鈴鹿:雨乞岳
武平峠から久し振りに雨乞岳の一般登山道を登った。しかし、沢谷峠までの登山道は滑落注意の表示がある荒れた道に変貌していた。
- 登山日
- 2023年10月3日火曜日
- ルート
- 武平峠-沢谷峠-クラ谷-雨乞岳-クラ谷-沢谷峠-茨谷右岸尾根
武平峠からの雨乞岳登山道
10月3日は語呂合わせで「登山の日」だとか。しかし、鈴鹿スカイラインを上れば、8時頃の中道駐車場などは何時もより自動車が少ない感じ。紅葉前の微妙な時期ではある。
武平峠に自動車を置き、14年振りに沢谷峠・クラ谷経由の一般登山道で雨乞岳へ向かった。しかし、歩き始めると様子が違う。沢谷峠までの登山道の記憶は、ササを切り開いた無難な道だった。
ところが、現状は「滑落注意」の表示を見る登山道に変わっている。ササ枯れで剥き出しになった地面が各所で崩れ、それぞれを迂回する細い道は足下が良くない。バランスを崩せば左下へと滑落する場所が多数ある。
報道によれば、9月1日、武平峠登山口から雨乞岳方面に約700メートルの地点で、友人2人と下山中だった女性(73)が滑落死。死因は肺挫傷とあった。詳細を知らないが、沢谷峠に近い場所だろうか。
地図の大きさ:600×150 600×300 600×500
地図の大きさ:600×150 600×300 600×500 地図表示について
赤線:登路、青線:下山路、沢谷峠 (1)、
沢谷峠 (2)
この地図は Garmin eTrex32x により取得した軌跡を編集して国土地理院の地形図に重ねて表示したものです。

登山道の状態が良くなると、直ぐに「遭難多発注意」の看板がある沢谷峠に着いた。なお、「鈴鹿の山と谷」では
を沢谷峠としており、自分自身の山行記録を含めて位置の呼称が混乱している。どちらが正解なのかは知らない。
この沢谷峠から先の登山道はほとんど問題はない。カマ跡(4番標識)手前で小規模な登山道崩壊を木の根をつかんで通過することが面倒だったくらい。ササ枯れで雰囲気が変わったと感じるが、青っぽい岩のクラ谷源流部で七人山との鞍部に達した。
鞍部から東雨乞岳へ登り始めると白いノギクがいっぱい。よく出合う花だが名を知らなくて残念に思う。やがて溝状の旧登山道が現れる。以前は背丈を越えるササのトンネルを頭を下げて中腰で登る苦行の道だったが、ササが枯れて左側に新しく道が出来ている。やがて樹木が消え、低いササのなかの細い溝道を登って東雨乞岳に達した。
久し振りに見る景色が展開するが、疲れたので座り込む。先客の若者がお菓子をくれるので、礼を述べてひとかけらを頂いた。
雨乞岳
元気が回復したので雨乞岳へ向かった。稲ヶ谷への下降口には「遭難・滑落事故多発」の注意看板があり、「初心者の方は入山を控え、ベテランの方も十分に注意」とある。現状を知らないが、2012年の登り(鈴鹿:雨乞岳:2012-11-25)の感触では稲ヶ谷を下降に使いたくはない。



雨乞岳山頂には1989年の日付がある「八日市山の会」の標柱が残っている。雨乞いの池である「大峠ノ沢」は周辺のササが枯れためか乾いて水がない。青空は天気予報より早く曇ってしまい残念無念。
下山
帰路に郡界尾根のルートを使うとアップダウンが辛そうなので、往路を沢谷峠まで引き返した。ここから茨谷右岸尾根を急降下して鈴鹿スカイラインに下りる。ヒザに堪えるが、武平峠の道より歩きよいかも知れない。このルートは植林の作業道を登山者が勝手に歩いているもので、登山道として管理されておらず標識はない。
出合った登山者は登りで単独4人、山頂部で11人と犬1匹(6組)、下りで単独3人ほど。
六時間余りの行程で標高差も大してないが随分と疲れた。右ヒザを痛め、四月に復帰して六ヶ月が経過したが体力に欠ける。現役引退後、毎日の通勤電車は無縁になった。親の介護で出歩く機会も少なく、存外と体力が低下したようだ。一向に回復しそうにない。
行程表
8:23 | 鈴鹿スカイライン、雨乞岳登山口、出発 |
9:04 | 沢谷峠![]() |
10:26 | 東雨乞岳-七人山の鞍部 |
11:06 | 東雨乞岳、到着(11:06-11:15) |
11:35 | 雨乞岳(11:35-13:50) |
12:03 | 東雨乞岳、到着(12:03-12:12) |
13:57 | 沢谷峠![]() |
14:30 | 鈴鹿スカイラインに下りる |
14:41 | 鈴鹿スカイライン、雨乞岳登山口、到着 |