると道が続いていた。

ロープウェイの索道直下(765m)へ来た。頭上の樹間に赤いゴンドラが見え隠れする。その先で道は直進と右後方に分岐する。直進は崩れて崖になっており、キレットへの道は右後方だ。これを登ると伐採地に飛び出して、東と西に電柱が見えて道がなくなった。この伐採地は2015~16年にロープウェイやその北側を併走する電線路沿いに樹木を帯状に、かつ大規模に切り倒した跡だ。倒れた木を跨いで登ると紅葉の斜面を見渡せる。
西の電柱へ続いていたハズの点検道が見当たらない。道を探すが伐採地はお馴染みのマツとイバラで泣きたい気分。伐採地上端から上は下草がない樹林の斜面だが急勾配で危険な感じ。同じく下草がない斜面を東へ横断し、地形図では目立たない尾根を登ると上に中道の登山者が見えた。キレット東側のP919の東斜面、ちょうど900mのところで中道に飛び出した。
崩壊して危ない道、曖昧になった踏み跡、痩せ始めた崖っぷちの道と飛び出した枝、ヤブ化している伐採地。少なくとも、今日歩いた本谷からキレットの直下80mまでの間は点検道としては機能していないように見えた。現状は危なくて下降には使えない。御在所ロープウエイ開業時(1959)の工事道路など、点検道として残っていたものは何処も劣化するばかり。伐採による倒木とヤブ化が深刻だ。赤テープまでの本谷では単独の遡行者2人に出合っている。
中道

中道は登山者が多い。さすがに「通行止」なので、例年の紅葉時期のようなキレットの渋滞はなかったが、通行止がグダグダになってしまうのはどうかと思う。
七合目で休憩して見上げる中道の北側斜面は、既にかなりの葉を落としている。
溝道で立ち止まって呼吸を整えていると、今日もストック先端にキャップがない登山者が登ってきたので先に通す。接近すると危険だ。キチガイと刃物は遠ざけるのが安全安心というものだ。
中道終点の富士見岩展望台はロープウェイの観光客と登山者で驚きの超満員だった。東方の富士山は雲があって見えないが、藤原岳の石灰石鉱山の上に見える白山は既に積雪で白かった。
御在所岳


山頂部には観光客が多く、山上ホテル跡の新設ブランコには人だかりがある。紅葉はかなりの葉を落としており、三角点から階段を下ると目前にはクマシデの実がぶら下がっていた。モリゾーとかキッコロとかの感じだね。
峠道



今日も岩場から見る峠谷の紅葉がきれいだ。武平峠手前から見る伊勢側は紅色成分が不足気味だが、やはり綺麗。雲が出て光量不足なのが残念だ。
鈴鹿スカイライン・湯の山温泉
紅葉を眺めながら鈴鹿スカイラインを下った。自動車の排気ガスは気になるが展望は良い。道端で写真を撮ると自動車通過の風で枝が揺れるけれど。


大石橋へ降りて三嶽寺へ向かう。珍しく温泉街を歩く観光客を三組も見た。一組は鎮驚庵山荘へ入って行ったが、狭い駐車場には自動車が多数あり盛況なようだ。御在所岳に登山者は沢山いたけれど、下山で通過する人しか温泉街へは来ない。大方は素通りだが。
三嶽寺ではハナノキ(だと思っている木)の紅葉が始まっているが、もう湯女守山の日陰になっており色が冴えない。登山前の朝日の時刻なら良かろうと思うが駐車場がない。駐車場として利用できた公衆浴場跡はとっくの昔に旅館専用になってしまった。
廃業した杉屋では月末まで「心霊ツアー」をやるとの新聞報道だが、何の変わりもないように見える。ただ、窓のサッシが幾つか開けられているだけだ。ロープウェイ乗り場では長蛇の乗車待ち行列に驚く。最後尾は30分待ちではとても乗れまい。時刻は14時。いまから登ると下山の行列はさらに長いだろう。皆、勇者だなぁと思ったりする。
行程表
| 7:05 | 湯の山かもしか大橋の北詰駐車地、出発 |
| 7:39 | 御在所山の家 |
| 8:02 | 点検道標識 |
| 9:07 | 中道900mに出た |
| 10:14 | 富士見岩 |
| 11:42 | 遊歩道、峠道下山口 |
| 12:30 | 鈴鹿スカイラインに下りる |
| 13:18 | 中道駐車場 |
| 13:42 | 三嶽寺(13:42-13:50) |
| 14:12 | 駐車地、到着 |