アカヤシオの開花状況 2007
1 アカヤシオの開花状況
御在所岳・中道登山道(三重県菰野町、鈴鹿山脈)でのアカヤシオの開花状況を今年も追いかけた。
昨年は、気象条件によるものか山頂部で花が少なくて残念な思いをしたが、今年は平年並みに開花した。開花時期は上部で少し遅れ、山頂部の見頃は連休終盤から翌週前半になったようだ。連休最終日(5月6日)の雨が残念だった。四日市や彦根の平均気温データによれば、1-3月の気温は暖冬気味で推移したが、4月は平年以下となっている。春の花が早かった割には、アカヤシオが置いて行かれたことに納得してみたりする。
2 中道・標高950mにて

4月15日
場所はキレット通過後の木梯子の上。岩上からキレットを見下ろせるところ。一部の花芽は先端が赤くなり始めていた。

4月22日
翌週、同じ木。ツボミが膨らみ開花目前。付近には、既に開花している樹もある。

4月29日
同じ木。毎年、この木は多数の花を付けて目立つ。今年も派手に咲いた。北東側が開ける立地条件が良いのだろうか。
3 中道・標高1100mにて

4月22日
中道上部、岩壁北面のテラス脇にある背丈程の矮木。栄養状態はそれほど良くないが見やすい位置にある。花芽は堅くて褐色のまま。

4月29日
翌週の同じ木。開花間近を期待して登ってきたが、まだ花が開くには時間がある。4月下旬にしては気温が上がらなかったので、ツボミの膨らみが遅れたかも知れない。

5月7日
同じ木。満開。背中を向けた花ばかりだけれど。
4 開花位置の推移
次の地形図はGPSを使ってアカヤシオの開花位置を記録したもの。目測5m以内で開花していれば位置を記録し、連続している場合は10mに1点は記録する、という大雑把なルールによった。
記録範囲は鈴鹿スカイラインから山頂三角点付近まで。ほぼ1週間の間隔で5回歩いた結果であり、表道と三ツ口谷の入口付近の状況も描画してある。
4月15日(日) 御在所岳日記
4月22日(日) 御在所岳日記
4月29日(日) 御在所岳日記
5月7日(月) 御在所岳日記
5月13日(日) 御在所岳日記
鈴鹿スカイライン直下の三ツ口谷入口は、自動車を降りて直ぐのところ。堰堤のバックウォータを背にして、アカヤシオやタムシバの花を楽しめる。なお、最終日(5月13日)のアカヤシオは大半が精彩を欠き、もう花見には適さないものだった。
5 開花前線の推移
僅かなデータしかないが、中道登山道での開花前線の標高を図示してみた。山頂部での開花日は(いいかげんな)推定である。見頃の花は、開花前線の50~100m下方(標高差)に存在する。

目標物の標高
550m 鈴鹿スカイライン料金所跡 980m 北谷の展望台
800m オバレ石 1100m テラス
880m 地蔵岩 1180m 富士見岩(中道終点)
919m キレット(東側頂部) 1212m 山頂(三角点:1209.8m)
6 御在所岳の山行記録
4月15日 中道-御在所岳-表道
4月22日 中道-御在所岳-表道
4月29日 中道-御在所岳-表道
4月30日 三ツ口谷左岸尾根-鎌ヶ岳-御在所岳-裏道
5月 3日 蒼滝駐車場-裏道-ヤシオ尾根-国見岳-御在所岳-中道-駐車場
5月 7日 中道-御在所岳-表道
5月13日 中道-御在所岳-表道
地図について
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものである。(承認番号 平19総複、第306号)
アカヤシオの位置等はGPS(Empex Map21EX)で取得し、カシミール3Dを使用して上記の複製承認を得た数値地図(平成19年1月発行)に描画した。表示位置には種々の誤差を含み正確なものではない。