アクセシビリティのメモ帳5

  5.車いす駐車場の整備基準(2002年12月7日)(2007年5月3日最終更新)

  車いす駐車場とは、車いす使用者用の駐車区画のことで、安全のために建物の近くに設置され、また、車いすを乗り降りさせる際にはドアを全開にする必要があることから、区画の幅が広くとってあります。
  三重県バリアフリーのまちづくり推進条例施行規則(平成19年4月1日からは「三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例施行規則」に改称されています。)では、建築物の駐車場の整備基準として、次のとおりとするよう定められています。

5-1 車いす使用者用駐車区画の設置

  全体の駐車区画が、
  30台未満のときは、1以上の駐車区画
  30台以上のときは、1以上の専用駐車区画  を次の構造で設ける。

  1. 建築物の出入口に最も近い位置に設けること。
      これは、車いす使用者は姿勢が低くなるため他のドライバーから見えにくいこと、また、使用者自身の視点も低く、車の陰から出てくる車を発見しづらいことから、建物の近くに駐車区画を設け、できるだけ移動距離を短くして、安全の確保と利便性に配慮しようとするものです。
  2. 区画の幅は、350センチメートル以上とすること。
      ドアを全開して乗り降りするために、通常の幅に比べ100センチメートル以上広くするよう定められています。
  3. 床面は、平坦とし、水はけの良い仕上げとすること。
      車と車いすとの間の乗り移りの際の危険を防止するためです。
  4. 全体の駐車区画が30台以上の場合は、車いす使用者用であることを立て看板など見やすい方法により標示すること
      運転席から駐車区画の位置を見つけやすくし、車いす使用者の誘導を図るためです。

  なお、整備基準とはなっていませんが、車いす駐車区画やそれにいたる駐車場内の通路には屋根を付けることが望ましいとされています。

屋根つき車いす駐車区画の例─三重県桑名庁舎
三重県桑名庁舎の駐車区画の写真

5-2 車いす使用者駐車区画にいたる駐車場内の通路

  車いす駐車場に通じる建物の出入口から車いす駐車場にいたる通路についても、車いす使用者が通行できるよう次の構造とすること。

  1. 表面の仕上げは、滑りにくいものとすること
  2. 通路を横断する排水溝などを設ける場合は、つえや車いすのキャスターなどが落ち込まないよう溝ふたを設けること
    ♦ 開口部分が小さく、その間隔も狭い溝ふたを設置することが必要です。
  3. 有効幅員は、120センチメートル以上とすること
    ♦ 120センチメートルは、人が横向きになれば車いすとすれ違える寸法です。
  4. 高低差がある場合は、次に定める構造の傾斜路及びその踊り場を設置するか、車いす使用者用特殊構造昇降機を設けること
    1. 有効幅員は、120センチメートル以上(傾斜路に段を併設する場合は、90センチメートル以上)とすること
    2. こう配は、12分の1(高低差が16センチメートル以下の場合にあっては、8分の1)以内とすること
      ♦屋外の傾斜路は、雨天などを考慮し、こう配を15分の1とすることが望ましいとされています。
    3. 高低差が75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏み幅150センチメートル以上の踊り場を設けること
      ♦ 傾斜路が長くなる場合には、車いす使用者が昇降中に休憩したり、加速・減速できるような平坦な部分を設ける必要があるからです。
    4. 両側に立ち上げなどを設けること
      ♦ 車いすの脱輪防止や松葉づえが落ちないよう安全上の配慮を行うことが必要です。

5-3 関連規程・マニュアル

  三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例、同条例施行規則、整備マニュアルなどは、Webサイト『三重県ユニバーサルデザインのまちづくり』で、全文が紹介されています。

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