アカヤシオの開花状況 2006
1 アカヤシオの開花状況
今年、御在所岳・中道登山道(三重県菰野町、鈴鹿山脈)でのアカヤシオの開花は例年より1週間程度遅れた。そして、標高1000m付近ではそれなりの開花が見られたものの山頂部では花数が少なく、斜面を染めあげるには至らなかった。

2004年は不作、これに対して昨年は御在所岳周辺のタムシバ、アカヤシオ、サラサドウサン、ベニドウダンは多数の花を付けた。隔年の不作は生物的なリズムに因るところがあるのかも知れない。
しかし、高度の低いところではそれなりに開花していたので、山頂部の開花条件に問題があったようだ。4月21日に山頂で10センチの積雪、25日も降雪があったとのこと。遅い降雪という気象条件が厳しかったのだろう。
ここ数年、山頂部の開花はゴールデン・ウィークに最高潮となっていたが、今年は1週間ほど遅くなった。各地で例年にないほど残雪が多いと聞く。名古屋地方気象台の生物気象観測データによれば、ソメイヨシノの開花は平年より2日早かったが、2-3月のスイセン、ウメ、ツバキ、タンポポは2-3週間遅くなっている。
2 開花位置の推移
次の地形図は、GPSを利用してアカヤシオの開花位置を記録(赤丸)したもの。登山道から目測5m以内で開花していれば位置を記録し、それが連続している場合は10mに1点は記録する、という大雑把なルールによった。
記録範囲は鈴鹿スカイラインから山頂三角点まで。(スカイライン-中道-朝陽台-裏道下山口-カモシカセンター前-三角点)ほぼ1週間毎に4回歩いた結果である。
4月23日(日) 御在所岳日記
4月30日(日) 山行記録(鈴鹿:鎌ヶ岳・御在所岳)
5月6日(土) 御在所岳日記
5月14日(日) 御在所岳日記
昨年の様子から、中道登山道では1週間に標高200mほどで咲き上がっていくと考えていたが、概ねそのような状況かと思われる。
アカヤシオは開花期間が短い。強風が吹けば散ってしまい、地面が散華の絨毯と変わる。なんだかサクラに似ているが、御在所岳では標高差を追って3週間ほど花を楽しめる。今年は寂しい開花となり落胆させられたが、それもまた良し。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものである。(承認番号 平18総複、第328号)
3 御在所岳周辺の山行記録
4月23日 中道-御在所岳-裏道-中道
4月30日 三ツ口谷左岸尾根-鎌ヶ岳-武平峠-御在所岳-中道
5月 4日 南尾根-仙ヶ岳(仙ノ石)-仙鶏尾根-野登山-坂本道
5月 6日 裏道-三岳寺跡-ヤシオ尾根-国見岳-御在所岳-中道
5月14日 中道-御在所岳-表道