パーキンソン病(PD)

n. パーキンソン病の二つのものさし(1)・・・ヤール重症度に関してひと言

パーキンソン病には二つのものさし(スケール)があるということは、恥ずかしながら、このサイトを立ち上げるまで、知りませんでした。
病期(ステージ)を示すスケールとしての「ヤール重症度」と、
病態を把握するための評価尺度としての「UPDRS(Unified Parkinson's Diesease Rating Scale);パーキンソン病統一スケール」
の二つです。ペイスケは、UPDRSについては全く知りませんでした。

まず、「ヤール重症度」について・・・

パーキンソン病の病期(ステージ)、すわなち症状の重症度を示す共通のスケールとして、世界で最初に考案され、現在も世界中で広く用いられているのが、「Hoehn & Yahr 重症度」です。「ヤールの重症度分類」といったことばで紹介される場合もあります。
自分の病状が、国の特定疾患治療研究事業の対象となるかどうか、すなわち、医療費助成が受けられるかどうかが決定される場合の判断材料の一つとして用いられることから、パーキンソン病患者にとって関心の高いものさしです。
一般の人にも、2006年(平成18年)末から2007年(平成19年)1月はじめにかけての、特定疾患治療研究事業対象となる病気の見直し議論(独り言 a をご参照ください。)を通して少し知られるようになりました。

具体的な分類の内容については、リンク集2の「APPLE─明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ」の「医療関係」の中の「パーキンソン病の重症度分類」のページや、リンク集3の「Parkinsons.co.jp」の「日常生活向上のために」中の「リハビリテーション」のページでもイラスト入りで解説されています。

特定疾患治療研究事業の対象の見直し議論は、対象者をこのヤール重症度で『3』以上の人から『4』以上の人に変更すべしとの議論でしたが、ペイスケは、この特定疾患治療研究事業による医療費の公費負担制度にヤール重症度が判断材料の一つとして使われていることに疑問があります。

ヤール重症度は、主に運動障害の程度からの分類に限られているように感じられるのです。
でも、現実は、運動障害の現れ方は小さいけれど、この独り言の[ h ][ k ]で述べた非運動障害のため日常生活に支障を感じている患者さんでたくさんいるのではないでしょうか。そして、同じように薬も処方されて服用しているはずです。
でも、今の制度では、両方の手足にパーキンソニズムが出てないと「特定疾患医療受給者証の交付」を受けることができないのではないか、非運動障害でしんどい思いをしている患者は、医療費の面でもしんどい思いをし続けないといけないのか、と感じるのはペイスケだけでしょうか。

なお、5段階からなるオリジナルのYahr重症度は、段階ごとの重症度の範囲が広いため、よりきめ細かく患者の症状を評価できる『Modified Hoehn&Yahr重症度分類』があると、2006年11月のパーキンソン病に係る学術講演会で配布を受けた『ドパミン作動性パーキンソン病治療剤 ビ・シフロール錠  製品情報概要』(2006年1月/日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)の付録では紹介されていました。


 ←独り言の目次に戻る  |  独り言 o へ→

↑ページの先頭へ

 このページについてのご指摘・アドバイスをお待ちしています。peisuke@gmail.com までお願いいたします。