昭和の歌,平成元年〜,平成3年〜,平成5年〜,平成7年,平成8年,平成9年〜,平成11年〜,平成13年〜,平成15年〜,平成17年〜,平成19年〜,平成21年〜,平成23年〜,平成25年〜,平成27年〜,平成29年〜
目次
平成25年
美しい稲妻,運命Girl,EXILE PRIDE〜こんな世界を愛するため〜,S.O.S(Smile On Smile),Endless Game,カモネギックス,Come On A My House,ガールズルール,キ・ス・ウ・マ・イ〜KISS YOUR MIND〜,キミとのキセキ,君の名は希望,恋するフォーチュンクッキー,ここにしかない景色,Calling[For
my life],さよならクロール,賛成カワイイ!,シャレオツ,Joy!!,スキ!スキ!スキップ,鈴懸の木の道で「君の微笑を夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの,SNOW DOMEの約束,制服のマネキン,So long!,棚からぼたもち,チョコの奴隷,涙の答え,ハート・エレキ,ハロー,BUENING UP,バレッタ,ピースとハイライト,Breathless,へそ曲がり,僕らのユリイカ,My Resistance−タシカナモノ−,メロンジュース,Ride with Me,Luv Sick
平成26年
愛すればもっとハッピーライフ,AinoArika,明日へのYELL,Another
Future,ER2,言ったじゃないか,ウィークエンダー,ええじゃないか,オモイダマ,O.R.I.O.N.,GUTS!,がむしゃら行進曲,気づいたら片想い,希望的リフレイン,君にHITOMEBORE,キングオブ男!,CloveR,心のプラカード,桜みんなで食べた,Thank
youじゃん!,THE
REVOLUTION,12月のカンガルー,高嶺の林檎,誰もしらない,夏のFree
& Easy,何度目の青空か?,控えめI
love you!,光のシグナル,ひびき,Bittersweet,不器用太陽,前しかむかねえ,未来とは?,らしくない,ラブラドール・レトリバー,R.Y.U.S.E.I.,ONE
for the win
美しい稲妻(2022.6.11)
平成25年,詞:秋元康,曲:福田貴史,唄:SKE48
「僕は君のために 君は僕のために 何を求め合って 空を見てるのだろう?」と始まる。
夏のある時ということはわかるが「君は 美しい稲妻さ」という比喩が解らない。「この胸を横切って(Ha--) 愛しさがギザギザと(今) 心に刺さる」などという詞を見ると,稲妻をキューピッドの矢のように思っているのかもしれないが,私には到底そのような連想はできない。至近距離に落雷の経験を持つ私にとって,稲妻は遠くならば美しいと思うことができるかもしれないが,雷鳴を伴っての稲妻は恐怖以外の何物でもない。特に海にいるときなど,極めて危険ではないか。ということでこの詞にはまったく共感できない。
尚,センターは松井珠理奈と松井玲奈。
運命Girl(2023.5.11)
平成25年,詞:zopp,曲:CHOKKAKU,E.ONE 1 & 2,唄:Kis-My-Ft2
「運命Girl 焦らさないで…」と始まる。
「こんな気持ち 初めて」はいいのだが,「君も同じ 気持ちでしょ」とか「俺が好きでしょ?」と自分に都合のいいことしか考えていない。
「返信全然ない」「君の意図が汲めない」「恥ずかしがってんの?」と鈍感過ぎるのではないか。
「君の全部」「俺のもんだ」と勝手に思い込んでいるようだが,ストーカー予備軍ではないか。
EXILE PRIDE〜こんな世界を愛するため〜(2022.1.10)
平成25年,詞:ATSUSHI,曲:Sean “PHEKOO” Phekoo,唄:EXILE
「昨日までの時を超えて 繋がるはずの想い 手繰り寄せた その絆がROCK PRIDE」
このフレーズは何度も繰り返されるのでこの歌のテーマなのだろう。他にも繰り返されるフレーズがあるが,私が感じた最重要フレーズだ。最後は「こんな世界を 愛するため…」と終わるのでこれがまとめなのだろう。しかし,私には全体として何のことかわからない。私が感じるメッセージは『ロックが好きだ』だ。ロックが好きなら素直にいえばいいのに,「こんな世界を愛するためEXILE」などと無理やりよく解らない理由付けなど必要ないだろう。
曲はこれがJ-POPの一つの形態かと感じる曲。最初の音が他の音に比べて高くなっているフレーズが多く,日本語は高低アクセントなので詞と曲のアクセントが合わないと感じる。このアクセント無視がJ-POPの特徴の一つだろう。
S.O.S(Smile On Smile) (2024.12.12)
平成25年,詞:KOMU,曲;CHOKKAKU, Takuya Harada, Christofer Erixon,, Joakim Bjornberg,唄:Kis-My-Ft2
「Hey! Hey! We got best way Hey! Hey Everything OK? I promiseたとえ 何が起きたとしても My heart wilずっと 君の味方でいると」と始まる。
詞に「S.O.S」というのが何度も出て来る。「S.O.S君の笑顔(Hey!) それが答えMy heart is feeling! To smile on smile それだけでYeah! (Yeah!)という具合だ。タイトルもS.O.S(Smile On Smile)とあり,そういう意味なのだろうが,モールス信号通信世代にはSOSは救難信号にしか聞こえない。広く認知されている文字の連なりを無視して異なる意味を与えると若い人には新しく聞こえるのかもしれないが,年寄りには意味不明になってしまう。私にはお手上げの歌。
Endless Game(2022.8.20)
平成25年,詞:100+,曲:Charis Janey,Dyce Taylor,唄:嵐
「急かされるままに壊れそうなんだ」と始まるようだが,歌詞を見ながらでないと,私には早口過ぎて聞き取れない。
早口でない箇所も,英語が入ったり,他の音が被せられたりして,私が聞き取れないように,聞き取れないようにとしているようだ。
歌詞を見ても解らない。「どこへゆけるの? 望めばいつでも ゼロから始まるリプレイ 一か八かのフェーズへ 二度と戻れなくても」というのはリセットしてリプレイできるということなのか二度と戻れないということなのか。「何があるの? そのドアを開けよう リアルと繋がるリセット」。リセットすればリアル世界に戻るということか。
私にはさっぱりわからない歌。
フジテレビ系ドラマ『家族ゲーム』(櫻井翔)の主題歌。
カモネギックス(2022.10.29)
平成25年,詞:秋元康,曲:井上ヨシマサ,唄:NMB48
「カモネギックス! カモネギックス! ・・・」と繰り返した後,「あっと言う間の出来事 出会い頭の一瞬で 胸の奥の大事なもの 持って行かれた」と始まる。
「失恋したばかりだったし」ということで「油断した私が」「ロマンティックタイミング 狙われて カモがねぎ背負(しょ)って」ひっかかってしまい,「ちょっとつきあっただけで さっと嵐は過ぎ去って」「恋は何回しても 学習しないわ」「でもなぜか 今でも あなた 難く思えないの」。まだ続くのだがもう少し学習したほうがいいのではないのか。反省のないところには学習はないだろうが。
曲は昔聴いたことがありそうな懐かしい雰囲気。音階が西洋音階ではないような印象を受ける。また,なんと言うのかは知らないが,ディスコ音楽風のリズムで,ユーロビートというのがどんなものか私は理解していないのだが,ひょっとしたらそのユーロビートに近いのではないか。
歌としてはアイドルソングだと感じる。
センターは山本彩。
Come On A My House(2025.2.8)
平成25年,詞:Komei Kobayashi,曲:馬飼野康二,唄:Hey! Say! JUMP
「JUMP! JUMP…JUMP…」と掛け声があって,「Jumping Girl いつでも君の瞳は Jumping Girl 彼だけみつめてるけど」と始まる。
「ホントは誰が好きなの?」「彼が好き?」「ボクが好き?」という歌だが,歌詞に英語が多数入っているのは気に入らない。ほとんどが「Come On A My House」だが。曲は昭和歌謡っぽくできているが,詞が『君は誰が好き?』というだけで内容が薄く感じる。
そういえばこのようなタイトルの歌1)が昔あった。この歌とは関係なさそうだが。
1) 「家へおいでよ<COME ON A MY HOUSE>」(昭和27年,詞:R.Bagdasarian, W.Saroyan, A.Bagdasarian, 音羽たかし,曲:R.Bagdasarian, W.Saroyan, A.Bagdasarian, 唄:江利チエミ
ガールズルール(2022.12.23)
平成25年,詞:秋元康,曲:後藤康二,唄:乃木坂46
「海岸線を バスは進む 空は高気圧 これが最後の夏だから」と始まる。
アイドルソング。歌詞が私にもよく聞き取れる。私の孫が唄っていたりしたら,もうこんな歌を唄うようになったかとその成長に驚くような歌。
歌詞の中に「ガールズトーク」があるが,何となく昭和オジさんがイメージするガールズトークのような印象を受ける。フェミニストから抗議を受けなければいいのだが。
センターは白石麻衣。
キ・ス・ウ・マ・イ〜KISS YOUR MIND〜(2024.10.28)
平成25年,詞:KOMU,曲;原一博,唄:Kis-My-Ft2
「Chu Chu Chu Chu Chu…Kis-My Your Mind Mucho! Coming! Coing! 君は果実 生粋のJuicy溢れ出そう」と始まる。
アップテンポな唄が続くが,私にはついて行けない速さなので,聞き流すしかほかない。
歌詞を読んでみると,私には聞き取れなくて幸せだ。
キミとのキセキ(2023.9.27)
平成25年,詞:市川喜康・マシコタツロウ,曲:市川喜康・マシコタツロウ,唄:Kis-My-Ft2
「You’re my shining star無限の輝き」と一声あった後,前奏が始まる。歌は「イヤフォンを外したら すぐに 聴こえてきた声」と始まる。
「臆病なあまりに 長すぎたPrologue ページをめくろう」「そうさ 運命のドアを開き 僕等は踏み出してゆく」。
「僕」の想いはよく解ったが,「君」が「僕」を通してしか語られていないので,「君」の想いが私に伝わって来ない。また「奇跡」というのが私の感性と合わないというのもある。私なら『運命』と感じるのだろう。
TBS系ドラマ『ぴんとこな』(玉森裕太)主題歌。おそ
君の名は希望(2024.2.13)
平成25年,詞:秋元康,曲:杉山勝彦,唄:乃木坂46
「僕が君を初めて意識したのは 去年の6月 夏の服に着替えた頃」と始まる。
「透明人間 そう呼ばれてた 僕の存在 気づいてくれたんだ」。
「いつの日からか孤独に慣れていたけど 僕が拒否してた 世界は美しい」。
「こんなに誰かを恋しくなる 自分がいたなんて 想像もできなかったこと」「君の名前は“希望”と今 知った」「希望とは 明日(あす)の空」。
うーん。メルヘンだが私にはリアリティが感じられない。乃木坂はどんな気持ちでこの歌を唄ったのだろう。「君」の名を「希望」とした秋元はギリシャ神話などをちらっと意識したのかもしれないが,別な名を入れてもっとリアルなラブソングにすればいいのにと私は思う。
映画『超能力研究部の3人』(秋元真夏,生田絵梨花,橋本奈々未)主題歌。
センターは生駒里奈。
恋するフォーチュンクッキー(2021.9.5)
平成25年,詞:秋元康,曲:伊藤心太郎,唄:AKB48
「あなたのことが好きなのに 私にまるで興味ない」と始まる。
「地味な花はきづいてくれない」と歌っているが,この歌のセンターは指原莉乃だ。指原がそんなに地味とは言えないだろうが。
「性格いいコがいいなんて 男の子は言うけど ルックスがアドヴァンテージ」と歌っている。間違いじゃないともいえるが,最初の僅かなアドヴァンテージというだけだ。もちろん,人気投票なら僅かなアドヴァンテージが大きな差になる。昔から『美人は3日で飽きるが,○○(容姿に関する蔑称)は3日で慣れる』と言われている。慣れてしまえば性格がいい方がいいに決まっている。
あと,フォーチュンクッキーだが,ニューヨーク勤務だったころ職場の皆で時々行った中華屋では最後に必ずフォーチュンクッキーがでていた。
歌に戻ろう。「人生捨てたもんじゃないよね あっと驚く奇跡が起きる」,「未来は そんな悪くないよ」と思えそうになってくる。
ここにしかない景色(2023.8.23)
平成25年,詞:A.F.R.O,曲:A.F.R.O,唄:関ジャニ∞
「ようこそ」と一声あり,少ししてから「今日もお疲れさんです」「明日もきばってこうや」と始まる。
「走って走って転んで 繰り返しても 前に進めたならいいんじゃない?」とここだけでは解り難いが,印象は人生の応援歌だ。
「君を笑顔にさせられるように 見せてあげたい とっておきのものがある」とあるので何を見せてくれるのかきたいしたのだが,結局私には解らないまま,「僕らは偶然の中で出会って 同じ時を共に生きている さぁここにしかない景色,ここにしかない幸せを今抱いて 大切な場所へ」と終わる。これが「とっておきのもの」なら期待外れだが,「僕」としては出会ったことが幸せなのかも知れない。「僕」が幸せならば「君」も幸せなはずと思い込んでいるのだろうか。
東宝映画『県庁おもてなし課』(錦戸亮,堀北真希ほか)主題歌。
Calling(2022.3.1)
平成25年,詞:s-Tnk・eltvo,曲:Andreas Johansson・youwhich,唄:嵐
「One day… Now and forever… “This is a last hope”」というのが始まりかもしれないが,唄は「For my life For your life 今を掴むんだ in my world 生まれた Take our time In my life 今を進むんだ ここで生まれた」と始まる。
日本語とは思えないイントネーションで唄われる歌詞は全く頭に入らず,歌詞を読んでも,フレーズは何となく理解できた気がしても,フレーズ間の関係が理解できず,全体としては何が言いたいのかわからない。なんとなく,今を生きろといっているような気がしないでもないが。
要するに私にはお手上げの歌。
フジテレビ系のドラマ『ラストホープ』(相葉雅紀,多部未華子)の主題歌。
さよならクロール(2021.8.7)
平成25年,詞:秋元康,曲:渡辺和紀,唄:AKB48
「さよならクロール 青い海 きらきら」と始まる。
どうも歌を聴くための曲ではなくAKB48を観るための曲のように思える。余分な情報かもしれないが,センターは大島優子,渡辺麻友,板野友美,島崎遥香の4人である。
詞は,比喩が解りにくいようにも思うが「さよならクロール こんなに好きなのに 砂浜の気持ちを わかってくれない」と,届かぬ想いを歌っていることは明らかだ。「わかってくれない 気づいてくれない 風はため息」と終わる。
賛成カワイイ!(2022.9.24)
平成25年,詞:秋元康,曲:Sungho,唄:SKE48
「賛成カワイイ! Jump! Jump! 青空!」と始まる。
「誰よりも 君を 好きなんだ」なんていうのは中学生くらいの歌ではないかと思うが,私が中学生のころは「僕たちのマドンナにしようぜ」などということはなかったので解らない。もちろん小学生でも高校生でも「マドンナにしようぜ」などということはなかった。この言葉からだと,互いに牽制し合い抜け駆けは許さないというような雰囲気が感じられるが,そのような仲間意識を持つのが中学生くらいなのではないかと思うだけだ。秋元にはこのような時代があったのだろうか。
普通は,そのようなことを漠然と思っているうちに誰かに出し抜かれ,こういうものは早い者勝ちだということを学習するのだと思う。
センターは松井珠理奈と松井玲奈。
シャレオツ(2024.3.19)
平成25年,詞:大竹創作,曲:Jeff Miyahara・blackSHEEP、唄:SMAP
「全然問題ないって本当に問題ない 全然問題ないって本当に問題ない」と始まる。
このフレーズは曲中に何度か登場するが,小島よしおの『そんなの関係ねぇ!』を想起させる。実際この歌のPVには小島が登場している。
「独り身の寂しさに蓋 強がりも酔えば シャレオツ」などとわかるような気がするフレーズもあるが,結局「孤独は慣れた擦り傷 その場の都合か シャレオツ やっぱり最高じゃないオサレ」などと私の理解の範囲を超えている。
SMAPのような先輩ジャニーズの歌でも解らないのだから若手ジャニーズの歌が私に解るわけがない。思い返せばマッチや少年隊などの頃からついて行けていなかった気がする。
フジテレビ系ドラマ『独身貴族』(草g剛,北川景子)主題歌。
Joy!! (2023.3.3)あきm
平成25年,詞:津野米咲,曲:津野米咲,唄:SMAP
「生真面目さんは ごくろうさん 平日の顔を 土日まで引きずってる」と始まる。
疲れ切った人間の歌。「あの頃の僕らに 今夜だけでもいいから 朝まで Joy!! Joy!!」などと昔は良かった風な感情で,若者の歌とは思えない。
SMAPの結成は昭和63年,CDデビューは平成3年だから,少しはバブル時代を味わったのだろう。
関西テレビ制作のフジテレビ系で放映されたドラマ『幽かな彼女』(香取慎吾,杏,前田敦子,北山宏光ほか)のエンディングテーマ。
スキ!スキ!スキップ!(2024.7.1)
平成25年,詞:秋元康,曲:小林祐二,唄:HKT48
「1! 2! 3! 4!(ワン・ツー・スリー・フォー) 好きにならなきゃ 好きにならなきゃ 何も始まらない」と始まる。
「人はみんな 恋をすると(ふわり) ハートまで軽くなって(魔法) 雲の上 歩き出す 夢の世界へ」と,「人はみんな」と勝手に人類を代表するような言い方は好きじゃないが,まあそれほどハッピーだということでここは許しておこう。ただ,「もし君が他の男の子と 楽しげに話してても しょうがない ジェラシー感じるより そっと見て見ぬふり 君が君らしく しあわせそうなら」というのはやや疑問だがまあいい。平成の若者はこうなのかもしれない。
鈴懸の木の道で「君の微笑を夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか,僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの(2021.12.8)
平成25年,詞:秋元康,曲:織田哲郎,唄:AKB48
「君の微笑みを(微笑みを) 夢に見る(夢に見る)」と始まる。
「小さい頃から知ってる 妹みたいな君が いつのまにか 大人になってて はっとした」と十分な説明があるから詞の内容がよく解る。
「君のために冷静になって このままでいよう」「友達でも構わない いつの日か君が僕に気づくまで このままでいよう」ということでこのタイトルになっているようだ。
この詞ならもっと情緒あるしっとりとした曲のほうがいいのではないかと思うが,ダンスも見せる必要があるのだろう,J-POPのなかでも平成アイドルソングっぽい曲だ。曲名が長いので「鈴懸なんちゃら」が公式略称になっている。
この曲のセンターは松井珠理奈。
SNOW DOMEの約束(2023.10.31)
平成25年,詞:和田唱,曲:久保田真悟(jazin’park)・栗原暁(jazzin’park),唄:Kis-My-Ft2
「僕は君を知ってる そんな風に言えたらいいな そう言えるまで あとどれくらい 白い息を吐くのかな」と始まる。
「君が名前を教えてくれたよ でもあんまり耳にはいらない 君を見ていたから」ということで「ガラスの玉で今宵を 全部封じ込めて いつまでもこの胸で 輝かせるよ ふたりのスノードーム」。
詞を読む限りでは悪くないと思うのだが,唄を聴いても心に響かない。わずかだが英単語が入っているのが私にとっては問題かもしれない。目で見れば何でもないが,耳から入ると一瞬聞き取れないのだ。曲も聞きやすい曲だと思うのだが,ところどころ「新しい」を「あ たらしい」などと唄われるので聞き取れないのだ。他にも「ガラスの玉 で今宵を」とか「ぜ んぶ」とか「いつまで も」と唄われると私には聞き取れないのだ。「ぜーんぶ」とか「いつまでーも」なら聞き取れると思うのだが。若い人は当然聞き取れるのだろう。そう。私はこのような歌を聴くには年を取り過ぎた。
日本テレビ系金曜ロードSHOW特別ドラマ『仮面ティーチャー』(藤ヶ谷大輔)挿入歌。
制服のマネキン(2024.1.9)
平成25年,詞:秋元康,曲:杉山勝彦,唄:乃木坂46
「君が何かを言いかけて 電車が過ぎる高架線 動く唇 読んでみたけど YeかNoか?」と始まる。
歌のテーマは「恋をするのはいけないことか?」のようだ。
それに対し,「感情を隠したら 制服を着たマネキンだ」とか「卒業を待ってみたところで 何も変わらないだろう」「どんな自分を守ってるのか?」「若過ぎる それだけで 大人に邪魔をさせない」
うーん。若者の論理は解らなくもないが,考えが浅いのではないかという危惧が拭えない。これだから年寄りは若者から避けられるのかもしれない。それにしても秋元の認識では現在はこういう時代だというのだろうか。
So long! (2021.11.5)
平成25年,詞:秋元康,曲:久次米真吾,唄:AKB48
「So long! 微笑んで So long! じゃあ またね」と始まる。
私は観ていないが,日本テレビ系で一夜完結ドラマ「So long!」が3夜連続で放映されたそうだ。各回それぞれAKB48のチームA,チームK,チームBが出演している。
「桜前線 まだ来ないのに 私たちの春は暦(こよみ)通り 希望の道に花を咲かせる」もちろんこれは卒業のことだ。
「一緒に走ったグラウンドで 頑張った汗を忘れないで」「別々の道 歩き出しても そばにいつもあなたがいるような Best friend」。
戦前は卒業式にまず言及すべきことは『我が師の恩』1)だったが戦後は仲間たちになった。仲間全体に関する歌が多いが,特定の個人を想う歌もある。要するに終戦で『師』への感謝をたてまえとすることがなくなったのだろう。
昔の卒業の歌は再び会うことはないという印象だったが,この歌は「別々の道 歩き出しても そばにいつもあなたがいるような」と仲間の関係はずっと続く印象を与える歌詞になっている。卒業による別れの悲壮感がずっと薄くなっている。交通機関や通信の利便性が向上したことに関係があるかもしれない。
1) 「仰げば尊し」(明治17年,小学唱歌)
棚からぼたもち(2025.3.23)
平成25年,詞:ながいさん・宮下兄弟,曲:ながいさん・宮下兄弟,唄:舞祭組
「舞祭組 舞祭組ole 舞祭組 舞祭組オレ? 舞祭組 舞祭組ole 舞祭組 舞祭組オレ?」と始まる。
「舞祭組」はKis-My-Ft2の後列メンバー(横尾・宮田・二階堂・千賀)で結成されたサブユニット。後列組はあまり目立っていなかったのが,突然歌を出すことになったことを思わぬ幸運としてこの歌ができているようだ、サブユニットの自己紹介のような歌。
チョコの奴隷(2022.5.7)
平成25年,詞:秋元康,曲:重永亮介,唄:SKE48
「青空はいつだって思わせぶりで もうすぐ春なのに風は冷たい」と始まる。
「バレンタインデーは 恋の期末テスト」「女王様 愛をください」とバレンタインチョコを期待する歌。
アイドルソングだが内容が解り易い分,解り難い一部のJ-POPSなどより私は高く評価する。平成の歌には私が理解できる歌が少ないのだ。
バレンタインデーは日本では特殊な形態になった。その発祥に関しては幾つもの説がある。Wikipediaには昭和11年の神戸モロゾフ製菓,昭和33年のメリーチョコレートカムパニー&伊勢丹,昭和35年の森永製菓・伊勢丹,昭和43年のソニープラザが発祥という説が示されている。幸いなことに私が高校生くらいまでは田舎にはこのような風習は広まっていなかった。(私が知らなかっただけかもしれないが。)
この曲のセンターは松井珠理奈。
涙の答え(2024.9.19)
平成25年,詞:Saori,曲:Nakajin,唄:関ジャニ∞
「『僕は今星をみていたよ』 『ひとりじゃないってことは ひとりの夜に分る』 これから君に伝えたいことがあるんだ」と始まる。
ところが次は「君のいない世界の中の ひとりぼっちの『正解』…」と続き,「君がいなくてもぼくはきっと 僕でいられると思う」などと言うフレーズもあるので結局今はひとりなのだろう。
それにしても「僕でいられる」のは当たり前ではないか。『僕でいられなくなりそうだ』なら心の動揺を感じるが。
また,「光」と「闇」が何度もでてくるが,これらが何を意味するのかわからない。単純な明暗ではないとは思うのだが。
結局私には解らない歌だ。
ショウゲート配給映画『100回泣くこと』(大倉忠義,桐谷美玲ほか)主題歌。
ハート・エレキ(2021.10.5)
平成25年,詞:秋元康,曲:丸谷マナブ,唄:AKB48
「Loving you・・・ 愛(いと)し過ぎて 胸が苦しい」と始まる。
人称代名詞として「君」と「僕」が現れる。昭和末期から「僕」をつかう女性も現れていて,平成ではその数を増しているように感じるが,ここでは「僕」は男性だろう。ということで,この歌は男歌、つまり男性目線の歌だ。
「抱きしめよう Oh Baby, My angel もう二度と離さない」などと言っているが,まだ「感じてくれ 僕のエレキ!」とか「愛される気配 気づいたのなら 聞かせておくれ 真実を!」などと言っている段階なのだから道は遠そうだ。
「見つけた君を 愛のビームで狙い撃ちしよう!」などと言っているがストーカーでつかまったりしないように。昭和時代にはストーカーなどという言葉は聞いたことがなかったが。
尚,センターは小島陽菜。
まあ,愛のビームを発している身としては気付いて欲しいが,愛のビームなど発していないのに,愛のビームを浴びていると勘違いされるのも困る。
ハロー(2024.4.22)
平成25年,詞:尾崎世界観,曲:尾崎世界観,唄:SMAP
「おはようもおやすみもただいまもおかえりも そこにある君との暮らし 僕の手を握ってる小さな手はこれからも 僕のこの手を握ってる?」と始まる。
「ありがとうもごめんねもいただきますもごちそうさまも そこにある君との暮らし 君の手を握ってるこの手はこれからも 君のその手を握ってる」
「あっそういえば忘れてたポケットの奥から 少しくしゃくしゃの『君が好き』」
この歌には「君」が10回登場する。私にはこれらの「君」が全て同一人物を指すとは思えないのだが作詞者の意図はどうなのだろう。鈍感な私にも理解できる歌詞を望む。
BURNING UP(2024.8.5)
平成25年,詞:bag o’pound,曲:SMIDI, Sirius,唄:EXILE TRIBE(三代目J Soul Brother VS Generations)
「Yeah yeah, Yeah yeah, Are you ready for this? Everybody!」と始まる。
「偶然じゃない 重なり合った炎 身体巡って 今 目覚める本能」。何のことだろう。平成人はこれで理解できるのだろうか。聞き手に何かを伝えようというより,自分の思いを思いつくまま垂れ流しているように感じる。これが平成流なのだろう。
バレッタ(2023.1.27)
平成25年,詞:秋元康,曲:サイトウヨシヒロ,唄:乃木坂46
「バレッタ 君の髪 おおきな蝶が留まってる」と始まる。
歌詞を読むと,この「蝶」は「僕だ」となるようにしか読めない。知らなかったが「バレッタ」というのは髪飾りの一種らしい。そうだとするとこの「バレッタ」イコール「僕」なのだろう。しかし歌詞の別の箇所には「ヘミングウエイを読みながら 僕はチラ見した」とあり,髪飾りがヘミングウエイを読むとはどういうことだ。他の箇所には「バレッタ」と呼びかけ「踊った髪を手で押さえ」などと続き,最後に「君だ」と言っている箇所もあり,ここでは「バレッタ」イコール「君」のようだ。
「僕」イコール「バレッタ」,「君」イコール「バレッタ」なら,論理的な結論は「僕」イコール「君」となるがこれは矛盾だ。従って私の解釈は誤りだ。
詩人の頭の中はどうなっているのだろう。
センターは堀未央奈。
テレビ東京のアニメ『NARUTO−ナルト−疾風伝』のテーマ第14期オープニング・テーマ。
ピースとハイライト(2023.6.14)
平成25年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「何気なく観たニュースで お隣の人が怒ってた」と始まる。
名指しはされていないが,近隣国との関係の歌だろう。
「教科書は現代史を やる前に時間切れ」とある。私も昔はそう思っていた。しかし,総授業時間が解っているのだから,授業内容から何を割愛するかを決めて授業をすれば時間切れなどということはない。ただ,現代史は評価が分かれる事項が少なくないことから,時間切れと言うことにして意図的に割愛されているのだろう。
この歌では,「歴史を照らし合わせて 助け合えたらいいじゃない」とある。
しかし,この歌の始めの方には「今までどんなに対話(はな)しても それぞれの主張は変わらない」ともある。
それぞれの国にはそれぞれの歴史がある。神話のようなものだ。歴史の照らし合わせは上手く行くのだろうか。
蛇足だが,ピースとハイライトと並べられると昭和世代には当時の代表的タバコの銘柄が思い浮かぶ。『ピース』は長期間にわたる高級品。『ハイライト』の発売開始は昭和35年でフィルター付き。『しんせい』や『いこい』の次世代にあたり,『セブンスター』登場までは大衆タバコの代表だった。
歌の内容とこれらのタバコとの関係は私には解らない。
Breathless(2022.4.3)
平成25年,詞:HYDRANT,曲:Takuya Hatada・Christofer Erixon・Joskim Bjornberg,唄:嵐
「何を求め どこへ行くのか」と始まる。
最後は「確かめたい 自分だけに 刻まれてるDNA もがいている 叫んでいる 生きる自分の姿を 探し続けて」と終わる。
東宝映画『プラチナデータ』(二宮和也)の主題歌。原作は東野圭吾の同タイトル小説。DNAを利用する近未来の捜査官がDNA情報によって犯罪に巻き込まれ,追われる立場になる。主人公は二重人格で,人格が入れ替わっている間に犯罪を犯したのかもしれないと思うが確認できない。歌詞はその内容を踏まえているようだ。
へそ曲がり(2023.7.19)
平成25年,詞:TAKESHI,曲:TAKESHI,唄:関ジャニ∞
「立ちはだかる困難に 光れヒューマンストーリー 時代とかじゃないだろう 変わらず突っ込んでけ」と始まる。
「へそ曲がり根性讃えて君に歌っている 与えられた成功なんて要らんと強がり」と言っているが,もちろん与えられたものでない,勝ち取った成功がないからへそを曲げているのだろう。歌詞全体からフラストレーションが発散されているが,これを唄ってストレスを発散すれば何か良いことがあるのだろうか。
自分の現状が気に入らないのは解るが,「大人になったって理想は無邪気の塊」だとか「挫折に絆創膏張って平気なフリしてく タフなのかガキなのか憧れにときめいて」などは自嘲の言葉というより他人へのお節介のように聞こえる。他人の心配をしている場合ではないだろう。
テレビ朝日系ドラマ『お天気お姉さん』(武井咲,大倉忠義,佐々木希ほか)主題歌。
僕らのユリイカ(2022.7.17)
平成25年,詞:秋元康,曲:高田暁,唄:NMB48
「いつもの“青”より もっと深い“青”だ」と始まる。
「ユリイカ」とは古代ギリシャ語で『我発見せり』平たく言えば『分った』という意味らしい。アルキメデスが王冠を壊さずに純金製かどうかの判定法を考えながら入浴中にひとつの方法を思いつき(浮力の発見),あまりの嬉しさに裸で「ユリイカ」と叫びながら街中を走り回ったと言われている。なお,英語表記は『Eureka』で,日本語表記も『ユーレカ』『ユーリカ』『ユリーカ』などほかにもいくつかある。
「夏の太陽に目を細めた時 君のことをキレイだと思った」「わかった これだ!」,すなわち『我発見せり』。「ずっと近くにいたのに 初めての感情」というわけだ。「僕らの」とついているのは,僕が気づいたのと同時に君も気づいたという思いなのだろう。従ってハッピーソングだ。
この世代にはギリシャ語がポピュラーなのかどうな知らないが,歌はアイドルソングだ。
センターは山本彩。
My Resistance―タシカナモノ―(2023.4.7)
平成25年,詞:栗原暁,曲:久保田慎悟,栗原暁,唄:Kis-My-Ft2
「キミと僕とのDistance 時を超えたResistance」と台詞があり,「幼い頃 よく聞いた話 いまもこの胸に いつまでもBy myself」と始まる。
「正しいことが 答えじゃない」とはどういう意味だろう。文脈からは「目に見えないものを ココロで感じたい」というのがその意味らしいがよく解らない。
あちらこちらに英語がちりばめられ、私にはついて行けない。平成人がついて行けるとすれば英語教育の成果か。
タイトルを見ると「My Resistance」が「タシカナモノ」のような気もするが,そのような解釈でいいのだろうか。そもそも「Resistance」の意味もよく解らないが,私がこの言葉から連想するとおりの意味ならば,これだけが「タシカナモノ」というのはあまりにも淋しい世界ではないか。
具体的に理想があるなら,その理想を掲げてそれに向かって努力すべきだろう。「Chase my dream」などと抽象的なことを言っていては事態の改善は期待できないのではないか。
テレビ朝日系ドラマ『信長のシェフ第1シリーズ』(玉森裕太)主題歌。
メロンジュース(2024.5.27)
平成25年,詞:秋元康,曲:井上ヨシマサ,唄:HKT48
「あなたにあげたい メロンジュース」と一声かけた後,「走る電車 連結の辺りで 前の車両 ずっと チラ見してた」と始まる。
「こんなそばで 憧れている 女子がいると いつか気づいてよね」という歌。「私 片想い中 青春100%(ひやくパー)」というわけだ。
どうも秋元の詞は昭和のおっさんの妄想ではないかとも感じてしまうのだが,このような歌を平成の世に広めることにより,昭和の感性を平成に引き継ぐことができるのではないかと淡い期待を持ってしまう。
センターは田島芽瑠と朝長美桜。
Ride with Me(2025.5.8)
平成25年,詞:Staxx,曲:☆Taku Takahashi・Minami,唄:Hey! Say! JUMP
「No doubt ボクらの未来なんだ キミらしく描けばいい」と始まる。
ここから英語になり,以下はおおむね日本語だが,しばしば英語が入る。
「大人の言う事信じない」,「過去の当たり前もどうでもいい」などと言うのを聞くと当世の若者の歌だと感じてしまう。過去を踏襲していては進歩がないことは明らかだが,昔は「どうでもいい」と無視するようなことは無かった。過去の知恵について考察し,悩んで新しい境地を切り開いて来た。この歌では古い知恵に対しての考察の跡が見られず,ただ「新しい光照らそう」などと言っているので,浅薄・短慮で自己中心的と感じてしまう。世代間のギャップなのだろう。
台詞のように,メロディーらしいメロディーが無い箇所があるが,一応リズムには乗っているようだ。私がイメージするラップとはまた違うようだが,何というのだろう。まあ,この箇所も,メロディーがある箇所も軽薄そうなこの歌詞に合った曲になっていると感じる。
日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件』(山田涼介,川口春奈,有岡大貴)主題歌。
Luv Sick (2023.12.5)
平成25年,詞:栗原暁(jazzin’park),曲:久保田真悟(jazzin’park)・栗原暁(jazzin’park),唄:Kis-My-Ft2
「自分“自身”エスコートできない 危険地帯へ(危険地帯へ)」と始まる。
私とは異世界の歌。歌詞に使われている言葉は私が普段使っている言葉と違うものがあり,同じような言葉の場合も意味が違うようだ。曲も私が思う歌とは違い,私にはついていけない。
日本テレビ土曜深夜ドラマ『仮面ティーチャー』(藤ヶ谷太助)主題歌。映画『劇場版仮面ティーチャー』(藤ヶ谷太助)主題歌。
愛すればもっとハッピーライフ(2024.8.4)
平成26年,詞:川浦正大,曲;川浦正大,唄:Hey! Say! JUMP
「恋すればもっと 愛すればもっと 世界はきっと変わるんだ」と始まる。
「溢れてくるよ 喜びのメロディ」とか「こんなトキメキ 初めてなんだよ」などと舞い上がっているが,ハッピーそうだから別に水を差すこともない。但し,相手の反応がよく解らないが,この幸せが独りよがりのものでないことを祈る。
AinoArika(2024.6.30)
平成26年,詞:HIKARI,ラップ詞:八乙女光,曲:HIKARI,唄:Hey! Say! JUMP
「言葉だけじゃ伝わんない 思いだけじゃ届かない けど僕ら 不思議だね 愛の在処を知ってる」と始まる。
詞が聞き取り易いところは好感が持てるが,「伝わんない」は私には耳障りだ。「運命の人なんてフレーズ しっくり来てなかったけど 同じように笑う時 感じずにはいられないよ」などというのを聞くと,少しずつ経験が積み重なるのにつれ,成長しているようだ。
しかし,ラップ部は必要なのだろうか。流行り物で,挿入するとカッコいいということなのだろうか。「好転か荒天か好天か」など耳で聞き取れたとしても意味までは聞き取れそうにない。
『赤い糸で結ばれていた』ではなく「数多の軌跡を越えて この星に生まれ落ちた」ととらえるところは平成らしい。
TBS系ドラマ『ダークシステム恋の王座決定戦』(八乙女光,玉城ティナ,伊野尾慧ほか)主題歌。
明日へのYELL(2024.10.27)
平成26年,詞:Takuya Harada,曲:Takuya Harada,唄:Hey! Say! JUMP
「いつだって空を見上げて 明日の自分探してた 満たされない足りない何かを知らないまま」と始まる。
「前のめりに走り続けて 転んでも立ち上がってく」など,信じきれないところもあるが,最後は「やる前からダメだって 決めつけてるだけで ほら やれない訳じゃない 明日は来るよ 踏み出した一歩が 君の未来へ」「今をいきていけ We can do it」と前向きだから,信じてやろう。
フジテレビ系ドラマ『水球ヤンキース』(中島裕翔,高木雄也)主題歌。
Another Future(2024.2.12)
平成26年,詞:栗原暁,曲:イワツボコーダイ,唄:Kis-My-Ft2
「耳を澄ませば そのとき 君も真実の声が 聴こえるはずさ」と始まる。
「情熱を生み出すのはいつでも 変わらぬそのイノセンス」とよく解らぬフレーズの後,「はねのけろ! 全部 想像越えるfuture 立ち向かえる 強い気持ち それこそが 世界変えてゆける まだ見ぬ景色が 始まりを告げる ゆるぎない未来を キミとなら創り出せる」と続く。ここも,正確な意味が理解できたとは言い難いが雰囲気は感じ取れる。そして,曲の雰囲気からはここがこの歌の主題なのだろう。しかし,歌詞を見ると,「君」と「キミ」が登場しているが,同じ人物を指すのかどうかすら私には解らない。
テレビ朝日系ドラマ『信長のシェフPart2』(玉森裕太)主題歌。
ER2(2024.5.26)
平成26年,詞:GAKU,曲:GAKU,唄:エイトレンジャー
最初に少し英語らしいものがある。「NAH NAH NAH… 『HELP 』…?? Hey”” “Hello!!” from the worst!!」と言ってるらしい。そして「生きていく事だって タダじゃないんだ」と始まる。
「順応性があだになる瞬間!?絡まる現状維持スパイラル」「革命家を欲しては 出る杭をガッツガツ打つのが世の常!? 正義という多数派に キレイゴト撒き散らしながら」など,変革を求めているようにも思うが,「奪い合って笑う煩悩も 支え合っていきる本能も 底も知って…だからこそ『守れる』って」と何かを守ろうとしているようにも聞こえる。しようとしていることが多すぎ,私には何がなんだか解らなくなってしまう。
東宝俳優映画『エイトレンジャー2』(渋谷すばる,横山裕,村上信五,丸山隆平,安田章大,錦戸亮,大倉忠義,前田敦子,ベッキー,赤井英和,竹中直人,東山紀之)主題歌。要するに関ジャニ∞のメンバーが出演した映画の主題歌を役名名義で出したということらしい。
言ったじゃないか(2023.9.26)
平成26年,詞:宮藤官九郎,曲:峯田和伸,唄:関ジャニ∞
冒頭に「言ったじゃないか」の一言。少し間があり「誰とも付き合わないって 言ったじゃないか」と始まる。しばらく「勉強が恋人って 言ったじゃないか」とか「親が厳しいって 言ったじゃないか」というような「言ったじゃないか」が続く。というか,ほとんどが「携帯持ってないって 言ったじゃないか」,「おばあちゃんが病気だって 言ったじゃないか」などというのが延々と続く。
最後には「本当のことが知りたいの(神さま) 本当のことなんか知りたくはないの」と心が揺れ動き,最後は一部関西弁になり,「好きって 好きって 好きって 言うたやんか …言ってないか」と終わる。
状況がよく解る。ややコミカルなところはクドカンらしい。
TBS系:ドラマ『ごめんね青春!』(錦戸亮,満島ひかり他)主題歌。
ウィークエンダー(2024.9.18)
平成26年,詞:三井八雲/Vandrythem,曲:原一博,唄:Hey! Say! JUMP
「土曜日の夜は ハイビート胸騒ぎ I miss you!ウィークエンダー だから待ってるって言ってんだ」と始まる。
歌詞は日本語のようだが,「Ya!! 水金恥火木どう?ってな土曜にドッヒャ〜!」などとあっても私には何のことか解らない。新日本人の日本語らしいから私にはお手上げだ。平成らしくアップテンポな曲なので益々私には聞き取れない。
日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』(山田涼介,有岡大貴)主題歌
ええじゃないか(2024.1.8)
平成26年,詞:岩崎貴文・miildsalt,曲:岩崎貴文,唄:ジャニーズWEST
「ひとつひとまず『なんでやねん!』 ふたつふたりで『どないやねん!』 みっつみんなで『ほんまやねん!』 愛の花が咲く」と始まる。
個々のフレーズの意味は解るつもりだが,全体として何がいいたいのか判らない。ただ,大勢でノリの良いこのような歌を歌うのは若い頃だったら嫌いではなかった。
「これが生き様やねん」などと言う歌詞に対して,「生き様」などという日本語はないというような年寄りは相手にしていない歌なのだろう。
オモイダマ(2025.2.7)
平成26年,詞:松原さらり,曲:南田健吾,唄:関ジャニ∞
「きらり輝き 脚光浴びて でも ここまでは遠かったんだろう」と始まる。
「立ち上がるたびに転んで 這いつくばってでも進んで 報われる日もある 報われない日もある」「その夢に届くまで 僕らここにいるよ」と応援歌のようだからそれでいいのだろう。私が『栄冠は君に輝く』1)などの方を好むのは私が昭和生まれだからだろうか。
テレビ朝日系『熱闘甲子園』テーマソング。
1) 「栄冠は君に輝く」(昭和24年,詞:加賀大介,曲:古関裕而)
O.R.I.O.N. (2023.8.22)
平成26年,詞:STY,曲:STY・Maozon,唄:三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE
「ソーダ水の泡のような瞬(まばた)きが 空焦がした 冬の大三角形がシグナル もし誰かが見つけたら」と始まる。
日本語らしいのに日本語に聞こえない。
日本語教育で『拍(モーラ)』という発音の長さの単位がある。ほぼ,カナ一文字の長さが1モーラだが,長音,長音のような母音,促音,撥音も1モーラと数える。ただし,拗音は1モーラとは数えない。たとえば『やきいも』は4モーラ,『バナナ』は3モーラである。長音から撥音までの例を挙げれば,『トースト』は4モーラ,『とうかいどう』は6モーラ,『きって』は3モーラ,『パン』は2モーラだ。拗音の例では『きょり』は2モーラだ。
外国人留学生と話をしていると,彼らにはこの拍(モーラ)の異なる単語の区別が難しいようだ。たとえば『主人』と『囚人』あるいは『病院』と『美容院』の区別だ。
この歌では,日本語の拍や高低アクセントと一致しないメロディーのせいで日本語らしく聞こえないのだろう。また,英語も随所に挿入されていて,脳内の言語スイッチを日本語から英語に切り替えているうちに日本語に変わってしまっていて,詞の内容を理解する前に曲がどんどん進んでいき,結局解らなくなってしまう。
曲も私の好みの曲というわけではないが,これはダンスなども含めたステージパフォーマンスを観賞するものかもしれない。あるいは聴衆参加型なのかも知れない。コンサート会場に身を置かないとその良さは解らないのだろう。
GUTS! (2022.1.9)
平成26年,詞:eltvo・s-Tnk,曲:SAKURA,唄:嵐
「目まぐるしく回る 迷い搔き分けて」と始まる。
若者に対してエールをおくっているのだろうが,抽象的な言葉が並べられており,解ったという気がしない。例えば「僕らだけの革命を 夢と希望のパレード 歓びへと舵を取れ」など,もう少し解り易い言葉はないのだろうか。そもそもこの文の構造からして解らない。まあ,「革命を」は前の文に続いていて革命を」で切れるのかもしれないが。また,「舵を取れ」は誰に言っているのだろうか。思い通りに舵取りできるのだろうか。その方法も示さずに,無責任ではないか。
がむしゃら行進曲(2025.3.22)
平成26年,詞:Peach,曲:Peach,唄:関ジャニ∞
「美しいこの世界に 声を枯らし唄う 君たちが明日の“ヒカリ”だ 耀き続けてくれ」と始まる。
「がむしゃらラララ進もう 答えはその先に…」。若いんだからこれでいいのかもしれない。年寄りから見るともう少しいろんなことを考えたほうがいいとは思うのだが。
それにしても,平成の歌は「キミと合えた“このキセキ”に“この時”にありがとう」と君と逢えたのは奇跡ととらえるようだ。昭和では運命の赤い糸で結ばれていたと考えたと思うのだが。
日本テレビ系ドラマ『地獄先生ぬ〜べ〜』(丸山隆平,桐谷美鈴ほか)主題歌。
気づいたら片想い(2022.6.10)
平成26年,詞:秋元康,曲:Akira Sunset,唄:乃木坂46
「気づいたら片想い いつのまにか好きだった」と始まる。
「絶対 恋なんかするもんかとあれから決めていたのに…」「紹介された時に興味ない振りをして 無愛想だったのは自分を守るためだった。」「あなたと目が合った時 本当は予感してた」「恋とは与えられるもの 決して抗(あらが)えない」という歌。
私に言わせればこういうのがアイドル・ソングだ。平成の曲らしく早口言葉のように次々と言葉が出てくるが,平成初期のテクノ系の曲に比べて音の跳びが少なく,歌詞の日本語アクセントとの違いがあまり気にならないので聴きやすい。
センターは西野七瀬。
希望的リフレイン(2021.10.5)
平成26年,詞;秋元康,曲;井上ヨシマサ,唄;AKB48
「この角 曲がったら 君がいるとなぜかわかった」と始まる。
「立ち話ですぐに別れた せっかくのチャンスなのに ただそれだけで 充分だった」。昭和の恋愛の進展の途中にはこのような段階があったが,平成でもそうなのだろうか,あるいはこれは昭和オジサンとしての秋元の感覚なのか。
「息をするその度 また好きになる 終わらないリフレイン 好きになる 希望的リフレイン」とで現在進行中で,ボルテージが急速上昇中の歌だ。
この曲は宮脇咲良と渡辺麻友のダブルセンター。
君にHITOMEBORE(2023.6.13)
平成26年,詞:岩里祐穂,曲:井出コウジ,唄:Sexy Zone
「マジデヒトメボレ マジデヒトメボレ」と始まる。
一目惚れで片想いの状態のようだが,その状態の描写しかなく,相手が輪郭すら示されておらず全く不明なので,反発もしないが共感もしようがない。
テレビ朝日系ドラマ『黒服物語』(中島健人,佐々木希)の主題歌。ドラマの原作は「スーパージャンプ」に連載された倉科遼原作,成田マナブ作画の漫画。
原作の漫画もドラマも観ていないが,粗筋を読むと『黒服』の主人公は、キャバ嬢に一目惚れしたことが原因で黒服になったらしい。ドラマの主題歌だからドラマを観ていればどのように一目惚れしたのかは解るということなのだろう。昭和の時代には,広く知られた話に題材をとり背景説明がない歌も少なくなかった。昭和の時代は娯楽の選択肢が少なかったのでこれが成り立ったのだろう。家族の中でも娯楽の個別化が進んできた平成ではこのような歌で万人の支持を受けようとするのは無理があるだろうが,ドラマの視聴者だけをリスナーとして選んだのであればそれは一つの見識だろう。
キングオブ男!(2023.5.10)
平成26年,詞:若旦那(from湘南乃風),曲:TAKESHI,唄:関ジャニ∞
「根性決めた日 男らしくダチと分れて旅立ち 遠ざかる街に背く足 先を急いでる野心」と始まる。
「お前のためなら死んでも良い 面白くねぇ 世の中をぶち壊せ!!」とか「アウトローな俺たちはキング オブ 男!! “本気”と書いて“マジ”と呼ぶ男!!」
ところで,「“本気”と書いて“マジ”と」読むなら昭和末期から平成初期の少年チャンピオンの漫画1)を思い出す。関係があるのだろうか。
東映配給映画『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(生田斗真)主題歌。
1) 「本気」(立原あゆみ,週刊少年チャンピオン,1986-1996)。白銀本気(しろがねもとき)を主人公とする極道漫画。「本気」は「マジ」と自称している。平成3年に東映で映画化(東山紀之)された。ジャニーズ関連だが,時代がズレているような気もする。
CloveR(2023.10.30)
平成26年,詞:GAKU,曲:GAKU,唄:関ジャニ∞
「CとRが恋したら 4枚の葉をつけた こうして出会えたのは きっとすごい確率なんだOh」と始まる。
何度も「GAPとLOVER」というのが何度も出てくるのだが,私には理解できないので歌全体が解らない。
この歌が当事者視点の歌か、第三者視点の歌なのかすらわからない私に歌の意味が解るはずもないが,「ラッキークローバー」という言葉も何度か出て来るのでハッピーソングなのだろう。
また,タイトルは「CloveR」だが『C loves R』と何か関係がありそうなのだが。『C』は第三者じゃないから三単現の「s」が無いのだろうか。解らぬことばかりだ。
東宝映画『クローバー』(武井咲,大倉忠義ほか)主題歌。
心のプラカード(2021.12.7)
平成26年,詞:秋元康,曲:板垣祐介,唄:AKB48
「こっち向いて 一瞬だけ 僕の存在に 気づいてよ」と始まる。
「だけどホントは 目と目 合っても あたふたするだけ 何も言えない」。だから心のプラカードに思いを書いておこうということらしい。そのプラカードを出すのもハードルが高いが,「気づいてプラカード」というアイドルソング
この曲でのセンターポジションは渡辺麻友。
桜,みんなで食べた(2023.7.18)
平成26年,詞:秋元康,曲:Ryosuke “Dr.R” Sakai,唄:HKT48
「長い時間かけて 仲良くなれたのに もう別れの季節が来た」と始まる。
別れの歌だが,「桜,みんなで食べた」思い出らしい。「涙テイスト」と終わり,歌詞には「いつか きっと ここの前で 今日のこと 思い出して (うるうると) 泣きたくなるね」などのフレーズもあり,別れの悲しみを歌っているかのようではあるが,曲が大変明るく,新生活のスタートの期待に満ちているように感じられる。
アイドルグループの歌は明るい方が良い。
センターは田島芽瑠と朝長美桜。
Thank youじゃん!(2022.12.22)
平成26年,詞:鈴木おさむ,曲:多田慎也,唄:Kis-My-Ft2
「Thank youじゃん!」と始まると言っていいのだろうか。
歌の内容としては「ランキングつけよう 今年の自分どうだったかな」以降を考えればいいだろう。いくつかのエピソードが語られ,上手く行かないことも多かったけれど「それでも笑っていられた」。それはキミのおかげ。
「Thank you じゃん!」というフレーズが何度も繰り返され,「Thank you じゃん!キミに」という気持ちが伝わってくる。
ジャニーズの平成の歌は解り難い歌が多いような印象を持っているが,この歌は解り易いように思う。
THE REVOLUTION(2022.5.6)
平成26年,詞:michico,曲:T.Kura・michico,唄:EXILE TRIBE
「今日こそ起こそう 自分革命 覚悟を決めてRevolution」と始まる。
「無駄遣いは良くない傾向 Time, money and何よりエナジー」などと,個々のフレーズはもっともらしいことを言っているようにも思うが,全体として訴えかけるものが弱い。私の感受性が鈍いのかもしれないが。フレーズ同士のつながりが論理的ではなく,単に並置されているだけのように感じてしまう。これが平成流なのだろうか。
12月のカンガルー(2023.1.26)
平成26年,詞:秋元康,曲:外山大輔,唄:SKE48
「冬の街はモノクローム 空気は澄み渡ってる」と始まる。もっとも,唄が始まる前に「カンガルー! Yeah! カンガルー! Yeah! Everybody clap your hands!」という掛け声が入っているようだが。
「僕が着てるダッフルコートに 君のこと包んでバスを待ってた」。その姿を自分で「カンガルー」に例えているのだ。「ようやくバスがやって来たけど このままでいたいって思った」「何度かバスを見送りながら こんな冬もいいねってじゃれ合う」。
勝手にやってくれ,いや,私の目に入らぬところでやってくれ。
センターは北川綾巴と宮前杏実。
高嶺の林檎(2023.3.2)
平成26年,詞:秋元康,曲:田中俊亮,唄:NMB48
「手の届く 枝になった林檎は 君じゃない」と始まる。
「みんなが あきらめてるような 高い木の上 探さないのか?」と問いかけ,僕は探すんだという歌。
「結果を 出せないこととは チャレンジするより だめなことか?」と問いかけ,「僕は無理をする 妥協はしない」と自答している。「落ちて来る 幸運を待っても その時間 もったいないだろう」。
昔は高い目標を持つことが若者の特権だった。その目標が次第に低くなっていくのが大人になることだと考えられていた。いつのころからか若者の目標が低くなってしまった。この歌は,高い目標を持つと宣言している若者の歌だ。
この歌でのセンター・ポジションは山本彩。
誰も知らない(2022.8.19)
平成26年,詞:mfmsiQ,SQUAREF,John World, 作田雅弥,曲:TAKUYA HARADA,Joakim Bjornberg,Christofer Erixon,BJ Khan,唄:嵐
「気付かないうちに 時間(とき)の砂は落ちてゆく」と始まる。
私は,心の中の想いを表出するのが歌だと思うが,この歌は頭の中の思いが表出されているように思う。平成の歌にはこの傾向が強いように思う。
例えば,「縛られた時間(とき)が 巻き起こす命の衝動」などという言葉は私の頭になら浮かぶかも知れないが,私の心に浮かぶとは思えない。「自問自答 繰り返した 光と影のループ 止められない時間の渦 全て飲み込んでいく 終わらない」などというフレーズは,私の心に浮かぶとはとても思えない。このように私の心との親和性が少ないフレーズがならんでいるので唄を聴いても心に響かない。
テレビ朝日系ドラマ『死神くん』(大野智)の主題歌。原作は『フレッシュ・ジャンプ』・『月間少年ジャンプ』に連載されていたえんどコイチの漫画。
夏のFree & Easy(2022.7.16)
平成26年,詞:秋元康,曲:井上トモノリ,唄:乃木坂46
「夏だからやっちゃおう! いつもなら躊躇してたことも 太陽は許してくれる」と始まる。
「一人きりで悩むより 告白できることって 最高だよね」「全力で傷ついたって 悔い 残らない」というアイドルソング。
センターは西野七瀬。
夏だからといっても,そんなに軽薄でいいのかと心配してしまうが,これが平成流なのかもしれない。
何度目の青空か?(2022.4.2)
平成26年,詞:秋元康,曲:川浦正大,唄:乃木坂46
「校庭の端で反射してた 誰かが閉め忘れた蛇口」と始まる。
「僕の心の片隅にも 出しっ放しの何かがあるよ このままじゃいけないとそう気づいていたのに 見ないふりをしていたんだ」と自分の現状に気づき「何度目の青空か?」との自問になる。「いつかやるつもりと 頭の中で思ってても 永遠は短い」と気づいたのだ。「僕らも空も晴れだけじゃない この次の青空は いつなのかわからない」。だから「今日できることを…」
秋元も親目線の詞を書いたりするんだと思うが,曲は詞を早口言葉のように詰め込む箇所が何箇所もあり,詞の意図が伝わり難いんじゃないかと思う。
センターは生田絵梨花。
光のシグナル(2024.4.23)
平成26年,詞:せんせい(東京カランコロン),曲:中谷あつこ,唄:Kis-My-Ft2
「前へ前へ手を伸ばせば 光のシグナル 見つけ出せるはず きっと」と始まる。
「広がる長い長い道の向こうに 新しい明日が待っている」とか「見上げた青い青い空の向こうは 新しい明日が待っている」と前向きな歌。
比喩が適切なのかどうかはやや疑問に思う。道の向こうだけでなくこちらにも同じように明日が来るとか,空の向こうは暗黒の宇宙だなどと言うと皆に嫌われるのだろう。
映画『ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜』主題歌。
控えめI love you! (2023.12.4)
平成26年,詞:秋元康,曲:pakorama,唄:HKT48
「走るあなたにDoki(Doki) 目で追いかけてlock on 校庭はいつも 陽射しのシャッターチャンス」と始まる。
「あと半年のSchool days」とあるからそのような時期らしい。そのような時期に「ごめんね 片思いして」と言う状況になったらしい。「迷惑かけたくないし」「私に気づかないで」という歌。
中3か高3なのだろうが,「迷惑かけたくないし」という思いは本当なのだろうか。「会話は緊張するし」「こっそり憧れたい」などというのは単純に恋に恋しているだけではないのだろうか。「迷惑かけたくない」のではなく,自分が深入りしたくないだけではないのか。本気なら『あなたの決してお邪魔はしないから おそばに置いてほしいのよ』1)となるような気がするが。おっとこれは昭和の時代か。それに中・高生でもないか。
なんとなくこの歌は中・高生の心の声ではなく,秋元の妄想ではないのかと感じる。
センターは兒玉遥。
TBS『HKT48のおでかけ!』エンディング・テーマ。
1) 「なみだの操」(昭和48年,詞:千家和也,曲:彩木雅夫,唄:殿様キングス)
ひびき(2024.3.18)
平成26年,詞:HAJIME,曲:金丸佳史,唄:関ジャニ∞
「手をつないで同じ場所 目指せていたらいいな きっともっとずっと先… 答えがあると 信じて誓い合おう」と始まる。
平成のジャニーズ系の歌にしては歌詞が聞き取りやすい。ただ,歌詞は良く聞き取れるのだが意味不明だ。「凍えてた心ひとつ ひとりだっていいんだって けど,そこに射した光は 強く 暖かく 深く」とここまではいい。次に「眠ってた心ひとつ やさしさってどんなだっけ」と続くのだが,まずこの「眠ってた心」というのが「凍えてた心」と同じものなのか別のものなのかが解らない。次に「ただ,すぐそこにある未来が違う自分を映した」と続くがここで二人の心であることが明示されれば後の展開は予想どおりなのだが,ここで「違う自分」などという言葉がでてくるので登場人物は一人のように感じてしまう。
ところが,いつの間にか「手をつないで同じ場所 目指せていたらいいな 愛しきヒトよ聴いて これが最初の愛の詩なんだ」と登場人物が二人になっている。
平成人には最初から二つの心があったことが自明なのかもしれない。私は平成の歌にはついて行けない。
TBS系ドラマ『Dr.DMAT』(大倉忠義)主題歌。
Bittersweet(2022.2.28)
平成26年,詞:100∔,曲:100∔,唄:嵐
「夢の中で君と笑えるなら ありのままを 伝えたくて 分からなくて ただ君だけを見つめてた」と始まる。
まず,私が使っている日本語のアクセントとあわない曲に載せてあるので歌詞が全く頭に入らない。歌詞を読むと解るような気もするが,微妙に論理が理解できない。例えば「確かなことがあれば 君がいるから ここに僕はいるよ 誰よりも 君を」など,解るような気がするがよく考えると何のことかわからない。いくつか言葉が省略されていて,その言葉は自明だと思っているのかもしれないが,それでは相手には伝わらないだろう。あるいは平成人はニュータイプで,具体的言葉で表されなくても理解できるのだろうか。
フジテレビ系のドラマ『失恋ショコラティエ』(松本潤,石原さとみ)(原作は水城せとな作の漫画)の主題歌。
不器用太陽(2022.10.28)
平成26年,詞:秋元康,曲:章夫,唄:SKE48
「アスファルトの熱で 街は逆上せて みんな スローモーション」と始まる。
「好きなのに 知り合って 長すぎる」「僕は 不器用太陽」「消極太陽」「好きだけど 好きすぎて」「これ以上 近づけない」という歌。
昭和の時代はこのような関係を続けているうちに何らかのきっかけで離れ離れになり,後悔するというパターンが多かったように思うが,平成の時代もこのようなことがあるのだろうか。あるいは秋元の記憶にあるのだろうか。
センターは松井珠理奈。
前しか向かねえ(2021.11.4)
平成26年,詞:秋元康,曲:古城康行,唄:AKB48
「前しか向かねえ 横を向いたら 涙に気づかれるから」と始まる。
「人生にとって 大事なことは 未来にあると 俺たちは知った」「今が楽しくても 永遠に続くわけじゃねえ」「どんなつらくたって 悲しみが続くわけじゃねえ」などとあって,「別れの時 明日を信じようぜ お前がいなくても おれがいなくても 一人で生きられる 別々の道 進んだって 空は繋がってるんだ」と別れの歌だと途中から解る。「最後くらいは カッコつけさせてくれ」ということのようだ。
センターの大島優子のシングル曲参加はこれが最後。
別れの際にカッコつけたがる男は昭和の時代にもいた1)。平成にもこんな男がいるのかと思ったが,ひょっとしたら秋元が昭和人だったというだけのことかもしれない。
1) 例えば「勝手にしやがれ」(昭和52年,詞:阿久悠,曲:大野克夫,唄:沢田研二)
未来とは?(2022.9.23)
平成26年,詞:秋元康,曲:山田巧,唄:SKE48
「未来とは? 一秒後 明日でも 来年でもなく “たった今”から始まるんだ」と始まる。
人生の応援歌か。「向こうが見えなくても 一歩目 踏み出せよ」と未来に向けて歩みだせ,その未来とは来年とか明日とかでなく,1秒後が未来なんだということだ。「待ってるだけじゃだめなんだ」「僕らの可能性こそが未来」という歌。若人には自分が正しいと思う方向にまずは一歩歩み出して欲しい。
センターは松井珠理奈。
ところで,歌詞の中に「他人事(たにんごと)」という言葉が出て来る。最近この言葉を聞いたり目にしたりすることが少なくないが,私が若かったころはこんなこと言葉はなかった。他人事(ひとごと)という言葉はあった。秋元は私より若いとはいえ,たいして歳の差はないのになぜこのような言葉をつかうのだろうか。むかしからある『ひとごと』ということばでは意味が不明確だと考え,信念をもって『たにんごと』をつかっているのだろうか。
もともと『ひとごと』を漢字表記する際は『人事』と書かれたらしいが、これだと『じんじ』と紛らわしいので誰かが『他人事』の字を当てることを考案し,それが広まったらしい。国語審議会のような公的機関が定めたものではないらしいが,私の世代では一般的であり,私のパソコンでも『ひとごと』を漢字変換すると『他人事』となる。ところでNHKではこの言葉を『ひと事』と表記するらしい。
時代と共に日本語は変わる。この歌は日本語の変化にそれなりの寄与をしているにちがいない。『情けはひとの為ならず』などの意味も変わりつつあるとか。そのようなことを嘆くのが年寄りの証拠らしいが。
らしくない(2023.4.6)
平成26年,詞:秋元康,曲:大西俊也,唄:NMB48
「君に会いたくて 居てもたってもいられずに 週末の街へと 僕は家を飛び出した」と始まる。
「何かの(ねじ)ふいに(飛んだ) ハートのアクシデント」「君のこと想うだけでも 情熱のドーパミンが 体中を駆け巡るよ」と恋に落ちた者の歌。
同様な状況にあれば共感し,感情移入できるかもしれないが,そのような者はどのくらい居るのだろう。この歌を聴いて,平成人は疑似体験で共感できるものなのだろうか。
センターは白間美瑠と矢倉楓子。
ラブラドール・レトリバー(2021.9.4)
平成26年,詞:秋元康,曲:丸谷マナブ,唄:AKB48
「Baby Love 真っ白なパラソルは 君のひと夏の予約席」と始まる。
「70’s ビキニが今年のお気に入りだね」というのは秋元のお気に入りではないのか。
「パパやママよりも先に バカンスに来たのかい?」などというのは中年男の発想のようだ。まあ,アイドル・ソングだから深いメッセージは必要無く,何か唄っていればいいというような歌詞に聞えてしまう。曲は昭和っぽく感じるが,平成の曲らしくリズムはしっかりしている。
この歌のセンターは渡辺麻友。
R.Y.U.S.E.I. (2024.12.11)
平成26年,詞:STY,曲:STY,Maozon,唄:三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE
「光彩(こうさい)が輝く 鮮やかにひとつひとつ 銀の糸の様な SHOOTING STARS」と始まる。
残念ながら歌詞が心に入って来ない。「人生一度きりDREAM 掴(つか)みたいから今」なんて言われてもそのようなDREAMとは無縁の年齢になってしまったので歌詞が心に染みないのだ。年齢のせいではなく,体調がすぐれないのが原因かも知れないが。
間奏時に「ランニングマン」を全員で踊り話題になった。第56回日本レコード大賞受賞曲。
ONE-for the win(2025.5.7)-
平成26年,詞:take4,曲:take4,唄:NEWS
「世界のどこか太陽が目覚ますころ 天を仰いだ悲しみは眠りにつく」と始まる。
日本テレビ系『FIFAワールドカップ ブラジル2014』テーマソング。
バレーボールのこれに類するジャニーズ系の歌は日本の応援歌のように聞こえたが,この歌の歌詞には出場国名(英語)が並べられており,Japanだけを応援しているようには聞こえず,大会そのものを応援しているように聞こえて感じが良い。