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  3. 2014年11月23日

鈴鹿:入道ヶ岳

石神のイワクラ、イシグラを経由して井戸谷右岸尾根を入道ヶ岳へ登った。下山は井戸谷登山道。通報ポイント標識5~4間は鉱山跡か。左岸の鉱山施設跡に立ち寄った。登路に使った井戸谷右岸尾根には道がなく、一般向けの登山ルートでない。念のため。

登山日
2014年11月23日日曜日
ルート
井戸谷-富士社-井戸谷右岸尾根-イシグラ-入道ヶ岳-井戸谷

井戸谷の鉱山

写真1

植林帯を井戸谷登山道で登ると、勾配が緩んだところで左が整地されていることに気付く。ここが鉱山の飯場跡だろうか。何か残されている。1948年発行の「鈴鹿の山」には、次のように入道ヶ岳の登路解説がある。

「登路として一般向きなのはハイキングコース椿神社よりナベ谷の砂防を登りマンガン鑛山の飯場前を過ぎ尾根を右に進めば鑛山跡に出る。之より谷通しにトーセキを分けて進めば鞍部に達した三角点まで僅かだ」

所要時間は椿神社から鑛山跡が1時間、鑛山跡から山頂も1時間としている。1943年11月10付け官報には三重懸鈴鹿郡椿村で入道ヶ嶽鑛業特設電話所設置が告示されており、1947年11月19日官報で廃止されている。終戦前後の短期間ながら椿村で鉱業が営まれていた。井戸谷の通報ポイント4を通過すると石組みなどあるので、この付近が鉱山跡かと思っている。

井戸谷右岸尾根

写真2写真3
写真4写真5
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飯場跡から直ぐに通報ポイント3に着く。以前はここに「石神」の標識があった。富士社の小祠があり、その背後の植林斜面に石神のイワクラが見える。小祠からの直登は厳しいので北側から回り込む。イワクラ周辺は雑然として荒れ放題だ。

ここから井戸谷右岸尾根を登る。目印は頑固に尾根上にあるが、足下が良くないところは獣道を拾う。この付近、周辺のカエデが紅葉して美しい。

写真8

尾根が常緑樹に変わると前方に白いものが見える。新しい紙垂が風に揺れていた。椿大神社の奥宮大祭に併せて、ここイシグラの注連縄が新調されたようだ。イシグラへの登拝道は北側の井戸谷から細道があるが、入口は解りにくい。

常緑樹と低いササの中を獣道を追うように目印がある。枝が切られているので利用者があるのか。やがて右前方に山頂のササ原や登山者が見え隠れする。更に目印を追うと二本松尾根の登山道870m付近飛び出した。戻ってササ原を登る。ササの勢いが衰えて褐色のシダが増えた。

写真9

入道ヶ岳の山頂は登山者多数。三角点にタッチして北ノ頭へ向かった。しかし、アセビの林を抜けると強烈な風が押し寄せる。イワクラ尾根、宮妻峡、楓谷、東海自然歩道を歩くつもりだったが、諦めて井戸谷を下った。

井戸谷

写真10写真11

通報ポイント5を過ぎて左岸へ渡り、石が堆積したところから斜面を見上げると、落ち葉の時期なら上方に石組みが見える。砂利混じりの危なっかしい急斜面を登ると、僅かな範囲だが水平な地面が確保されており、正面の灰色の岩に浅い穴が穿たれれている。試掘坑か。ほかにも岩を削った痕跡があるが規模が小さい。これだけとも思えないのだが、予定外の行動なので今日はここまで。

この下の登山道沿いにも石組みが残っている。上記「鈴鹿の山」に記載された鉱山跡だろうか。

写真4写真5

井戸谷避難小屋にはハチが頻繁に出入りしている。下山中に出合った登山者が刺されたとのこと。二段の滝まで下りると紅葉がきれい。富士社に戻った。植林が邪魔なのだが、光の具合で午前中よりも植林背後の磐座が見えやすい。

椿大神社は今日も参詣者が多い。拝殿前では短いながら行列が出来ていた。朱色の椿岸神社では婚礼の儀式が進行中。参拝して登山者用の駐車場に戻った。

行程表

9:04椿大神社駐車場
9:27井戸谷登山口(通報ポイント1)
12:00入道ヶ岳山頂
14:23井戸谷登山口
14:54駐車場
(作成 2014.11.27)