幼稚園評価
2018年度学校関係者評価委員会による総合評価 【A】
2018年5月23日(水)、12月8日(土)、2019年2月2日(土)に学校評価委員会を開催
学校関係者委員: 地域住民、幼稚園の保護者、カトリック四日市教会の司祭、幼稚園で園児と
関わっているエスコラピオス修道会司祭、カトリック四日市教会の信徒
2018年度学校評価目標
① | 互いの思いや考えなどをのびのびと伝え合い、また思いやりをもって受け入れ、協同して遊びを発展させる喜びを体験させる。 |
② | 葛藤やつまずきを体験した時、乗り越える力、自分の気持ちを調整する力をつけさせる。 |
③ | 食物を好き嫌いなく感謝していただき、皆で一緒に食事をする楽しさを知らせる。 |
④ | 読み聞かせに継続的に取り組み子どもたちが安心して自由な発想を表現できるようにする。 |
⑤ | 子どもの言葉や行動から読み取った思いや成長をできるだけ頻繁に伝えて、保護者との信頼を深める。 |
Ⅰ氏の評価 ①A ②A ③A ④A 総合評価A
【主なコメント】グループで何かを作るという遊びの中で判断力を身につけ、してはいけないことを「よくない」と言えるようになった。 運動会の万国旗を自主的に作った子、クリスマスの祈りを考えてちぎり絵を作ったことなどでも、自分の思いを表現し、受け入れていると思う。
K氏の評価 ①A ②A ③A ④A 総合評価A
【主なコメント】世間では「めんどうなこと」と言われる送り迎えやお弁当作りに協力してくれる保護者は信頼のたまものである。
T氏の評価 ①A ②A ③A ④A 総合評価A
【主なコメント】ここで育った親子が「帰巣本能」のように「ここしかない」という気持ちで幼稚園に戻って来る場所となっている。
F氏の評価 ①A ②A ③A ④A 総合評価A
【主なコメント】先生が、子どもの乗り越えていく力を信じているのだと思う。先生が感じた子どもの素晴らしさや課題を保護者に伝え、保護者がそれを受け止めている様子が見られた
D氏の評価 ①A ②A ③A ④A 総合評価A
【主なコメント】子どもたちは自分の考えをいつでもどこでも、特に遊びの時に自由に仲間を選び表現している。また、自分が傷ついた事をしっかりと伝えることができるし、自分が悪いときは謝ることを知っている。
2018年度 海の星カトリック幼稚園教師による自己評価 2018年12月5日
【事例1】
年少組では砂でお団子やプリンをみんなで作るのが上手になっている。一生懸命作ったプリンを踏みつぶしてしまった友だちに「〇くん、やめて。」と
Tちゃんは言えるようになった。それを見たAちゃんが「また作ればいいよ。」と言い、別の遊びをしていたRちゃんが入ってきて、
「Rちゃん(自分)も一緒に作るね。」と言って、皆で作り始めた。困ったことが起こっても、それを乗り越えて、知恵を出し合ってさらに遊びを広げていくことができるようになった。
この例をもとに、保育者が嫌な事をされた子の気持ちを、子どもになりかわって泣きながらことばにして訴えるという方法は年少児にはよくわかる、など、他の事例も比較して意見が交わされた。
【事例2】
年中児の男の子3人が、午前中の自由遊びで砂場に穴を掘り、集めた落ち葉をそこにいれて「温泉」にした。午後の遊び時間になると女の子が「なんかおふろみたい。」と言って興味を示したので、
男の子たちは水を入れ始め、声をかけて、水を持ってくる子がどんどんふえはじめた。長靴をはいていたので深さを確認し、「もっとひろげよう。」ということになったが、「砂場がプールになっちゃうね。」という保育者のことばで、
別の場所に「温泉」を作ることになり、何という名前の温泉にするか、を話し合ったり、海を造っているという発想が出たり、「ここは北海道。」などといいながら、大勢が協力して掘り始めた。一人の女児がバケツで水を運んで来たら、
水が一度にたくさん入れられることに皆が感心し、それにならい、各自のことばで気持ちをのびのび表して遊んだ。次第に年少児も加わって、皆で一つの遊びを行う様子に成長を感じた。この例では、
長靴をはいていなかった子が入れなくて残念そうだったことに気づいた保育者がどういう声掛けをしたらよかったかも話し合った。
【事例3】
年長児のクラスは「自分の気持ちを調整する」という点で、力でまたは泣くことで、あるいはやり返すことで対処するのではない、もっと良い方法を「自分で考える」ということを目標にしている。
お気に入りの絵本を二人で読んでいるところにもう二人が加わったので「床に置いたら?」と思って引っ張ったところ力が入り「痛い。」と一人が訴えると引っ張った子が泣き出した。
そこで4人がこうすればよかったと思うことを話し合った。その様子を担任は近くでじっと見て、自分たちで考えを出し合うのを見守った。この研修で、こんな時のそれぞれの子の気持ちを他の子が分かるようにしてあげるにはどうしたらいいかについて、
話し合った。またすぐに泣いてしまう子の課題は何なのか、を、保育者は総合的に見て導く必要があることを確認した。
食事時間を1時間半をめやすにしている。「ひじきは苦手」という子に、「おいしかったよ。」と伝えてくれる子がいて、食べることができるようになったりするのは、皆で同じものを食しているおかげである。
一時間程度で昼食を食べるようにしているが、お弁当の日は早く食べることができる。給食のメニューで「ゆでキャベツ」「しいたけ」が苦手な子が多いが、
「キャベツだね。」と、言葉に出して意識することで食べる順番を工夫するなどしている。皆で食べることで苦手な食物が減ってきている。
小学校の昼食時間(30分)を時計で示して意識を持たせ、1時間で食べきるようにしている。お弁当の日は45分。全部食べ終わること、きれいな食べ方、座り方、箸を使うことを指導している。
最初みられた箸の使い方の個人差がなくなってきた。「これを食べると風邪をひかないよ。」などその食品の栄養や働きを伝えてくれる子がいる。
個々が自分で工夫して食べ終えられるように努力しているが、家庭の間食の状況などを聞いて対応する必要がある子もいる。
全体に読み聞かせをしている時、「家にこの絵本あるよ。」「英語が書いてある。」など気づいた事をたくさん伝えてくれる。昼食後に自由に読むときは、先生の膝で抱っこされて読んでもらうのがお気に入りの子が多い。
ことば遊びの絵本が好きである。全体に読み聞かせをするときは、文字の無いページや小さく描かれているものにも興味を示して想像したことを話したり、動物の気持ちを想像してことばにしたりして楽しむ。
これから、少し長い話の絵本にチャレンジしていきたい。
家にある「おすすめの本」を持ってきて担任に読んでもらう。持ってきた子がおもしろさを皆と共有したいという意図が見られる。難しい言葉が出てきても、あえて忠実に読んで、
「なんていう意味?」と考えることも期待している。自由に発想を膨らませて絵に描いてみることも計画して、題材を探していきたい。
連絡帳でのやりとりと、朝、帰りの送り迎えの際に保護者と言葉を交すようにしている。保護者からみた子どもの変化が実は「成長」であることを伝えるのは、とても重要だと気づいた。
なんでも率先して取り組む活発な子どもが、実は文字・数字をほかの子より知らないことに自分で気づいて落胆しているエピソードを保護者に伝えると、家庭でも少しずつ練習させる協力を得ることができ、
子どもも意欲的に取り組んでいるようで、連携の大切さがわかった。
これまでにのべ9回の保護者面談を行ったが、「お泊り保育」に関することが多かった。子どもの様子を的確に伝えられるように、その子のエピソード、その子のことばを記録していつも準備している。
子どものことばをそのまま伝えることで、その子の困っている事を保護者が理解してくれると思う。