パーキンソン病(PD)
j. 非運動障害もつらいです(3)・・・精神症状編
このテーマについても近年研究が進んでいるようですが、患者が満足できる情報は、運動障害や薬の副作用などと比べると、Web上でも、ぐっと少ないように感じます。
- うつ病
- パーキンソン病の非運動障害として、比較的よく取り上げられているのがうつ病です。
憂うつ感(感情面)と、興味・関心の低下(意欲面)が、うつ病の2大症状です。
「参考文献3」の『パーキンソン病に伴う非運動障害をめぐって』の中で、Oertel氏は、「患者の多くは体を自由に動かせる限り気分が比較的安定していますが、体がこわばってくると抑うつ状態になります。」(同書6ページ)と述べています。
また、「参考文献6」では「パーキンソン病の約50パーセントがうつ状態を合併するといわれ、QOL低下の重要な一因となっている」との記述があります。
さらには、パーキンソン病は、神経伝達物質のドーパミンの不足が運動障害の原因ですが、パーキンソン患者の場合、ほかにもセレトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質も低下していると言われていて、このことから、パーキンソン病とうつ病との関連性を説明しているものもあります(リンク集3で紹介している『Parkinsons.co.jp』サイトの「パーキンソン病と気になる症状」のページ)。 - アンヘドニア(Anhedonia)
- 興味と喜びの喪失、低下。本来なら喜びや満足感を感じられるはずの行為から、快感を見いだせなくなる状態のこと。
憂うつ感(感情面)と、興味・関心の低下(意欲面)が、うつ病の2大症状と述べましたが、パーキンソン病患者の場合、後者が強いようで、うつ病というよりは、むしろ意欲低下やアンヘドニアといった「気分障害」である、したがって何か興味が沸くようなことができると症状が軽くなる場合があるとの説明を2006年11月に参加したパーキンソン病に係る学術講演会の中やその後の主治医の診察時に聞いたことがあります。 - 疲労、倦怠感(けんたいかん)
- 疲労感や倦怠感は、身体的・精神的に感じる自覚症状で、十分な休養をとっても疲労感・倦怠感がとれないとき病的とみなされます。
「疲れ」は体が送ってくれる『休養しなさい』というサイン、とペイスケは思っています。 - 引きこもり
- 「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」(『10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン −精神保健福祉センター・保健所・市町村でどのように対応するか・援助するか−』厚生労働省・平成15年7月28日より。厚生労働省ホームページの該当ページへ)
- 不穏
- 落ち着きのないこと。
- アカシジア(akathisia)
- 静座不能。「静座」とは、心を落ち着けてじっと座っていることの意ですので、それができないということになります。
- 易怒性
- ちょっとしたこと(特に自分がこれからしようとすることをとがめられたときなど)にすぐに腹を立てたりします。
- 高揚感
- 気分の高まり。
- 幻覚
- 実際にはないものが見えたり聞こえたりすること。
- 不安
- 安心できないこと。心配に思ったり、恐怖を感じたりすること。
- パニック障害
- 強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつ。パーキンソン病が進行してくると、薬が切れた場合に起こすことがあるそうです。
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