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鈴鹿:ツヅロウ・姫が池

瀧樹神社(甲賀市)を起点に、源田三角点、ツヅロウ、姫が池を徘徊した。ツヅロウ周辺では濃いヤブに苦しむ。瀧樹神社のユキワリイチゲの群落は咲き始めているが、満開まではまだ時間がありそうだった。

登山日
2019年3月9日土曜日
ルート
瀧樹神社-大澤-源田-ツヅロウ-姫が池-大澤-瀧樹神社

四等三角点・源田

瀧樹神社を参拝し、神社北側の駐車場を出発。車道を大澤集落に向かう。「大澤」は市町村合併に伴い「大沢」から変更されたらしい。集落の入口に「龍王山」の石碑があった。前に立つと視線は東を向くが、大澤竜王山は北なのだろう。地図にはこの石碑の位置から北の旧五瀬集落へ山越えの破線が延びている。

大澤集落から南へ歩き、西側のトンネルで新名神高速道路を通過。道路舗装は途切れるが轍は続く。それも自動車が転回できる程度の空き地で終わり。ここから草が生える道を緩く登り、峠からよく滑る斜面を東の尾根に登る。

写真1 源田三角点写真2 源田三角点

しばらく左(北)にネットフェンスを見ながらヤブっぽい尾根を歩くが、やがてスッキリした植林となって四等三角点・源田に到着。展望はほとんどない。

源田以降、明瞭な踏み跡が続くがケモノの足跡が多い。黙々と踏み跡を追うとササが出てくるが刈り払われていた。ピークから刈り払い道を峠に下りると、足下には「界」と刻まれた石がある。地理院地図では、この峠を林道が通過しているがそんな道はない。北側に林道終点が見える。南へ低いササを歩くと、こちらにも林道終点があった。

地図の大きさ:600×150 600×500 600×700

地図の大きさ:600×150 600×500 600×700 説明:地図表示について

この地図は Garmin eTrex30 により取得した軌跡を編集して地理院地図に重ねたもの。赤線:山道、青線:車道・林道、:姫が池

ツヅロウ・姫が池

南側林道の終点からツヅロウ北尾根に取り付けば良いのだろうが、林道を南下した。直ぐに東側に金属製のネットフェンスが現れて延々と続く。林道を左折して東へ向かうとフェンスも続き、曲がり角の植林小屋はフェンスの中で容易には出入り出来そうにない。

この辺りは路面が濡れており、前輪を空回りさせる軽四トラックに出合った。押してやり泥濘みから脱出。フェンスは北へ曲がるが、茂っておりフェンス沿いに歩くことは躊躇われる。この先、林道の南北に小池らしいものがあるが水量は少なく、北側のものは倒木で荒れていた。

写真3 ツヅロウを見上げる写真4 ツヅロウ三角点

曲がり角からツヅロウ南尾根に取り付くがよく滑る。ケモノが滑った跡もある。頂上に近づくと背丈を超えるササが現れたので、東側の植林に逃げて三角点に達した。標石にはICタグがあるが、随分と角が丸くなっていた。

三角点から北へ下り、適当な所で方向を西へ転じてササヤブを分けると平坦な植林帯に下りた。姫が池はその西側にあった。

写真5 姫が池
写真6 姫が池

姫が池は南北60mくらいの楕円形。自然の池だ。水が流れ出す場所はない。周辺にあまりヤブはなく、池の外周を概ね歩ける。通過してきた東側の植林帯は平地で、ここは建物跡だと言われれば納得しそうな場所だ。

池から北へ歩くと東西のフェンスに再会。東のツヅロウ北尾根へ上がるまで背丈を超える濃密なササヤブだった。北尾根を下るとまたフェンスがある。ササ、低木、倒木に悩まされながら尾根上のフェンス沿いに北尾根を下降して林道終点に下りた。二度と行きたくない気分だ。峠の北側の林道から大澤経由で瀧樹神社へ急いだ。

瀧樹神社のユキワリイチゲ

写真7 ユキワリイチゲ
写真8 ユキワリイチゲ写真9 ユキワリイチゲ
写真10 ユキワリイチゲ写真11 ユキワリイチゲと天狗杉

瀧樹神社のユキワリイチゲは晴天の太陽光を浴びて開花していた。場所は野州川に向かって開いた所。光がないと花は開かないようで、朝は閉じていた。少し時期が早いと思ったが良く咲いている。満開はこれからだ。何人か花の撮影をして動かない。その中に混じって写真を撮った。

ツヅロウ・姫が池について

登山地図を見ると、甲賀市土山の南に「ツヅロウ」という三角点がある。点名は「葛籠ヶ平」(つづろがひら)。標高420.1m、植林の山らしい。しかし、Googleマップで見ると地図に記載のない池がツヅロウの西側にあることに気付く。残念ながら情報がない。

そんなとき、滋賀県図書館の近江デジタル歴史街道で明治初期の滋賀県地図を閲覧していると、この付近に「姫ヶ池」などと記されていることを見つけた。近江国大絵図(安政3年)近江国全図(明治5年)新撰滋賀県管内全図(明治13年)だ。

検索すると甲賀市の昔話「姫が池の龍神と雨乞い」が出てきた。村の山奥に「つづろ」という所があり、「姫が池」と呼ばれる池があった。龍神の棲む池だと信じられ、村人達は竹筒に水を汲んで持ち帰り雨乞いをした。明治初期には参詣者が長い列をつくり、一時は茶店までできたとのこと。

「ふるさと神村」にも「陀陀法師池」とか「姫が池」と呼ばれ、同様の昔話が掲載されている。さらに、別の話として、猟から帰らぬ想い人に悲嘆した娘が池畔の観音堂にあった観音菩薩像を抱いて池に身投げしたとの話がある。後に引き上げられた観音像が岩室の大福寺の仏像という。昔、草焼をした頃は良く草が茂る場所だったともある。

また、同書の遺跡一覧には「祝詞ヶ原遺跡」等とともに「ツヅロヶ原遺跡」が見える。西に5kmほど離れた大鳥神社は「つづろ」にあったと地元民は信じており、「天王社跡(姫が池)」として遺跡地図に掲載されてもいる。これが「ツヅロヶ原遺跡」なのか。いずれにせよ、問題の池が「姫が池」であることが遺跡地図により確定した。

瀧樹神社のユキワリイチゲの開花時期にあわせて、同神社を起点にしてツヅロウ周辺を徘徊することにした。

備考

行程表

9:46瀧樹神社、出発
10:57源田三角点
11:52ツヅロウ北の峠
12:18ツヅロウ南尾根に取り付く
12:46ツヅロウ三角点
13:57ツヅロウ北の峠
14:50瀧樹神社、到着
(作成 2019.03.10)