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鈴鹿:綿向山・イハイガ岳

表参道から綿向山を登り、イハイガ岳、大峠、ツルベ谷、千種街道経由で甲津畑に下山した。原経由で西明寺の駐車場へ戻り、自動車を回収後に大屋神社の境内にある小綿向神社を参拝した。

前回(鈴鹿:綿向山 2021-10-24)は日野谷側を歩いたが、今回は佐久良谷側を徘徊することが目的。ただ、甲津畑~原~西明寺の間は思いのほか時間を要した。

登山日
2021年11月20日土曜日
ルート
西明寺-表参道-綿向山-イハイガ岳-大峠-ツルベ谷-千種街道-甲津畑-原-西明寺

綿向山表参道

西明寺の御幸橋駐車場には自動車が10台余。川沿いに歩き、案内標識に従い佐久奈度神社に登山前の参拝をする。

写真1 佐久奈度神社写真2 表参道六合目過ぎ
写真3 行者コバ写真4 綿向山山頂・大嵩神社

あとは歩き良い登山道を淡々と登るのみ。六合目過ぎで朝日を浴び、風が通る七合目の行者コバを通過、八合目で植林を離れる。九合目標識で振り返れば朝日に目が眩んだ。落した視線の先では朝露がキラキラと光っている。最後に苦行のような階段を登って山頂の大嵩神社に到着する。

社前にて二拝二拍手一拝。神社横の山頂標識が新しくなった。周辺の登山者は10人(5組)ほど。駐車場の自動車の数には見合わない感じ。

イハイガ岳・大峠

綿向山山頂から北へ歩けば、竜王山縦走コース No1 標識があるピークに数人の登山者が見え、イハイガ岳へ下っていく。何処から登ったのだろう。

写真5 イハイガ岳へ
写真6 イハイガ岳への登り写真7 イハイガ岳標識と三角点

イハイガ岳へは緩やかな下り坂。ササが消えた草原だ。樹林が現れると登りに変わり、アセビのなかの三角点に出た。十九年前に御在所岳まで歩いたときには尾根上の通過点という印象だったが、イハイガ岳への登りが少々キツイ。体力の衰えとしか。

写真8 崖・その一写真9 崖・その二
写真10 尾根北側の踏み跡を歩く写真11 大峠標識

イハイガ岳からは幹を掴んでの急降下。そして断崖が右に現れ、その崖上に道がある。すぐに北側(左)斜面の巻き道に気付いたので崖から離れるが、再び崖上に戻る。ここから巻き道を探すが見つからない。目印を追えば直接にツルベ谷へ下りる様子。戻って探せば細い踏み跡が斜面を水平に横断しているのでコレへ入り、尾根北側の細い踏み跡を歩いて地形図に破線がある鞍部に下りる。大峠は次の鞍部だ。少しヤブっぽい鞍部の東側に雨乞岳-3の標識とともに大峠標識が設置されていた。

地図の大きさ:600×150 600×300 600×500

地図の大きさ:600×150 600×300 600×500 地図表示について

赤線:登山ルート、:御幸橋駐車場(西明寺)、:佐久奈度神社、:イハイガ岳、:大峠、:甲津畑関所跡、:おふき地蔵、:大屋神社・小綿向神社、:野神(川原)

この地図は Garmin eTrex30 により取得した軌跡を編集して国土地理院の地形図(地理院タイル)に重ねて表示したものです。

ツルベ谷

写真12 ツルベ谷写真13 ツルベ谷最後の徒渉場所

ツルベ谷にはカマ跡が散在しており、一部に道が残っているが谷道なので歩きやすくはない。現状、目印を追いかけて下降すれば問題なし。最後に左岸から右岸へ徒渉する場所は谷がV字の岩溝になっており、水量が多いと水路が広く深くなって困るかも知れない。裸足になっても足裏が痛そう。

右岸のカマ跡から植林帯に上がって少し歩けば、古屋敷跡の案内板(ツルベ谷出合)がある千種街道に出た。

千種街道・甲津畑

千種街道の車道が大きく左カーブするところに「千種街道」の標識があるので、車道を離れて入った。しかし、道は良く残っているけれど、泥っぽくて枯れ枝などゴミが多い。仕方なく植林へ逃げ、石畳になったところで復帰。渋川右岸に出ると「信長の千種越えに通った甲津畑関所跡」の案内板があった。通行料を徴収していた時代のことか。

板橋を渡り、車道に出れば散歩のおばちゃん三人に捕捉されて立ち話。藤切神社前に行くが石段を見て諦め、集落内を南へ入った売店の自販機で一休み。さらに南下し、軒先で日向ぼっこの嫁姑に再捕捉。日没までに西明寺の回答に気を付けて行けと送られた。

橋を渡れば「甲津畑原線」の標識がある。平成10年度と記載された広い車道だが、山と高原地図(2021年販)には未だに記載なし。新設墓地やら、ラジコンサーキット、炭焼小屋など見て峠を越えると農業の作業小屋が幾つもあるが、もう耕作はされていない様子だ。細い県道との交差点(T字路)が近づくと猟犬を乗せた軽トラが来る。荷台を見ればシカ一頭が転がっていた。日野町側での猟の帰りのようだ。

原・西明寺

T字路から極端に狭い県道を南へ歩けば日野町-東近江市の境界。日野町側におふき地蔵があり、案内板には信長が通行して千種街道で善住坊に狙撃されたとある。

写真14ふき地蔵写真15 竜王山と原集落

県道を農耕地まで下りれば竜王山と原集落が見えた。社叢が見える西の大屋神社へ立ち寄る予定だったが、日没時刻を優先して東の西明寺へ向かう。

原には「馬頭さんが見守る原に事故なし」と書かれた看板があるが、道端の祠は主が分からなかった。集落を出て農耕地の広い車道を南東へ歩くと、後方から追ってきたのか軽トラに「何処へ行くの」と問われた。「西明寺」と回答すると「西明寺か」と応じて何も言わずに帰って行った。(「サイミョウジ」のイントネーションは→→↑という感じ。)

不審者扱いされたか。山中で焚き火でもされたら迷惑だろうが、呼び止めておいて訳もいわずに帰るなど失礼なヤツである。前方に「わたむきグリーンロード」の標識があり、直進は三峯山林道のゲート、右は西明寺への広めの舗装路だ。

周辺は三峯山南山生産森林組合の領域。西明寺まで登り100m。途中に東へ入る「三峯山村道」の厳重なゲートと日野町猟区の看板がある。物騒なことだ。退屈な道を歩き、下山者が帰り支度をしている駐車場で日没前に自動車を回収できた。もう足の裏が痛い。ソックスの二枚履きを復活させようか。

行程表

6:53西明寺・御幸橋駐車場、出発
6:58佐久奈度神社
9:04綿向山、山頂・大嵩神社(9:04-9:13)
10:18イハイガ岳
11:25大峠
11:58千種街道、ツルベ谷出合、古屋敷跡案内板
13:27岩ヶ谷林道入口、林道起点標柱
14:08甲津畑関所跡の案内板
14:54おふき地蔵
15:15原集落へ入る
16:22駐車場へ帰着

大屋神社・小綿向神社・竜王の御神木

自動車を回収後、引き返して原経由で大屋神社へ向かえば、あっという間に到着。境内にいた数頭のサルが逃げていく。照明が灯った本殿に参拝。その右に小綿向神社がある。もちろん祭神は天穂日命。杣地区にあった旧・小綿向神社(滋賀県立公文書館)が台風で倒壊し、昭和三十五年に大屋神社に遷座したとのこと。

写真16 大屋神社写真17 小綿向神社
写真18 竜王の御神木写真19 野神(川原)

鳥居前に戻れば竜王の御神木がある。案内板によれば、雨乞祈願の時は竜王山山頂にある霊石をここまで持てきたという。霊石とは山頂に置かれていた訳ありっぽい石のことか。保護されていなかったが、荒くれ者の登山者に蹴飛ばされていなければ良いのだが。

北西側から竜王山へ登りたいと思い鉄塔標識を調べたことがあるが、竜王山登山道の各所にある関係者以外立入禁止の看板(三峯山南山生産森林組合)を見て、その気も失せた。山主が嫌がるところへ押し入っても楽しくはなし。先刻の有様なので尚更ではある。雨乞の登山道を開放してもらえると嬉しいが、駐車場の確保とか、怪しい登山者の徘徊とか、地元には面倒なことばかりだろう。

小綿向神社の旧鎮座地も訪ねた。写真は川原集落の南西端にある野神。この南側、川の対岸が旧鎮座地であり、地形図には神社記号が残っている。ここからは綿向山の山頂が竜王山の右奥に僅かながら見えるようだ。もう暗いので現場は諦めた。

(作成 2021.11.22)