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目次

平成17

愛のバクダン,*〜アスタリスク〜,and I love you(四次元Four Dimensions),is this LOVE?ENDLESS STORY,桜援歌(Oh! ENKA)OCEANお願い!セニョリータ,alterna,神の島遥か国,カルマ,キズナ,GLAMOROUS SKY月光花,恋におちたら,ここにしか咲かない花,粉雪,さくら[さくら舞い散る],桜[名もない花には],好きやねん大阪,SCREAMSTEP youSNOW! SNOW! SNOW!supernovaSMILY, 青春アミーゴ,ただ・・・逢いたくて,チェリッシュ,TEPPEN,友だちへ〜Say What You Will〜,TriangleDreamlandNO MORE CRYBANG! BANG!バカンス,B-DASH(Ver.HANAGOE)(トンガリキッズT),ビー玉,ビロードの闇,ファンタスティポ,fairyland,プラネタリウム,HEAVEN[最期に君が],未来(四次元Four Dimensions),MEGANE(Ver.HANAGOE)(トンガリキッズT)ヨーイドン(四次元Four Dimensions),ラヴ・パレード,ランニングハイ(四次元Four Dimensions

平成18

I believe[この胸の中に]I’ll be there4 hot wave[焼けつくような]アゲアゲEVERY☆騎士,ありがとう[どうしようもない]With your smile(4 hot wave)美しき花,関風ファイティング,Good-bye days,恋のつぼみ,サヤエンドウ,SIGNAL,衝動,しるし,JUICY(4 hot wave),純恋歌,SPLASH!,千の風になって,宙船(そらふね),タイヨウのうた,旅人,抱いてセニョリータ,DIRTY OLD MAN〜さらば夏よ〜,チャンピオーネ,テルーの唄,Dear WOMANDeep in your heartto Udo!do!do!,夏模様,涙のふるさと,人魚姫,裸足のシンデレラボーイ,Harmony of DecemberVenus,フィーバーとヒューチャー,ふたりで・・・,BLUE BIRD+MILION but-Love,箒星,僕らの街で,milk tea,夢のうた,ゆるぎないものひとつ,Real Face

 

愛のバクダン(2024.5.1)

平成17年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「今日も一日 不完全な世界 きみが泣かなくても 誰か泣く」と始まる。

 「人がこしらえた 悲しみのからくり なんとかできるのは ふとしたSmile 123」と続くが,この「ふとしたSmile」をもたらすのが「愛のバクダン」ということなのだろう。

 「愛のバクダン もっとたくさん おっことしてくれ ねむれない この町の ど真ん中に」と。歌詞にはないが,そうすれば泣く人が減るということなのだろう。

 テレビ東京系『JAPAN COUNTDOWN3月エンディングテーマ。

 

*〜アスタリスク〜(2021.10.13)                  

平成17年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE

 「見上げた夜空の星達の光 古の思い願いが時代を越えいろあせるコトなく届く」と始まる。

 私のような老人には騒々しいという印象しかない。歌だとは思えない。唄うというより若干の節をつけて歌詞を読み上げているような印象で,歌詞を見ながら聴いて今どこかとついて行くのがやっとだ。

 メッセージとしては「力ある限り生きてくんだ」「僕らの想いもいつか誰かの胸に 光り続けよう」ということのようだ。他は,このメッセージから連想した言葉の中からよさそうな言葉を適当に並べたように感じる。つまり,他には具体的なメッセージを感じ取れないのだがこれは私の感性が鈍いからかもしれない。

 

and I love you(四次元Four Dimensions(2021.4.5)

平成17年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「飛べるよ 君にも 羽根を広げてごらんよ」と始まる。

 いつもながらの小難しい詞。小難しいと書いたが,各フレーズは平易だ。解らないのはなぜこのフレーズが今ここで必要なのかだ。例えば「君には従順を 僕には優しさを 互いに演じさせて 疲れてしまうけど それでも意味はあるかい どう思う?」だ。こんなことをグダグダ言っていずに,素直に「I love you」と言っていればいいのにと思う。

 

is this LOVE? (2023.5.19)

平成17年,詞:ayumi hamasaki,曲:Miki Watanabe,唄:浜崎あゆみ

 「あなたが優しく見つめる視線の 先では細い肩をしてる 彼女が優しく幸せそうな顔で 笑いながら頷いてた」と始まる。

 「どうしてわたしじゃないのって滑稽でくだらない 問い掛けなんてしないけど」「いつからあなたにこんなに惹かれていたのなんて 今頃気付いたフリして」と状況説明も現在の心境もよく解る。最後は「こんな気持ちをきっと恋だっていうのね」と終わるが,そのとおり。

 「今頃気付いた」のがほんとうに「フリ」なのかどうか。昭和では失ってから気付くのが多かったように思うが平成では違うのかも知れない。いずれにせよ,失ったものは大きく感じるものだ。

 平成の歌もこのように解り易い詞を書いてくれればいいのだが。

 

ENDLESS STORY(2023.6.22)

平成17年,詞:Dawn Ann Thomas,日本語詞:ats-,曲:Dawn Ann Thomas,唄:REIRA starring YUNA ITO

 「If you haven’t changed your mind  そばにいてほしいよ Tonight」と始まる。

 このくらいゆっくり唄ってくれれば聞き取りもそれほど困難ではない。しかし,英語のニュアンスが感じ取れない私には,「haven’t changed」が現在・過去・現在完了・過去完了で意味やニュアンスがどのように異なるのかすぐには解らない。また,「mind」という単語がどのようなニュアンスを持つのかも辞書を調べないと分らない。会話なら前後の関係から自然に意味が理解できるだろう。解らなければ聞き直せばいいだけだ。一方的に歌詞を流す歌ではもっと解り易い詞にしてほしい。

 「たとえば叶うなら もう一度あなたのために 歌いたいこの歌を」ということが訴えたいことならこの日本語で十分ではないのだろうか。なぜ英語の詞を入れる必要があるのだろう。「君」が日本語を解さないなら当然重要なフレーズでもっと英語を使うべきだろう。

 この歌は映画『NANA−ナナ−』の中で,登場人物の芹沢レイラが唄った歌。レイラを演じたのが伊藤由奈。

 原曲は平成5年の映画『幸福の条件』(ロバート・レッドフォード,デミ・ムーア他)のサウンドトラックで使用された“If I’m Not in Love With You”である。この映画はこの年のゴールデンラズベリー賞で『最低作品賞』,『最低助演男優賞』,『最低脚本賞』を受賞した。

 

桜援歌(Oh! ENKA) (2025.5.18)

平成17年,詞:MASA,曲:馬飼野康二,唄:関ジャニ∞

 「(セリフ)なんでやろなぁ…….桜見てると,めっちゃ切ななんねん。」と始まる。

 歌は「故郷(フルサト)離れて 幾年(イクトセ)過ぎて 故郷恋しや 夢に咲く」と始まる。

 「花吹雪キラキラ 儚くてキラキラ 人の世もキラキラ せつなくてキラキラ」と終わるが,痩せ我慢人間を応援する歌なのだろうか。

昭和30年代の故郷を思う歌はもっと思いが強かったように思う。通信や交通が発達した社会に生きる現代人には,昭和のことも体感としては感じられないだろう。まして『忍たま』世代の距離感というか,離れた故郷を思う気持ちは想像すらつかないだろう。

 NHK教育アニメ『忍たま乱太郎』第17代エンディングテーマ。

 

OCEAN(2021.11.13)

平成17年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「ふりそそぐ陽を浴びて 汚れなく君は笑い」と始まる。

 歌詞は一応聞こえるのだが,意味はよく理解できない。「果てない想いを 君に捧げよう」などという詞からラブソングの一種だとは思うが,歌からだけでは状況が把握できない。

フジテレビ系のドラマ「海猿UMIZARU EVOLUTION」(伊藤英明,加藤あい)主題歌。ドラマでも観ていればもう少し理解できるのかもしれない。

B’zの歌は老人にはうるさいだけのロックかと思っていたが,この歌のようなバラードもあるようだ。ただ,頭のあたりで発声されているように感じる。

 

お願い!セニョリータ(2022.5.15)

平成17年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE

 「Ah〜 あ〜 どうにもこうにも止まらぬこの暑さ」と始まる。

 アップテンポで私には何と言っているのか聞き取れない。歌詞を見ながら聴いていても,すぐにどこだか解らなくなる。そもそも歌詞を読んでも意味が解らない。思い付きの言葉が並んでいるだけのような気がする。私には無縁の歌と言うしかない。

 とはいえ,中学生時代に聞いたら,好きになっていたかもしれない。

 

alterna(2024.1.17)

平成17年,詞:ayumi hamasaki,曲:Shintarou Hagiwara & Sousaku Sasaki,唄:浜崎あゆみ

 「変化を恐れるのなら 離れたとこで見ててよ 何かしたってしなくたって 結局指さされるなら あるがままに」と始まる。

 「本当に大切で 必要なモノなんて ほんのちょっとだけで 後は大抵飾りだった」,「さらに言うとしたら その必要以上な モノがもたらしたのは ゆとりじゃなく喪失感」ということに気付いてしまった。

 「運命でも宿命でも 変えてってみせようじゃない こわいモノならもうじゅうぶん 見尽くして来たんだから」と言うのだが,何をしようとしているのかというと,「難しく考えないで そうつまり欲しいものしか もう欲しくないって事」ということらしい。

 欲しいモノを飾り立てているだけのモノを欲しがったのは勘違いだったということに気付いたということらしい。この若さでそのようなことに気付くなんて脱帽だ。恐らく欲しいと思ったものはほぼ手に入れてきたのだろう。多くの人は欲しいと思っても手に入らないからそれが飾りであることに気付くこともない。私のようなひねくれ老人は自分では手に入れられないのであれは飾りだと,自分の心を偽り,痩せ我慢をするのだが。

 ところで,私にはタイトルの「alterna」が解らない。ネットで調べたらイタリア語で『交互・代理』だとか。『alternate』らしいがそれでも意味が腑に落ちない。日本語のタイトルにして欲しい。

 

神の島遥か国(2024.11.8)

平成17年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ

 「Island beach僕と居て頂戴 Love and Peace夏は終わらない」と始まるらしい。

 耳が悪くなったせいか歌詞が聞き取れない。歌詞を読むと沖縄風の単語が散りばめられているようでもあるがよく解らない。曲も若干沖縄っぽいところも感じられる。

 何といっても歌詞が聞き取れないので私にとって歌としてはお手上げだ。

 

カルマ(2021.8.15)

平成17年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKIEN

 「ガラス玉ひとつ 落とされた 追いかけてもうひとつ 落っこちた」と始まる。

 アニメにもなっているゲームで使われているらしいのだが,ゲームもアニメも知らないので私には情報はこの歌しかない。

 「心臓が始まった時 嫌でも人は場所を取る」とある。現世の論理では何のこっちゃだが,まあ,雰囲気は伝わって来る。「存在が続く限り 仕方無いから場所を取る ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない」と具体的に理解はできないが,何となく感じることができるフレーズがいくつも現れる。

 最後に「僕らはひとつになる」とある。これも何のことかわからないが,感じることはできる。具体的に描写すれば意味が一つに決まってしまい,それをわざと避けたのだろう。

 多様な解釈が可能な詞を好む人もいるに違いないが,私はそうではない。

 

キズナ(2022.6.19)

平成17年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE

 「いま何してるかな 君も見ているかな オレンジ色に染まる空を」と始まる。

 「離れていても感じる あなたの優しさ」ということなので既に別れてしまったようだが,心は繋がっているということのようだ。

 「どこにいたって もう一人じゃない どんな事あっても くじけない」「見上げんだ ほら同じ空 決して孤独じゃねえんだ」とは自分に向かって言っている言葉なのだろう。会えない淋しさに対する瘦せ我慢の歌詞のように私には見える。

TBS系ドラマ『いま,会いにゆきます』の主題歌。

 

GLAMOROUS SKY(2022.4.11)

平成17年,詞:AI YAZAWA,曲:HYDE,唄:NANA starring MIKA NAKASHIMA

 「開け放した窓に 廻る乱舞のDEEP SKY AH 仰いで」と始まる。最初から解るようで解らない。まあ,気分は感じられなくもないが。

 歌詞に英単語が挿入されているが,私には必然性が感じられない。私にはその英単語と前後の関係が良く解らない場合が多いと感じる。英単語で韻を踏もうとでもしているのか?

東宝配給の映画『NANA』(中島美嘉,宮崎あおい)の主題歌。映画の原作は矢沢あいによる同タイトルの漫画。

 

月光花(2023.8.31)

平成17年,詞:yasu,曲:yasu,唄:Janne Da Arc

 「悲しげに咲く花に 君の面影を見た 大好きな雨なのに 何故か今日は冷たくて」と始まる。

 「逢いたくて 愛おしくて 触れたくて 苦しくて」と歌っているが「今はもう 君はいないよ」ということらしい。

 自分の気持ちだけを垂れ流しているが,気持ちは解る。

 よみうりテレビ・日本テレビ系アニメ『ブラック・ジャック』のオープニングテーマ。

 

恋におちたら(2024.8.23)

平成17年,詞:H.U.B.,曲:坂詰美紗子,唄:Crystal Kay

 「出会ったときからきっとすべての世界変わり始めていたよ 今ならこの気持ちを 正直に言える」と始まる。

 「心から心から思う君が大切なものは何ですか?」と何度も出て来る。自分の思いを垂れ流すだけの歌が多い平成時代で,このうたは相手のことを知りたいという思いが溢れている。皆がこのような気持ちで過ごしていれば世の中はもっと平和になるだろうに。

 フジテレビ系ドラマ『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』(草g剛,堤真一,松下奈緒,木村佳乃ほか)主題歌。

 

ここにしか咲かない花(2022.12.31)

平成17年,詞:小渕健太郎,曲;小渕健太郎,唄:コブクロ

 「何も無い場所だけれど ここにしか咲かない花がある」と始まる。

 「最後まで笑顔で(笑顔で) 何度も振り返り(手を振り) 遠ざかる姿に 唇 嚙み締めた」と別れた後の歌だ。

 「あの優しかった場所は 今でも 変わらずに 僕を待ってくれていますか?」と未練はあるようだが,「いつかこの涙も(涙も) 寂寞の想いも(想いも) 忘れ去られそうな時代の傷跡も 燦然と輝く あけもどろの中に 風が運んで 星にかわる そんな日を 待っている」と想い出が風化していくことを望んでいるようだ。

 歌は昭和以前の歌のように,歌詞を聴かせるように曲が作られているようで好感が持てるのだが,一部,普段使わないのではないかと思う漢語が使われており,私は違和感を持つ。

日本テレビ系ドラマ『瑠璃の島』(成海璃子,竹野内豊ほか)主題歌。 

 

粉雪(2021.9.13)

平成17年,詞:藤巻亮太,曲:藤巻亮太,唄:レミオロメン

 「粉雪舞う季節はいつもすれ違い」と始まる。

 フジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』(沢尻エリカ)の挿入歌。

 解り易そうには感じるが,実はよく解らない。

 「僕は君の全てなど知ってはいないだろう それでも一億人から君を見つけたよ」などと聞くと,本当にそんなことを思っているのかとも思うが,まあ信用しておこう。

 「僕は君の心に耳を押し当てて その声のする方へすっと深くまで 下りてゆきたい そこでもう一度会おう」になるともうよく解らない。もう一度会おうというのは既に別れたからなのだろうか。

 「分り合いたいなんて 上辺を撫でていたのは僕の方」と反省すべき点の自覚はあるようだが,最後は粉雪に対する一方的な問いかけになっているようで,どこまで反省しているのかよく解らないまま,「それでも僕は君のこと守り続けたい」と終わるが,結局別れてないのだろうか。あるいは最後の「守る」は夢のことだろうか。

 

さくら(2021.2.19)

平成17年,詞:ケツメイシ,曲:ケツメイシ,唄:ケツメイシ

 「さくら舞い散る中に忘れた記憶と 君の声が戻ってくる」と始まる。

 ラップの部分は聴き慣れないせいか聞き取れないが,歌詞を読んでみると変わったことは言っていない。繰り返しや言い換えが多いように感じ,情報量が少ないように感じる。結局「目を閉じればあの日に戻れる」「花びら舞い散る 記憶舞い戻る」ということだ。

 なぜ別れたのか全く不明だし,現在,想い出して,それでどうしようというのかということがさっぱり解らないので,勝手に想い出に浸っていろとしか言えない。

 想い出すだけというのは年寄りの発想ではなかろうか。

 

(2023.11.8)

平成17年,詞:小渕健太郎,黒田俊介,曲:小渕健太郎、黒田俊介,唄:コブクロ

 「名もない花には名前をつけましょう この世に一つしかない 冬の寒さに打ちひしがれないように 誰かの声でまた起机上がれるように」と始まる。

 「実のならない花も 蕾のまま散る花も」とハッピーソングではないようだ。「桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ 涙と笑顔に消されてく そしてまた大人になった」ともあるが,「花びらの数と同じだけ 生きていく強さを感じる 嵐 吹く 風に打たれても やまない雨は無いはずと」失意の者への励ましがあり,最後は最初と同じフレーズで終わる。

 失意の者を優しく励ます激励・応援歌だろう。

 フジテレビ系ドラマ『Ns’あおい』(石原さとみ)主題歌。ドラマタイトル中のNs’はナース。

 

好きやねん,大阪(2025.4.3)

平成17年,詞:イイジマケン,曲:イイジマケン,唄:関ジャニ∞

 「ほんでもってそんでまいどあり オレラ商売繁盛えぇ環境大繁盛」と始まる。

 途中で台詞がかなり入る。台詞の中ではよく解らない「田中さん」なる人物が登場する。

 何かわからないが「この街大阪 やっぱ好きやねん」ということで,昔,やしきたかじんの歌で似たようなのがあったような。

 

SCREAM(2021.12.16)

平成17年,詞:SHUNTAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY×EXILE

 「掴んだこの未来(さき)に 光が見えるなら どうして先を急ぐ事があるの?」と始まる。

 メロディーはあまり印象に残らないがリズムが体に訴えかけてくる。中・高生の私だったら好きになっただろう曲だが,今は体がついて行かない。歌を聴こうと思っても何を言っているのかさっぱりわからない。歌詞を見ながら聴いていてもすぐにどこを唄っているのかわからなくなってしまう。耳はかなり悪くなったようだ。

 歌詞に英語が挟まれているのも聴いて解らない原因になっている。

 「時代(とき)を越えて人は争いを繰り返す」とあるが,少人数のパーソナルな世界ではそのようなことはないと思う。まあ,意見の違いが生じることはあるが。「争いを繰り返す」のはもっと大きな集団(例えば国家間)なのではないかと私は思うのでそもそも私とは視点が違うようだ。と思っていると「2人の自分が傷つけ合っている 正義は時として悪魔になる」などと極めて個人的な問題のことなのかと思わせるフレーズもある。

 「名も無き僕に失うモノは何もない」などと言っているが,「名も無き僕」とは誰のことだ。GLAYEXILEなら名前は十分だろうから,「僕」というのは他の誰かのことなのだろう。有名人が無名人の気持ちを歌おうとして歌い切れていないのではないか。

 まあ,唄を聴く限りでは内容は聞き取れないので歌詞の詳細は私にはほとんど意味をなさない。イントロのベースを聴いているだけで身体がリズムに溺れそうになるが,最終的には体が曲に反応しきれないので私には合わない曲だとなってしまう。

 

STEP you(2023.4.15)

平成17年,詞:ayumi hamasaki,曲:Kazuhiro Hara,唄:浜崎あゆみ

 「どうって事ない会話のやり取り ふとした瞬間に見せる仕草」と始まる。

 「SO 1 2 3 4ひとつずつ」「君の事を知って行きたいの」から「そのうち 笑顔独り占めしたくなるかな」と進展していく様子が描かれている。

 私の耳がついて行けなくなっているが,詞を見ながら聴けば極めて明快な歌。もう少しスローな曲なら私にもよく聞き取れるだろうにとは思うが,私よりもっと若い人を対象にした歌だろうからこの程度のテンポがベストなのだろう。

 

SNOW! SNOW! SNOW! (2022.11.6)

平成17年,詞:秋元康,曲:伊秩弘将,唄:KinKi Kids

 「SNOW! SNOW! SNOW! 無力な雪よ 二人の愛を 隠せやしない」と始まる。

 秋元の詞では解り難い部類だと思う。「言葉にしてしまったら 思い出を傷つけるだろう」というので言葉にしていないのかもしれないが,言葉で表されていないから第三者には理解しがたい。「いくつの夜越えれば 最後の夢 忘れられるだろう」と最後の夢が破れたようなのだがどんな夢かは不明だ。「愛しき女(ヒト)よ」などという歌詞もあるので女性がらみの夢だろう。最後は「二人の愛は 未来の孤独」と終わるのだが,私には理解できない詞だ。

 

supernova(2021.7.19)

平成17年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN

 「熱が出たりすると 気付くんだ 僕には体があるって事」と始まる。他にも,言われたらなるほどそのとおりというようなことが列挙される。その中には「君の存在だって」「本当の大事さは 居なくなってから知るんだ」などと言うのもある。

 「人と話したりすると 気付くんだ 伝えたい言葉が無いって事」とか「適当に合わせたりすると 解るんだ 伝えたい気持ちだらけって事」などという矛盾する心の声なども表に出される。

 「君の存在だって」「本当の存在は 居なくなっても ここに居る」というような禅問答もあり,何やら哲学的な臭いがするが,最後は突然「僕らの時計は 止まらないで 動くんだ」と孤立したメッセージで終わる。

 ところで,タイトルのsupernovaは普通には『超新星』と訳される天体のことだと思うが,ここではどのような意味で使われているのだろうか。

 

SMILY(2024.2.21)

平成17年,詞:愛,曲:愛,唄:大塚愛

 「La La La〜 イェイ〜 いつも以上に プッシュして(イヤン) いつも以上に LOVE LOVE DAY(イェイ!)」と始まる。

 「泣きたいところは 1人でも見つけられる 笑って 笑って 君の笑顔が見たい」というのが主要メッセージだろう。曲も「笑って 笑って」という雰囲気によく合っており,詞と曲がマッチしていると感じる。

 

青春アミーゴ(2021.1.29)

平成17年,詞:zopp,曲:ShusuiF.HultJ.EngstandO.Larsson,唄:修二と彰

 「鳴り響いた 携帯電話 嫌な予感が 胸をよぎる」と始まる。

 「助けてくれ 例の奴等に 追われてるんだ」との電話も途中で切れる。「辿り着いた 暗い路地裏」「間に合わなかった ごめんな」「お前が来てくれて 嬉しいよ」「震える手の平を 強く握った」。

 「地元じゃ負け知らず」で「故郷を捨て去り でかい夢を追いかけ」「辿り着いたこの街」。

 しかし,夢はかなわなかったようだ。

 

ただ・・・逢いたくて(2021.6.21)

平成17年,詞:SHUN,曲:Hitoshi Harukawa,唄:EXILE

 「悲しい過去も 若過ぎた日々の過ちさえ キミに出会えて 深い海に沈められたのに」と始まる。

 最初は想い出だがすぐに現実の話になる。「ただ,逢いたくて・・・もう逢えなくて」となる。「くちびるかみしめて 泣いてた」というのだから現実とは言ってもこの現実に至ったのは過去の話だ。

 悲しみに満たされたまま「ただ・・・逢いたくて」と終わる。さすがに若き日の過ちを糾弾しようというよりも,現在の悲しみへの同情のほうが強くなる。

 

チェリッシュ(2024.9.27)

平成17年,詞:福士健太郎,曲:福士健太郎,唄:NEWS

 「見つめるたびに恋 迷いも影もない 君の笑顔で 僕の合図で 僕らだけの夢を探そう」と始まる。

 「見つめるたびに恋 感じたまま瞳 覗きたくて 素直になって ココに立ってるのさ 見つけたときは恋 今じゃ大きな愛 未来の君をステキにしよう 僕らだけの夢を作ろう」。

 まあ,ハッピーなようだからそれでいいのかもしれないが,相手の反応がよく解らない。自分の思いを垂れ流すだけで相手の反応に鈍感だと,いつか思いのすれ違いに気付くことになるかもしれない。

 

TEPPEN(2024.12.28)

平成17年,詞:日比野裕史,曲:日比野裕史,唄:NEWS

 「舞い上がれ 空高く 地面蹴りつけろ 君の想いは 華麗にスタート切るから TEPPENめざせ!」と始まる。

 応援歌のようだが,どのチームを応援しているかが不明なので応援歌としては弱い。にもかかわらず,使われ方が日本チームだけを応援しているようで,どうも聴いていて居心地がわるい。どうせなら全出場チームを応援するような形にすればいいのに。ジャニ―スは新グループをこのような形で売り出すのを止めたらどうか。

 フジテレビ系『バレーボール・ワールドグランプリ2005』イメージソング。

 

友だちへ〜Say What You Will(2023.2.4)

平成17年,詞:エリック・クラプトン,日本語詞:竹内まりや,曲:エリック・クラプトン&サイモン・クライミー,唄:SMAP

 「Cause I needed a friend 君が必要さ 友だちと 呼べるしあわせ Good love from me to you」と始まる。

 このように最初は「君が必要さ」と始まっているのだが,最後は「君には 僕が必要さ」と逆転している。途中はほとんど君が必要というメッセージだが,突然「不安じゃない 人はいない だからみんな 愛がいっぱい ほしいんだ」と根拠があるのかないのか判らない一般化がされており,最後には君には僕が必要となっているのは自分に都合の良い思い込みではないのか。

 昭和の時代にも『人は誰も』などと勝手に人類を代表するような歌詞を書く作詞者がいたが,平成はそのような詞が増えたような気がする。

 

Triangle(2022.10.2)

平成17年,詞:市川喜康,曲:市川喜康,唄:SMAP

 「都心を少し外れた 小さなこの部屋から どんなに目を凝らせど 見えないものばかりだ」と始まる。

 平成版反戦フォークのような雰囲気の歌。昭和版反戦フォークは主にベトナム戦争時であり,残された者を歌い,情緒に訴えるものが多かったように思う。この歌で歌われている戦いはアフガン戦争か。歌詞は情緒的というより哲学的である。感情より知性に訴える歌詞だ。

 テレビ朝日系スポーツ中継(トリノオリンピック,WBCなど)のテーマソング。

 

Dreamland(2023.3.11)

平成17年,詞:BENNIE K,曲:BENNIE KMine-Chang,唄:BENNIE K

 「They can’t stop my heart!!  Now get a party started alright 気まぐれに任せて」と始まる。

 日英混交の歌詞で,私には全く聞き取れない。特にラップの部分はお手上げだ。

 歌詞を読んでみると,日本語を拾い読みするだけでも全体の意味が解るような気がし,平成の歌にはフレーズは聞き取れてもフレーズ間の関係が理解できず,全体として何を言いたいのか不明な歌が少なくないが,この歌では,「Fast food店」に「勤めていた女の子」が「全て投げ捨てて未来へ飛び出した」ことが歌われているようだ。「みんなもっと踊って」「成り行きに任せて This is wonderland 楽しんだら alright!!」ということらしい。

 曲は私が昔慣れ親しんだ音楽とは異質だが,聴いていて,解らないながらも心が浮き立つような気もする。聴き慣れればいいのかもしれない。

 結局,時代はこのような歌を受け入れ,私は時代に取り残されたということだろう。

 

NO MORE CRY(2022.7.25)

平成17年,詞:吉田安英,曲:生熊朗,唄:D-51

NO MORE CRY NO MORE CRY」の繰り返しから始まる。

「こんな大切な人が 近くにいることさえも 気づかずに」というのは『空気』のようなものでその存在の大切さに気付かないことはよくあることだ。

「あの日の君の優しさに 素直になれない僕は 小さな手を振り払った」と過去の反省もしている。「NO MORE CRY」の意味は「悲しみじゃなく 喜びの涙を流したい」らしい。精神的に成長しつつあるようだ。

日本テレビ系ドラマ『ごくせん』(仲間由紀恵)主題歌。ドラマの原作は森本梢子の同名の漫画。

 

BANG!BANG!バカンス(2022.8.28)

平成17年,詞:宮藤官九郎,曲:コモリタミノル,唄:SMAP

 「シャワーぶっ壊れ 真夜中 クーラーのリモコン握りしめ ぜーぜー言ってた 去年の夏」と始まる。

 「バカンスって言葉の半分は バカ バカ バカ」とか「稲垣って名字の半分は ガキ ガキ ガキ」とか、何か主張したい歌というよりお遊び歌のようだ。「男前だね木村くん 当たり前だよ前田さん 前田さんなんて ウチには いない(♪まじで?)」など若い人には解らないだろう。これは昔,藤田まことが『てなもんや三度笠』で「あたり前田のクラッカー」と言っていたのがよく知られていたことを踏まえたものだろう。

 どこまでが本気なのか解らないが,おそらくは単なる言葉遊びであろう

 

B-DASH(Ver.HANAGOE) (トンガリキッズT)(2024.6.4)

平成17年,詞:トンガリキッズ,曲:トンガリキッズ,唄:トンガリキッズ

 「ちょっと早すぎるかもよ BDASH 穴におっこちるかもよ B-DASH 亀に激突かもよ B-DASH」と始まる。何のことやらといぶかしんでいたら,「マリオ使い過ぎかもよ」などと出て来てようやくスーパーマリオかと合点。スーパーマリオは他人がプレイしているのは観たことがあるが,自分でプレイしたことはないので仕方ない。「コイン」とか「キノコ」が登場するのも納得だ。

 「もぉー!ちょっとお母さん! もぉー!コンセントぬけたじゃん! もぉー!クリア出来たのに 掃除機架けるのやめて―!」など,状況が目に見えるようだ。

 曲はラップ風だが本場のラップとは違って聞こえる。J-RAPとでもいうものか。Wikipediaではテクノと分類されていた。日本語のリズムをきちんと残しているので,聴いた時に聞き取り易い。

 まあ,私が分類するとコミカルソングの一種だ。

 

ビー玉(2024.3.27)

平成17年,詞:愛,曲:愛,唄:大塚愛

 「昔ながらのサイダーの中に眠る心の玉 取り出してもっと広い光にあててみれば 知らない色も覚えて 磨けば光る心の玉」と始まる。

 「丸い丸いビー玉にうつるは ピースサインのあたしで いつかまたのぞいた時も きっと笑ってるんじゃないかな」あるいはこれと同趣旨のフレーズが何度も登場するのでこのような内容がこの歌の主題なのだろう。詩人の感性が不足している私には「ビー玉」に対する思い入れが共感できないため,この歌全体に共感する点がない。

 

ビロードの闇(2023.10.5)

平成17年,詞:Satomi,曲:林田健司,唄:KinKi Kids

 「痛いくらいの不安をひとりで抱え 眠れぬ夜に打ちひしがれる」と始まる。

 詩人の言葉は難解だ。

 「ビロードの闇に融(と)けだす 剥(む)き出しになった愛情 僕はキミの手を握り シアワセの光が射す場所へと目指す 刹那(せつな)を擁(だ)きながら」。雰囲気は感じ取れるが私には理解できない。

 「ビロードの闇」という言葉は何度も登場し,タイトルにまでなっている。この「闇」は心の闇なのだろうが,「ビロードの」と付いているのでトゲトゲの闇ではなさそうだ。「愛情」が「闇に」「融けだす」とはどういうことだろう。水に塩が溶ければ塩水という新しいものになるが熱でバターが融けてもバターはバターだ。ここではわざわざ「融(と)けだす」と言っているので「愛情」であることは変わりがないがその形が変わった,その原因は「闇」だということだろうか。

 「シアワセの光が射す場所」や「刹那」が具体的に何なのか。思いつくものがないわけではないがそれが正しい理解なのかどうかが私には解らない。

 

ファンタスティポ(2022.3.9)

平成17年,詞:久保田洋司,曲:清水昭男,唄:トラジ・ハイジ

 「あの頃 俺たちはいつも 何かを 追い続けていた」と始まる。

 「いつしか 大人になってて 現実はどこか冷めてて あの日の 旅の目的地は こんなとこじゃない」

 「忘れていない あの頃の気持ち 君を連れてく ファンタスティポへ」と終わる。

 ファンタスティポがどんなところか説明はないが,昔目指していた所らしい。いつの間にか大人になってしまったが,まだファンタスティポのことは忘れていないという歌か。

映画「ファンタスティポ」(国分太一,堂本剛)の主題歌。鯉之堀トラジと鯉之堀ハイジはそれぞれ映画の中での国分太一と堂本剛の役名。

 

fairyland(2023.12.13)

平成17年,詞:ayumi hamasaki,曲:tasuku,唄:浜崎あゆみ

 「大人になって行く事の意味 なんてわからないままだよ」と始まる。

 「あの海へと続く道のり無邪気に 笑い転げて走り抜けて行った 遠い夏の日」とあるが,何歳くらいの思い出なのだろう。私自身で言えば「笑い転げて走り抜け」たりしたのはせいぜい小学校の低学年の頃までか。

 「あれからどの位何かを求めて 見つけてはまた失う事ばかり 繰り返したけど ここにある笑顔が教えてくれたよ 僕たちは今最も永遠に 近い場所にいる」。

 何か良くは解らないが,笑顔だということはハッピーソングなのだろう。まあ悪い気分にはならない。

 ただ,「何かを求めて」と何を求めたのか具体性がない。人によって求めたものが違うだろうから,多くの人に当てはまる様に求めた物を特定しなかったのかも知れない。しかし,私に言わせればそのように抽象化するからインパクトが弱くなり,共感も薄れる。

 まあ,詞は悪くはないが,バックの曲中のアップテンポなリズムが詞を聴かせるのを邪魔しているように感じる。

 日本テレビ系『音楽戦士MUSIC FIGHTER8 月度オープニングテーマ,『スポーツうるぐす』イメージソング。

 

プラネタリウム(2025.2.18)

平成17年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN

 「四畳半を拡げたくて 閃いてからは速かった 次の日には 出来上がった 手作りプラネタリウム」と始まる。

 作るときに「実在しない穴を開けて 恥ずかしい名前つけた」「一番眩しい あの星の名前は 僕しか知らない」。四畳半に閉じ込めたことに満足して「触れる事は 諦めたた 背伸びしたら 驚く程容易く 触れてしまった」。「本当に届いてしまった」

 うーん。ハッピーエンドかと思うと,現実世界ではまだ夢でしかないようだ。

 

HEAVEN(2023.7.27)

平成17年,詞:ayumi hamasaki,曲:Kazuhito Kikuchi,唄:浜崎あゆみ

 「最期に君が微笑んで 真っすぐに差し出したものは ただあまりに綺麗すぎて こらえきれずに涙溢れた」と始まる。

 聴いただけでは「最後」とも聞こえるが,歌詞を調べると「最期」になっており,そういう歌だと解る。「あの日きっとふたりは愛に触れた」というのだからそうなのだろう。二人だけに解ることだ。

 しかし,まだ若そうに感じるのに,「どんな結末が待っていても 運命と呼ぶ以外他にはない」と達観できるのだろうか。

 「君が旅立ったあの空に」というのはタイトルの「HEAVEN」ということだろう。

 「信じて愛する人私の中で君は生きる だからこれから先もずっと サヨナラなんで言わない」。

 このような歌を聴くと死について考えてしまうのは年齢のせいだろうか。

 松竹映画『SHINOBI-HEART UNDER BLADE-』(仲間由紀恵,オダギrジョー、黒田友香,沢尻エリカほか)主題歌。

 

未来(四次元Four Dimensions(2021.3.13)

平成17年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「名前もない路上で ヒッチハイクしている」と始まる。

 「誰もここを通らないや」「進入禁止だって あらゆるものを拒絶して 追い払ったのは僕だから」

 「生きてる理由なんてない だけど死にたくもない」

 「先の知れた未来を 信じたくなくて 目を閉じて過ごしている」

 「女が運転する車が止まって」「美しい予感があって それを信じたまま 甘い恋をしていられた そして今 音もたてず忍び寄る この別れの予感」

 分析はもういいからと言いたいが自分でもわかっているようだ。「先の知れた未来を 変えてみせると この胸に刻みつけるよ」と積極的に動き出そうとしている。それでいいのだ,それがいいのだ。

 

MEGANE(Ver.HANAGOE) (トンガリキッズT)(2024.7.9)

平成17年,詞:トンガリキッズ,曲:トンガリキッズ,唄:トンガリキッズ

 「メガネが割れてる×3 レンズ左端 メガネが割れてる×3 お前の右端」と始まる。

 私には理解できない歌。何度も「メガネが割れてる」というフレーズが繰り返されるが,本当に割れているのかどうかさえ解らない。

 年寄りにはナンセンスに聞こえる歌だ。このような遊びを喜ぶのはせいぜい小学校の低学年以下ではないか。もっとも,私も大学生くらいまでは密かにこのような歌を喜んで聞いたこともあるが,あくまで他人のいないところで一人での話だ。

 

ヨーイドン(四次元Four Dimensions(2021.5.25)

平成17年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr,Children

 「目をつぶってさ ブランコを思い切り漕ぐんだ」と始まる。

 フジテレビ系子供番組『ポンキッキ―ズ』・『ガチャガチャポン!』の主題歌。

 「ヨーイドンの合図 待たずして僕ら大人になっていくよ」とか「偉い教授も専門家も分ってないよなぁ 数字やデータで未来はつくれない」など,番組視聴者の子供の言葉とは思えない。桜井の詞は小難しい詞が多いが,子供の頃からこんなことを考えていたのだろうか。

 桜井は何歳くらいで「いま旅立ちを告げるよ」とか「転がり続けていくよ」などと思ったのだろう。

 

ラヴ・パレード(2022.1.18)

平成17年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE

 「明日俺んち来るってさ 君がいきなり言うからさ」とラップから始まる。

 私はラップとは何かよくは知らない。ラップの詞は韻をふんでるものだと思っていたので,どこかに,平板な音程の繰り返しで韻をふんでいないものをラップもどきと書いたような気がする。この詞も韻はふんでいないようなのだが,これは歌詞に(ラップ)と書いてあったのでこれもラップなのだろうと思っただけである。 唄は「裏通り 君を想い 今日も過ぎていく」と始まる。

 歌としては「心で君をみつめてる そばにいるだけで 愛を感じる」という歌だ。「心で君を抱きしめる 今は少しだけ愛を信じれる」ともあるから,いろいろある他のフレーズは枝葉末節だろう。歌の部分もラップの部分も共通のアフタービートの単調なリズムにのせてどこがサビかも気づかせないうちに唄いきる。まあ,嫌いとはいえないが感動もしないし共感もしない。また,『ら』抜き言葉などを見つけると,平成の歌だなあと感じてしまう。平成の歌はなぜ自分の思いだけを垂れ流し,リスナーに対する状況説明が少ないのだろう。

 

ランニングハイ(四次元Four Dimensions(2021.4.30)

平成17年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「理論武装で攻め勝ったと思うな バカタレ!」「分ってる 仕方ないだろう他に打つ手立て無くて」と始まる。

 「向こう側にいる内面とドッチボール」というのが明確にはわからないが雰囲気は感じ取れる。このドッチボールで「もう疲れた誰か助けてよ」とSOSを出しても誰も気にしてくれない。「なら 息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして」と開き直ったのだ。

 桜井は自分が理屈っぽいことを理解しているからこのような詞になったのだろう。理論武装を捨て,息絶えるまで駆けようというのは解らないでもないが,そのように思うのはもっと若い頃ではないのか。

 

I believe(2024.6.3)

平成18年,詞:絢香,曲:絢香・西尾芳彦,唄:絢香

 「この胸の中に隠れてる 不安のうず 目の前にある 自分の進むべき 道はどれか」と始まる。

 「I believe myself 信じることで 全てが始まる気がするの」「まちがっちゃいない 歩いて行こう」という歌。優しい声で強い心を歌っている。

 TBS系ドラマ『輪舞曲』(竹野内豊,チェ・ジウほか)主題歌。

 

I’ll be there(4 hot wave) (2022.1.17)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:Shintaro Hagiwara,唄:倖田來未

 「焼けつくような この太陽に 何かがそう 起こる気がしてるんだ」と始まる。

 何が起こるのか,私には解るすべもない。「愛の言葉 期待を胸に」などとあるので,そのようなことを期待してるのだろう。「感じているよ 君と 眩しい光の中に 何かがそう 起こる気がしてるんだ」ということなのだが,ニブい私には解らない。何かが起こって欲しいと願う気持ちなら記憶にあるが,何かが起こる気がした記憶がないので感覚が共有できない。全く予想しない事態が発生した記憶ならば少なくないが。

 曲は昭和では馴染みがないスタイルの曲なので,平成流なのだろう。

 

アゲアゲEVERY☆騎士(2025.5.17)

平成18年,詞:REYAN GEORGEDJ OZMA,曲:FRIAN FRANK,曲:DJ OZMA

 Bounce with me Bounce with me Bounce with me Bounce」とはじまるが,最初から何のことかわからない。

 歌詞を読んでみると意外と単純なのだが,平成の若者はこんな感じなのだろうか。私と話が合わないわけだ。

 この歌に関してどのようにコメントすべきか,思いつく言葉がない。

 

ありがとう(2023.8.30)

平成18年,詞:MORISHINS’,曲:MORISHINS’,唄:SMAP 

 「どうしようもない いつもしょうもない 事ばかりで盛り上がって」と始まる。

 周囲の素敵な人たちに「ありがとう」という歌。

 「小さな小さな幸せでいい 僕らにずっと続きますように」「こんな僕でも愛してくれた 何よりも君と出会える事ができてよかった」と悟りを開いたような歌。このように何事にも感謝できるようになれば自分と周囲は幸せになるだろう。

 しかし,身の回りの小さな幸せばかり追っていると,離れたところで不幸が巨大化しつつあるのを見逃す恐れがあるかもしれないが。

関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『僕の歩く道』(草g剛)主題歌。TBS系『リオオリンピック2016』テーマソング。

 

With your smile(4 hot wave) (2022.4.10)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:Toru Watanabe,唄:倖田來未

 「前に進もうと思える 指先からつま先まで 僕にとっての源は 君だけだから」と始まる。

 昭和歌謡が順調に成長し,平成歌謡になったような印象を受ける。「こんな日はちょっとふたりで 海にでも行ってみよう」などと,歌手によってはイラっと来そうなフレーズがあってもなぜか気にならず,微笑ましく感じてしまう。

 「涙が頬を 流れてしまいそうになる そんなときいつも 勇気づけてくれる」これが昭和の感性だと思う。平成もこのような感性が残っていることを知り,心強い。

 

美しき花(2022.8.27)

平成18年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治

 「愛しながら 愛されながら 美しき花になれ」と始まる。

 「冬来たりなば春遠からじ 未来来世 生命は宿るよ」と現在は冬の状態であるものを激励するような歌だ。「逢うは別れの始めと言えど 年年歳歳 出逢いは巡るよ」とやはり現在は不遇であると認識して「誰かが〜どこかで 待ってる」などと勇気づける言葉を発している。

 曲は華がないように感じるが,あまり明るく華のある曲だと状況に合わないということなのだろう。

 この歌で勇気づけられる人が多いといいのだが。私などひねくれているので「そんなこと言われても 美しい花になどなれない」と思う人も少なくないのではないかと思ってしまう。

 

関風ファイティング(2021.9.12)

平成18年,詞:MASA,曲:馬飼野康二,唄:関ジャニ∞

 「你好(ニーハオ) 謝謝(シェイシェイ) (笑っチャイナ 笑っチャイナ 笑っチャイナ 笑っチャイナ)」と始まる。

 「ふられたら笑っチャイナよ」ということらしい。「恋に破れて 涙ポロポロ」なのだが,

「ドラゴンが舞い降りて ドラゴンが踊りだす ドラゴンが火を吹いた 燃えろ関風ファイティング!」という歌。

 最初の「謝謝(シェイシェイ)」だが,北京語なら『シエシェ』のように聞こえると思う。中国語に分類される言葉は福建語や広東語などいろんな言葉があるが,どの地方の言葉なのだろうか。ということで最初から引っかかる。

 一種類の歌詞を見ただけなのでこれが誤植なのかもしれないが,「ドラゴンが火を吹いた」とはどういうことだろう。もっと燃えるように火吹竹を使うように火を吹いたのだろうか。ドラゴンなら火山のように火を噴くのではないかと思うが。などと考えていると歌が全く頭に入らない。

 そもそもドラゴンが龍なら,鯉が登龍門を登った結果天に昇るもので,舞い降りるものではないと思うのだが。

踊っチャイナ,乗っチャイナ,笑っチャイナ,などとチャイナを繰り返しているのは私には軽薄にしか聞こえないが若い人には受けるのかもしれない。

馬飼野の曲は本当ならもっと日本調のほうが好きだが,まだ受け入れられる。しかし,詞は私にはお手上げだ。

 

Good-bye days(2024.8.22)

平成18年,詞:YUI,曲:YUI,唄:YUI for雨音薫

 「だからいま 会いにゆく そう決めたんだ ポケットの この曲を 君に聴かせたい」と始まる。

「うまく愛せていますか? たまに迷うけど」というのはどういう意味だろう。

Oh Good-bye daysいま 変り始めた 胸の奥 all right かっこよくない優しさがそばにあるから 〜with you」。どうもよく解らない。心が揺れているのだろうか。「できれば 悲しい 想いなんてしたくない」というのは何か予感があるのだろうか。「同じ唄を 口ずさむ時 そばにいて I wish かっこよくない優しさに会えてよかったよ」

Good-bye days」の意味が私には解らないので,この歌の解釈は私には無理だ。

 松竹配給映画『タイヨウのうた』(YUI for雨音薫)主題歌。

 

恋のつぼみ(2023.10.4)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:Yusuke Kato,唄:倖田來未

 「大好きな君にでくわす 大事な時には いつも最悪。 恰好も 髪型も なんで・・・(T_T)」と始まる。

 「うまくいかない それが人生なんかなぁ・・・」という状況のようだが「めちゃくちゃ すきやっちゅーねん 月曜日も 火曜日も 誰にも負けへんのに」という気分は良く伝わって来る。

 倖田のビジュアルからは私には彼女がこのような歌を書くとは思えないのだが,書いているようなのでつくづく私は女性を見る眼がないと思う。

 関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『ブスの瞳に恋してる』(稲垣吾郎,村上知子,蛯原友里,井川遥かほか)主題歌。

 

サヤエンドウ(2024.12.27)

平成18年,詞:Zopp,曲:Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson,唄:NEWS

 「海の真ん中 目覚めた 囲まれた いかついドクロが おいらに怒鳴る」と始まる。最後は「ガンダラーダ ガンダラーダ 枕元から聞こえる ガンダラーダ ガンダラーダ 魔法がさめるから そろそろ行かなくちゃ 夢がさめる その前に さらば」なので夢の話かもしれないのだが,途中で自分が「ドクロ」と気付く場面も含め,全体が絵を観るようにわかりやすい。

 子供っぽいかもしれないが,私はこのように解り易い歌の方が好きだ。

 映画『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』主題歌。

 

SIGNAL(2021.4.4)

平成18年,詞:ma-sayaRap詞:JOKER,曲:JOEY CARBONELISA HUANG,唄:KAT-TUN

 「Hey girl 教えて どんな夢見て 一人ぼっち 夜明け待ったの?」と始まる。

 英語が沢山入っていることもあるが,日本語の箇所も何が言いたいか解らない。というか,個々のフレーズは日本語のようだが,フレーズ間の繫がりが日本語には聞こえない。

 曲も,リズムがあるのは解るが,メロディーはあるのかと言いたくなるような曲。私の理解を越えている。

 

衝動(2023.2.3)

平成18年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「長い夜に目覚めて 青白い部屋の中 不意に大事な何かを 傷つけたくなる(暗闇のfreedom)」と始まる。

 平成の歌の特徴のひとつ,自分の思いだけを言いっぱなしの歌。「あなた」に要求だけしている。もっとも,昭和のロックも同じで,平成になりロックが大衆化しただけなのかもしれない。

読売テレビ・日本テレビ系アニメ『名探偵コナン』放送10周年記念オープニングテーマ。この原作は同タイトルの青山剛昌の漫画。日本テレビ系ドラマ『喰いタン』(東山紀之)の主題歌。原作は同タイトルの寺沢大介の漫画。

 

しるし(2021.4.29)

平成18年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「最初からこうなることが決まっていたみたいに」と始まる。

 例によって小難しく感じるミスチル・ソングだ。

 「どんな言葉を選んでも どこか嘘っぽいんだ」などと考えること自体がミスチルっぽいのだが,「左脳に書いた手紙」などというフレーズはこの時代なら桜井以外は使わないだろう。

 「心の声は誰が聞くこともない それもいい その方がいい」と言ってはいるが,自分でも気づかない場合が多い心の声を表に出しているのはミスチルではないのか。

 「いろんな角度から君を見てきた そのどれもが素晴らしくて 僕は愛を思い知るんだ」というならそれだけを言えばいいのではないか。小理屈を言い過ぎに感じる。

 

しるし(2023.12.12)

平成18年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

 「最初からこうなることが決まっていたみたいに 違うテンポで刻む鼓動を互いが聞いている」と始まる。

 桜井の詞は哲学的で難解な詞が多いが,この歌は哲学的と言うより詩的に感じる。詞的センスのない私には難解なことに変わりがないのだが、

 「ダーリンダーリン いろんな角度から君を見てきた そのどれもが素晴らしくて 僕は愛を思い知るんだ 『半信半疑=傷つかない為の予防線』を 今,微妙なニュアンスで君は示そうとしている」というのが現在の二人の関係だ。このフレーズに刺激されて私はある程度の長さの分析を書いたのだが,読み返してみると混乱した内容だったので削除した。このように桜井の詞は難解だ。

 「共に生きれない日が来たって どうせ愛してしまうと思うんだ」というのだから,それでいいと言うしかない。とはいえ「生きれない」は『生きられない』として欲しい思いだけはある。

 日本テレビ系ドラマ『14才の母』(志田未来,田中美佐子,生瀬勝久,三浦春馬ほか)主題歌。

 

JUICY4 hot wave(2022.3.8)

平成18年,詞:Yo Taira(Digzinc group),曲:STY(Digzinc group),唄:倖田來未

 「ギュッと絞ったJuice グッと飲み干すYour body」と始まる。

 私には歌詞がほとんど聞き取れない。リズムに乗っているのは解るが,そのために普通の日本語アクセントからずれ,メロディーと言えるのかどうか判らない(もちろん言えるのだろうが)音の流れに乗っているので日本語として聞こえないからだろう。

 歌詞を見ながらなら何となく聞き取れるが,全体の意味は解るようで解らない。「密会現場でちょっと 遊んでみない?」が要約的フレーズのような気がするが,その解釈でいいのだろうか。

 

純恋歌(2021.6.20)

平成18年,詞:湘南乃風,曲:湘南乃風,唄:湘南乃風

「目を閉じれば 億千の星 一番光るお前がいる」と始まる。

タイトルの読みは「じゅんれんか」のようだ。

途中にラップ調の部分がある。ラップ調と書いたのは,ラップとは何かを正確には知らないが,普通?のラップよりテンポがゆっくりしているように感じる。また,不要な言葉を挿入して無理に韻を踏むようなことがない。ゆっくりだから私にも聞き取れる。

結局は「一番光るお前が欲しい」「届け愛のうた」ということで昭和の時代にも合った感情だ。少し表現方法が変わったが心情は変わっていないので昭和人間にも理解できる。

 

SPLASH! (2022.11.5)

平成18年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「次から次へとしぶきをあげては 飛び込む真夏の欲情チルドレン」と始まる。

 この歌についてWikipediaはどのように書いているかを見てみると,『性行為や生殖,恋愛などといった「人間の生存現象」をテーマに描かれており,直接的な表現も少なからずある』と書かれている。

 Wikipediaには,『このシングルのプロモーションでNHK総合テレビジョン「ポップジャム」に出演』との記載もある。その昔,『ブンガチャ節』1)のような歌でも『劣情を刺激する』などといって放送禁止(自粛?)歌に指定していたのに,時代は変わったのだろう。Wikipediaの執筆者もあのNHKがという思いがあってわざわざ記載したのかもしれない。

 もっとも「SPLASH!」を聴いても,私には何と歌っているか聞き取れない。一方,『ブンガチャ節』では,ベッドがきしむ音に聞こえるとして問題になった『キュッキュキューキュッキュキュー』は私の耳にも文字通り聞こえるが,これを『ベッドがきしむ音』とするのは下種の勘繰りだろう。

1) 「ブンガチャ節」(昭和37年,詞:星野哲郎,曲:船村徹,唄:北島三郎)

 

千の風になって(2021.5.24)

平成18年,詞:不詳,訳 新井満,曲:新井満,唄:秋川雅史

 「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません」と始まる。

 「千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています」という歌。

 原詩は米国の詩らしい。

 宗教的にはどのように評価されるのか知らない。物質的には人体を構成していたC, H, OなどがCO2H2Oになって空気の一部となり,風となるというような話を聞いたことがあるが,もちろんこれはそんな話ではなく霊魂の話のはずだ。空の星になるのか,草葉の陰に居るのかは知らないが,身近に居るということだろう。それを風で表現しているのだ。遠くに行ってしまったわけではないことを。

 久しぶりの(ダンスなどのパフォーマンスではなく)歌で勝負の歌手の歌のヒット。

 

宙船(そらふね)(2022.5.14)

平成18年,詞:中島みゆき,曲:中島みゆき,唄:TOKIO

「その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いで行け」と始まる。

 「その船は今どこで ボロボロで進んでいるのか」と現状紹介があり,「その船は自らを宙船(そらふね)と 忘れているのか」とその船が特殊な船だと明かされる。

 「地平の果て 水平の果て そこが船の離陸地点」と,そこまで言って飛び上がれという応援歌なのだろう。

 地球上なら,水平の果てなどと言っても一周して元にもどるだけではないかとか離陸ではなく離水1)ではないかと言いたくなるひねくれ者の私だが,中島みゆきに対しては甘いのと,言わんとすることは良く感じ取れるので文句は言わない。

 曲は平成らしくアップテンポだが,メロディーにのせても歌詞がよく解る。つまり日本語として不自然ではない。作曲方法に関係しているのかもしれない。

日本テレビ系ドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(長瀬智也,新垣結衣ほか)のエンディングテーマ。

1)      昔からあるフロートのついた水上機の発着は,それぞれ離水・着水というようだ

 

タイヨウのうた(2021.7.18)

平成18年,詞:Shiratori Maika,曲:Shiratori Maika,唄:Kaoru Amane

 「ふるえている 私の手に はじめて君が触れて」と始まる。

TBS系テレビドラマ「タイヨウのうた」の挿入歌。Kaoru Amaneは主演の沢尻エリカの役名。

「モノクロの毎日が 色づいてゆくように 笑って 泣いて 君と出会えて」とハッピーソングだ。

「ひまわり揺れる タイヨウの下で」というフレーズが何回か出てくる。歌詞には明示されていないが,ドラマの設定では雨音薫は色素性乾皮症という難病の設定だ。この病気は紫外線によるDNA損傷が修復されない病気で,徹底的な遮光が必要ということらしい。タイトルや歌詞で「タイヨウ」とカタカナ表記されているのはこのことと関係あるのだろうが,よくは解らない。

歌詞はハッピーソングなのだが,唄を聴いてもバッピ―全開というようには聞こえない。雨音薫の病気が影響しているという沢尻の演技なのかどうかは不明だ。沢尻は平成19年,別の映画の舞台挨拶で不機嫌そうな振る舞いでマスコミを賑わせた。ハッピーな演技は不得意なのかもしれない。

 

旅人(2022.10.1)

平成18年,詞:ケツメイシ,曲:ケツメイシ,唄:ケツメイシ

 「旅立って 一人になって 踏み出して 孤独になって 鳥のように 自由になって 丘に立って 風に吹かれて」と始まる。

脚韻のつもりなのかもしれないが,フレーズの末尾がメロディーも含め,私には単調に聞こえる。もともと現代仮名遣いの日本語は,体言止めなどを多用しない場合には文章の語尾が単調になりがちなのではないだろうか。過去形だと,語尾を全て『た』で終えることは容易だし,現在なら『だ』,ですます調なら語尾を全て『す』に統一できそうだ。そもそも文が助動詞で終わることが多く,助動詞の数が限られているため語尾を揃えることは容易だと思う。近代の小説家の中には,いかにして語尾を変え,文末が単調になることを避けようと努力した者も少なくない。

詞や曲の技法は置いといて、メッセージの内容は「僕だけのありのままの旅へ」ということのようだ。私にはこの「ありのまま」というのが解らない。「自由になって」という言葉もあるので,現在は自由じゃないと感じているのだろうか。現在不自由なら,不自由な自分がありのままの自分だろう。なんとなく殻をむいたらありのままの自分がでてくるようなニュアンスが感じられて同意できない。殻を被っていてもそれがありのままなのではないのか。何となく,一時流行った自分探しのようで共感できない。若者が持つ夢や目標が抽象的過ぎるように思う。夢や目標がもっと具体的ならそれに向かって具体的な努力ができるだろうに。夢のような夢をみていては実現するはずがない

尚,タイトルは『たびうど』と読ませている。

 

抱いてセニョリータ(2021.3.12)

平成18年,詞:zopp,曲:渡辺未来・真崎修,唄:山下智久

 「喧嘩の傷跡を 眺めあなたは言う あいつとツルむのは もうやめなと」と始まる。

 最初から,私が若かったころとは言葉が違う。昭和時代なら,こんなところで「あなた」は使わなかっただろう。相手との関係にもよるが,この雰囲気なら「お前」か「君」だろう。

 言葉が変わってしまったので「あなたのその唇が じれったいのよ」なども誰の言葉か解らない。「のよ」など昭和時代なら間違いなく女性言葉だったが。

 言葉だけだと,「抱いて 抱いて 抱いて セニョリータ」など,セニョリータに抱いてくれと懇願しているように聞こえるが,昭和時代は抱くのはセニョール、抱かれるのがセニョリータだったと思うのだが。

 歌詞の中の行動の主体が誰か判らず,感情移入ができない。

 

DIRTY OLD MAN〜さらば夏よ〜(2024.11.7)

平成18年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ

 「哀(あい)泣き笑い 時代(とき)は流れた 強者(つわもの)達の夢の跡 あの日の熱い僕はもういふない 燃え尽き死んだはずさ」と始まる。

 「『いい人だね』と皆に言わせて 無邪気に道化を演じてる 妬(ねた)みと見栄の虚(むな)しい毎日」などというフレーズもあるが,それでも「大事なものは若さじゃなくて 素顔のままのしなやかな日々 振り向くほどに人生は悪くない 明日を信じるならば」と前向きに変わっている。

 この頃桑田は50歳頃か。昔に比べれば自らをOLD MANと感じたのは実感だったのかもしれない。しかし,もっと後から振り返ればあの頃はまだ若かったということになる。

 フジテレビ『お台場冒険王2006』主題歌。

 

チャンピオーネ(2025.4.2)

平成18年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE

 「乗りこなしてみな Big Wave なんて快感 Ride On Time ぶっ壊れて 跳ねて 野獣と化してダンスダンス」と始まる。

 4ビートのようでそれほどアップテンポとは感じないのだが,なぜか歌詞が早口で聞き取れない。丁寧に聴いてみるとそんなに早口ではないのだがなぜだろう。おそらく私が予期しない言葉が次々と現れるからだろう。私の思考と平成人の思考は合わなくなってしまったのだ。

 NHK2006FIFAワールドカップ」中継テーマソング。

 

テルーの唄(2024.9.26)

平成18年,詞:宮崎吾朗,曲:谷山浩子,唄:手嶌葵

 「夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる 鷹はきっと悲しかろう」と始まる。飛ぶ鷹を見て「悲しかろう」というだけでこの歌の雰囲気が感じ取れる。

 「鷹のようなこの心 心を何にたとえよう 空を舞うよな悲しさを」というわけだ。

 「鷹」の次は「花」だ。「花はきっと切なかろう」「薄桃色の花びらを 愛でてくれる手もなくて」。次は「あなた」だ。「私とともい歩んでる あなたもきっと寂しかろう」。そして最後は「一人道行くこの心 心を何にたとえよう 一人ぼっちの寂しさを」と終わる。

 ジブリ映画『ゲド戦記』挿入歌。

 映画は観ていないが,こんなシーンなのだろうというイメージが伝わって来る歌。

 

Deep in your heart(2024.1.16)

平成18年,詞:白井裕紀,新美香,曲:堂本光一,唄:堂本光一

 「How deep is your heart?  Deep inside the darkness 誰も知らない 特別な Want to feel…   その闇に触れたくてそっと手を伸ばした きみに 気づかれないように 喉ばかり渇いた」と始まる。

 歌詞は半分以上英語で,当然私には聞き取れない。日本語の箇所も「ざらついた汗が 心のヒダを 甘く濡らす」などとあって私が使う日本語とは違うようだ。「ざらついた汗」とは何だろう。

 私にはお手上げの歌。曲も歌を聴かせるというより,ダンスの為の音楽のようだ。

 

Dear WOMAN(2021.8.14)

平成18年,詞:麻生哲朗,曲:平田祥一郎,唄:SMAP

 「君がどんなに否定しても 本当だから揺るがない 『君はとても美しい』という真実」と始まる。

 「君が 君でいることが とても美しい」などと,私なら素面ではとても言えないような台詞を繰り返す。そのようなフレーズをならべることができるのも歌だからだろう。

 この歌詞のような台詞の会話を電車の中で耳にしたら,思わず二度見し,良い印象は持たないだろうと思うが,歌として聞く分には気にならない。幸せになってネなどと思ってしまうかもしれない。

 

to U(2023.3.10)

平成18年,詞:桜井和寿,曲:小林武史,唄:Bank Band with Salyu

 「池の水が鏡みたいに空の蒼の色を真似てる」と始まる。

 ミスチルの桜井は哲学的で難解な詞を書く場合が多いような気がするが,ここでは優しく,比較的解り易い詞を書いている。

 「瓦礫の街のきれいな花 健気に咲くその一厘を「枯らす事なく育てていける」と誰が言い切れる?」と問題提起のような形をしている箇所も残ってはいるが,これは真の疑問ではなく,修辞法の一種だろう。

 「人を好きに もっと好きになれるから 頑張らなくてもいいよ 今を好きに もっと好きになれるから ああてなくてもいいよ」と優しく終わる。

 TBS系報道番組『筑紫』哲也NEWS23』テーマソング。

 

do!do!do! (2022.6.18)

平成18年,詞:TAKESHI,曲:TAKESHI,唄:TOKIO

 「One way何処まで行けばdo! do! do!  Everyday 見えない明日へdo! do! do!」と始まる。

 「do! do! do!」が何度も何度も繰り返されるのだが,その意味が私には理解できないので全体としても何が言いたいのか解らない。

 聞き手にメッセージが伝わらない歌というのは何のために唄うのだろうか。

 

夏模様(2022.12.30)

平成18年,詞:Satomi,曲:林田健司,唄:KinKi Kids

 「夕陽が 窓の向こうで 音もたてず ゆっくり 沈んでゆく景色に」と始まる。

 夏のある日,夕陽を見ながら昔を思い出している歌。とはいえ老人の歌ではなく若者の歌。思い出しているのは子供の頃だ。「最近,忘れていたな 立ち止まって見ること」,「町と社会(ひと)に流されていた」と現在の生き方への反省も混じる。

 「瞳閉じて見上げた空を」というのはよく解らない。瞳は自分の意志で開閉できないと思うのだが。瞼閉じてという意味かもしれない。しかし瞼を閉じれば見上げるという動作はできないように思う。せいぜい顔を上向けることまでだと思うのだが。

 

涙のふるさと(2024.7.8)

平成18年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN

 「探さなきゃね 君の涙のふるさと 頬を伝って落ちた雫が どこから来たのかを」と始まる。

 詞を読んでみても,論理的にどうなっているのか理解できない。ただ,詞を眺めていると,何となく一つの感情が湧いてくる。

 「出掛けるんだね それじゃここで見送るよ」と見送ったはずなのに,いつの間に「会いに来たよ」が何度も繰り返されるようになる。「見付けなきゃね 消えた涙の足跡 彼の歩いた道を逆さまに 辿れば 突くはずさ」。ここで現れた彼とはどういう彼なのだろう。「逃げてきた分だけ距離があるのさ 愚痴るなよ 自業自得だろう 目的地は よく 知ってる場所さ 解らないのかい 冗談だろう」

 これらから私に湧いてくる感情は哀しいものだ。しかし,曲は私の感情を表現するにはあまりにも騒々しい。

 結局,何が何だかわからない。

 

人魚姫4 hot wave(2021.12.15)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:Miki Watanabe,唄:倖田來未

「海に揺れてる 月夜の中で 小さな泡になって消えてしまいたい」と始まる。

「いっそあたしが 人魚姫なら 泡になって消えてしまえるのにね」と続く。

歌詞は解るような解らないような,微妙なところだ。

「信じたかったんだ あなたが王子様だと」とか「Happy endじゃないの? もう」などというフレーズから結末は一応わかるのだが,途中経過がわからない。主観的な心理描写が続くのは平成の歌の特徴だろう。

シングルCD4 hot wave』に収録された一曲。

 

裸足のシンデレラボーイ(2025.2.17)

平成18年,詞:zopp,曲:Shusui, Stefan Aberg,唄:NEWS

 「ちっぽけな 深夜バス 乗り込んで 流れてくる涙 遠く 見える ネオンライト 眺めてた」と始まる。

 「アスタラビスタベイべ」というのは何かの呪文だろうが,私には意味不明だ。

 そもそも「シンデレラボーイ」について,私は突然現れたスターという印象を持っているのに,歌詞からはそのような印象を受けないため,何が何だかわからなくなっている。やはりドラマを観ないと駄目なのかもしれない。

 フジテレビ系ドラマ『一瞬の風になれ』(内博貴ほか)主題歌。

 

Harmony of December(2023.11.7)

平成18年,詞:マシコタツロウ,曲:マシコタツロウ,唄:KinKi Kids

 「乾いた北風がひゅるり落ち葉を集めてる 『今夜は雪が降りそうだね』うれしそうな声で いつもの公園に 今日は静かな夜が来る つないだ指がとてもやさしい ふたりきりの温度」と始まる。

 二人一緒にいるのかと思ったら,「君に会いたい 今会いたい」と何度も繰り返される。よくは解らないが「消えないでいて この恋よずっと」ということらしい。

 浮かれているときには恋が消えることなど考えもしないのではないかと思うが,何か消えそうな予兆があるのだろうか。もしそうなら,恋が消えないことを願うだけでなく,具体的な努力をしないといけないだろう。

 

Venus(2023.4.14)

平成18年,詞:羽場仁志,曲:羽場仁志,唄:タッキー&翼

 「Kissで目覚めてCHA-CHAのリズムで 甘く モザイクMidnight」と始まる。

 詞はよく解らない。「熱くVenus 感じてVenus」と何度も出てくるが,「Venus」の意味が私には不明な上,歌詞の他の箇所も思いついた言葉を並べただけのように感じられ,全体が理解できないのだ。

 曲は,音楽的に説明することは私には出来ないが,昭和末期のアイドルソングのようで,何となく耳に馴染んでいて聞きやすい。

 

フィーバーとヒューチャー(2023.5.18)

平成18年,詞:H.U.B., A to Z,曲:谷本新,唄:GYM

 「ジュースの空き缶投げてみたら ゴミ箱にゴールしてさ 気楽にやりゃイイコトとかありそうだよね」と始まる。

 「頭で考えてちゃ そうおもしろいことなんてナイ 感じるままわがままに やりたいことをやってみれば」とか,「失敗恐がっちゃ そううまくいくことなんてナイ とりあえずがむしゃらに やりたいことをやってみれば」と,何事にも消極的な若者に対しては良いアドバイスだが,何も考えずやりたいことをやる者もいるのでこのようなアドバイスをするには相手をよく観てする必要がある。

 「メラメラ」「メロメロ」「ムチャクチャ」「ハチャメチャ」な「ヒューチャー」がいいねなどと云っているので,少し注意が必要かもしれない。

 フジテレビ系『バレーボール・ワールドグランプリ2006』イメージソング。

 

ふたりで・・・(2023.7.26)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:miwa furuse,唄:倖田來未

 「こうして毎日過ごせる 時間を大切に想う つまらないことで困らせる私 これからも傍でそう笑いたい」と始まる。

 「あなたがもしも悩んだときは 手を引くのが私でありたい 私がもしも 悩んだときは 笑わせて そう抱きしめて 強く そう強く」というのが主題のようだ。

 詞の他の箇所からも,何気ない日常に幸せを感じているようだ。倖田のビジュアルとギャップを感じている私は,人を見る眼が無いのだろう。

テレビ朝日系ドラマ『だめんず・うぉ〜か〜』(藤原紀香他)挿入歌。

 

BLUE BIRD(2024.3.26)

平成18年,詞:ayumi hamasaki,曲:DAI,唄:浜崎あゆみ

 「グレーな雲が流れたら この空が泣き止んだら 君の声で目を覚ます ちょっと長めの眠りから」と始まる。

 「青い空を共に行こうよ どこへ辿り着くんだとしても もしも傷を負ったその時は 僕の翼を君にあげる」

 『青い鳥』といえば,チルチル・ミチルは青い鳥を探し歩いた1)。ザ・タイガースは冒頭から『青い鳥を見つけたよ 美しい島で』2)と探す間もなく見つけてしまうし,桜田淳子のところへは『ようこそここへ クック クック わたしの青い鳥』3)と青い鳥のほうからやって来てしまう。それがこの浜崎あゆみになると,自分たち自身が青い鳥のようだ。どの青い鳥にも共通なのが幸せの象徴ということのようだ。

1)      「青い鳥」(1908,メーテルリンク)

2)      「青い鳥」(昭和43年,詞:森本太郎,曲:森本太郎,唄:ザ・タイガース)

3)      「わたしの青い鳥」(昭和48年,詞:阿久悠,曲:中村泰士,唄:桜田淳子)

 

+MILION but-Love(2024.2.20)

平成18年,詞:白井裕紀,新美香,曲:堂本光一,唄:堂本光一

 「気ままに恋をしたり燃えるようなKissで酔わせたり 手に入れたいもの全て簡単に手に入ると信じてた」と始まる。

 私自身はこんな心境になったことがないのだが,世の中にはこんな人もいるのだ。

 そんな人でも「ひと目逢った瞬間にHeart搔き乱されて」というようなことがあるらしい。

 「Money & Love?  Money or Love?」こんな選択肢も提示されたことがない。

 「+Million but -Love」も何のことかわからない。異世界の歌だ。

 

箒星(2021.10.12)

平成18年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「寝れない日が続いて かすれた僕の声が はしゃいでる君の気持ちを曇らせた」と始まる。

 思わず疲れたところを見せてしまったが,あわてて「君は知ってんだろう? 僕の大風呂敷を 今 そいつで未来を盗むから さぁ手伝って」などと言っていたら「目を瞑っても消えない光 君の心に見つけた」それが「箒星」だそうだ。結構結構。

 「心配事ばっかり見つけないで」とミスチルの特徴も自覚しているようで,「僕ら一緒に探そう」「光り続ける“箒星”」と前向きな点は歓迎だ。

 

僕らの街で(2021.11.12)

平成18年,詞:小田和正,曲:小田和正,唄:KAT-TUN

「この小さな街で この時を生きて 僕らは 出会った あのまぶしい 夏の日」と始まる。

個々のフレーズは聞き取れるが,全体として明確に理解できるとは言い難い。例えば,「淡い後悔を 誰かの涙を いつの日か 振り返る時が来るんだろう」の「誰かの涙」とは誰がどのような理由で流した涙なのだろう。歌詞は揺れ動く心の動きがそのまま描かれているようで,想いの中心が定まっていないように感じられることが私の理解を困難にしている原因かも知れない。小田の詞はもっと解り易いと思っていたが,小田にも平成の影響が現れて来たか。

日本テレビ系のドラマ『たったひとつの恋』(亀梨和也)の主題歌。

 

milk tea(2022.7.24)

平成18年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治

 「『ごめんね』 どうして素直に言えないんだろう」と始まる。

 「口べたなとこ 背が高いこと 嫌いじゃないかな 好きになってくれるかな」と少しコンプレックスがあるようだ。「愛したい あなたに逢いたい」と思うような状況だからますます気になるのだろう。

 「同じバス停 雨の坂道 ひとつの傘で」というのが想い出のようだ。そうそう,ミルクティをもらったことが最大の思い出だからタイトルになっているのだろう。もちろん,現在進行形のようだから,将来二人の関係がどうなるかはわからないが,今が一番幸せなのではないか。

 

夢のうた(2023.6.21)

平成18年,詞:Kumi Koda,曲:miwa furuse,唄:倖田來未

 「思いもよらない夢を なぜだろう 見てる 毎日 君のことはもう 忘れたはずなのに この胸に止めどなく溢れてく」と始まる。

 ほぼすべての歌詞が「君のすべてを誰よりも そう こんなに想っているのに」ということを次々と異なる表現で訴える。途中で登場する「今も捨てられない 君のライターや タバコのかけら」という想い出の品も想いにリアリティを与えている。

 このような心情の女性がいることは想像できる。しかし,倖田のビジュアルからは君のことなど忘れてサバサバしてそうなのだが,そう思う私は女性を見る眼がないということらしい。

テレビ朝日系ドラマ『だめんず・うぉ〜か〜』(藤原紀香他)主題歌。

29回日本有線大賞,第48回日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞。

 

ゆるぎないものひとつ(2024.4.30)

平成18年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「笑いながら別れて 胸の奥は妙にブルー 言いたいことは言えず あなたの前じゃいつでも こころと言葉が ウラハラになっちゃう」と始まる。

 「ゆるぎないものひとつ抱きしめたいよ」と何度もでてくるが,その「ゆるぎないもの」が何かは示されていない。「誰にもそれが見えないとしても」とあるので言葉で説明するのも難しいのだろう。「まっすぐ優しく生きてゆきましょう 光のように闇を突き抜けて うたおうマイライフ」で理解しろということらしいが,私には理解できない。心の内をうまく言語化できないとはどういうことだろう。まあ,気分は感じ取れるのでそれでいいのかもしれない。。

 東宝系映画『名探偵コナン探偵たちの鎮魂歌』主題歌。

 

Real Face(2021.2.18)

平成18年,詞:スガシカオ,曲:松本孝弘,唄:KAT-TUN

 「ギリギリでいつも生きていたいから さぁ 思いっきりブチ破ろう リアルを手に入れるんだ」と始まる。

 ラップの部分は全く聞き取れない。歌の部分も私の感性とは合わない。詞も曲もだ。

 とりあえず,「リアルを手に入れるんだ」とあるので,少なくとも今の自分はリアルな自分ではないと感じているのだろう。子供のうちはそのように感じることがあるかもしれないがそれは現実からの逃避だ。気付かない程短時間でこの時代を通り過ぎる者もいるが,この時期から抜け出せない者もいる。昔は皆貧しかったから,生きるために,こんなことに長く関わっていることができなかった。しかし,この時代は(不景気だとは言っても)豊かな時代であり,このように現実逃避をしていてもそれなりに生き続けることができるようになったのだ。「きっとアタマよりココロで 考えるタイプ」などと言っているが,頭でも心でもまともに考えているようには感じられない。頭でも心でもどちらでもよいからもう少し考えて行動するようになったら大人になったと言えるだろう。