鈴鹿:油日岳
鈴鹿山脈・南端の油日岳(698m)へ南西に延びる県境尾根の末端部から登った。昼前から雨との気象情報に、三週連続になってしまうが短時間で登れる油日岳周辺の登山ルートを選択した。
- 登山日
- 2002年12月8日日曜日
- ルート
- 長野-県境尾根-油日岳-県境尾根(570m)-余野林道(三馬渓)
登山口
油日岳から南西へ延びる県境尾根の末端部には、シオノギ製薬・油日ラボラトリーズの広大な敷地が滋賀・三重両県にまたがって存在する。

このため、余野公園から県境を歩いて油日岳を目指すことが出来ない。仕方なく滋賀県側から製薬会社の北側へ回り込み、長野集落のなかを南東に抜ける舗装路を終点まで入る。
この道は三重県側の余野林道へ続いていたのだろうが、現在は立入禁止で通り抜けが出来ず、門の左右には敷地境界に沿って有刺鉄線が続いている。
国界(國界)の標石
道路終点から北側の植林帯に入った。民家の間近だが、すぐにシカが三頭ほど逃げていく。溜め池へ続く小道があるが、これを離れて有刺鉄線沿いに常緑樹のヤブを歩く。これが途切れて植林帯に出ると県境だった。
そこには、高さ1m程の石柱があり、三重県側の余野林道を見下ろせる。この石柱の下部は腐葉土のなかに埋もれているが、南東面に「近江伊賀 國界 第十」、北西面に「明治九年九月 三重滋賀」と刻まれている。そして南西面には、おそらく「従是山上連峰字三國嶽至ル間雨水分派スル此ヲ以テ國界」。尾根が平野に沈み込む場所に置かれた国境の標石。まさに、ここが鈴鹿山脈の末端部だと感じさせられる。
県境尾根


石柱から低い尾根上を北東へ歩くと、すぐに三重県側から短い道が上がってくる。舗装されていたようだが、いまは草が生えている。あとは明瞭な県境尾根を登るばかり。途中、右下に余野林道沿いの駐車場と園地が見える。(写真2)そこから県境尾根へ登ってくるものか、目印のテープ類が目立つようになった。
県境尾根が東へ向きを変えると、先週登った高間みずべ公園からの県境尾根コースが左から合流してくる。古くなった赤テープがあるだけで普通には登山道だとは気付かないだろう。目前の急斜面を登ると尾根上に「高間みずべ公園・油日岳」の標識が初めて現れるが、適切な設置場所とは思えない。
三重県側から上がってくる杣道を数えながら570mピークへ到着。鞍部へ降りて、急斜面にあえげば油日岳の山頂に到着する。少し雪が降っている。岳大明神(写真)の祠の前で、三週続けて無事に登れたことにお礼を言って早々に下山した。
下山
県境尾根を570mピークまで引き返し、三重県側の踏み跡を降りる。獣道が交錯しているのか、すぐに解らなくなるが、右手(南)へ行けば明瞭な尾根になって急下降する。やがて尾根が曖昧になってどちらへ降りようかと迷うが、右下に目印があったのでこちらへ降れば三馬渓の余野林道へ出た。「モリアオガヘルの池」の標識の7mほと上だった。このルートは踏み跡がほとんど無かったので、他の下降路を選択した方が良かったかも知れない。
林道を降って長野集落まで歩く。北側の溜め池など散策し、雲に覆われた鈴鹿南端の山々を眺めていると、水面に雨模様が広がり始めた。今日はこれでお仕舞いにした。
行程表
7:56 | 長野集落 |
8:09 | 国界の標石 |
9:03 | 高間みずべ公園からの道が合流 |
9:16 | 570mピーク |
9:43 | 油日岳 |
10:05 | 570mピーク |
10:28 | 余野林道 |
追記 2020.01.13
その後、この標石は「近江伊賀國界第十四点」であることを知る。複数ある国界標石を探してみた。山行記録の鈴鹿:油日岳・余野公園 2020-01-11 にて。