パーキンソン病をリンクで学ぶ

i. 非運動障害もつらいです(2)・・・睡眠障害編

  睡眠障害を訴える患者さんも多いそうです。ペイスケもその1人。
  睡眠を妨げる要因も、運動症状からくるもの、自律神経症状からくるもの、精神症状からくるものと、様々なものがあるようですし、逆に、昼間の眠気や突発的睡眠の問題もあります。

不眠
眠れないこと。
病気からくる不安や気持ちの落ち込みにより、眠りを妨げられることがあります。
入眠困難(にゅうみんこんなん)・・・寝つきが悪いこと。
中途覚醒(ちゅうとかくせい)・・・夜中に目が覚めること。
夜間頻回覚醒(やかんひんかいかくせい)・・・夜中に何度も目が覚めること。
早朝覚醒(そうちょうかくせい)・・・朝早く目が覚めること。黄色錠剤マーク
寝つきの悪さ
夜間の振戦、むずむず脚症候群、周期性下肢不随運動、ジストニアなどのため、寝つきが悪くなることがあります。
むずむず脚症候群(むずむずあししょうこうぐん)
夜、床(とこ)に入るとふくらはぎを中心に蟻がはうような不安感が起こり、足をたえず動かさないといらいらする状態のこと。このため、寝つきが悪くなります。
周期性下肢不随意運動(しゅうきせいかしふずいいうんどう)
周期的に足がびくつくこと。
ジストニア(dystonia)
足先などが異常な方向に曲がり、元に戻そうとしても戻らないなどの症状。
寝返り困難
手足や背中の痛みのため、寝返りが困難となって、十分な睡眠が得られないことがあります。
夜間頻尿(やかんひんにょう)
これも睡眠の妨げになります。
レム睡眠行動障害(れむすいみんこうどうしょうがい)
レム睡眠(急速眼球運動 (Rapid Eye Movement) の見られる睡眠)の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の一つ。睡眠時随伴症に分類されます。寝言、ありありとした夢、悪夢、夢遊病など。  フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の該当ページへ
昼間の眠気、突発的睡眠黄色錠剤マーク
昼間急に眠くなることがあります。
特に、日常生活の活動中(例えば、会話、飲食、立っている状態、料理、運転時)に、がまんできないほどの強い眠気により、何の前ぶれもなく眠ってしまうことを「突発的睡眠(SOOS:Sudden onset of sleep)」といいます。
これまで述べたように夜間の睡眠がまとまってとりにくいことによるほか、薬、特にドーパミンアゴニストの副作用として突発的睡眠が取り上げられています。
「参考文献3」の中の『パーキンソン病に伴う非運動障害をめぐって』Wolfgang H.Oertelフィリップス大学マールブルク神経内科教授(インタビュアー;順天堂大学医学部脳神経内科;服部信孝氏)で、Oertel氏は、「私たちは別のグループと共同して、PD患者6,700例を対象とした大規模な調査を行っていますが、突発的睡眠は約4%の患者で認められました。」「突発的睡眠は、非麦角系のドパミンアゴニストだけではなく、麦角系のドパミンアゴニストでも起こるのです。したがって、ドパミンアゴニストを服用している患者は、その種類にかかわらず、自動車を運転することは危険です。」(同書8ページ)と述べています。
日本でも、2003年(平成15年)3月19日付けで厚生労働省から各製薬会社宛の「使用上の注意の改訂指示」の中で、[重要な基本的注意]の項の記載を、「前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。」に改訂するよう指示が出されています。(リンク集3で紹介している「医薬品医療機器情報提供ホームページ」の「使用上の注意の改訂情報」のページで確認ができます。)
ペイスケの場合は、昼間だけでなく、夜、帰宅途中で突然この症状が現れることが多いです。

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