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目次

平成8

愛の言霊〜Spiritual Message〜,I’m prouda walk in the park,青いイナズマ,明日へと駆け出してゆこう,アジアの純真,熱くなれ,Another Orion,あなたに逢いたくて〜Missing You〜, ALICE,いいわけ,YELLOW YELLOW HAPPY,イージュ―★ライダー,Is this loveCan’t Stop Fallin’ in Loveグロリアス,恋心,心を開いて,これが私の生きる道,SHAKE,白い雲のように,JAMSTEADYSPARKSwallowtail Butterfly〜あいのうた〜,save your dreamそばかす,TacticsDAN DAN 心魅かれてく,チェリー,珍島物語,DEPARTURES,田園,Don’t wanna cry,渚,涙の影,名もなき詩,はだかの王様〜シブトクつよく〜,花-Memento-Mori-ため息色した],バンザイ〜好きでよかった〜,BELOVEDForever LoveFRIENDSHIPBaby baby babyBODY & SOUL,マイフレンド,マシンガンをぶっ放せ-Mr.Chidren Bootleg-,ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜,ミッドナイト・シャッフル,胸さわぎを頼むよ,You’re my sunshine,ラストシーン,LALALA LOVE SONGReal Thing Shakes

 

愛の言霊~Spiritual Message~(2020.12.12)

平成8年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄;サザンオールスターズ

 「生まれく抒情詩(せりふ)とは蒼き星の総和」と始まる。

 私には理解しがたい。その前に唄を聴いただけでは何と唄っているのかすら解らない。

 例えば「閻魔(エンマ)堂は 闇や 宵や宵や」とか「童(わ)っぱラッパ 忘れ得ぬ父よ母よ」などというのが聞きとれるのだろうか。

 最後には「僕はどこから来たのか この魂は誰のものなのか」などという詞があるようなのでそのような歌なのだろうが,この解りやすそうなフレーズもいつの間にか気付かないうちに終わってしまう。

 このように難しい話を歌に入れようとしてこのように解りにくい歌になったのだろうか。

 歌詞を読むと「抒情詩(せりふ)」という単語が何度か現れているが,私が持つ「抒情詩」のイメージをその箇所に収めようとしても極めて収まりが悪い。桑田は私とは単語の用法が異なるのだろう。これは世代の差かもしれない。

 

I’m proud (2020.12.29)

平成8年,詞:小室哲也,曲:小室哲也,唄:華原朋美

 「Lonely くじけそうな姿 窓に映して あてもなく歩いた」と始まる。

 「I’m proud」が理解できないからかもしれないが,解らない詞だ。もちろん聴いてもわからないが,文字で何回読んでも解らない。これほど解らないから華原の歌声も外国語の歌のように,意味のない音の羅列に聴こえ,それがかえって心地よい。心地よいといっても私にはテクノ系は若干の抵抗があるのだが。

 

a walk in the park(2021.4.14)

平成8年,詞:TETSUYA KOMURO,曲:TETSUYA KOMURO,唄:安室奈美恵

 「さみしかったよって 口に出せない」と始まる歌。

 個々のフレーズに難解な言葉はないのだが,フレーズ間の関係が理解できないため全体として理解できない。「a walk in the park」というフレーズが最も数多く現れるのだが,何のことか解らない。公園内を散歩するように誰でも簡単にできることとかいう説明をみたことがあるが,説明になっているとは思えない。「本当は あなたにも そばにいて欲しい」というのが主テーマではないかと思うのだが,他のフレーズがこれが主テーマだと指し示しているようには感じられない。

 

青いイナズマ(2022.12.5)

平成8年,詞:森浩美,曲:林田健司,唄:SMAP

 「君の態度が変わったと キスを避けるしぐさで気づく」と始まる。

 「君の電話が留守にかわれば 眠れなくて」などと相手の心が他に移ったんじゃないかと心配する歌。その心配は当たっているだろう。「青いイナズマ」とはジェラシーのことで,「青いイナズマがボクを責める 炎すべてを灼き尽くす」と嫉妬に狂う歌。

 「見苦しいほどに 問いただせたら 悲痛な気持ちも 楽になれるけど」などと言っているが,問いただしても楽にはなれないだろう。せめてその思いを歌にはき出し,楽になった気持ちにでもなってくれ。

フジテレビ系『SMAP×SMAP』の最初のテーマソング。

 

明日へと駆け出してゆこう(2021.6.30)

平成8年,詞:Seiko Matsuda,曲:Seiko MatsudaRyo Ogura,唄:松田聖子

 「きらめく陽の光 体いっぱい浴びて 一日が始まる」と始まる。

 「恋も仕事も何でもチャレンジするのよ 新しい私になって」「泣いたその分は幸せに きっとなれるはず」「明日へと駆け出してゆこう」という歌。尚、「明日」は「あした」と発音している。

 人生,何度も再チャレンジできるという時代の歌。「本当の愛 きっと捜せるでしょう」というのはその通りだが「本当の愛」という言葉に幻想を抱いていなければの話だ。

 

アジアの純真(2021.7.28)

平成8年,詞:井上陽水,曲:奥田民生,唄;PUFFY

 「北京 ベルリン ダブリン リベリア 束になって 輪になって」と始まる。

 「美人 アリラン ガムラン ラザニア」などとでてくると,何のリストだろうと疑問しか出て来ない。「火山 マゼラン シャンハイ マラリア」なども疑問が湧くが,どうも言葉遊びのようだ。他の箇所も言葉遊びが続き,最後は唐突に「アクセス ラブ」と終わる。

 このような,意味不明の歌詞の歌は昭和にもあったような気がするが,意味不明の歌詞を覚えることは極めて困難で,すぐには思い出さない。

このような詞に「アジアの純真」というタイトルを付けたのが陽水の独自性なのだろうか。

 

熱くなれ(2022.6.29)

平成8年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,唄:大黒摩季

 「泣きたいのに笑ったり 冷たいふりをしたり」と始まる。

 このようにアップテンポな曲についていくには歳をとりすぎたようだ。それでも「やっぱりあなたが好きだから」という思いは伝わってくる。「伝えたい 伝わらない 大事なことだけは」というもどかしさ。

 過去にはいろいろあったようだが,「正義が社会を救えないなら アイしかないでしょう」という心境に達したのか。「あなたと生きていきたい 二度と もう 迷わない」とあふれ出る熱量を感じる歌。

NHKアトランタオリンピック放送のテーマソングの一つ。

 

Another Orion(2022.4.20)

平成8年,詞:藤井フミヤ,曲:増本直樹,唄:藤井フミヤ

「夜空が 夕焼けを 包む オリオンを見つけたよ ごらん」と始まる。

「別れじゃなくて これが出会いさ」と言っているが,「たとえどんなに離れていても」とあることからも,別れの歌だ。ただ,「これが出会いさ」は口先だけでなく,何となく誠を感じる。

「たとえどんなに離れていても あの星を見上げてる いつでも」のような星の使い方は昭和以前を思わせる。昭和の一時期,大気汚染で星空もあまり見えなかった時期もあったが,その時でもオリオンのような目立つ星座は見つけることができた。月や星に語り掛けたりする歌は少なからずあった。

タイトルの「Another」の意味は今一つ理解できないが。

TBS系テレビドラマ『硝子のかけらたち』(藤井フミヤ,松雪泰子)の主題歌。

 

あなたに逢いたくて〜Missing You(2021.6.3)

平成8年,詞:Seiko Matsuda,曲:Seiko MatsudaRyo Ogura,唄:松田聖子

 「二人の部屋の 扉を閉めて 想い出たちに“さよなら”告げた」と始まる。

 昭和のアイドル歌謡の雰囲気を色濃く残しており,昭和の時代にはそれほど好みだったわけではないが,いまとなってはとても懐かしい雰囲気だ。

 「二人で未来 築きたかった」と言ってみてももう過去は戻らない。それでも「あなたに逢いたくて 逢いたくて」という気持ちは痛い程伝わって来る。

 

ALICE(2021.10.22)

平成8年,詞:小林武史・AKKO,曲:小林武史,唄;My Little Lover

 「“愛”って 何処にでもあるって いうけど」と始まる。

 歌詞の日本語としてのアクセントと合わない曲にのせられており,いかにも平成的な歌。もちろん聴いても解らないが,歌詞を読んでもよく解らない。歌詞の最後に「そして アリスのように 不思議さを受け止めたら」と初めて「アリス」が登場する。これはルイス・キャロルの不思議の国のアリスのことだろう。そうだとすると登場するのは人語を話すウサギやトランプが登場するのだから私が論理的に分るはずがない。

 解らないなりに感じるのは「いつだって恋だけが 素敵なことでしょう」という思いだが,「恋だけじゃ 愛にたどり着けない」とも言っている。それでも「恋」をというのだが,それが「あなたに罪を 打ち明けたいのよ」の「罪」なのだろうか。

 

いいわけ(2022.2.14)

平成8年,詞:つんく,曲:つんく,唄:シャ乱Q

 「淋しい夜は ごめんだ 淋しい夜は つまんない」と始まる。

フジテレビ系『Age, 35恋しくて』(中井貴一,田中美佐子,瀬戸朝香)の主題歌。ドラマの原作は柴門ふみの漫画『Age, 35』。

唄は,歌詞もよく聞き取れるように思うのだが解らない。不倫ドラマらしいのでそのように聞いてみようと思ってもどうもわからない。なんとなく「淋しい」というイメージが湧くが,これが不倫の「いいわけ」ということなのだろうか。

 

YELLOW YELLOW HAPPY(2023.2.13)

平成8年,詞:CHIAKI&ポケットビスケッツ,曲:パッパラー河合,唄:ポケットビスケッツ

 「もしも 生まれ変わっても また私に生まれたい この体と この色で 生き抜いてきたんだから」と始まる。

 前向きに生きている印象を受ける歌詞だが,タイトルの「YELLOW」と歌詞に現れる「黄色」との関係などよく理解できないところがあり,歌詞全体も詳細まで理解できたとは言えない。

 色は国や地方により差がある。色そのものもそうだし,色の持つイメージもそうだ。

例えば,日本では昔は4色(正確には2色)しか色がなかったらしい。赤い,青い,白い、黒いと色名の後ろに『い』をつけて形容詞にすることができる4色だ。他の色を表すにはその色の代表的な物の名を色の名として使っていたようだ。ニュートンが虹を7色と決めたらしいが,世界には7以外の数の色の虹を持つ国は幾つもある。

海外小説に登場する『黄色い犬』,『黄色い封筒』,『黄色い靴』など,日本語に訳すには『茶色』と訳したほうが良いと思われる例も見かける。Yellow paperなどと使われるyellowのニュアンスも日本語の黄色では十分表現されているとは言えないだろう。この歌では「黄色い映画」という歌詞があるが,どんな映画なのだろう。

 日本テレビ系のバラエティ『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(ウッチャンナンチャン,キャイ〜ンほか)のエンディングテーマ。ポケットビスケッツは同番組内企画でつくられたユニット(内村光良,千秋,ウド鈴木)。略称ポケビ。

 

イージュー★ライダー(2024.10.8)

平成8年,詞:奥田民生,曲:奥田民生,唄:奥田民生

 「何もないな 誰もいないな 快適なスピードで 道はただ延々続く 話しながら 歌いながら」と始まる。

 奥田が青春の自由とはこういうものだということを書いた歌なのだろう。解るような気もするし?が付きそうなフレーズもある。奥田の思いがでており悪くない。

 イージューとは業界用語でE10のことだとか。これが30を意味するらしいからECDEFGABC3番目というのは私の想像だ。音名とか階名の音楽用語が小中学校で習った用語と変わっているらしくよく解らない。要するにこのE10でここでは30歳を表していると同時にイージー・ライダーをかけたものだそうだ(Wikipedia)。『ふーん』と言うしかない。

 

Is this love(2024.4.5)

平成8年,詞:TETSUYA KOMROMARC,曲:TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「Is this love?」の繰り返しから始まる。「?」はタイトルには付いていないが,書かれた歌詞には付いている。

 私には全く理解できない歌。個々のセンテンスは解るよう気もするが,全体で何を訴えたいのか理解できない。「あなたのことが 好きだから」「あなたにも 好きでいて欲しい」というのが主題なのではないかと思うのだが,他の箇所が子の主題にどのように繋がっているのか解らない。曲もラップもどきの部分も少なくなく,私には馴染めない。

 

Can’t Stop Fallin’ in Love(2022.3.18)

平成8年,詞:TETSUYA KOMUROMARC,曲:TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「Can’t stop fallin’ in love Can’t help fallin’ in love Make me feel so mad Make me feel so sad」とバックで繰り返された後,「いつもは指輪をはずしていたのに」と始まる。

 日本語の部分の歌詞はほとんど聞き取れると思うのだが,意味が全く心に浸み込んで来ない。例えば「あなたの髪にふれ 私ができること 何だかわかった」とあるが私にはまったくわからない。『寿限無寿限無五劫の擦り切れ』なども聴いただけでは何のことかわからないが説明があってはじめて解る。ところがこの歌の歌詞は,作詞者は解っているのだろうが説明がないので聴いていて解らない。また,昭和の歌ではサビは高音で唄われることが多かったと思う。この歌も高音部はあるのだが,この部分がサビだとは感じられない。メロディーも抑揚のない箇所があったりして昭和歌謡とはかなり違う。

 一曲を通してリズムは明確に刻まれているので,私のようなリズム音痴でも踊れるのではないかと思うほどだ。結局,ダンス音楽なのだろう。

 

Can’t Stop Fallin’in Love(2024.1.26)

平成8年,詞:TETSUYA KOMUROMARK,曲:TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「Can’t stop fallin’ in love   Can’t stop fallin’ in love  Make me feel so mad  Make me feel so sad」と始まる。

 何回か出て来る英語の歌詞も,この英文が繰り返されるだけだから,難しい英語というわけではない。

 「いつもは 指輪をはずしていたのに どうして 昨日は腕も組んでいたの?」など,細切れには意味が理解できていると思うのだが,全体でどのような意味なのか,経験不足な私には理解できない。

 曲は私が予測した音の流れから半音ずれている箇所が何箇所もあり,強い違和感を持つ。ユーミンを初めて聞いた時もコード進行に違和感を持ったがそのうちに慣れた。当時は私も若く柔軟性があったということだろう。硬直した今の感性では小室の曲に慣れることはないかも知れない。

 

グロリアス(2023.12.22)

平成8年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「誰かの錆びたあのイノセンス 木もれ日に揺れている 生まれた街の片隅に 遠い日の忘れ物」と始まる。

 「誰ひとり 別々のゴールに向かう事 サヨナラを 言葉にはできず はしゃいでる」と現在形だが,すぐに「恋に恋焦がれ恋に泣く 心から Ah  愛しい oh Teenage Memories」とあるので,10代の回想のようだ。

 昭和なら『高校三年生』1)ということなのだろう。昭和のこの歌に登場したカタカナ言葉は『フォークダンス』だが,平成のこの歌では「イノセンス」だ。最後も,昭和では「歌おうこの歌を」なのに,平成では「I sing my dream forever」だ。

 昭和も平成も,思いは同じようだが表現する言葉が異なる。曲もだ。

 

恋心(2022.5.24)

平成8年,詞:織田哲郎,曲:織田哲郎,唄:相川七瀬

 「ねえ 教えて欲しい もう 戻れないの?」と始まる。

 「どんな時も笑いあえたあの頃を こんなにも遠く感じながら」という状況になってしまっている。

 「恋心 ひそやかに今 夜にはぐれたままで」と唄うがメロディーはとてもひそやかとは言えないにぎやかさで,「時の迷路まよいこんだ 愛を探してる」という箇所も迷路の中をそんなに走り回ったら,ますます探す道が解らなくなるのではないかと思う速さだ。まあ,これが平成流かもしれないが。

 

心を開いて(2023.4.24)

平成8年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD

 「私はあなたが想ってる様な人では ないかもしれない」と始まる。

 「このままずっと 忘れたくない」とか「忘れようとすればする程 好きになる それが誤解や錯覚でも心を開いて」と。互いに誤解しているかもしれないが,どんどん好きになっていく。

 平成の歌は解らない歌が多いが,ZARDの歌は解る気がする。

 

これが私の生きる道(2021.9.22)

平成8年,詞:奥田民生,曲:奥田民生,唄:PUFFY

 「近ごろ私達は いい感じ 悪いわね ありがとね これからも よろしくね」と始まる。

 昭和のアイドルソングの雰囲気が色濃く残っている。歌詞はよく聞こえるように思うのだが,何が言いたいのかよく理解できない。

 「もしも誰かが 不安だったら 助けてあげられなくはない うまくいっても ダメになっても それがあなたの生きる道」と親切な振りをして,結局は突き放すのか。

 結局,自分たちも「少しくらいは 不安だってば これが私の生きる道」と他人を突き放すのではなく,自分たちのように生きていけと言っているようだ。

 要するに,心配だ,不安だと言っている者に,あまり気にせずに生きていくようにと言っているのだろう。

 

SHAKE(2021.8.24)

平成8年,詞:森浩美,曲:小森田実,唄:SMAP

 「“きょう会わない?”ってキミの電話 ボクも今そう思っていた」と始まる。

 「チョーベリベリ最高ヒッピハッピシェイク」とか,よく解らないけれどハッピーそうだということ感じられるが,何でそんなにハッピーなのかは「ポケットティッシュを2個もらった」などいくつか理由は挙げられているがよく解らない。

 「あしたからハレルヤ ふたりならヤレルヤ」と何度も繰り返されているが,全体として私が唄いたいと思う詞ではない。

 曲も私が子供の頃作った曲みたいで私にはイマイチだ。もっとも私の作った曲とは違うことは私も認める。他人が聴けば全く違うというかもしれない。聴く者に自分でも作れそうと思わせる高度な技術かもしれない。

 

白い雲のように(2021.3.22)

 平成8年,詞:藤井フミヤ,曲:藤井尚之,唄:猿岩石

 「遠ざかる雲を見つめて まるで僕たちのようだねと君がつぶやく」と始まる。

 日本テレビ系のバラエティ『進め!電波少年』で企画されたユーラシア大陸横断ヒッチハイクに出演した猿岩石が帰国後リリースした曲。

 「ポケットのコインを集めて 行けるところまで行こうかと君がつぶやく」など,少しは状況が示されるが,結局は「風に吹かれて消えてゆくのさ 僕らの足跡 風に吹かれて歩いて行くのさ 白い雲のように」というのが繰り返されるだけだ。

 

JAM(2023.10.14)

平成8年,詞:吉井和哉、曲:吉井和哉,唄:THE YELLOW MONKEY

 「暗い部屋で一人 テレビはつけたまま 僕は震えている 何か始めようと」と始まる。

 ここらあたりまではイメージが湧くが,「儚さに包まれて 切なさに酔いしれて 影も形もない僕は 素敵な物が欲しいけど あんまり売ってないから 好きな歌を歌う」あたりになってくるともうよく解らない。

 「この世界に真っ赤なジャムを塗って 食べようとする奴がいても」になるともう何の比喩なのかもわからない。ただここで初めて,タイトルの「JAM」が「真っ赤なジャム」のことらしいと想像はできたが,結局何のことかは解らない。

 「外国で飛行機が堕ちました ニュースキャスターは嬉しそうに 『乗客に日本人はいませんでした』」という歌詞は「僕は何を想えばいいんだろう 僕は何ていえばいいんだろう」と続いているが,ニュースキャスターに共感しているのかどうかもわからない。まあニュースキャスターに全面賛成というわけではない雰囲気だけ伝わって売る。

 最後は「君に逢いたくて 君に逢いたくて また明日を待ってる」と終わるのだが,ジャムの話やニュースキャスターの話とどう繋がるのか私の認知能力では理解できない。

 

STEADY(2020.11.24)

平成8年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「逢いたくてたまらない 想い出すだけで 胸がギュッとなる」と始まる。

 「かけがえのないあなたの かけがえのない人になって行きたい」とまだその地位には到達できていないようだ。だから最後も「WANNA BE YOUR STEADY!」と終わる。

 SPEEDのメンバーは私から見ると子供だ。昭和のPTAとしては子供にこんな歌をうたわせてと苦言を呈したくもなるが,昭和の時代にもこのような歌はあった。PTAから見れば子供でも彼女たちはそうは考えていないのだろう。

 歌もダンスも上手い。好きかと問われると即答はできないが。

 昭和の末期ごろから,日本語のイントネーションを無視した歌詞とメロディの組み合わせが多くなった。この歌もそうだが,歌唱力で詞をはっきり聞かせることができている。とはいっても英語の部分やラップ調の箇所は耳が慣れていないので聞き取れない。

 ダンスが上手いと書いたが,もちろん私に上手・下手の判断はできない。ただ,似たようなダンスをしている他のアイドルと比べて身体の動きが良く見えるというだけだ。身体が軽いのかもしれない。

 

SPARK(2024.3.1)

平成8年,詞:吉井和哉,曲:吉井和哉,唄:THE YELLO MONKEY

 「目を閉じて始めよう この夜は誰のものでもない 唇を噛み合って 目眩がするほど抱き合って 確かめたい 生きていたい」と始まる。

 若い頃聴いたロックはこんな感じのリズムだった。懐かしい。しかし曲はところどころ音が半音予測からずれる。globeの曲ほどではないが違和感はある。

 歌詞は「君とスパーク 愛のスピーク」とか「君とスパーク 夜はスネーク」など,韻を踏もうというのかもしれないが,駄洒落のように聞こえ,訴える力が弱くなるように感じる。「永遠なんて一秒できまる 永遠なんていらないから」がロックだろう。これを主張すればいいのではないか。

 TBS系『COUNT DOWN TV967月エンディングテーマ。

 

Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜(2022.9.6)

平成8年,詞:岩井俊二・CHARA・小林武史,曲:小林武史,唄:YEN TOWN BAND

 「止まった手のひら ふるえてるの 躊躇して この空の 青の青さに心細くなる」と始まる。

 「あなたは雲の影に 明日の夢を追いかけてた 私はうわのそらで 別れを想った」と二人の気持ちのずれが始まっているようだ。「世界は夜を乗り越えていく」とか「ママのくつで 速く走れなかった」など,私には十分理解できないフレーズがいくつかあった後,最後は「そしてあいのうたが 響きだして 私はあいのうたで あなたを探しはじめる」と終わるのでハッピーエンドなのだろうか。さがしはじめたところだから,まだエンドには至っていないのかもしれない。

 日本映画『スワロウテイル』(三上博史,CHARA,伊藤歩ほか)の主題歌。岩井俊二の同名小説(角川書店)が原作だが,映画化企画が中断しているうちに岩井自身が内容の一部を他に流用してしまったため内容の一部が変更されているらしい。

 

save your dream(2022.10.11)

平成8年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:華原朋美

 「Save your dream  Save your world  It could be a good chance」と始まる。

 日英半々という感じの歌詞。但し,英語詞は同じフレーズが繰り返されている場合が多く,難しいわけではないが,私のように日英脳の切り替えに時間がかかる者にとっては非常に理解しにくい。

 ところで,じっくり歌詞を読んでみたのだが,どうも「愛情を 大事な人に使おう そう Save your dream  Save your love」というのが主題のようなのだが,「save」という動詞が具体的にどのようなことを意味するのか理解できず,全体もよく解らない。世界に進出するためなら全て英語にすべきだろうし,国内相手ならもっとわかりやすい日本語にして欲しい。

 

そばかす(2021/11/22)

平成8年,詞,YUKI,曲:恩田快人,唄:JUDY AND MARY

 「大キライだったそばかすをちょっと ひとなでして タメ息を ひとつ ヘヴィー級の 恋は みごとに 角砂糖と 一緒に溶けた」と始まる。

 要するに失恋の歌のようなのだが,私が知っている失恋者と少し違う。「想い出は いつも キレイだけど それだけじゃ おなかが すくの」だそうだ。「あのひとの笑顔も」「あの人の涙も」「思い出せないの」というのは昔の失恋者にはなかったように思う。一応「胸をさす トゲは 消えないけど」と胸の痛みはあるようだが,「カエルちゃんも ウサギちゃんも 笑ってくれるの」というのはどういうことなのか私には十分な理解はできない。

 フジテレビ系アニメ『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』の初代オープニングテーマ。アニメの原作は少年ジャンプに連載されていた和月伸宏の漫画・

 

Tactics(2023.11.17)

平成8年,詞:吉井和哉、曲:吉井和哉,唄:THE YELLOW MONKEY

 「ギラッとした君の目に ドキッとした昼下がり シャキッとした俺の体 まるで試されてるように ツンとした君と空気に ゾクッとした恋心は ザラッとした砂を噛み されるがまま夜になる」と始まる。

 『ギラギラ』とか『ドキドキ』は『オノマトペ』と呼ばれ,日本語はこのオノマトペが多い言葉だとか。「ギラッと」や「ドキッと」がオノマトペかどうか知らないが,何となく日本語特有の言葉のような気がする。外国語はほとんど知らないが,この歌詞を英訳などするとこの言葉遊びの雰囲気は失われてしまうのではないか。日本語独特の修辞法のように感じられ興味深い。

 歌自体は「サラッとした髪をとき ツヤッとした肌をよせ 言葉遊びをするように 君は俺をもて遊ぶ」「君のしぐさで俺を殺して その一瞬が何より幸せさ」という二人の関係を歌った歌のようで,どうぞご勝手にという感想しかないが,歌詞中の修辞法に関しては面白いと思う。但し,同じ手法を何度も使うと二番煎じ,三番煎じという感が強くなるだろう。

 私にはタイトルの「Tactics」の意味が理解できないので,ここも日本語にして欲しかったと思う。

 フジテレビ系アニメ『るろうに剣心‐明治剣客浪漫譚‐』エンディングテーマ。

 

DAN DAN 心魅かれてく(2024.5.10)

平成8年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:FIELD OF VIEW

 「DAN DAN 心魅かれてく その眩しい笑顔に果てない暗闇(やみ)から飛び出そう Hold my hand」と始まる。

 最後は,「DAN DAN 心魅かれてく 自分でも不思議なんだけど なにかあると一番(すぐ)に 君に電話したくなる ZEN ZEN 気のないフリしても 結局 君のことだけ見ていた 海の彼方へ 飛び出そうよ Hold my hand」と終わるのだが,途中の歌詞がすべてこの最後に繋がっていて解り易い歌だ。また,「DANDAN」と「ZEN ZEN」の使い方は素敵だ。歌詞は昭和のアイドルソングのようなのだが、バンドの演奏が昭和のアイドルソングよりやや煩い。

 フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』オープニングテーマ。

 

チェリー(2020.10.23)

平成8年,詞:草野正宗,曲:草野正宗,唄:スピッツ

 「君を忘れない 曲がりくねった道を行く」と始まる。

 この時代の歌は歌詞が聞き取れるものと聞き取れないものがある。この歌は聞き取れる歌なのだが,聞えても意味はよく解らない。思考プロセスに年代差があるのだろう。草野とは20歳近い年齢差がある。もちろん私が古い年代になるのだが。

 「いつかまた この場所で 君とめぐり会いたい」というのだから,現在は別れているのだろう。

 しかし,「あの手紙はすぐにでも捨てて欲しいと言ったのに」とある。「のに」とあるからには捨てていないのだろう。しかし,既に別れているなら捨てていないことをどうやって知ったのだろう。第三者を介してだろうか。誰かに手紙を見せびらかしていたとか。

 私にとっては消化不良の歌だ。

 

珍島物語(2025.1.9)

平成8年,詞:中山大三郎,曲:中山大三郎,唄:天童よしみ

 「海が割れるのよ 道ができるのよ 島と島が つながるの」と始まる。

 旧約聖書の話かと思ったら韓国の話らしい。春の大潮の日に,珍島と茅島の間の海に道ができるそうだ。

 「願いはひとつ 散り散りになった 家族の出会い」「あなたとの 愛よふたたびと」と七夕のように年一度会えるのを待っているということのようだ。

 

DEPARTURES(2020.9.25)

平成8年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:globe

 「どこまでも限りなく 降りつもる雪とあなたへの想い」と始まる。

 初めて聴いたときには歌詞が聞き取れなかった。詞中の単語が本来持っているリズムやイントネーションを無視したメロディーに無理やりのせられているからだろう。

 しかし,詞を読んでみると昭和の感性でもついていけそうだ。歌詞が解った後に聴くと,似たメロディーが繰り返されていることもあり,次第に詞が聞きとれるようになってくる。そうすると歌声の爽やかさもあり,次第に「あなたへの想い」が伝わって来るような気がする。

 

田園(2022.8.3)

平成8年,詞:玉置浩二・須藤晃,曲:玉置浩二d唄:玉置浩二

 「石コロけとばし 夕陽に泣いた僕 夜空見上げて 星に祈ってた君」と始まる。

 早口言葉のように歌詞が飛び過ぎる。歌詞の中には「そんなに急がないで そんなにあせらないで」というフレーズもあるのだが。

 「毎日何かを頑張っていりゃ」「生きていくんだそれでいいんだ」という歌だが,歌にスピードを感じ,そんなにのんびりしていていいのなら,曲ものんびり流して欲しい。

 フジテレビ系ドラマ『コーチ』(浅野温子,玉置浩二ほか)の主題歌。

 

Don’t wanna cry(2021.1.17)

平成8年,詞:TETSUYA KOMUROTAKAHIRO MAEDA,曲:TETSUYA KOMURO,唄:安室奈美恵

 「La la la・・・ いつの日か I’ll be there…」と始まる。

 解らない歌だ。聴いても歌詞が頭に入らない。歌詞を読んでも解らない。

 たとえば「殴り合う事じゃなくて 傷つけられたくない」というのはどういう意味なのだろう。「あきらめることを 許したら HELLOだって言えなくなるから」とはどういう因果関係なのだろう。

 歌詞の意味を考えようとしなければ,聴いていて心地よいと言ってもよいかもしれない。

 

(2023.1.9)

平成8年,詞:草野正宗,曲:草野正宗,唄:スピッツ

 「ささやく冗談でいつも つながりを信じていた」と始まる。

 最初から信じる振りをしていたのではないかとも感じてしまい,理解はできないが雰囲気は感じる。

要するに「思い込みの恋に落ちた」ということなのか。「思い込み」というのが本当にそうなのか,ただそう思い込んでいるだけなのかが解らないが,だからこそ「幻よ 醒めないで」というのだろう。

もっと自分や周囲の人間を信じるべきだ。もっとも,「思い込みの恋」というのが,恋に恋した結果というなら若気の至りなので大人になれば幻が醒めるだろう。

 

涙の影(2025.4.14)

平成8年,詞:つんく,曲:はたけ,唄:シャ乱Q

 「ガンバればなんとか なる様な気がした 一歩一歩 歩きながら 石につまづきながら」と始まる。

 「窓の外をながめるけど 君はいないよね 待ってももう 戻らぬ君だけど」というのが涙の理由だ。どうしてこうなったのか状況描写が無いが,同情できるような状況ではなさそうな気がする。この歌に共感できる人は自省できない人ではなかろうか。

 フジテレビ系『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』エンディングテーマ。

 

名もなき詩(2020.9.13)

平成8年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

 「ちょっとぐらいの汚れ物ならば 残さずに全部食べてやる」と始まる。

 タイトルの「名もなき詩」は歌詞にもあり,「なもなきうた」と唄われている。それはいいのだが,歌詞が聞き取れない。通常のアクセントや発音リズムと合わないメロディーに無理矢理合せて唄っているからだろう。全体の論理・感情の流れが作詞者と同じなら,それでも聞き取れるかもしれないが,これも世代の差によるものか,心の中の予測とは無関係な単語が続いて出てくるので聞き取れないのだろう。

実は,歌詞を読んでもすんなりとは頭に入って来ない。例えば「知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中で もがいているなら」とある。昭和の末期には「自分らしさ」は捜すものだったと思う。それが,いつの間にか「自分らしさ」に閉じ込められるようになっているのだ。もっとも私には「自分らしさ」とは何のことなのかすら理解できない。

他にも,例えば「僕はノータリン」とある。私の語彙力では「脳足りん」以外に思いつく言葉が無いが,この言葉だとすると,このフレーズがなぜこの場所に置かれているのか理解できない。「感情さえもリアルに持てなくなりそう」などという言葉も理解できない。

このような調子で,全体として解らない歌。ということで,私が世の中の流れから遅れてしまっていることを示す歌。

 

はだかの王様〜シブトクつよく〜(2023.9.9)

平成8年,詞:森浩美,曲:庄野賢一,唄:SMAP

 「これくらいのズルならいいか なんてやって すっかありバレて 急にみんなに責められて なんだかやばい状態だね」と始まる。

 「文句を言って 気が済むならさぁどうぞ 忘れてくれる 時期をただ待ってます」と開き直っている。

 「態度はでかい でも気は小さかったりで 個人としては 結構いいヤツなんです」と全く反省がない。これが平成の若者か。これでは国の将来が危ぶまれる。こんな若者は「はだかの王様」なんかではない。もちろん「いいヤツ」でもない。

 日本テレビ系『劇空間プロ野球’96』テーマソング。

 

-Memento-Mori-(2020.11.8)

平成8年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「ため息色した 通い慣れた道 人混みの中へ 吸い込まれてく」と始まる。

 「同年代の友人達が 家族を築いてく」そういう年代だ。にもかかわらず,「恋愛観や感情論で 愛は語れない」などと思春期の子供のようなことを言っているかと思えば,「やがてすべてが散り行く運命であっても」と悟りを開いたようなことをいってみたりして,最後はなんとか「負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう」と何とか立て直している。

 若さと老成が共存しているような歌。

 尚,Memento-MoriというのはWikipediaによれば『自分がいつかは必ず死ぬということを忘れるな』というような意味のラテン語だそうだ。

 

バンザイ〜好きでよかった〜(2024.7.18)

平成8年,詞:トータス松本,曲:トータス松本,唄:ウルフルズ

 「イェーイ 君を好きでよかった このまま ずっと ずっと 死ぬまでハッピー」と始まる。

 「スゲェスゲェ幸せな気分の時は 帰り道で君を思い出す コンビニをうろうろしながら 思い出し笑いをかみ殺す」。他にもハッピー状態を表す詞で満ちている。歌声も含めて上品には聞こえないが,ハッピーさは溢れている。平成の若者はこんな感じなのだろうか。

 フジテレビ系ドラマ『勝利の女神』(中居正広,松雪泰子ほか)主題歌。

 

BELOVED(2023.3.20)

平成8年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「もうどれくらい歩いてきたのか? 街角に夏を飾る向日葵」と始まる。

 私などは「BELOVED」のニュアンスが解らないので,どういう歌かもわからない。『愛されて』とでもいうような意味なのだろうか。歌の印象としては自分の想いを垂れ流しただけのように感じる。

 まず,「面倒な恋を投げ出した過去 思い出すたびに切なさ募る」とあり,この投げ出した恋についての歌だろう。

 その恋に対する想いだが,「巡り合う恋心 どんな時も自分らしく生きてゆくのに あなたがそばにいてくれたら」などと言っている。甘ったれてはいけない。自分から投げ出したのだろう。「夢から覚めた これからもあなたを愛してる」など,何をいまさら言っているのだろうか。

 TBSドラマ『ひと夏のプロポーズ』(坂井真紀,保坂尚輝)主題歌。

 

Forever Love(2024.9.1)

平成8年,詞:YOSHIKI,曲:YOSHIKI,唄:X JAPAN

 「もう独りで歩けない 時代の風が強すぎて Ah 傷つくことなんて 慣れたはず だけど今は」と始まる。

 「これ以上 歩けない Oh Tell me why Oh Tell me true 教」えて 生きる意味を」と歌い上げるバラード。もっとも私はバラードの定義がよく解らないが,聴いた感じがバラードだろうと思うだけだ。英語の歌詞の部分に一部聞き取りにくい箇所があるが,歌詞を見ると簡単な英語なので,私の耳が悪いのだろう。

 「教えて 生きる意味を」に続き,「Foever Love  Toever Dreamm」とあるが,教えてもらうまでもなく,これが答えだと思っているのだろう。

 東映の劇場版アニメ『X』主題歌。

 

FRIENDSHIP(2023.8.5)

平成8年,詞:Tetsuya Komuro,曲:Tetsuya Kouro,唄:H.Jungle With t

 「強かったねあいつは どんなに仲間が裏切っても 優しかったねあいつは 澄んだ目をしてあるいてた」と始まる。

 「熱い血が流れてる」「あいつ」の歌。

 「吠える時もある 心が寒くて灯し火絶やさぬために 逆らうこともある 時代が必ず正しいとは限らないから」というのは想定した「あいつ」の性格と合致するのだろうか。最初は過去形で書かれていたのに,この辺りは現在形なので時代と共に性格が変わったのだろうか。最後の方では「逢える時が来るいつか」と未来の話になっている。しかも誰が誰に逢えるのかが解らない。

 解るような気にだけさせて,結局解らない詞だ。歌詞に「おまえ」も出てくるが,「あいつ」と「おまえ」の関係も解らない。

 日本テレビ系ドラマ『竜馬におまかせ!』(浜田雅功,反町隆史,別所哲也,内藤剛志,伊東四朗ほか)主題歌。

 

Baby baby baby(2025.5.29)

平成8年,詞:小室哲哉・前田たかひろ,曲:小室哲哉,唄:dos

 「It’s a good vibration 透きとおる 気持ちをまっすぐに 表してる」と始まる。

 英語と日本語が交互にでてくる歌詞で,英語脳と日本語脳を切り替えているうちにまた切り替わっていて歌詞の意味が頭に入らない。ということは歌詞が心にしみない。

 日本語の箇所も,「ドアをノック 次はキック これがチェック!」などとあり,何のことか私には理解できない。まあこれは一番解り難い箇所をピックアップしたのだが。

 

BODY & SOUL(2024.6.13)

平成8年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「欲しいものは いつもあふれているから 立ち止まってる 暇はないよね 刺激がもっと欲しい」と始まる。

 私とは世代が違うとしか言いようがない。「ほんの少し世の中が わかってきたこの頃は」などと言っているが,「アタシらしくいられなきゃ 意味がない!」などと言っているようではまだまだ若い。

 ある程度リスナーに思いを伝えようとしているようには感じるが,それよりもステージパフォーマンスを観てくれという雰囲気をより強く感じる。

 

マイフレンド(2021.12.25)

平成8年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD

 「あなたを想うだけで 心は強くなれる ずっと見つめてるから 走り続けて」と始まる。

 「飾らない素顔のあなたが好き 変わってしまうことが哀しい」「真実(ほんとう)の愛なら きっと色んな事乗り越えられたのに 星のパレード 涙がこぼれない様に 大きく息を吸った」というのだから涙がこぼれるような状況なのだろう。

 「いつも輝いていたね 少年のまま 瞳はMy Friend あなたを想うだけで 心は強くなれた ずっと見つめてるから 走り続けて」。『あなたは あなたのままで 変わらずにいて下さい そのままで』1)という心境なのだろうか。

テレビ朝日系アニメ『SLAM DUNK』の82-101話でエンディングテーマとして使われた。アニメの原作は週刊少年ジャンプに連載された,井上雄彦の同タイトル漫画。

1)  22才の別れ」(昭和50年,詞:伊勢正三,曲:伊勢正三,唄:風)

 

マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-(2023.5.28)

平成8年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

 「あのニュースキャスターが人類を代弁して喋る 『また核実験をするなんて一体どういうつもり?』」

 いつも小難しいことを考えているとこうなるのか。「残念ですが僕が生きている事に意味はない」と自分の無力さに諦めの境地で,世の中に毒づくだけだ。「憎めよ都合のいい道徳を」「良識を重んじてる善人はもはや罪だよ」。「道徳」とか「良識」などはいつの時代も大人の物として若者から嫌われる運命にある。「見えない敵にマシンガンをぶっ放せ」とアジテーションのようだが,世の中こんなもんだろうと思っている平成の若者の不満エネルギーはそこまでは溜まっていないようだ。

 尚,「Bootleg」とは『海賊版』のことらしいが,もちろんこれはトイズファクトリーから発売された正規品CD。彼らの5番目のアルバム『深海』(平成8年)からのシングルカットらしいので,そのことと関係してタイトルに挿入されたのかもしれない。

 

ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE(2021.2.7)

平成8年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「夢ならあるはずだ あなたにも僕にでも」と始まる。

 騒々しい歌だが,これがこのロックユニットのスタイルだから仕方がない。

 「ミエナイチカラ」が僕を,君を助けてくれているから頑張ろうと言っているように感じる。私がメッセージを取り違えているかもしれないが。

 

ミッドナイト・シャッフル(2023.7.1)

平成8年,詞:沢ちひろ,曲:ジョー・リノイエ,唄:近藤真彦

 「強そうに 生きてゆくよりも 本当に 強くなるために 屋上の すみっこで 傷ついた その羽根を 震わせて見上げてる 冷たい夜空を」と始まる。

 平成の曲らしくバックのリズムが激しく煩わしいが,昭和のアイドルで歌唱もなじみ深いので歌詞も良く聞こえる。歌詞は良く聞き取れるのだが,意味が理解できないのも平成らしい。

 「傷ついた その羽根を 震わせて」などとマッチが唄うとは思いもよらないので聞き間違いだと思った。

 その後の歌詞の展開も,聞き取れるのだが意味が理解できない。そのうちに「大丈夫 この俺が 支えてて あげるから」などと出てきて,これまで歌われていたのはマッチのことじゃなかったのかと気づかされる。

 「天使のような 悪魔の声が 聞こえてる オマエの胸に」とあるが「オマエ」とは誰だ。

 「現実は 何なのか 真実は 何処なのか」などというのがでてくると,唄い手の心情のようにも聞こえる。

 結局,日本語の主語が省略できるという特徴は,男女や立場の違いによる言葉遣いの違いによって成り立っていたのに,敬語や丁寧語などの言い回しを簡素化した上に主語の省略は残したので話者と聞き手の関係が理解できなくなったのではないだろうか。

 ついでに言えば,タイトルと内容の関係も私には理解できない。

 

胸さわぎを頼むよ(2024.11.19)

平成8年,詞:戸沢暢美,曲:寺田一郎,唄:SMAP

 「A〜(あー) いつも誰かしら ぼやいてる 彼女のこと わからないと」と始まる。

 「ちょっとしたことで とがるよね」とか,「泣いたすぐあとに はしゃぐから マジなせりふ 宙に浮いて コメディの主役さ」とか言ってはいるが,「いつかきっと幸せの カゴの小鳥さ 恋心は嘆くかい お互いは 別の生きものだね 同じならばひかれない」という心境にまで達するが「謎だらけでせつない」と終わる。

 まあ,解り合えるというのは幻想で,謎だらけというのが正解かも知れない。

 

You’re my sunshine(2021.5.9)

平成8年,詞:TETSUYA KOMIRO,曲:TETSUYA KOMURO,唄:安室奈美恵

 「I’m your sunshine! この夏を待つ 成熟が 絵に描いた様に 見えるよ」と始まる。

 歌詞が聞き取れない。歌詞を見ながら聴いてようやく今ここかと判るレベルだ。音は聞こえているのだが意味が聞きとれないのだ。原因は作詞者の思考の流れに私がついて行けないからだろう。

 歌として聴くのを諦め,曲を聞くとダンス音楽としては悪くなさそうだ。バックダンサーも含め,ステージ・パフォーマンスはカッコイイ。唄を聴くのではなくステージを観るための曲だろう。

 

ラストシーン(2025.3.1)

平成8年,詞:布袋寅泰,曲:布袋寅泰,唄:布袋寅泰

 「想い出をグラスにそそいで 新しい明日に乾杯」と始まる。

 「『幸せになってね』 最後まで君は 強い女のフリをする」というのは別れの場面のようだ。

 「痛いくらい辛いトウナイト バッピーエンドには たどりつけずに終わるラヴ・ストーリー 大好きなあの映画のエンディングみたいに セピア色 そんなふたりのラスト・シーン」

 本当に「痛いくらい辛い」のか。あまりにも冷静な客観的描写で作詞者の想いが私には感じられない。

 

LALALA LOVE SONG(2020.10.8)

平成8年,詞:久保田利伸,曲:久保田利伸,唄:久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL

 「まわれ まわれ メリーゴーランド」と始まる。

 解り易いハッピー・ラブ・ソングだ。

 「めぐり会えた奇蹟が」「涙の色を変えた」「とめどなく楽しくて」「やるせないほど切なくて」というのだから,自分もそのような状態ならば共に喜び,ハッピーな歌だが,自分がそうでないときには,どうぞご勝手にという雰囲気の歌。

 駅などでイチャついているカップルを見ると,自分がハッピーなときは微笑ましく感じるが,そうでないときにはバカ者どもめと思ってしまうのと似ている。

 

Real Thing Shakes(2021.2.28)

平成8年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「Can’t fall asleep I don’t know why」と始まる。

 全て英語の歌詞なので,聴いても意味は理解できない。

 歌詞を読んでみると,個々のセンテンスは平易な英語のようだ。解りやすいような気もするのだが,全体として何が言いたいのか解らない。ただ,何回も繰り返されているフレーズの中の「Love sets me free like a bird in the sky」などは『You and I will be as free as the bird up in the trees1)を連想させる。

 結局よくは解らないが騒々しさだけは感じる。若い時にはストレス発散に有効だったが,年をとってからは耳が悪くなったせいか,騒々しさは苦痛だ。

1) 「Diana」(昭和32年,詞:P.Anka,曲:P.Anka,唄:P.Anka