鈴鹿:御在所岳
久し振りに表道から登った。登りに使うのは22年振り。中道はオバレ石が傾いて相変わらず通行止なので良い機会だ。
- 登山日
- 2025年6月29日日曜日
- ルート
- 表道-御在所岳-峠道
表道
百間滝橋の西側にある空っぽの駐車場に自動車を置いた。青い空と鈴生りのクマシデがある。ノリウツギやリョウブも咲き始めたが、同様に花が多いように感じる。
鳥居と開山覚順の霊神碑がある表道の登山口まで下った。御嶽教の行者たちが山頂の小祠を目指して登った表参道なので「表道」なのか。鳥居は「明治四十四年」と読める。明治の末だが114年前、明治が遠くなった。この付近の石造物は鈴鹿:御在所岳 2018-04-12で撮影しているので其方にて。裏道や山頂のものは鈴鹿:御在所岳 2018-04-03にて。あとは、大石橋北詰付近の地蔵さんと、裏道・よんの渡し左岸にあった地蔵さんらしい石像くらい。後者は土石流で流されて現存しないけれど。
表道を下りに使うことはあるが、登りに使うのは御嶽大権現の秋の大祭があった鈴鹿:御在所岳 2003-10-18以来のことだ。


鳥居を5:59に出発して擬木の階段を登る。以前は西側からササが被さって歩き難かったがササ枯れで問題なし。ただしキツイ。鈴鹿スカイラインのカーブに飛び出したところの標識には"Gozaisyodake Omotemichi Trail"とテプラが貼り付けてある。ここから木の根が這う急斜面を登る。昭和17年の観光パンフレットには「御婦人お子様でも容易」と書かれた。いくら戦時中でも違うのじゃないか。右側は深い東多古知谷だ。
補聴器なしでも聞こえる百間瀧が樹間から僅かに見える。そして、2008年豪雨の災害復旧工事で施工されたコンクリ階段を登ると滝見台の不動明王の前に出る。台座に「知立不動總持寺三河出生講」とある石仏で、鈴鹿:御在所岳 2014-09-28で愛知県知立市の総持寺を訪ねたときには地元(三重県)の寺門宗で世話をしているとのこと。しかし、マツが伸びて石像が隠れていたので昨年秋に手を出してしまった。不動の縁日である28日に表道を何度か下山したが、それらしい人の姿は見ていない。


不動さんから歩くと、今度は左に西多古知谷の滝があるが樹木でほぼ見えない。それでも頭上には青空があるし、時々は鎌ヶ岳など見える。武平峠の駐車場は満車らしい。朝日に照らされた木々は綺麗だし、急勾配だしでゆっくりと登った。
東多古知谷を横断する。大正13年の『菰野湯の山温泉名勝図絵』を見ると山頂部に「開山岩屋」とある。昭和16年の『近畿の山と谷 訂補再版』(国立国会図書館、要事前登録)には「下の鳥居から約一時間、山の鼻を廻って少し下ると清らかな谷の流れがある、之を南冷水と称し、谷べりに石室が設けられている」とある。覚順行者の岩屋か。地形は記述に一致するが、表道から眺める範囲では石室らしいものは見られない。
御在所岳
遊歩道に出て西へ歩くと白い花がある。ウツギだった。虫がたくさん、チョウは5羽ほど見える。タンナサワフタギの花は散り、リョウブやノリウツギはツボミなので、咲いているのは山頂部では少ないウツギくらいのものだ。



画像検索をすると「ツマグロヒョウモン」と出た。豹柄のチョウで、右上が雄、下が雌。地球温暖化などで北上してきたなどとある。

今日もアキアカネ。フォーカスはカメラ任せで適当に。合焦するギリギリの距離から絞りF9で撮影して、思いっきりトリミングした。しばらく付き合っているとトンボは何故か逃げなくなる。(Z50、Z50-250mm)
今日は暑くなりそうだし、2000m/月の目標はほぼ達成したので武平峠から退散した。表道の駐車場までは意外と近かった。駐車場には自動車13台、駐車率6割ほど。中道の通行止で峠道はもちろん、閑散としていた表道にも登山者がある。良い機会だった。
行程表
5:51 | 百間滝橋西詰駐車場、出発 |
5:59 | 表道登山口の鳥居へ下りて、出発 |
6:23 | 表道不動尊(6:23-6:28) |
7:52 | 山頂遊歩道に出た |
9:10 | 遊歩道、武平峠下山口 |
9:58 | 鈴鹿スカイラインに下りる |
10:13 | 駐車場、到着 |