四足八鳥観音

  • 如意輪観音は通常6本の腕を持ち右膝を立てて座る姿で表わされることが多いのですが、特徴的なのは4本の足と8つの頭部を持つ霊鳥の背に座っていることで、「四足八鳥観音」(しそくはっちょうかんのん)と名付けられています。
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  • 座高は29.8cmで天冠台の様式や見開きの狭い伏目の形、柔らかな衣の襞や幅の狭い特に腹前の垂れ先を細くした条帛などは平安時代後期の特色が表われており、平成8年の修理で像内に久安元年(1145)の銘文が確認されました。
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  • また、金箔を押さず彩色も髪や唇に限られ、木肌のあらわな素地仕上げであることから檀像として作られたことがわかります。
  • 檀像とは、白檀の木を用いて彩色を施さず細かいところまで精緻に彫る像で、日本では白檀の代わりの木材を使って作ることが平安時代に流行りました。この像は榧(かや)で作られています。
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  • 平成11年3月17日に三重県指定有形文化財彫刻として登録されました。
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  • 通常は厨子の中に安置されており秘仏で、御開帳は住職一代に一回限りです。通常は御前立(おまえだち)を拝みます。