パーキンソン病(PD)

s. COMT阻害薬−新しいタイプの薬

パーキンソン病の薬については、独り言 f の中の『パーキンソン病の基本の6種類の薬を整理しておきましょう』で6つのタイプを紹介しましたが、2007年4月から、L-ドーパの働きを助ける薬として、新しいタイプのパーキンソン病治療薬が発売開始されました。

『カテコール−0−メチル基転移酵素(COMT)阻害薬』で、通常『COMT阻害薬』として文献やサイトで紹介されています。
  口から飲んだL-ドーパがすべて脳内に移行・供給されて、ドーパミンに変換されたらいうことはないのですが、体の中には、L−ドーパを代謝して別の物質に変えてしまう酵素が存在しています。
  その一つで主に肝臓、腎臓、腸管に存在しているのが、「カテコール−0−メチル基転移酵素(COMT)」で、L−ドーパを「3−0−メチルドパ」という物質に代謝してしまいます。
  COMTの働きを抑え(阻害する)ことによって、L−ドーパの消失を遅らせ、L-ドーパの脳内への移行・供給を維持する働きをするのが、COMT阻害薬です。したがって、単独で使用されることはなく、専らL−ドーパとの併用で使用されます。

COMT阻害薬には、entacaponeとtolcaponeの2種類があるようで、そのうちのentacapone(エンタカポン)が商品となって、2007年4月から開始されたのが、「コムタン錠」です。ペイスケも8月から服用しています。

独り言 f 中の表にならって記載してみると、次のとおりとなります。

基本の薬剤名 主な働きと副作用 主な製品名
COMT阻害薬
(末梢COMT阻害薬)
<主な働き>
L−ドーポを代謝する末梢のCOMT(カテコール−0−メチル基転移酵素)という酵素を選択的に阻害し、L−ドーパが効いている時間を延ばします。単独では効果はなく、必ずレボドパ製剤(L−ドパ単剤又は末梢性ドーパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)」)と併用することにより、パーキンソン病における日内変動(wearing-off現象)の改善効果が期待できます。
  日本では新しいタイプのパーキンソン病治療薬。
<主な副作用>
急激な体温上昇、筋肉のこわばり、手足のしびれ、全身がだるい、食欲不振、突発的睡眠
コムタン(2007年4月発売開始)

  COMT阻害薬についての詳しい情報は、リンク集3で紹介している次のページからご覧いただくことができます。


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