パーキンソン病(PD)
c. 聞き慣れないことばばかりでした・・・典型4症状編
パーキンソン病と関わるようになって最初に感じたことって、ことばの世界が変わったということではなかったですか?
それまでの生活では決して聞くことも使うこともなかったことばが、どんどん自分の前に現れてくるという感じ。
「PD」もその一つですが、やはり筆頭は、誰もが最初に聞くか調べる典型4症状の「振戦」、「固縮」、「無動」、「姿勢保持障害」。順に「しんせん」、「こしゅく」、「むどう」、「しせいほじしょうがい」と読みます。ぱっと聞いて何のことか分かりますか?「しせいほじしょうがい」は何となく分かりますが、ほかの三つは想像すらむずかしい。特に「しんせん」って、一体何が新しいのって感じです。
さて、リンク集で紹介している各サイトや参考図書・参考文献によると、次の意味のようです。
- 振戦(しんせん)
- 手足がふるえること。
パーキンソン病では、じっとしているときに振るえているが、何かを取ろうとすると止まるという特徴があり、このことから、「安静時振戦」、「静止時振戦」という表現が使われる場合もあります。
毎秒当たり4〜6回の規則的な振るえで、親指と他の指で丸薬を丸めるような動きになることがあり、「丸薬丸め様振戦」「丸薬丸め運動」などど呼ばれたりもします。
最初片側の手または足に現れ、経過とともに後に反対側にも広がるという特徴もあります。
英文表記では「tremor(トレマー)」。 - 固縮(こしゅく)
- 筋肉がこわばって固くなり、手足がスムーズに動かせなくなること。
「筋固縮(きんこしゅく)」と紹介されることもあります。
医師が手を持って動かしてみると抵抗があり、この抵抗が歯車のようにガクガクと断続的になるのが、パーキンソン病の筋肉の固さの特徴です(「歯車現象」または「歯車様固縮」と呼ばれています。)。
患者自身は気がつかないことが多く、診察して初めて分かることが多い症状です。そのとき、医師は「rigidity(リジディティ)がある」というように使ったりします。 - 無動(むどう)
- 動きがなくなるのではなく、動きが鈍くなること。
「akinesia(アキネジア)」と表現されることもあります。
何かをやろうとしてもすぐに動けない、動き出すまでに時間がかかる、動きだしてもゆっくりしかできないなどの症状。。
「寡動(かどう=動きがすくないこと。)」として紹介しているサイトや図書も多くあります。 - 姿勢保持障害(しせいほじしょうがい)
- 姿勢を保つことが難しい状態のこと。
「ころびやすい」とか「歩き出すと小またで小走りになってしまう、物につかまらないと止まれない」。「角を曲がりにくくなる」などのパーキンソン病の特徴的な歩行障害は、この姿勢保持障害の現われと考えられています。
言い換えると、方向転換とか急な停止時などに伴う体のバランスの崩れを防ぐとっさの素早い動作ができなくなる状態で、「姿勢反射障害」(しせいはんしゃしょうがい)と言われる場合もあるようです。
ここで大切なことは、パーキンソン病の症状の種類や程度は人によって差があり、典型4症状といっても、これらがすべて現れるわけではないということです。『患者さんの3人に1人は振るえがなく、振戦がなくてもパーキンソン病ということはあります。』(「参考文献1」2ページ)との説明もあります。「パーキンソン病=手足のふるえ」というは正しい理解ではないわけですね。
リンク集2で紹介している「Parkinson's Disease」のサイトの患者向けページの中で、この4症状についてイラスト入りでわかりやすく解説されています。
このページについてのご指摘・アドバイスをお待ちしています。peisuke@gmail.com までお願いいたします。
All Rights Reserved,Copyright ©2007 peisuke