昭和の歌,平成元年〜,平成3年〜,平成5年〜,平成7年,平成8年,平成9年〜,平成11年〜,平成13年〜,平成15年〜,平成17年〜,平成19年〜,平成21年〜,平成23年〜,平成25年〜,平成29年〜昭和の歌,平成元年〜,平成3年〜,平成5年〜,平成7年,平成8年,平成9年〜,平成11年〜,平成13年〜,平成15年〜,平成17年〜,平成19年〜,平成21年〜,平成23年〜,平成25年〜,平成27年〜,平成29年〜
目次
平成15年
I’m on fire,AKATSUKI(KI),足跡,明日への扉,Ourselves(&),IT’S SHOW TIE!!,永遠のBLOODS,贈る言葉,Always[願いは誰でも],勝手にシンドバッド,COLORS,ギラ☆ギラ,くるみ,Greatful days(&)[待ち焦がれていた],心に夢を君には愛を,桜[僕がそばに],さくら(独唱),さくらんぼ,雑走,静かな雨(KI),上海ハニー,Jupiter,砂時計(Breezin’〜Together〜),sailing
day,世界に一つだけの花,1000の言葉,空に唄えば,それがすべてさ,月のしずく,掌,Together,Now or Never,涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜,虹[聞いて欲しい歌があるよ],No way to say,白雲の城,薄荷キャンディー,ハッピーライフ,HANABI〜episode
II〜(&)[ねえどうしてまた],ひまわり[夢を見ていました],BLUE〜云えずにいる〜(Breezin’〜Together〜),Forgiveness,メリッサ,野生のENERGY,YOUR NAME NEVER GONE,ヨロコビノウタ[ダーリン],real Emotion,ロストマン
平成16年
愛と欲望の日々,紅く燃ゆる太陽,Anniversary[星の数ほどいる],彩〜Aja〜,ARIGATO[ただ強く],INSPIRE,運命のヒト,栄光の架橋,思いがかさなるその前に…,ORIGINALCOLOR(WAVER),かたちあるもの,希望〜Yell〜,君こそスターだ,君にBUMP,Carry On,CAROLS,群青日和,恋のカマイタチ(WAVER),ココロオドル,ココロノブラインド,Sign,シスター,自由への招待,スターゲイザー,全てが僕の力になる,誰かの願いが叶うころ,ツバサ,時の雫,涙,ね がんばるよ,花[花びらのように],ハナミズキ,BANZAI,番場の忠太郎,瞳の中のGalaxy,瞳をとじて,Hero[今日も同じ],マツケンサンバU,ミチシルベ〜a road home〜,Moments,やさしいキスをして,夢に消えたジュリア,READY STEADY GO,ロコローション,LONELY WOMAN,Wonderfu Life,Wonderland
I’m on fire(KI) (2023.10.7)
平成15年,詞:KOHSHI INABA,曲:KOHSHI INABA,唄:稲葉浩志
「光を弾いて 敷きつめた雲は魚の群れのよう 目を閉じ ざわめく気持ち鎮め 空をただよう」と始まる。
「I’m on fire」と何度も出てくるが,私にはこの意味が解らないからお手上げだ。調べると「上手くやってる」とか「成功している」「調子がいい」などの説明があるが,ニュアンスがくみ取れない。
「君を想うだけで 息が止まりそうで」とあるのでそういう歌なのだろう。「誰にも消せない炎」とあるのは「fire」と関係があるのだろうが,私の語感ではここでの「炎」と「fire」のニュアンスは異なるのだが,このあたりの感覚が英語では私には伝わって来ない。どうして中途半端に英語を入れるのだろう。
結局,私にはこの歌は共感できるほどには理解できない。
AKATSUKI(KI) (2023.7.29)
平成15年,詞:KOHSHI INABA,曲:KOHSHI INABA,唄:稲葉浩志
「涙さえ流れない夜に 煌めく星を見て 気の遠くなるよな距離を想い カーテンを閉め切った」と始まる。
解るような気がしないでもないが,解らない。
「あなたを探し 路上を彷徨い 月の影に眠る」という節は歌詞の他の箇所と雰囲気が異なるし,曲も他の箇所とは違う。しかし,これがこの歌の主題のようには感じられない。
「火の鳥のように お日さまのように 甦ろう 絶望などない 暁を告げる鐘がなり 私はまた舞い上がる RISE」というのが繰り返されるので主題だろう。この箇所の曲も,稲葉はこんな曲で表現するのかというような曲だ。私とは世代が違うとしか言い様がない。
尚,KIは稲葉のイニシャル。
足跡(2024.2.23)
平成15年,詞:北川賢一,曲:北川賢一,唄:ロードオブメジャー
「通り過ぎてきた日に 間違いなんかはないと 今 目に見えてるものがすべてと 足を進めてきた」と始まる。
「たった1つだけの道を 僕らは命かけて歩く たった1つだけの今を たった1人だけの僕が」。恐らくこのように思ってきたのだろう。しかし,「道に迷い気付く 1人きりなんかじゃないと いつもそこには 優しさくれた人がいた」。これに気付き,「この声よ あなたに届け 明日には笑えるように」。
きっと明日には笑えるだろう。
タイトルは訓読みで「あしあと」。
テレビ東京系クイズ番組『クイズ赤恥青恥』テーマソング。
明日への扉(2021.10.15)
平成15年,詞:ai,曲:ai,唄:I WiSH
「光る汗,Tシャツ,出会った恋 誰よりも輝く君を見て」と始まる。
川嶋あいはI WiSHのボーカルとしてこの歌でデビューした。フジテレビ系『あいのり』の主題歌としてこの歌が使われていた時期もある。
「いつの間にか すきま空いた 心が満たされて行く ふとした瞬間の さりげない仕草」という状態から「傷つくことから逃げ出して いつもただ遠回りばかり」のときや「初めて知ったあなたの想いに 言葉より涙あふれてくる」ときを経て,「ありきたりの言葉 あなたに言うよ 『これからもずっと一緒だヨね・・・』」というわけで「気がついたら 心の中 優しい風が吹いて 明日(あす)への扉 そっと開く」。
ハッピーエンドへと向かいつつあるようだ。このまま進むことを祈る。
Ourselves(&)(2021.12.18)
平成15年,詞:ayumi hamasaki,曲:BOUNCEBACK,唄;浜崎あゆみ
「ぎゅっとしてみたり じんとしたり しゅんとしたり」と始まる。
「いくつもの私をあなたは知っている」ということらしい。
「果てなく続いていくようで ちゃんと果てはあるこの道 たった一度限りのね」と突然人生を論じるのも平成流のようだ。平成流は論じるのではなく感性で歌うのかもしれないが。
とにかく,「だって本当に 価値があるものなんて 愛だけでしょう」と一気に結論のようなものに跳んでいる。「選択肢は多すぎて 見当もつかないけれど」と言っているのに選択肢を個々に論じることもなくだ。
私のような年寄りから見ると,愛と恋を混同して舞い上がっているだけではないかとも思うが,それも若さの証明なのだろう。
曲は,昭和時代だったらこの平板さになんだこの曲はと思ったのだろうが,平成になり平板なメロディーと単調なリズムを何度も聞くうちに,このような曲も悪くないと思うようになってきた。
IT’S SHOWTIME!! (2022.4.13)
平成15年,詞:KOSHI INABA,曲:TAK MATSUMOTO,唄:B’z
「獲物を呼びよせるように サーチライトが空を照らす」と始まる。
何だろうと思うが,「チケットを握り ゲートをくぐれ」「灼熱への招待 ココじゃ全てがLive」とあるのでそういうことかとなる。ただし,このライブが本当のライブか,人生がライブのようなものだと言いたいのかは私には判別できない。
B’zが観客と共同でライブを作り上げるというイメージだが,私には稲葉の追体験は無理なようだ。
TV ASAHI NETWORK SPORTS 2003主題歌。
永遠のBLOODS(2022.10.4)
平成15年,詞:浅田信一,曲:堂島孝平,唄:KinKi Kids
「ひとり空を見上げた朝は 薄い月寂しく見える」と始まる。
歌詞は明瞭なのだが,私には意味不明瞭だ。
「ゆずれない夢に背を向けずに 抱えて行こうとそう思うんだ」というのだから解り易そうにも思えるのだが,「夢」の内容が解らないので解ったような気にしかならない。「ガラス色の胸」などという言葉も現れるが,何のことかさっぱりわからない。ガラスは作り方(添加物)でいろんな色のものができるのだが,どんな色をイメージしているのだろうか。
最後に「やがて季節変わって もう一度この場所に立って 懐かしむ時には君に笑っていて欲しい」と出てくるが,この君とはどういう関係なのだ。「あの頃の君の頬をつたう涙に」の君と同一人物なのか。この涙の理由は何だ。
なんとなく,夢を見ることで君に涙を流させたが,懐かしむ時には笑っていて欲しいという自己中の歌のようにすら感じられてもくるが,そうではないのだろう。タイトルの「BLOODS」から解らずお手上げの歌。
贈る言葉(2023.12.15)
平成15年,詞:武田鉄矢,曲:千葉和臣,唄:FLOW
「暮れなずむ町の 光と影の中 去りゆくあなたへ 贈る言葉」と始まる。
四半世紀前の歌のリメイク。
「悲しみこらえて 微笑むよりも 涙かれるまで 泣くほうがいい 人は悲しみが 多いほど 人には優しく できるのだから」と昭和の中期までは涙はこらえるもので,顔で笑って心で泣いてというのが多かった。それが昭和後期には『悲しい時は泣けばいい』と変わって来た。平成もこの流れに乗っているのだろう。
昭和54年,海援隊が唄った同タイトルのフォークをロックに編曲したものだが,私にはオリジナルのフォーク版のほうがすんなりと心に入って来る。
Always (2024.7.11)
平成15年,詞:光永亮太,曲:Sin,唄:光永亮太
「願いは誰でも ひとつは叶うよ 無理に答えを出しては 灯した火を消さないように」と始まる。
「どれだけ精一杯 手を伸ばしても 届かないものがあると 教えられたけど」と教えられたことは忘れておらず,それでもなお「誰でもいつかは 幸せになれるよね」というポジティブ指向の歌。
フジテレビ系ドラマ『いつもふたりで』(松たか子,坂口憲二)主題歌。
勝手にシンドバッド(2023.4.17)
平成15年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「ラララララ ラララ ラララララ ラララ ラララララ ラララ」と前奏代わりにあった後,「砂まじりの茅ヶ崎 人も波も消えて」と始まる。
印象的なフレーズは「今 何時? そうね だいたいね 今 何時? ちょっと 待ってて 今 何時? まだ 早い」で,昭和の会話としては成り立っていない様に感じるが,平成人はこのような会話でも解り合えるようだ。曲も昭和の一般的な歌に比べて早口で,平成の曲だと言われても違和感がない。
最後は「胸さわぎの腰つき」を何度か繰り返した後最初の「ラララララ ラララ」の繰り返しでフェードアウトする。
オリジナルは昭和53年に発売。その後何度かセルフカバーも発売されているが,これはデビュー25周年記念。昭和53年盤はオリコンチャート最高3位だったが,この25周年記念盤はオリコン週間ランキング1位を獲得した。
COLORS(2021.5.27)
平成15年,詞:宇多田ヒカル,曲:宇多田ヒカル,唄;宇多田ヒカル
「ミラーが映す出す幻を気にしながら いつの間にか速度を上げてるのさ」と始まる。
宇多田の歌は解らないと思っていたが,この歌は珍しく解る気がする。気がするだけかも知れないのだが。
「今の私はあなたのしらない色」と終わるのでこれが結論なのだろう。もう以前の私じゃない。だからサヨナラというのか,あるいは,もう一度貴方の色に塗り直して欲しいというのかもしれない。塗り直すのは無理だろうとまで思っているのかは解らない。
ギラ☆ギラ(2023.3.13)
平成15年,詞」Satomi,曲:本間昭光,唄:KinKi Kids
「ギラ☆ギラ☆ギラ 真夏の愛なんて 太陽のせいにしちゃったら ギラ☆ギラ☆ギラ 流されるままに 何でもできそうな気がして」と始まる。
まあ,これは自分のことだからそのとおりなのだろうが,「心も躰(からだ)も 少し大胆になってもいいんじゃない」というのはターゲットに対して思っていることなのだろう。「弾けそうな熱い視線(ビーム) 時々送ってるのに 気付かない素振りを見せる あなたは計算してるの?」と勝手に他人の思いを推量している。
他人の思いを推量することはとても大切だが,自分に都合の良い推測を思い込んだりしたら危険な状況だ。
女言葉の男歌のような印象を受けるが,私が昭和人間だからかもしれない。ジェンダー不明で,ジェンダーレス時代の歌だ。
くるみ(2021.4.7)
平成15年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲;Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children
「ねぇ くるみ この街の景色は君の目にどう映るの?」と始まる。
「時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば 生きる事は実に容易い」と桜井にしては珍しく解りやすい詞だ。最後も「出会いの数だけ別れは増える それでも希望に胸は震える 引き返しちゃいけないよね 進もう 君のいない道の上へ」と素直だ。途中,まだ
やや難解というか,理屈っぽくてクドいと感じる所もあるが,いつもこのくらいわかりやすい詞を書いていればいいのに。
詞には青春を感じるが,歌声は幼さを感じる。
Greatful days(&)(2022.1.20)
平成15年,詞:浜崎あゆみ,曲:BOUNCEBACK,唄:浜崎あゆみ
「待ち焦がれていた季節がやって来て ざわめきだす風 動き出す街並」と始まる。詞にはいろいろ書いてあるが,「なんて事ない毎日こそが なによりも素敵だって知ってるから」というのがベースラインにあるようが。バブル期を除き,どの時代もこのような考えがあったように思うが,昭和の高度成長期には余裕があってのこのような考えだったが,平成では諦めの後のこのような考えのように感じてしまう。
詞は非の打ちどころがないが,教科書なみにヨイコぶりっ子のような印象を受け,私に感動を呼び起こすものではない。曲にのせた歌詞のスピードも解り易い速さなのだが,編曲のせいだろう,リズムがせわしなくて平成だと感じてしまう。
フジテレビ系バラエティ『ayu ready? 』主題歌。
心に夢を君には愛を(2023.2.6)
平成15年,詞:Satomi,曲:松本良喜,唄:KinKi Kids
「心に夢を君には愛を いつも忘れないように いつでも僕は君のそばにいる 気持ちはつたわる」と始まる。
この最初のフレーズが何度も登場し,タイトルにもなっているくらいだから,これがこの歌の主題だろう。ただ,この「夢」がどんなものなのか具体的な記述がないのでいまひとつ私に対する説得力がない。どんな「夢」なんだろうと想像しているうちに「そっと瞳を閉じたなら」などと出て来る。「瞳」じゃなくて『瞼』だろうと思うのだが。
どうも「夢」を夢見ているように思えて危うさを感じる。しっかりと地面に足をつけて生きていこう。
私が若い頃にも抽象的に「夢」としか書かれていない歌1)があったが,当時は私も夢を夢見る年頃だったのでその歌に何の違和感も持たなかった。私の人生経験から,具体的な「夢」を持たないと何も達成できずに人生が終わってしまうぞという危機感を若い人々に伝えたい。
1) 例えば「若いふたり」(昭和37年,詞:杉本夜詩美,曲:遠藤実,唄:北原謙二)
桜(2021.7.21)
平成15年,詞:河口京吾,曲:河口京吾,唄:河口恭吾
「僕がそばにいるよ 君を笑わせるから」と始まる。
「君と歩いていこう」「君がいる いつもそばにいるよ」という意味のフレーズが何度も繰り返され,メッセージは極めて解り易い。
平成の歌の流行に逆行してスローな曲・単純な歌詞で好みは別れるかもしれないが,解り易いという点だけでも好感が持てる。
さくら(独唱)(2021.8.17)
平成15年,詞:森山直太朗・御徒町凧,曲:森山直太朗,唄:森山直太朗
「僕らはきっと待っている 君とまた会える日々を」と始まる。
「どんなに苦しい時も 君は笑っているから 挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ」という仲だ。「泣くな友よ 今惜別の時」「さらば友よ またこの場所で逢おう」という歌。
「さくら さくら 今,咲き誇る」から始まるサビが印象に残る。
歌詞はよく聞き取れ,久しぶりに歌らしい唄だ。ただ,オペラ歌手のような発声ではなく,フォーク歌手のような発声だ。まあ,歌もフォーク系なのでそれでいいのだが。
長渕の『乾杯』1)などと同様,人生の応援歌というような面もあり,そのような会合で唄われることもあるが,自分の下手さを自覚せずに長々と独唱するのはやめてほしい。皆で唄ったほうがずっといい。
1) 「乾杯」(昭和55年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄:長渕剛)
さくらんぼ(2021.6.23)
平成15年,詞:愛,曲:愛,唄:大塚愛
「手帳開くと もう2年たつなぁって やっぱ実感するね なんだか照れたりするね」と始まる。
散文でダラダラ書かれた詞。昭和末期から散文で書かれた詞の歌もでてきていたが。
「隣どおし あなたとあたし さくらんぼ」と何度も繰り返され,最後のこのフレーズだ。二つがくっついているさくらんぼを見て,あなたとあたしのようだと思いつき,このフレーズを何度か繰り返しながら間に適当に言葉を入れたのではないか。
曲は軽快なリズムで好きなタイプだが,詞が聞きとれない。声は聞こえるのだが,発音のイントネーションが日本語の単語のイントネーションと合わないところが多数あり,聞こえながらも意味がすぐに頭に入らない。詞を読んでもそれほど特別のことは言っていないようなので,詞は末尾の「隣どおし あなたと あたし さくらんぼ」だけで十分と考えれば曲としては嫌いではない。
雑走(2024.1.19)
平成15年,詞:上原彰兼・北川賢一,曲:近藤信政・北川賢一,唄:ロードオブメジャー
「太陽に向かって咲いているこの花 土に顔を向けて垂れるこの花 歩き慣れた この道でも 人が進むべき道がある」と始まる。
始まりはよいのだが,「過ごした日々は意味もなく」とあっという間に思考は下向きに収斂し,「自分探しの旅にでる」とのことだが,今見つめる自分自身以外に別の自分がいるというのは幻想だ。「いつしか輝く事を願い」というのは現在は輝いていないのだろうがそれが自分なのだ。「輝く事を願」っているだけではいつの間にか年老いてしまう。輝きたければ「願」うのではなく,努力するのだ。願ったりしなくても自然に輝くこともある。輝かなくても何の不都合があろうか。
「無いもの探し」ということが解っているなら,そんなものを探す「旅に出る」より,地道に生きるべきだろう。高度成長期なら地道に生きていればそれなりに成長できたが,停滞期の現代ではそれではじり貧になるだけだということなのだろうか。
タイトルがなぜ「雑走」となっているのかは私には理解できない。『雑草』ならばその語感は曲の雰囲気とマッチしていると感じる。もっとも昭和の陛下は『草にはそれぞれ名前があり,雑草などという名の草はない』と仰られたとか。
静かな雨(KI) (2023.9.2)
平成15年,詞:KOHSHI INABA,曲:KOHSHI INABA,唄:稲葉浩志
「眠くなるようなはやさで 水玉を蹴散らしてく 揺れるワイパーを見ながら 遅刻のいい理由考える」と始まる。
朝,事故渋滞に巻きもまれ,隣を見るとタクシーに「君によく似た人」がいるという情景は良く解る。ところが,そこで過去の想い出に移ると私の理解はあやふやになる。結局,タクシーとは別れ,「そこには誰もいない」という歌のようだが,私には消化不良感が残る歌。
上海ハ二―(2025.1.1)
平成15年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE
「いいね快晴じゃん 雲ひとつないよ 真っ赤な太陽 君を知りたいよゥ」と始まる。
「波打ち際の 熱い 決意 甲子園球児 さながらの闘志」とあるがよく解らない、Wikipediaによればナンパの闘志らしい。「寄せては返す 下心とモラル」など,そう思って聞くとそう思えてくる。昔々の学生宴会で唄われていた春歌をオブラートに包み,ロックにしたようにも聞こえる。まあ,ロックと言ってもメロディーがやや単調で昔のロックとは違うが。
Jupiter(2021.5.2)
平成15年,詞:吉元由美,曲:G.Holst,唄:平原綾香
「Every day I listen to my heart ひとりじゃない」と始まる。
歌詞が聞えないわけではないのだが,解らない。
最初は宇宙の大きさと,たまたま周囲と出会えた奇跡。この感覚は解る気がする。しかし,そこから次第に分からなくなる。「愛を学ぶために 孤独があるなら 意味のないことなど 起こりはしない」あたりになると最初からどのように繋がってここへきたのかもう解らない。「夢を失うよりも 悲しいことは 自分を信じてあげられないこと」というフレーズも独立してなら解るが,前後の関係が理解できない。
最後の方に「ありのままでずっと 愛されてる」とあるが,これが主題かもしれない。
タイトルの「Jupiter」は原曲のタイトルで,これから最初の宇宙の大きさの話などがでたのだろうが,その後との関係が一番解らない。
この歌に限らず,平成の歌には『愛され願望』があるように感じてしまう。「あなたのために」というのもまわりまわって自分の為になると考えているのではないか。
砂時計(Breezin'〜Together〜) (2022.8.30)
平成15年,詞:maR,曲:MONK,唄:EXILE
「ここに来るのはもう どれくらい前だろう 波がまた消してゆく 記憶の足跡」と始まる。
「抑えられない気持ちを 君に伝えた夜」「君の驚いた顔」「その時僕は 後悔したのさ」。
「かえがえのない 二人だけの時間を 砂時計の砂が 僕らに終わりを告げる」。不用意な一言が二人の関係を終わらせることになってしまった。「何もいらなかった 僕の幸せは いつも君と一緒だったあの頃」。しかし後悔してももう遅い。
平成の歌ではあるが歌詞が聞き取りやすい。しかし,聞き取りやすいのは想い出部分のみであり,現在になると突然「I let you go だけど今でも everyday I’m thinking all of you You remind me please 忘れられずに」などと英語が挿入され,文字で見れば簡単な英語だが耳から入った音を私の脳は処理しきれず,理解が不十分になってしまい消化不良だ。
日本テレビ系『スポーツうるぐす』エンディングテーマ。
sailing day(2024.5.3)
平成15年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN
「目を閉じたその中に 見えた 微かな眩しさを 掴み取ろうとした 愚かなドリーマー 伸ばした手は 閉じた目に 写らなくて 途方に暮れる 射程距離から 随分遠く 滲む」と始まる。
「精一杯 運命に抵抗 正解・不正解の判断 自分だけに許された権利」とか「精一杯 存在の証明 過ちも 間違いも 自分だけに価値ある財宝」など解るようで解らないフレーズが並んでいる。「sailing day 舵を取れ 哀しみも 絶望も 拾っていく 呆れたビリーヴァ―」などは何となく『ONE PIECE』を連想させなくもないが,昭和の主題歌にはタイトルや主人公名などが入っていて解り易いものが多かった。平成では専用の主題歌ではなく流用が多いのかもしれないが,キーワードが入っていない主題歌が少なくない。『海賊王に俺はなる!』などというフレーズでも入っていればこの映画を知らない私にも解るのだが。
東映映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』主題歌。
世界に一つだけの花(2020.12.22)
平成15年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:SMAP
「花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた」と始まる。
花は互に争うということをしないのに「僕ら人間は どうしてこうも比べたがる?」と疑問を提示し,「一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい」というメッセージソングだ。「NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly One」と終わる。
明治から昭和の中期まで『身をたて名をあげやよはげめよ』1)と立身出世主義というか競争社会だった。それが運動会でも手を繋いで一緒にゴールしましょうとなり,平成21年にはスーパーコンピュータの開発計画に対し,『世界一になる理由は何があるんでしょうか。2位じゃだめなんでしょうか。』との意見がでるまでになる。昭和末期から平成の時代は,実際には競争が減ることはなかったのに,建前だけは競争を避ける時代だったのではないか。この歌も建て前を広めるのに少しは寄与したのではないか。
無邪気に建て前を信じた者がいたせいで一億総中流と言われた日本社会も階層分離が進んだ。
1)「仰げば尊し」(明治17年,小学唱歌)
1000の言葉(2023.6.24)
平成15年,詞:Kazushige Nojima,曲:Takahiro Eguchi, Noriko Matsueda,唄:幸田來未
「君の言葉は 夢の優しさかな? ウソを全部 覆い隠してる ズルイよね」と始まる。
別れの想い出の歌。「『帰ってくるから』 追い越してゆく君の声 意地張って 強いフリ」と「背中見せて」旅立たせてしまった。「叫べば良かった? 行かないでと涙こぼしたら?」。あのとき自分はどうすべきだったのだろう。今になっては遅く,届かないことは解ってはいるけれど,「1000の言葉を 見えない 君の背中におくるよ」とタイトルの言葉が登場する。
「帰ってくるから」という言葉を残していったことが唯一の望み。恐らく「ウソ」だと思いながら待つしかない。意地を張るべきではなかったのか?いや意地でも強いフリをしたのが正解か。
空に唄えば(2022.11.8)
平成15年,詞:SHOGO,曲:SHOGO,唄:175R
「空を見上げて雲を見つめる 過ぎ去りし時の空」と始まる。
これが歌かと思う騒々しさなのだが,歌詞が聞き取れない曲が少なくない平成時代にあってこの曲はなぜか歌詞が聞き取れる。その歌詞もまともな日本語で中身も悪くないように感じる。若さがほとばしっている。「あの日の僕等」などと回想箇所にも若さを感じるが,最後の「この胸の高なりよ 届け 僕の想いよ」などとまだまだ若さがみなぎっている。
私のような年寄りにとって,うるさすぎる歌だが,いまもこのような若者がいることに安堵する歌。
それがすべてさ(2021.2.21)
平成15年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「さぁ始めよう もう止まらない」とはじまる。
「さぁ始めよう! 歩き出さなきゃ 感じることさ それがすべてさ!!」というのがなんどか出てくるのでこれが主要メッセージだろう。
平成になってからのヒット曲の多くが,何が言いたいのか解らぬながら,ある種の雰囲気を伝えるというものだったが,この歌のようにメッセージが明確なものも少なくない。メッセージが明確な歌の中にはもちろん昭和の歌をそのまま引き継いだものもあるが,この歌は明らかに昭和にはなかった平成の歌だ。
「そう 君は美しい! そうさ 僕は君が好き!!」とあって「さぁ始めよう」だから,そのような歌なのだが,変な嫉妬心のようなものは出て来ず,単純に頑張れと応援したくなる歌。
まぁ,カラオケで唄おうとまでは思わないが。
月のしずく(2021.9.15)
平成15年,詞:Satomi,曲:松本良喜,唄:RUI
「言(こと)ノ葉(は)は 月のしずくの恋文(しらべ)」と始まる。
死別なのだろうが「過ぎし儚き 思い出を」に浸りながら「『逢いたい・・・』と思う気持ちは そっと 今,願いになる」ということが主題のようだ。
東宝映画『黄泉がえり』(草g剛,竹内結子)の主題歌。
漢語の多い現代文にいくつもの和語を配して何らかの効果を期待しているのだろうが,私には使われている漢語が固すぎると感じるし,和語にも違和感を持つ。和漢混淆文は平安・鎌倉時代から始まり,現代語もこの一種だが,使われている漢語と和語に違和感があるのだ。もちろん歌詞を見ればすぐに意味は解るが,予測できない言葉が少なくないので唄を聴いただけでは解りにくい。もっと普通の言葉を使えばよいのに。
曲は平成の曲としては十分に静かな曲だが,私の主観ではもっと静かな方がよい。唄っているときの伴奏などもっともっと静かな方が私の好みだ。
RUIの女優としての名前は柴咲コウ。高音部も声がでており,悪くない中太の声だが,私はこの歌ならもっと細い声の歌手の方がよいのではないかと思う。
なお,私のような年寄りは「月のしずく」と聞くと,西郷輝彦の歌1)をまず思い出す。
1) 「月のしずく」(昭和43年,詞:銀川晶子,曲:五代けん,唄:西郷輝彦)
掌(2021.3.15)
平成15年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲;Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children
「掌に刻まれた歪な曲線 何らかの意味を持って生まれて来た証」と始まる。
タイトルは訓読みで「てのひら」。
てのひらを見てこんなことを考えないほうが普通だろう。ミスチルの歌にはこのような哲学的?な歌が少なくない。哲学的?と?を付けたのは哲学的とは違うと感じているからだ。不透明でぼやけた思考を明晰にしようとしている点では哲学的なのだが,結果として何一つ明晰になっていない。しかし,明確な答えがえられないのが哲学のような気もする。
「僕らなら 求め合う寂しい動物 肩を寄せるようにして 愛を歌っている」と自覚して行動しているのだが,意図とは異なる結果となる。「どこで間違ったかなんて 考えてる暇もなくて」「暗闇で もがいて もがいている」のだ「袋小路に 今も迷い込んだまま 抜け出せずにいる」。
Together(Breezin'〜Together〜) (2022.6.21)
平成15年,詞:EXILE & Kenn Kato,曲:原一博,唄:EXILE
「きっとShinin’ days どこまでも 君と歩いていけたら」と始まる。
いろんなことがあっても「君なしではいれない ぼくがそこにいるよ」という歌。
この歌も,多くの平成の歌と同じく,歌い手の気持ちだけが歌われていて,相手の反応は全く示されていないので,状況が理解できず,そうですかと聞き流すしかない。
TBS系ドラマ『ホットマン』(反町隆史)主題歌。
Now or Never(2025.5.21)
平成15年,詞:m-flo・CHEMISTRY,曲:m-flo,唄:CHEMISRY
「どこから(この話を始めよう?) 誰にも(話してないすべてを) みんなで(このまま)このまま(みんなで) 送りだそうぜ科学の子」と始まる。
フジテレビ系アニメ『アストロボーイ・鉄腕アトム』中期オープニングテーマ。
私など,『鉄腕アトム』と聞くと谷川俊太郎の詞1)が深く耳にこびりついていて,とても他の詞を書こうとは思わない。と思ったが,思えばCHEMISTRYのメンバーは谷川盤が放送されていた当時はまだ生まれていなかったはずだ。先入主なしで新曲が書けたのだろう。
1) 「鉄腕アトム」(昭和38年,詞:谷川俊太郎,曲:高井達雄,唄:上高田少年合唱団
涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜(2021.11.15)
平成15年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「熱い砂のステージで結ばれた女性(ひと)がいる」と始まる。
始まったかと思うとすぐに「君がいないビーチは欲望の影もなく 黄昏が恋の終わりを待っていた」と終わってしまったようだ。なぜそうなったかわからないまま気取った嘆きの言葉が続く。いくら巧言を並べられても私の心を打つものではない。たとえば「コバルトブルーの涙の海で 人魚のような恋に溺れたなら」など修辞が陳腐で,フレーズに自己満足を感じる。
「さよなら僕のいとしのAngel わが身は枯れても愛は死なない」なとというクサいフレーズで終わる。
虹(2021.1.10)
平成15年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「聞いて欲しい歌があるよ いつか言いたかった言葉があるよ」と始まる。
やはり解らない歌だが,他の解らない歌と違うのは,解らないのは私がニブイからだと感じる点だ。もう少しで解りそうに思うのだが。
最後は「僕の虹へ 飛び立つのさ」と終わるのだが,「虹へ 飛び立つ」ということからもファンタジーだということが解る。しかし「虹」が何のメタファーなのか解らないのだ。
「虹」はタイトルになっているだけでなく,「虹を待ってたんだ」とか「いつか虹を 手に入れるその時」などと何度か登場するのに何のことか解らない。
No way to say(2024.8.25)
平成15年,詞:ayumi hamasaki,曲:BOUNCEBACK,唄:浜崎あゆみ
「残された遠い昔の 傷跡が疼き出してまた 震えてる心隠して 微笑みにすり替えた」と始まる。
「あなたに出会えていなければこんなに もどかしい痛みさえも知らなかったね」という歌のようだ。
「伝えたい想いは溢れるのに ねぇ上手く言葉にならない」と,自分のことはそれなりに解っているようだが,「誰もがこうして言葉にならない 想いを抱えながら今日も生きている」と他人も自分と同じだと勝手に他人の想いを決めつけてしまうのには賛成できない。もっと他人の想いを察する術を訓練すべきではなかろうか。
TBS系バラエティ『恋するハニカミ』(久本雅美,中島知子ほか)テーマソング。
白雲の城(2023.11.10)
平成15年,詞:松井由利夫,曲:水森英夫,唄:氷川きよし
「夢まぼろしの 人の世は 流れる雲か 城の跡 苔むすままの 石垣に 栄華の昔 偲べども」と始まる。
杜甫の『春望』,瀧廉太郎の『荒城の月』,三橋美智也が唄った高橋掬太郎の『古城』などを思い出させる。
七五調の定型詩は題材にもマッチしている。「幾星霜の 病葉(わくらば)が 積もりて朽ちし 大手門」とあり,大手門の残骸が残っていそうな書き振りだが,これは筆が滑ったのか,あるいはそのような城跡があるのだろうか。
いずれにせよ,情景ははっきりと感じ取れ,諸行無常を感じさせる。若い人の反応はどうか知らないが,私のような年寄り向けの歌だ。
尚,タイトルは「はくうんのしろ」だ。念のため。
第36回日本有線大賞、第45回日本レコ』ード大賞最優秀歌唱賞受賞。
薄荷キャンディー(2022.5.17)
平成15年,詞:松本隆,曲:Fredrik Hult, Ola Larsson, Oeystein Grindheim, Henning Harturng,唄:KinKi Kids
「静かに満ちてくる 波のつづれ織り 何度も泣かせたね ごめん」と始まる。
「薄荷(ハッカ)の匂いの運命のひとさ ぼくの瞳(め)は 君しか映らない」など,『君しか勝たん』1)の遠い先祖ではないかと思うような表現,もちろん原型は『君しか見えない』だろうが,詩人にかかるとこのような表現になるのかと感心する。
TBS系日曜劇場『元カレ』(堂本剛)主題歌。
1) 「君しか勝たん」(令和3年,詞:秋元康,曲:デレク・ターナー,唄:日向坂46)
ハッピーライフ(2024.6.6)
平成15年,詞:SHOGO,曲:SHOGO,唄:175R
「忙しい毎日に追われて 大事な物を見失いそうで それでも何かを探して 僕は今を生きてるんだ 大きな空みて 自分を感じてたい 大事な仲間と 笑いころげていたい」と始まる。
「君と二人でいたい いつも笑っていたい」とあるがこれは解り易い。最後は「ここから見える景色を僕は信じたい 今を感じたい ここから始まる」と終わるのだが,これが解らない。ここからどんな景色が見えているのか?「今」を感じていないのか?
曲は平成の歌と大分雰囲気が異なるが,途中まで歌詞が解り易いところは好感度が高いと思ったのに。
HANABI〜episode II〜(&)(2022.3.11)
平成15年,詞:ayumi hamasaki,曲:CREA+D・A・I,唄:浜崎あゆみ
「ねえどうしてまた 振り返ってる 足跡辿って ねえあれからもう夏は 何度も 巡っているのに」と始まる。
「忘れたいのに 忘れたくない」という歌で,この気持ちは想像できる。最後は「この想いよ この想いよ 空へ打ち上がり 花火のように 花火のように 美しく散れ」と終わる。
ほとんど理解できるのだが,解らないのがこれが男歌なのか女歌なのかということだ。「いつか聞かせて 君の口から 倖せだよと そして 笑って」とあるフレーズはこれが男歌だということを示しているように私には感じられる。一方で何度も登場する「ねえ」などは女歌ではないかと私に思わせる。結局,浜崎の言葉が女言葉と男言葉を十分区別していないから私には理解しにくいのだが,このようなことを言うと反動的と言われそうなので,ここでやめておこう。
ひまわり(2021.1.31)
平成15年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「夢を見ていました あなたと暮らした夏」と始まる。
「ひまわりのような人でした」と追憶の歌だ。
「あなたがそばにいてくれるだけで 本当によかった」とあり,最後の「ふたりのあの夏のように ひまわりが 今 咲きました」と終わる。別離の原因に全く触れられていないのでいろんな解釈ができるがその分思いも薄くなるように思う。
Forgiveness(2025.2.21)
平成15年,詞:ayumi hamasaki,曲:CREA+D・A・I,唄:浜崎あゆみ
「僕達は時に どうしようもない 過ちを犯し そのうちに少し 俯瞰になる 傍観者ごとく」と始まる。
歌詞の他の部分も私には難解すぎる。最後の「きっと誰もが愛を守るそのために きっとだれもが何かを信じていたい」というのがテーマなのだろうが,詞中に「Forgiveness」と関係のありそうなフレーズがあるとは私には感じ取れず,全体が理解できない。
TBS系ドラマ『高原へいらっしゃい』(佐藤浩市,西村雅彦ほか)主題歌。
BLUE〜云えずにいる〜(Breezin'〜Together〜) (2022.7.27)
平成15年,詞:EXILE & RYK,曲:山木隆一郎,唄:EXILE
「夜中のTEL(でんわ) 突然僕を呼び出して」と始まる。
呼び出されて飛んで行ったのに,何の話かと思ったら「彼とケンカ」だって。「僕はとても ミジメ」というのが前半。
「今気付いたよ 僕は君に恋してる」ということだが,これまで無意識にこの想いを抑圧してきたのだろう。自分自身の想いに気づいてしまったいま「友達のフリして悩みなんて聞けない」
この先が私には歌詞の理解が困難なのだが,恐らくタイトルにあるように想いを「云えずにいる」ということなのだろう。歌の最後は「言葉が君の心を傷つけないように 今から君の心を見守ってるから」となっているが,とりあえずは見守るだけなのだろう。
平成の歌には珍しく歌詞でストーリーが語られている。
メリッサ(2024.11.11)
平成15年,詞:新藤晴一,曲:ak.homma,唄:ポルノグラフィティ
「君の手で切り裂いて 遠い日の記憶を 悲しみの息の根を止めてくれよ さあ 愛に焦がれた胸を貫け」と始まる。
鳥を見て,「羽が欲しいとは言わないさ せめて宙に舞うメリッサの葉になりたい」などと言っているうちに「救いのない魂は流されて消えゆく 消えていく瞬間にわずか光る 今 月が満ちる夜を生み出すさ」とどんどん哲学的になって終わる。
それにしても「鍵をかけて」と「錠の落ちる音」と使い分けたりしている点はいいのだが,『錠をかける』あるいは『錠をする』のではないか。
MBS・TBS系アニメ『鋼の錬金術師』オープニングテーマ。アニメの原作は荒川弘の漫画。
野生のENERGY(2023.1.2)
平成15年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「体中 満ち溢れる 野生のENERGY 滾らせて今 解き放て」と始まる。
例によってうるさいロックだが,不思議なことに歌詞は聞き取り易い。
「何やっても 驚くほど まわりについてゆけず 夢中になれるものを見つけても 叩きのめされる」。青春のある時期,このように感じることもあるだろう。そこに「青天のイナズマのように 君があらわれる」「奇蹟が起こる もうひとりじゃない」とハッピーソングだ。私の中ではハッピーソングとロックは会わないのだが,私のロックに対する見方が誤りかもしれない。
『TV ASAHI NETWORK SPORTS 2003』主題歌。
YOUR NAME NEVER GONE(2025.4.6)
平成15年,詞:麻生哲朗,曲:SPANOVA,唄:CHEMISRY
「どんな言葉も剥がれ落ちていく この気持ちを愛だとするなら 最後にひとつ ただありのままに口にできる言葉は 終わりなんかない ありふれたキミの名前」と始まる。
同じような内容を言葉を換え何度もくどくど繰り返す。初めてドストエフスキーを読んだときのように,もっと速く話を進めてくれと言いたくなる。
私の感情もいくつかのパターンに固定化されてきているのだろう。短いフレーズでそのパターンに合えばお気に入りになり,そうでないのは最後まで聞く気になれない。私の体調不良のせいで,簡単なフレーズしか頭に入って来ないようだ。
ヨロコビノウタ(2024.9.29)
平成15年,詞:Kiyosaku Uezu,曲:MONGOL800,唄:MONGOL800
「ダーリン いつも歌ってくれる ヨロコビノウタ 今日も聞かせて」と始まる。
聞いたことのないジャンルの音楽だと思ってWikipediaを見たらロックと書いてあった。私がイメージするロックとは全く異なるが,これが現代のロックなのか。
「ダーリンダーリン ダーリン I love you.ダーリン I miss you. I am waiting for you」などと歌詞はロックにもなりそうだが,曲には首をかしげる。
real Emotion(2023.5.21)
平成15年,詞:Kenn Kato,曲:Kazuhiro Hara,唄:幸田來未
「What can I do for you? What can I do for you? I can hear you. What can I do for you?」と始まるらしい。速いので私には聞き取れないが。
続いて「あの日ココロの彼方に描いてた場所にいる 途方に暮れてたりする けれどもう戻れない」とあるのだが,私にはこれが歌の始まりのように聞こえる。
「途方に暮れている」のは解るとして,どんな「場所にいる」のかは私には解らない。状況としては「もうただ走るしかない」らしいのだが,これも切迫した気分を感じるだけだ。それでも「あなたが目を閉じたならそこにいる」「聴こえてくる キミはひとりじゃない」とのことだ。実際の助けになるのかどうかは知らないが,心の拠り所はあるようだ。
というのはいいのだが,結局この歌は何のための歌なのだろう。私に何かを訴えるために作られたわけでないことは確かだ。自分が独りじゃないということを自分自身に言い聞かせている歌のように聞こえるのだがそれで正解なのだろうか。
ロストマン(2024.3.29)
平成15年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN
「状況はどうだい 僕は僕に尋ねる 旅の始まりを 今も 思い出せるかい」と始まる。
「君を失った この世界で 僕は何を求め続ける 迷子って 気付いていたって 気付かないフリをした」
「強く手を振って 君の背中に サヨナラを 叫んだよ」というなら全ては終わったのだ。昭和の中頃までの別れというのは今生の別れが少なくなかった。小学校の同級生も移民船で行ってしまった。集団就職で都会に行ってしまうと二度と会えないのが珍しくなかった。
「君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ」というが,会いにいくのは簡単ではない。
「間違った 旅路の果てに 正しさを 祈りながら 再会を 祈りながら」などというのを聞くと,覚悟が足りないというか,平成人の考えの甘さを感じてしまう。
愛と欲望の日々(2022.11.7)
平成16年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「Going up to “狸穴天国”(まみあなパラダイス) 東京(OEDO)はお洒落な迷宮(おみや)」と始まる。
わざと他の言葉に聞こえるように発音しているようで,ボーっと聞いていても何のことかさっぱりわからない。歌詞を見ながら聞くと,なるほどここかと判るのだが,英語が多用されており,何が言いたいかはっきりとは解らない。タイトルにもあるように「愛と欲望の日々」を過ごそうと呼びかけているようにも感じるのだが。
フジテレビ系『大奥〜第一章〜』(松下由樹,高島礼子,瀬戸朝香,西島秀俊ほか)主題歌。
紅く燃ゆる太陽(2023.7.28)
平成16年,詞:Satomi,曲:Shusui, Stefan, Engblom, Azel Bellinder,唄:NEWS
「紅く燃ゆる太陽 溶けて逝く 遥か地平線の果て目指し 駆け出そう」と始まる。
「溶けて逝く」のイメージが私には伝わって来ず,これが何度も繰り返されているので全体として理解できない。もちろん,ところどころ「ぼくは持てる限りの力で 君とシアワセをつかむために 遥か地平線の果て目指し 駆け抜ける」のように解り易いフレーズもある。しかし,意味が理解できない比喩があり,それが気になってしまって全体が理解できなくなる。
唄は聞き取り易いとは思うが,バックの音楽がせわしないリズムで騒々しく,唄を聴く気が削がれる。私がもっと若かったらそうは感じなかったのかも知れないが。
フジテレビ系『女子バレーボール・ワールドグランプリ2004』イメージソング。
Anniversary(2021.11.14)
平成16年,詞:Satomi,曲;織田哲郎,唄:KinKi Kids
「星の数ほどいる 人のなかでボクは 偶然,あの日出会逢い 恋に落ちたよ」と始まる。
「愛が苦しみだと もし教えられても ボクは迷わずに キミを選んだだろう」とかなりボルテージが上がっている。「『キミヲアイシテル』そんなひとことが 飾らずにいえたなら どんなに楽なんだろう」とあるが状況がわからない。こんな状況というのは『告白』前の状況なのではないか。それなのに「なんか不思議なんだ キミがボクを好きな理由がわからないよ」というのはもう付き合っているのではないか。だからこそ「この気持ちだけは 忘れたくないから 何気ない今日と云う日が ボクらの記念日」ということなのだろう。
以後,記念日からの連想である。
『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日1)
この歌の「サラダ」は実は「鶏の唐揚げ」だったということを後に作者自身がTwitterで明らかにしている。このくらいの改変は創作の一部として許されるということだろう。
1) 「サラダ記念日」(俵万智,昭和62年,河出書房新社)
彩〜Aja〜(2022.6.20)
平成16年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「夕陽浴びてカモメが 恋の終わりを告げる」などのほか,あちらこちらに恋の終わりの歌であることが示されている。最後には「もう二度と逢えぬなら 春なのに涙」とあり,春の別れの歌だ。桑田にはひと夏の恋の歌が多いような印象を持っていて,春の別れとは珍しい。ひと夏の恋の終わりは予定通りという印象を受けるが,この歌では「夢の中でだけどそばにいて 今でも忘れ得ぬ恋なら 憧れのLove is alright もう二度と逢えないと 知りながら涙」などとラブソング風のメロディーにのせて歌うのを聴くと,いつもの桑田とチョット違って聞こえる。
ARIGATO(2023.2.5)
平成16年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「ただ強く 抱きしめりゃよかった わかってるのに 何もできず」と始まる。
私にとっては言語明瞭意味不明瞭な歌。恐らく私には詩人の言葉は理解できないのだろう。使われている言葉は(音声としても)解り,数語の塊は理解できていると思うのだが、言葉の塊と言葉の塊の関係がわからない。連歌のようだ。私が連歌を理解しているという意味ではなく,私が連歌を理解できないのと同じようにこの歌も理解できないという意味だ。
オリコンシングルチャートで初登場1位,首位獲得週数が累計50週らしいから,解らないのは私が悪いのだろう。
テレビ朝日『アテネオリンピック2004』主題歌。
INSPIRE(2021.9.14)
平成16年,詞:ayumi hamasaki,曲:Tetsuya Yukumi,唄:浜崎あゆみ
「ふさわしそうな笑顔選んで もっともらしいセリフ並べて」と始まる。
しかし私には聞き取れない。歌詞を見ながら聴いて,ようやく今ここかとついて行ける程度だ。(外国語の歌だと,歌詞を見ながらでも今どこを唄っているのか解らない場合も少なくない。)過去に,平成の歌の歌詞が聞き取りにくい理由として思いつくことをどこかに書いたのだが,この歌はその理由に当てはまらないようなのに聞き取れない。浜崎と私の相性が悪いからだろうとしか思えない。
「もしも確かな答えがあったらつまんないよね」というのがこの歌のなかでの最も印象に残った詞だが,これは科学的な態度ではないと思うのだがどうなのだろう。少なくとも理系では確かな答えだけを求める。とは言っても,なかなか確かな答えは得られないので,問題自体に条件を付けることにより,ある条件の下で確かな答えを探している。人文・社会科学で導かれる答えは理系科学に比べはるかに不確かな結果しか得られていないように思うが,確かなものを探そうと努力はしているのだろう。
しかし,人生の将来が確かに見通せたら,人生はつまらない。求めるものが確かな結果ではないのが芸術かもしれない。そしてそれが人に生きがいを与えるのかもしれない。
運命のヒト(2023.12.14)
平成16年,詞:ATUSHI,曲:山口寛雄,唄:EXILE
「“やっと出会えた” 気づいた時は遅くて 大人びた今なら もう少し うまくつき合えそうだよ」と始まる。
会えなくなってから気づく恋心,昔からあるパターンだ。
「今は 別々の道だけど 僕は全てをうけとめる」などと言っているが,「伝えていいのかも わからない この気持ち 叶うのかな いつかは そんなこと言う権利もない」と心が揺れている。とはいえ現状は「君には もうすてきな人が どこかにいたりするかな」と関係が薄くなっている。そこで決断する。「この思い感じてほしい 今僕の恐さや後悔も 全てをうちあける」「君だけを愛しているよ」とクサい言葉が続くが本人は大真面目なのだからいいだろう。
それにしても平成時代には『出会えたのは奇跡だ』というような歌が多いように感じるが,この歌は「運命のヒト」だ。たまたま出逢って奇跡だというより,出会うことは運命だったというほうが,私の心には入り易い。
テレビ朝日系『奇跡の扉 TVのチカラ』エンディングテーマ。
栄光の架橋(2022.10.3)
平成16年,詞:北川悠仁,曲;北川悠仁,唄:ゆず
「誰にも見せない泪があった 人知れず流した泪があった」と始まる。
「いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある だからもう迷わずに進めばいい 栄光の架橋へと…」
昭和フォーク系の曲で,詞が聞きやすく,ストーリーも昭和的なので私のような時代遅れの者にもよく解る。
NHK『アテネオリンピック中継』の公式テーマソング。
体操男子団体は28年ぶりに金メダル。このときの冨田洋之の鉄棒実況で『伸身の新月面が描く放物線は,栄光への架け橋だ!』と放送され,流行語大賞にノミネートされた。なお,この年の流行語大賞は100m平泳ぎで金メダルの北島康介がレース後インタビュー時に言った言葉,『チョー気持ちいい』になった。
思いがかさなるその前に…(2023.3.12)
平成16年,詞:平井堅,曲:平井堅,唄:平井堅
「ねぇ そんな事を隣でキミも思ったりするのかな」と始まる。
キミには「僕が救われてるんだ」。それでも「いつかキミは僕のことを忘れてしまうのかな」と感じている。「こんな僕はキミのために何ができるのかな 言葉にならない思いだけ強く手を握ろう」と自分の思いだけを述べた歌。平成の歌は事情がよく解らぬまま一方的な思いだけを聴かされる場合が多く,自分に唄いかけられていると感じられるならいいのだろうが,そうでない場合,第三者としてはフラストレーションが溜まる。
ORIGINAL COLOR(WAVER) (2024.6.5)
平成16年,詞:堂本剛,曲:堂本剛,唄:堂本剛
「僕がもうちょっと 多分もうちょっと 明日を無視して笑えたらな いつかもうちょっと そうねいつかもうちょっと 無鉄砲な僕に逢えたらな」と始まる。
何が何だか解らないうちに「愛はやっぱりいい」と結論めいた陳腐なフレーズ。「重ねた臆病解く程 戸惑った指はない そうだオリジナルなカラーで」と続くのだが,これが私には何のことか解らない。
結局よく解らない。曲も単調に感じる。
TBS系ドラマ『ホームドラマ』(堂本剛,ユースケ・サンタマリアほか)エンディングテーマ。
かたちあるもの(2021.2.20)
平成16年,詞:柴咲コウ・山本成美,曲:小松清人,唄:柴咲コウ
「夜空に消えてく星の色 儚げに光る鈍色(にびいろ)の月」とはじまる。
どうも詞が心に入り込まない。難しすぎる言葉が使われているからではなかろうか。歌詞を読んでみるとそんなに難しい言葉が使われているわけではないようだが,唄を聴いても言葉が心に浸みこまない。最後の方に「私を思い出してくれればいい」とあるので既に別れているのだろうが,いつ別れたのか解らない。最初から「二人で泳いだ海は何故 束の間に色変えてゆくんだろう」とあり,別れた後から始まっているのかもしれないが,「あなたをまだ感じてたい」などというのは別れた後の余韻とは思えない。
結局,「泣きたいときや苦しいときは 私を思い出してくれればいい」という感情が解らないからだろう。前段が理解できないからこの感情が理解できないのか,この感情に共感できないから前段が理解できないのか解らないが,要するに解らない歌だ。
希望〜Yell〜(2021.6.22)
平成16年,詞:井手コウジ,曲:井手コウジ,唄:NEWS
「Hooray! Hooray! 君に僕から Hooray! Hooray! 贈りたいんだ 夢をめざす君に幸あれ!」と始まる。
TBS/フジテレビ系『アテネオリンピックバレーボール世界最終予選』イメージソング。
「1人じゃ怖くても 自信が持てない時も 思い出して あの日の約束を 歓声が君を読んでる 走れ」と応援ソング風ではあるが,ニッポン頑張れという風ではない。さりげなくNEWSは歌詞に入っているが,特別に応援しているチームがあからさまになっているわけではない。しかし,テレビで試合を見るたびにこの歌を聴かされていると日本チームの応援歌のように感じてしまう。
応援歌のように感じると書いたが,応援歌のように聞こえるという訳ではない。私にとって応援歌とは古関裕而の『六甲おろし』のような曲である。山本正之の『燃えよドラゴンズ』も十分応援歌だが,古関の曲のほうが私好みだ。中山晋平の『東京音頭』など,盆踊り曲で応援歌ではない。チームのイメージソングとしては良いと思うが,応援歌としては力強さに欠けるので高校野球で言えば校歌のようなものというのが私の思いだ。校歌を応援歌として使うこともあるだろうが,もっと勇壮な曲が私の好みだ。
この歌の最後は「夢をめざす君に幸あれ!」と終わり,微妙にチームではなく特定の選手にエールを贈っているように感じる。
君こそスターだ(2021.5.1)
平成16年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「稲村ケ崎は今日も雨 海啼く南風」と始まる。
歌詞はよく聞き取れるのだが,十分には理解できない。
「新しい旅が始まる」「さよなら 君がくれた未来に乾杯」とあるので別れの歌なのだろう。「頑張る君と生きた時代に万歳」とか「今も忘れ得ぬ夢 終わりなき夏の情熱の物語」とかあるので良い想い出しかなさそうなのになぜ別れなのだろう。
結局はひと夏だけの関係と最初から考えているからとしか思えない。深く理解できない理由は人生に対する考え方が根本から違うからかもしれない。
君にBUMP(2021.8.16)
平成16年,詞:ケツメイシ,曲:ケツメイシ,唄:ケツメイシ
「BUMP BUMP 君じゃないと 合わせる意味がない」と始まる。
「さあ皆 踊りな 音に合わせ 音にまかせ 踊り明かせ」などのフレーズからも明らかなように,ダンスの為の音楽だ。踊り易いようにリズムははっきりしているが,メロディーはあるのかないのか,歌詞が聞きやすいとは言い難い。ラップなどを聞き馴れていれば何の問題もなく聞き取れるのだろうが。個々の言葉は聞き取れなくても踊ろうと言っていることは解る。内容はそれだけしかなさそうだから,これでいいのかもしれない。
Carry On(2023.11.9)
平成16年,詞:SHUN,曲:原一博,唄:EXILE
「Carry On 全て ありのままを受け止めて! Carry On 君らしく 生きてゆこう」と始まる。
「Carry Onいつか その『夢』が叶うまで 君の胸 閉ざさないで いつもOpenでいて」というのが最も重要なフレーズだと感じるので,応援歌なのだろう。
曲は昭和っぽく,歌詞の各音に対して割り当てられている音符の長さが十分あるので聞きやすい。しかし,歌詞中に「Carry On」と何度も繰り返されており,この意味が感じ取れないので歌詞の理解が中途半端になってしまう。英会話を学ぶと,動詞+前置詞でいろんな意味が表されることを学ぶが,ニュアンスが感じ取れるほど英語世界に浸る前に英語学習から脱落した身としては,何か意味があるのだろうとは思うが身体では感じ取れない。結局よく解らないまま聞き流すことになる。若い人には「Carry On」のニュアンスが感じ取れるのだろうか。
CAROLS(2022.3.10)
平成16年,詞:ayumi hamasaki,曲:Tomoya Kinoshita,唄:浜崎あゆみ
「初めて会った日を 今も覚えている?」と始まる。
その後も順調で今は幸せ,この幸せをずっと続けようという歌であることは感じ取れるのだが,唄を聴いても今一つ場面が明確に浮かばない。平易な言葉だけを使っているのになぜだろうと考えると,人称代名詞の使い方が昭和から変わっているからのように思われる。
この歌では,人称代名詞として「君」「僕達」「私」が現れる。昭和の私の時代なら「君」と「僕達」は発話者が男性で,この状況なら「私」の発話者は女性だった。しかし,この歌ではこのように発話者を想定すると何となく違和感があるフレーズがいくつもある。もちろん,昭和でも「私」という一人称を使う男性は多数いた。「僕」や「君」を使う女性がいたことも確かだが,『あーら我が君』1)のように特別な効果を狙う場合以外,歌詞などでは明確な男女の使い分けがあった。
このような言葉の使い分けが明確でないから歌全体の理解が不完全にしかできない。このようなことを言っているとジェンダー平等に反するとクレームが来そうだからここでやめる。
1) 古典落語「たらちね」の一節。朝,新妻が夫を起こす言葉。「あーら我が君。日も東天に御出ましませば御起床召され。・・・」
群青日和(2024.12.29)
平成16年,詞:椎名林檎,曲:H是都M,唄:東京事変
「新宿は豪雨 あなた何処へやら 今日が青く冷えてゆく東京」と始まる。
「脳が水滴を奪って乾く」「突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点」などとあるが何のことやら。「豪雨」のはずだが「青く燃えてゆく東京の日」とは何だ。
要するに解らない歌。
恋のカマイタチ(WAVER) (2024.7.10)
平成16年,詞:堂本剛,曲:堂本剛,唄:堂本剛
「ベージュさり気なく爪(ネイル)に這わせた君の 指を指で包む 前髪を避けて強がりすら跳び越えた 嘘吐きその瞳がいい」と始まる。
「僕が君を君が僕を抱き締める理由など」というフレーズが何度もでてくるのだが,鈍い私にはこの「など」の後に何が省略されているのか解らないので全体の意味が理解できない。「恋のカマイタチ」がハートを切り裂こうと狙っているらしいのだが,このようなヒントを貰っても私には理解できない。堂本の歌声が物憂く聞こえるのもヒントのひとつなのだろうか。
ココロオドル(2024.2.22)
平成16年,詞:nobodyknows+,曲:nobodyknows+,唄:nobodyknows+
「ENJOY 音楽は鳴り続ける IT’S JOIN 届けたい 胸の鼓動 ココロオドル アンコール わかす Dance Dance Dance(READY FO!)」と始まる。
日本語の抑揚やリズムと合わない曲なので良く聞き取れない歌。思わず曲と書いてしまったが,ラップのようなのも曲というのだろうか。
平成の子供は小さい頃からこんなのを聴いているから,こんなのが聞き取れるようになるのだろう。年寄りはお呼びでないということのようだ。
テレビ東京系アニメ『SDガンダムフォース』第2期エンディングテーマ。
ココロノブラインド(WAVER)(2024.9.28)
平成16年,詞:堂本剛,曲:堂本剛,唄:堂本剛
「不意打ちだった 恋人との出逢い 使い古された言葉かも… だけど,そんな出逢い」と始まる。
「ココロノブラインド 僕の機嫌を そっとうかがうみたく 開ける君と 土曜の午後」。ほぼ同じフレーズが何度も登場し,これがこの歌の全てだろう。まあハッピー状態のようだから他人がとやかくいう話ではない。
ところで,ブラインドとは外から内が覗けない様に設置するものだろう。内側からはブラインドの羽根間を広げて外を覗くことができるが,外からブラインドの羽根を操作することはできない。堂本は,自分の心を見られないように心にブラインドを設置しているのだろうか。
Sign(2021.1.30)
平成16年,詞:KAZUTOSHI SAKURAI,曲:KAZUTOSHI SAKURAI,唄:Mr. Children
「届いてくれるといいな」と始まる。
ミスチルにしては解りやすい詞だと一瞬思わせるが,やはり難解だ。
「身体でも心でもなく愛している」「君が見せる仕草 僕を強くさせるサイン もう 何ひとつ見逃さない」などという箇所は想いがダイレクトに伝わって来るが,「時間の美しさと残酷さを知る」などというのは何か深い意味がありそうで,よく解らない。「残された時間が僕らにはあるから」とわざわざ書くのはもちろん意味があるからなのだろうが,それがどういう意味なのかいろいろ想像してしまう。
もっと素直な詞が私の好みだ。
シスター(2023.10.6)
平成16年,詞:新藤晴一,曲:ak.homma,唄:ポルノグラフィティ
「東の海に舟を浮かべて誰より早く朝を迎えに 風が便りを運ぶと言うなら 僕に宛てた風は吹いていない」と始まる。
Tamaが脱退して二人体制になったポルノグラフィティの最初のシングル。
「あなたの欠けた世界はいまや無秩序にただ組み立てられて ギリリギリリと軋みながらもそれでもまた再び動き出す」と「あなたのかけた世界」の歌だ。この「あなた」は脱退したTamaのことではないかという意見をインターネットで見たことがあるが,根拠は無いようだ。
私の印象は死別だ。タイトルの「シスター」は「鐘の音が岬を臨む教会から響く 美しいシスターの祈りを乗せ人の心にも 時間の移りを優しく告げて行く」の箇所に一度だけ登場する。『風の便り』も無いようだし,「東の海に」「朝を迎え」に「舟を浮かべ」たのに,最後には「西の海まで舟は流れてたそがれと一緒に沈めばいい」などという詞を見ると別れた元メンバーのこととは思えない。ただ「明日になったら会えるのかな」と終わっているので,ここは元メンバーのことかとも感じられる。もし死別なら,「永遠に寄りそって僕らは生きて行く」と生き続けることを決意しているようだから,叶わぬ願望を述べたことになるのだが。
自由への招待(2024.3.28)
平成16年,詞:hyde,曲:tetsu,唄:L’Arc〜en〜Ciel
「暴走への誘惑 渋滞にて最悪 抑えてる状態 自由への招待」と始まる。
あまりよく解らないフレーズが続く中で,「悲しいほど 君に 伝わらない この気持ち 大切にトランクにつめて」とか「逢いたいのに いつも 上手く行かない」などのフレーズから,状況は解る。ただ,「でも願う 今日こそは狙いを定め 隙間を抜けて 笑顔の彼方へ」と終わっているのだがこの意味が私には理解できない。「笑顔の彼方」私の解釈が作詞者と違うのかもしれない。
スターゲイザー(2023.9.1)
平成16年,詞:草野正宗,曲:草野正宗,唄:スピッツ
「遠く遠くあの光まで 届いてほしい」と始まる。
歌は若さがほとばしり出ているようで,私のような老人には縁が無さそうだ。つまり,「明日 君がいなきゃ困る困る」と突然言われても,私ならこっちの方が「困る困る」なのだが,相手の意向など考えずに自分の都合だけを主張するのが若者らしいというのだ。それでも「一度きりの魔球を投げ込む」などと,勝負に対する心構えはできているようだ。
しかし,「ありふれた言葉が からだ中を巡って 翼になる」など私には理解できない詞もあり,感性の柔らかい若者なら感じ取れるのではないかと思ったりする。何しろ私はタイトルの「スターゲイザー」もWikipediaで調べるまでは何のことか解らなかったのだから。Stargazerと書いてあれば意味が想像できたかもしれないとも思うが,まぁ無理だったろう。
フジテレビ系『あいのり』の主題歌として1年間使われた。
全てが僕の力になる!(2024.11.9)
平成16年,詞:ANIKI,曲:ANIKI,唄:くず
「君の声が力になる! 君の笑顔が力になる!」と始まる。
「今までの僕は いつも ひとりで生きてると 思ってた」それが今では「モヤモヤも」「イライラも」「全部ひっくるめて力にすればいい」と考えるようになった。「いままでの僕は いつも 勇気を出すことを恐れてた 何か目の前に起きても 誰かがやってくれると思ってたんだ」。
考えが変わったのは「君の声が聞きたいから 君の笑顔が見たいから 何もかもを抱きしめたら それが僕の力になる!」ということらしい。
宮迫博之と山口智充が組んだ音楽ユニット『くず』の曲。作詞・作曲のANIKIは山口のこと。
誰かの願いが叶うころ(2021.7.20)
平成16年,詞:Utada Hikaru,曲:Utada Hikaru,唄;宇多田ヒカル
「小さなことで大事なものを失った 冷たい指輪が私に光ってみせた」と始まる。
平易な言葉が使われているのだが,肝心なひとことを言わないので解りにくい。これは私の感受性が鈍いだけかも知れないのだが。たとえば「あなたへ続くドアが音も無く消えた」というフレーズの意味は明らかだという人からは,こんなに具体的に書いてあるのに解らないのはよほど鈍いのだと言われそうだ。
「誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ みんなの願いは同時に叶わない」というのが主題だというのは似たフレーズが繰り返されるので何となく解る。
「みんなに必要とされる君を癒せるたった一人になりたくて 少し我慢し過ぎたな」とあるのは『泣いてるあの子』を見ての言葉だろうが,この『泣いてるあの子』とは自分のことではないのか。
いろんな視点から見たフレーズを並べているのかも知れないが,私には視点が定まっていないだけのように感じられる。
ツバサ(2024.5.2)
平成16年,詞:真戸原直人,曲:真戸原直人,唄:アンダーグラフ
「明け方過ぎの国道までの細い抜け道 君が呟く 『恐いものなど何も無いよ』と見送る為の言葉に涙流れた」と始まる。
「夢追う事に恐れは無くて 生まれた街とサヨナラ決めた」。いろんなものと別れて来たのだ。
「上手く飛べたら 高く飛べたら ツバサ広げて 秋風越えて 夢を手にして 会えたなら共に笑おう」と終わる。夢を手にして会えたらいいね。
単調なリズムとメロディーは中毒性がありそうだ。
時の雫(2025.5.19)
平成16年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY
「3度目の春を飛び越えて 煌びやかな夏に恵まれ 少しだけ臆病な恋をした」と始まる。
「あなたの心がいつの日も そうね清らかなままで生きていて欲しいと 今 切に願う」。なぜこのような願いが出て来るのかよく解らないが,その後に「旅立ちの朝は」「見送りはわざとはしゃいでは サヨナラの言葉のみ込んだ 帰り道こらえきれず涙した」とでてくるので,今は一緒には居ないようだ。「想ってる事忘れないでいて 時の雫がホラ舞い降りて」と終わり,なんとなく全体像が分かるような気もするが,途中経過が不明なのではっきりとは解らない。私には消化不良の歌だ。
テレビ朝日系ドラマ『スカイハイ2』(釈由美子)主題歌。
涙(2022.8.29)
平成16年,詞:ケツメイシ,曲:ケツメイシ,唄:ケツメイシ
「思うまま泣いて笑う君は 俺の心奥底まで響いた」と始まる。
いろんな「涙」を使ったフレーズを並べてあるように感じるが,最も言いたいのは何なのが私には解らない。連用中止法が多用されていて,文が未完で,論理も完結していないように感じる。泣きたいときには泣けばいいというメッセージを発しているようにも感じるがよくは解らない。
曲は一部に歌謡曲的なメロディーもあるが,全体としてラップか何かのようにあまり音程の抑揚がなく,アフタービートのリズムに乗せた部分が多い。リズムに乗ってるのは聞き流すには良いが,慣れないと聞き取れないし,聞き取れたとしても意味がよく解らないので,私には縁が薄い歌だ。
ね,がんばるよ。(2021.10.14)
平成16年,詞:吉田美和,曲:吉田美和・中村正人,唄:KinKi Kids
「いつかお互いがいる世界が かけがえないものになるんだ」と始まる。
「今はこの手が 約束 果たせる日まで支えるよ」といかにもドリカムっぽい。
「詩人にはなれない カッコもつけられない 素直に伝える以外は 知らない」というが普通は素直に伝えることは困難だし,カッコつけてなれない詩人になろうとしたりする。
「君が言う“がんばって”を 捻くれず受け止められる 大きな人でいるよう がんばるよ」。このような二人なら夢はいつか実現するだろう。して欲しい。
花(2021.4.6)
平成16年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE
「花びらのように 散りゆく中で 夢みたいに 君に出逢えたキセキ」と始まる。
歌詞が聞き取れないから平成の歌だろう。聞き取れないのは論理の組み立てや感情の流れが私のものと違うからのように思う。例えば,「雨上がり 虹架かり 青あらしにうまれし光 ここにゆるぎない大切な物 気づいている“愛する”ということ まだ歩けるだろう?見えてるんだもう “想い”時を越え 永遠に響け」など,何のことかわからない。個々の単語あるいは文節レベルまでは解るような気がするのだが。
ハナミズキ(2023.6.23)
平成16年,詞:一青窈,曲:マシコタツロウ,唄:一青窈
「空を押し上げて 手を伸ばす君 五月のこと」と始まる。
平成の歌は言葉足らずなので,私には、説明なしでは理解しにくい。しかし,今はネット情報が溢れていて,この歌についても,米国での9.11テロで亡くなった父親の幼い娘に対する思いを歌ったものだというような解釈が見つかる。これが正しいのかどうかは知らないが,これを前提に歌詞を読むと全てが納得できる。
「可愛い君のね 果てない夢がちゃんと終わりますように」というのが父の娘に対する思いだろう。「一緒にわたるには きっと船が沈んじゃう」というのはこれでお別れということだ。そして何度も繰り返される「君と好きな人が 百年続きますように」というのは,愛する娘への思いを祈ったものだが,同時に自分にはかなわないという無念さもにじみ出ている。
某社の通信カラオケの統計では,平成6年4月から平成30年10月までの間で最も唄われた歌だそうだ。確かにスローテンポで,私のような者でも唄えるのではないかと思わせる歌だ。
平成22年の東宝配給映画「ハナミズキ」(新垣結衣,生田斗真ほか)主題歌。
BANZAI(2022.5.16)
平成16年,詞:稲葉浩志,曲;松本孝弘,唄:B’z
「気を失いそうな 空の青に 目を細め 出てゆく君の胸は高鳴り 僕を振り返らない」と始まる。
「涙は熱いものだと知る」などと別れに涙をながしているようだが,「とどろけ 歓喜の歌よ おどろうぜ 幸運の舞を」と別れを喜んでいるのか,開き直りなのだろうか。
「君と僕が交わり会えたのは 運命なんでしょうか? 分岐点,合流点,出発点,そして終点 地雷のように埋められている」などとあり,歌詞にもあるように「出会えた奇跡を祝いましょう」ということなのだろう。
私などは,チャラい生き方してるから地雷を踏んでしまうんだと言いたくなるが,出会えた奇跡を祝いましょうなどと言えることはプラス評価だ。
番場の忠太郎(2025.4.4)
平成16年,詞:松井由利夫,曲:水森英夫,唄:氷川きよし
「筑波颪(つくばおろし)も 荒川土手を 跨ぎゃほぐれる 三度笠」と始まる。
「おかみさん,どうしても倅とは,忠太郎とは呼んじゃくれねえんでござんすね」とか「こうして,両の瞼を合わせりゃ 優し笑顔がうかんでくらあ」などの台詞が入る。
昭和の頃は娯楽が少なかったから,長谷川伸の『瞼の母』は誰でも知っていたが,平成ではどうなのだろう。と思ったが,氷川のファンは皆昭和人かもしれない。
第46回日本レコード大賞金賞受賞。
瞳の中のGalaxy(2023.4.16)
平成16年,詞:藤井フミヤ,曲:藤井フミヤ,唄:嵐
「どうして流れ星に 願い事するんだろう 宇宙の彼方に消えてゆくのに」と始まる。
流れ星は地球に向かって落下する途中で焼失するイメージで,宇宙の彼方に消えてゆくわけではないと思うが雰囲気は理解できる。
嵐にしては昭和っぽい歌。藤井の趣味なのだろう。
「Galaxyなその瞳」という歌詞が何度か現れるが,どんな瞳なのか解らない。比喩が共感できないのだ。星に関係した歌というと『星屑のステージ』1)などを思い浮かべるが,この中に『星空から ささやくひと』などという歌詞があっても,何の違和感もない。『星屑のStage涙をしきつめて』という歌詞が物理的に何のことだという思いなど湧かず,歌詞のまますんなりイメージとして心に浸み込んでくる。この違いは何だろうか。
テレビ朝日系木曜ドラマ『南くんの恋人(第3作)』(深田恭子,二宮和也)主題歌。
1) 「星屑のステージ」(昭和59年,詞:売野雅勇,曲:芹澤廣明,唄:チェッカーズ)
瞳をとじて(2021.1.9)
平成16年,詞:Ken Hirai,曲:Ken Hirai,唄:平井堅
「朝目覚める度に 君の抜け殻が横にいる」と始まる。
抜け殻しかいないので,君はもういないという訳だ。
「瞳を閉じて 君を描くよ それだけでいい」と記憶の中で満足しているようだ。「なくしたものを 超える強さを 君がくれたから」
想い出を乗り越えてほしい。
ここで終わればいいものを,「瞳をとじて」とはどういう訳だというようなことを言って若い人(だけではないかもしれないが)に嫌われる。瞼は自分の意志で自在に開いたり閉じたりすることができる。瞼を閉じればその裏におっかさんの顔が浮かんだりするのだが、瞳は周囲の明るさに従い自動的に開口部が大きくなったり小さくなったりする。瞳孔が開きっぱなしになったら大変だ。瞼は使い古されているから、新味を出そうというのかもしれないが,このようなことが気になって歌全体を無心に聴けない。
Hero(2023.5.20)
平成16年,詞:SPIN,曲:谷本新,唄:嵐
「You’re Hero!」と一声あった後,「今日も同じ道走る まだ見ぬ自分探して」と始まる。
「このフィールドは 君が輝く舞台 ながした涙 超えてここに立つ」という応援歌。
「突然には 天才にはなれないから つづけて少しずつ Up! Up! Up! いつか…」とあるが,つづけて行く能力が天才の証だろう。凡人はつづけていくことができない。もちろん継続能力だけでは十分ではないが。また「ながした涙 超えてここに立つ」というのも凡人の想像ではないだろうか。天才は涙をながしたりしないかもしれない。
日本テレビ系『2004アテネオリンピック』中継イメージソング。
マツケンサンバU(2024.8.24)
平成16年,詞:吉峰暁子,曲:宮川彬良,唄:松平健
やや長い前奏に続き,「叩けボンゴ 響けサンバ 踊れ南のカルナパル 誰も彼も 浮かれ騒ぎ 光る汗がはじけ飛ぶ」と始まる。
「オーレオレ マツケンサンバ オーレオレ マツケンサンバ」の箇所の印象が強すぎ,他にも歌詞はあるのだが記憶から抜け落ちている。
歌詞の意味がどうのこうのと考える必要もないくらいノリの良い曲。オレ!
ミチシルベ〜a road home〜(2022.7.26)
平成16年,詞:ORANGE RANGE,曲:ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE
「La La La…」とあった後,「孤独な仲間と共にここに歩みだす 大海の道しるべ」と始まる。
これが歌かと疑うが,WikipediaではジャンルがJ-POPとなっている。J-POPというのは曲のジャンルの一つではなく,関係者の国籍を示しているだけなのだろうか。
ラップ,ヒップ・ホップ,レゲエなど次から次へと新しい曲?が現れるが,クラシックや雅楽などの他は大抵社会の底辺に近いところからでてきたような気がする。まあ,文部省唱歌は底辺ではないだろうが。社会の底辺あるいは大衆からということでいえば川上音二郎のオッペケペ節など,この歌に近い気がする。メロディーというよりリズムが主体という印象だ。
私には極めて受け入れにくい歌だが,オリコン週間1位を獲得している。ORANGE RANGEはこの曲が初めての首位だが,その後の作品も9作連続首位を獲得している。私の時代は遠く過ぎ去ったということだ。
歌詞を読んでみると「時には涙も流したっていい 自分らしく強く進む道 ただ歩こうか さぁ厳しくても 自分の見つけた道しるべを」ということのようだが,聞いただけでは全く解らない。
Moments(2022.1.19)
平成16年,詞:ayumi hamasaki,曲:Tetsuya Yukumi,唄:浜崎あゆみ
イントロの「ラララ・・・」に続いて「心が焦げ付いて 焼ける匂いがした」と始まる。
私には「心が焦げ付」くなどという言葉は思いつかないが,思いついたとしてもまず「焼け」て,続いて「焦げ付」くという順序になるのだろう。浜崎が天才かどうかは私にはわからないが,私が凡人だということだけは解る。
「憧れてたものは 美しく思えて 手が届かないから 輝きをましたのだろう」というのは,目新しい言葉ではないが同意できる言葉だ。かなり以前,コンピュータに「美」の判定をさせるにはどうすればよいかなどと考えていたことがある。本格的に研究したわけではないが,『ファジー』などという言葉が流行していた頃の話だ。コンサート観客の満足度を計測するのに,観客の声の大きさ,体温上昇による室温変化,室内炭酸ガス濃度等々,いろんなデータを測定して多変量解析するなどということが流行っていた。
詞に戻ろう。最後は「君がもうこれ以上 二度とこわいものを 見なくてすむのなら 僕は何にでもなろう」と終わる。私のようなものにもよく理解できる詞だ。恐らく,「鳥のようにはばたけるなら 君の元へ飛んでいくでしょう」などのように,仮定法の条件節が明瞭に書かれているからだろう。
詞には満足だが,日本語アクセントを無視した曲には賛同できない。慣れの問題かもしれないが。実際,アクセントが変なフレーズを何度も聴いていると癖になってきそうだが。
やさしいキスをして(2022.4.12)
平成16年,詞:吉田美和,曲:中村正人,唄:DREAMS COME TRUE
「あなたの一日が終わる時に そばにいるね」と始まる。
「報われなくても 結ばれなくても あなたは ただ一人の 運命の人」などというのは昭和テイストだが,曲はドリカムだ。つまり平成風だ。曲についていくのは私には大変だが,ついていけないことはない。ドリカムにもついていけない曲は少なくないので,このあたりが私がついていけるかいけないかの分岐点かもしれない。
TBS系テレビドラマ『砂の器』(中居正広,松雪泰子ほか)の主題歌。映画の原作は松本清張の小説。昭和49年に丹波哲郎の主演で映画がつくられ,テレビドラマとしても昭和37年には高松英郎,昭和52年には仲代達也と真野響子,平成3年には田中邦衛と国生さゆりなどで制作されている。
夢に消えたジュリア(2021.5.26)
平成16年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「帰れ僕の青い鳥 枯れた楡(にれ)の梢に 君がいない 嗚呼 世の中は朝日さえ昇らない」とはじまる。
サザンの曲の中では嫌いじゃないほうだ。何しろ歌詞が聞き取りやすい。詞に使われている単語に馴染がある。ある意味では古臭い言葉だらけの詞なので若い人には受けないかも知れない。
「恋の終わり告げるように ちぎれた僕のロザリオ」など,いかにも昭和的だ。
READY STEADY GO(2021.12.17)
平成16年,詞:hyde,曲:tetsu,唄:L’Arc〜en〜Ciel
「READY STEADY CAN’T HOLD ME BACK」と始まるらしいのだが私には聞き取れない。
そのうちに歌詞は日本語になる。しかし私には聞き取れないが,歌詞を見ながらならついていくことはできる。ただ,歌詞を見ながら聴いてもよくは解らない。「心は‐走る‐あの空の下 空回りする気持ちが叫びだすのを止められない 君まで‐届け‐きっとあと少し」という雰囲気はアップテンポな曲からも伝わってくる。
私がミドル・ティーンのころなら好んで聞いたかもしれない曲だが,中年を超えてしまった私にはついていけない曲だ。
ロコローション(2021.3.14)
平成16年,詞:Carole King・Gerry Goffin・ORANGE RANGE,曲:Carole King・Gerry Goffin・ORANGE RANGE,唄:ORANGE RANGE
「Ah ah なんかイイ感じ 青空 海 どう?このロケーション」と始まる。
曲は,昔Little Evaが唄っていた歌1)と同じような気もするが,かなり違う感じも受ける。歌詞は全く違う。ロコモーションのパロディらしい。
「刺激が欲しけりゃバカ二ナレ!」と歌詞にもあるが,昔のPTAなら好ましくない歌にリストアップしただろう。
1) 「The Loco-Motion」(昭和32年,詞:KING CAROLE, GOFFIN GERALD,曲;KING CAROLE, GOFFIN GERALD,唄:Little Eva)
LONELY WOMAN(2023.1.1)
平成16年,詞:桑田佳祐,英語補作詞:岩本えり子,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「幸福(しあわせ)は音もなく風と共に去って行った 青春の灯は消えて今は誰も愛せない」と始まる。
簡単な英語だが歌詞のあちこちに挿入されており,英語が得意ではない私には解り難い。
「誰もがOnly human. We’re all alone. 想い出は全てが幻影」などと今が傷心の極みかと思ったら,最後のほうで「新しい恋をプレゼント 凍える手のひらで虹を掴もう」などとある。これが解らない。「Merry Xmas」などという言葉もあるので天からの「プレゼント」なのだろうか。ちょっと都合が良すぎるような気がする。傷心に付け込む狼からのプレゼントでなければいいが。
わたしとしては傷心の歌か虹を掴む歌かどっちかはっきりさせてほしい。
Wonderful Life(2025.2.19)
平成16年,詞:市川喜康,曲:市川喜康,唄:&G
「巨大な交差点が 青信号とともに廻り始めた 僕は数時間前に降りた階段を 一段(ひとつ)飛ばして 蹴り登っていく」と始まる。
「誰かにもできることは みんな承知の事実で 生きてるんだな」。若いうちにこのようなことを思うのはどういう人生を過ごしてきたのだろう。
「だから誇りをも抱けるんだよ そうさでなきゃ僕も君のことも 愛せないから」と続くのだが,何も難しいことに気付かなくても,誇りも持てるし人を愛することもできると思うのだが。たとえそれが幻想であっても。
フジテレビ系ドラマ『僕と彼女と彼女の生きる道』(草g剛)主題歌。尚,唄っている&Gは稲垣吾郎。
Wonderland(2024.1.18)
平成16年,詞:稲葉浩志,曲:稲葉浩志,唄:稲葉浩志
「ねぇ 扉を閉ざして そこから動かないのは 臆病者のやることだと 信じて疑いもしなかったんだよ 君を変えてやろうなんて はずかしく思いあがり まるで天国かどこかに 導くように話しかけていた」と始まる。
ある時気付いたのだろう。「見当違いの使命感を抱いて いったい僕はナニサマなんだ」「幸せがなんだかわかんなくなって 信じてたものが意味を亡くす」。
この気づきが正しいのかどうか私には判断がつかない。ただ,「僕がいつか捨てた ガラクタを磨いて ぴかぴかのそいつを抱いて 君はただ笑っている フツーに笑ってる」と価値観が逆転している。
「使命感」や「いつかすてたガラクタ」が何だったのか具体的記述がないので想像するしかないが,私だったら他人とどうかかわるだろうか。
TBS系バラエティ『恋するハニカミ!』テーマソング。