アクセシビリティのメモ帳2
2.ことばの意味 (2002年11月30日) (2006年10月29日最終更新)
- ノーマライゼーション(nomalization)
- バリアフリー(barrierfree)
- 4つのバリア
- ユニバーサルデザイン(Universal Design)
- ユニバーサルデザイン(UD)の7つの原則
- Webアクセシブル
- 共用品(きょうようひん)
- 桑員バリアフリーの会と名付けた理由
● ノーマライゼーション(nomalization)
高齢者等の心身の機能低下や、障害のある人すべてが、一般 健常人と同じように生活を営む権利があり、社会としてそれを支援していかなければならないという理念。
すべての人々が、たとえハンディを持ったとしても、その人の生活の質(QOL)を向上できるような社会へと、この社会が成熟していくための大切な道しるべ。
● バリアフリー(barrierfree)
バリア(barrier=防壁、障害)がないこと。人と人とを隔てたり、人の自由な行動を妨げたりする障壁のないこと。このような社会をつくることを「バリアフリーのまちづくり」と表現されています。
バリアフリーのまちづくりの理念は、三重県バリアフリーのまちづくり条例(平成11年3月19日三重県 条例第2号)の前文に、よく表されていると思います。引用します。
障害のある人もない人も、高齢者も若者も、すべての人の人権が尊重され、共に暮らすことができる社会を実現することは、私たち県民すべての願いである。
こうした社会を実現するためには、社会のあらゆる分野における人々の自由な参加を拒んでいる様々な障壁をなくし、一人ひとりが互いの価値を認め合いながら、自由に行動し、安全で快適に生活できるバリアフリーのまちづくりに取り組む必要がある。
ここに、私たちは、障害者、高齢者等にとって暮らしやすいまちが、すべての人にとって暮らしやすいまちであるという認識に立ち、共に力をあわせ、人間性豊かな社会の実現を目指して、この条例を制定する
● 4つのバリア
バリアにはハード面とソフト面があり、ハード面としては「物理的なバリア」が、ソフト面としては、「制度のバリア」、「情報のバリア」、「こころのバリア」があるとされています。
- 物理的なバリア・・・建築物、都市環境(道路、公園など)、機械設備、商品
- 制度のバリア・・・資格、学歴
- 情報のバリア・・・点字や手話サービスの欠如、デジタルデバイト(電子情報へのアクセスが困難)
- こころのバリア・・・人の意識や態度
これらを総称して4つのバリアと呼ばれています。
● ユニバーサルデザイン(Universal Design)
- できるだけさまざまな人にとって、まちやものを使いやすくすること。
- 女性や子ども、外国人、高齢者、障害者などの多様なニーズを持つひとのことをできるだけ最初から考えて、まちやもの、サービスを作ること。
● ユニバーサルデザイン(UD)の7つの原則
1970年代にアメリカのノースカロライナ大学のRon・Mace(ロン・メイズ)氏が提唱。
- 誰にでも公平に利用できること
- 使ううえで自由度が高いこと
- 使い方が簡単ですぐわかること
- 必要な情報がすぐに理解できること
- うっかりミスや危険につながらないデザインであること
- 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
- アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
ユニバーサルデザインの意義や7つの原則の具体的な内容などについては、UDIT(ユーディット:情報のユニバーサルデザインを進めている会社)や清水茜さんのサイトに詳しく載っています。「アクセシブルなリンク集」の中で、リンクが貼ってありますので参考としてください。
● Webアクセシブル
高齢者や障害者など、心身の機能に制約のある人でもWeb(ウェブ=インターネットやイントラネットなどで標準的に用いられているドキュメントシステム。)で提供されている情報に問題なくアクセスし利用できること。(アクセシブル=accessible 近づきやすい、利用しやすいという意味)
Webアクセシビブルについては、メモ7.Webアクセシビリティについてで参照してください。
● 共用品(きょうようひん)
みんなが使える製品。
一般品であり、福祉用具でもない物で、その両者をつなぐものといわれています。
ことばの定義付けについて、「アクセシブル・デザイン」という表現で統一されつつあるとの記事が、2002年9月10日付けのシルバー産業新聞に載っていました。
いままでは、アメリカからはユニバーサル・デザイン、ヨーロッパからはデザイン・フォー・オールと主張されてきましたが、現実的な対応や環境が整備されることの必要性から、「みんなのために」というより「使えるデザイン」といったほうがデザイナーも設計を拒否できなくなり、ひいては製品が広まるとして、イギリス、アメリカからこのことばが提案されたのだそうです。
共用品についての詳しい情報は、共用品推進機構のサイトへ
共用品への気づきや、その普及は、「ある人には平気なことも、困っている人がいることに気づく」きっかけになると思います。
● 桑員バリアフリーの会と名付けた理由(「ユニバーサルデザイン」への流れがある中で)
これについては、桑員バリアフリーの会設立総会(2002年9月16日)の場で発表された「設立趣旨と経緯」の中でふれられています。引用します。
この社会には、子どもから高齢者、男性と女性、病気やケガ、あるいは身体に障害のあるかたとそうでないかたなど、すべての人たちが、主体的に生き生きと社会生活を営んでいくうえで、さまざまなバリアがあります。
すでに、バリアフリーからユニバーサルデザインへと一歩進んだ考え方に移行しつつありますが、まだまだ現にあるバリアを取り除くことは必要であります。
そのためには、行政の一層の努力も大切ですが、もっと大事なことは、国民みんながバリアに関心を持つこと、バリアに対する意識の向上ではないでしょうか。
これからの日本は他の先進国にも類を見ない速さで高齢化が進んでおり、私たちのまちもその例外ではありません。13年後の2015年には、高齢化率が25%になるといわれ、4人に1人が高齢者になると予測されています。
「バリアフリーのまち」とは決して理想の社会ではありません。また、理想どうりの社会やまちづくりはありえないのです。
バリアフリーとは、ハード面ばかりでなくて、ソフト面においても、みんなが少しずつ我慢することでもあります。その我慢を同じ割合にすることである」ということも私たちは勉強してまいりました。
そこで、私たちはノーマライゼイションの理念に基づいて「誰もが安全で自由に行動し、安心して快適に暮らせる、やさしさの感じられる地域社会を目指したバリアフリーのまちづくりに貢献していくこと」を目的として、ここに「桑員バリアフリーの会」を設立することといたしました。
この中の「バリアフリーとは、ハード面ばかりでなくて、ソフト面においても、みんなが少しずつ我慢することであり、その我慢を同じ割合にすることである」というのが、会員の共通認識です。
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