昭和の歌,平成元年〜,平成3年〜,平成5年〜,平成7年,平成8年,平成9年〜,平成11年〜,平成13年〜,平成15年〜,平成17年〜,平成19年〜,平成21年〜,平成23年〜,平成25年〜,平成27年〜,平成29年〜
目次
平成3年
Eyes
to me,愛染かつらをもう一度,I LOVE YOU[I
love you],あなたに会えてよかった,あの頃のように,ALONE,We love the EARTH,Wednesday Moon,歌えなかったラヴ・ソング,ETERNAL
WIND〜ほほえみは光る風の中〜,想い出の九十九里浜,Oh! Yeah![ほどけた髪が],替え唄メドレー,替え唄メドレー2,格好悪いふられ方,彼は友達,KISS,Crime of Love,恋挽歌,Silent Jealousy,さよならイエスタディ,さよならだけどさよならじゃない,しゃぼん玉,Just time girl,SAY YES,Say
Anything,卒業,それが大事,太陽と埃の中で,Choo Choo TRAIN,翼をください,伝説の少女,遠い街のどこかで,どんなときも,情けねえ,何も言えなくて…夏,ネオ・ブラボー!!,流恋草,はじまりはいつも雨,ハートをWASH!,離したくはない,ひとすじになれない,火の国の女,BEAT EMOTION,BELIEVE IN LOVE,PIECE OF MY WISH,二人静−天河伝説殺人事件より,冬がはじまるよ,ほっとけないよ,僕はこの瞳で嘘をつく,ぼやぼやできない,真夏のトレモロ,メタモルフォーゼ,LOVE IS ALL、ラブ・ストーリーは突然に,Love Train,LADY NAVIGATION,Rosa
平成4年
愛してる,浅い眠り,Urban
Dance,一番偉い人へ,いつかどこかで,いつまでも変わらぬ愛を,if,IN
MY ARMS TONIGHT,WALK,Woman,大阪すずめ,おまえだけ,替え歌メドレー3(完結篇),悲しみは雪のように,ガラガラヘビがやってくる,ガラスのメモリーズ,KISS
ME,きっとまた逢える…,君がいるだけで,クリスマスキャロルの頃には,Good
Night,決戦は金曜日,恋をしようよYeah! Yeah!,声を聴かせて,こころ酒,心の扉,Gorgeous,サヨナラ,シュラバ☆ラ☆バンバ,巡恋歌,じれったい愛,世界中の誰よりきっと,ZERO[ギラギラした街をぬけ],TIME,太陽が見てる,DA・KA・RA,TOO
SHY SHY BOY,夏だね,涙2(LOVEヴァ―sジョン),涙のキッス,眠れない夜を抱いて,no
no darlin’,背徳の瞳〜Eyes
of Venus〜,はがゆい唇,晴れたらいいね,Bye
For Now,BRIDGE〜あの橋をわたるとき〜,Blue
Moon Stone,BLOWIN’,Promised
Love,部屋とYシャツと私,また逢える・・・,made
in HEAVEN,もう恋なんてしない,もう涙はいらない,もっと強く抱きしめたなら,LOVE
SONG
Eyes to me(2020.11.13)
平成3年,詞:吉田美和,曲:中村正人,唄:DREAMS COME TRUE
「ブルーのシャツ着たら すごく似合う」と始まる。
ハッピーソング。
「こっち向いて笑って」「私だけにくれる あの顔で」以外に内容は無いんじゃないかというほどだが,歌唱がとっても幸せそうで,聴いているだけでハッピーになる。
『ツンデレ』という言葉が流行語大賞にノミネートされたのが平成18年,この頃にはまだこの言葉の影も形もなかったはずだが「私だけにくれる あの顔」などというのは『ツンデレ』の大きな要素ではないか。
たまにはハッピーさ全開の歌も悪くない。
愛染かつらをもう一度(2024.3.6)
平成3年,詞:星野哲郎,曲:新井利昌,唄:島津亜矢
「花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります」と始まる。
「真実(まこと)つくした男道 敗れたけれど 悔いはない」という昭和親父を,「どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでも」と元気づける歌。
I LOVE YOU(2022.12.10)
平成3年,詞:尾崎豊,曲:尾崎豊,唄:尾崎豊
「I love you 今だけは悲しい歌聞きたくないよ I love you 逃れ逃れ 辿り着いたこの部屋」と始まる。
『卒業』1)が尾崎の代表作と言われているようだが,この歌の評価も高い。私はこの『I LOVE YOU』が尾崎の歌の中ではベストだと思っている。
「何もかも許された恋じゃないから 二人はまるで 捨て猫みたい」という状況説明した上で,「この愛なしでは生きてさえゆけないと」と想いも歌われている。
フジテレビ系ドラマ『北の国から』(田中邦衛)挿入歌。
1) 「卒業」(昭和60年,詞:尾崎豊,曲:尾崎豊,唄:尾崎豊)
あなたに会えてよかった(2020.9.18)
平成3年,詞:小泉今日子,曲:小林武史,唄:小泉今日子
「サヨナラさえ 上手に言えなかった」と始まる。
比較的解りやすい詞だ。「時が過ぎて 今 心から言える」と言うのだから「上手に言えなかった」「サヨナラ」から時が経っていることが解る。微かな後悔が無いでもないが,それでも今なら「あなたに会えてよかった」と言える。よい思い出として残ったのだ。
詞のテイストは昭和を残しており,曲も昭和中期調ならもっと私の気を惹いただろうが,何と言っても曲が平成だ。
あの頃のように(2024.4.10)
平成3年,詞:障子久美,曲:障子久美,唄:障子久美
「Tell me あれからどうしていたの 少しずつ 互いの知らない時間埋めましょう」と始まる。
「傷ついたのも 悔やんだのも 再び出逢えるためのJust memories」「あなた以上に愛せる人は どこにも居ないの永遠に」「あの頃のように 無邪気に笑う 私になれたの わかるでしょ もう帰らない もうわない あなたのJewelに替えて私を」という歌。
『幸運の女神には後ろ髪はなく』,『後悔先に立たず』とか『覆水盆に返らず』などの諺が少なくない中,これは珍しく『焼け木杭に火がついた』状態のようで,ハッピーエンドの歌のようだ。
TBS系ドラマ『それでも家を買いました』(三上博史,田中美佐子)主題歌。
ALONE(2021.1.22)
平成3年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「夕焼けの街は激しさをそっと 忘れてる」と始まる、最初からなんのことか解らないがまあいいだろう。
「君を思い出す」ということで,全体としてはそのような歌。
「誰もが胸の奥によく似た夕陽を持ってる」などというのは好みではない。自分の胸には夕陽があるのかもしれないが,「誰もが」などと勝手に一般化して欲しくない。そもそも夕陽とは何を表しているのか。
「いつかいなくなるような そんな気がしてたけど 時代がまわり また君を見つけるだろう」とあるがこの辺りの感覚もよく解らない。
最後は「今 君に 逢いたい」と終わる。逢いたいというのが言いたいなら,ゴチャゴチャ理屈をこねずに,素直に逢いたい気持ちを表せばよいのではないか。なんとなく,言葉で飾ろうとしているように感じて共感できない。
別れの予感を放置した結果が現在の状況だろう。若いうちは失ってからかけがえのないものだったと気付く。
関西テレビ:フジテレビ系ドラマ『ホテルウーマン』(沢口靖子,高橋ひとみ他)主題歌。
We love the EARTH(2021.4.19)
平成3年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:TM NETWORK
「Don’t worry 地球上で 今は二人だけだよ」と始まる。
歌詞からは「君に会うために生まれた 愛するために生まれた」という個人的な感情は伝わって来るが,それが「We love the earth」とどう繋がっているのか解らない。二人が巡り会った場所,あるいは二人を生んだ場所だからということなのだろうか。
詞に難解な言葉が使われているわけではない。それぞれのフレーズの意味はシンプルなのだが魂の叫びが聞こえない。その場限りの軽薄な言葉が並んでいるように感じてしまう。
受け手である私の精神状態のせいかもしれない。
Wednesday Moon(2025.4.21)
平成3年,詞:徳永英明,曲:徳永英明,唄:徳永英明
「都会の片隅で 咲いたばかりの花が アスファルトのビルの影に またひとつ消えてゆく」と始まる。
「愛も」「言葉も」「急ぎ足の時のせいで 時代に溺れてゆく」とあり,確かに平成の「時」は「急ぎ足」で流れているようで,その象徴が平成の歌だと感じる。但し,この歌のメロディーはゆっくりと流れている。「失くした愛の言葉」とあるが「愛の言葉」をなくしたのは「時」のせいばかりではないだろう。
「信じあえるならば…」と言うが,信じ合えなくなってしまったのではないのか。自分しか見えていないのではないか。
歌えなかったラヴ・ソング(2021.2.12)
平成3年,詞:真名杏樹,曲:都志見隆、唄:織田裕二
「最終日のゼミは長く 俺たちは汗ばみながら 胸の中で卒業までの日々を数えてた」と始まる。
昭和の香がする。
「90年代(ナインティ―ズ)のラヴ・ソングを贈ろう」というのはどういうことだろうか。この時点でまだできていない歌ということなのだろうか。よくは解らないが,就職関連で引け目を感じ,告白できなかったということなのだろう。これをラヴ・ソングが歌えなかったと表現した。90年代のラブ・ソングはこれから作るものだが,唄いたくても唄えないというところか。
ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜(2023.10.19 )
平成3年,詞:西脇唯,曲:西脇唯・緒野原洋子,唄:森口博子
「まるで悲しみのかけらだわ 街をとざす ガラス色の雪 明日をさがす瞳さえも くもらせてゆくの 闇のかなた」と始まる。
「まぶたを閉じれば帰れるの 暖かな時間… 思い出たち…」。何度も繰り返される「Pray don’t break a peace forever」はガンダムの世界観に合わせているのだろう。
「さよならが教えてくれたの あなたの本当のやさしさ」。これがアニメのストーリーとどう関係しているのか知らないが,これは昭和の感性に違いない。
松竹系アニメ映画『機動戦士ガンダムF91』エンディングテーマ。
想い出の九十九里浜(2021.12.30)
平成3年,長戸大幸,曲:織田哲郎,唄:Mi-Ke
「別れたあの夏を 忘れられないの」と始まる。
詞も曲も昭和40年代を意識してつくられたものだろう。歌詞にはグループ・サウンズのヒット曲の曲名が並べられており,曲もいかにも昭和40年代という曲になっている。Wikipediaによれば,曲の一部にはザ・ピーナッツの『恋のフーガ』のパロディがみられるとのこと。ティンパニーと「パヤパヤ」のコーラスがそれらしい。私はパロディというほどでもないと思うが,昭和を強く感じることは確かだ。
「突然あらわれた 長い髪の少女 貴方(あなた)の視線が どこを見てるかを見てた私」と結局は失恋の歌だが,ヒット曲のタイトルを並べるだけで失恋の歌の歌詞になるのだから,グループ・サウンズの歌は失恋の歌が多かったのかもしれない。
昭和人間としては,平成にもこのようなテイストが残っていてうれしい。
Oh! Yeah! (2020.7.26)
平成3年,詞:小田和正,曲:小田和正,唄:小田和正
歌は「ほどけた髪が好き よこ顔はあどけなく」と始まると言って良いのだろう。ハッピーソングだ。ラブソングと言っても良いかもしれない。
それにしても何度も何度も「Oh! Yeah!」が繰り返されるが,この意味は何なのだろう。タイトルになっているくらいだから意味がある筈だが,聴いている人は皆理解できているのだろうか。私が時代に置いて行かれる訳だ。とはいえ,小田は私と同学年のはずだが。
当時の私は仕事に追われ,このような歌を聴いている余裕はなかった。
替え唄メドレー(2022.2.19)
平成3年,詞:嘉門達夫,唄:嘉門達夫
多くの替え歌を少しづつ続けた歌。この後もこのシリーズを多数出している。『演歌チャンチャカチャン』や『ソウルこれっきりですか』などの系統だが,各歌が替え歌になっている。替え歌は嘉門がずっと唄っているので,その系統ということだが,歌詞はお笑い系を狙っているのだろう。思わず笑ってしまう歌詞もある。曲はいろんな曲を知っている人が聴いて,あ,こんなところにこの曲がと思わすにやりというところか。
歌は歌でそれなりの演芸だが,Wikipediaには関係者の承諾をとる話が多数書いてある。承諾してくれた話はさもありなんという話だが,承諾を断られた話には思わずにやりとさせられるものが多数ある。
替え唄メドレー2(2024.9.6)
平成3年,詞:嘉門達夫,曲:?,唄:嘉門達夫
「せんだみつおだ ナハナハハー」と『線路は続くよどこまでも』の替え歌から始まる。
続いて「メリーさんのひつじ ひつじひつじ メリーさんのひつじでジンギスカン」と『メリーさんのひつじ』に移ったとおっもったら「昔々先生に,殴られながら育ったよ 必死に」勉強して,先生に〜なったら生徒に殴られた〜」と『浦島太郎』に移り,次は「盗んだ バイクで 走って つかまって」と『むすんでひらいて』に移る。というように,脈絡なく次々と歌が移る替え歌メドレーだ。
格好悪いふられ方(2021.5.14)
平成3年,詞:大江千里,曲:大江千里,唄:大江千里
「格好悪いふられ方 二度ときみに逢わない」と始まる。
ホンマにカッコ悪いヤッチャ。
「大事なことはいつだって別れて初めて気がついた」ということで,これは真実かもしれないが,「いつだって」というのだから過去にもあったのだろう。だったら少しは学習しろよ。
いずれにせよ「きみが欲しい いまでも欲しい」と未練たっぷりだ。
別れの原因かもしれないことが少しだけ歌詞に書き込まれてはいるがよくは解らない。よくは解らないが何となく自己弁護の雰囲気があり,潔さを感じない。
昭和の中期以降,敗戦の影響か,悪いのは私という雰囲気が強かったのに,昭和末期から,私は悪くないという雰囲気が強くなってきたように感じる。
彼は友達(2020.12.17)
平成3年,詞:吉田美和,曲:吉田美和,唄:DREAMS COME TRUE
「夕暮れの競技場 ナイターのライトが灯る」と始まる。
元々「恋や愛なんて 関係なかった」。この関係は「ずっと変わらないと 信じていられた」。この日,彼は車でやって来た。「駆け寄ってく ドアを開ける 伸ばす腕が止まる」,助手席に先客が居たから。それを見て「少し イヤかなり 淋しい気がする」
最後は「心から笑えた」と終わるのだが,本心だろうか強がりだろうか。
要するに後の祭りの話でよくある話だ。同じ題材でも初期の中島みゆきや荒井由実ならかなり違う作品になるだろう。中島みゆきならどう料理するか聴けるものなら聴いてみたい。
KISS(2021.9.27)
平成3年,詞:富田京子・中山加奈子,曲:奥居香,唄:プリンセス・プリンセス
「まぶたを閉じて 息をととのえて 幸せにふれる 瞬間を待つの」と始まる。
女性アイドルが唄うような詞だと感じてしまう。詞に引きずられたのか曲も大人しい。プリプリにはもっとハードなロックを期待する。私自身はロックを聴く年齢を遥かに過ぎてしまったが。
「KISS KISS ささやかに大切に KISS KISS 愛してる人に」などと可愛子ブリッ子している場合じゃないだろう。
Crime of Love(2023.6.2)
平成3年,詞:氷室京介,曲:氷室京介,唄:氷室京介
「月の灯が染めるGRADATION しなやかな秘密 息を殺したままBE SILENT 化石の都会 錆びついた魂を 解き放てよ」と始まる。
「CRIME OF LOVE ルージュの香り 記憶に灼きつけ CRIME OF LOVE シュールな恋に 堕ちてゆくLOVE STREAM」と終わる。
私には雰囲気は感じ取れるが,私が感じ取ったものが正しいかどうかは判断できない。
恋挽歌(2023.11.22)
平成3年,詞:たきのえいじ,曲:市川昭介,唄:伍代夏子
「日暮れまぢかの 駅裏通り 指でふきとる 涙つぶ」と始まる。
「あなたいいのよ 背中を向けて きれいごと等(など) 云わないで」と,別れ話を切り出され,「夢もつかのま 夢もつかのま」と諦めモードだ。
「ひとり手じゃくの お酒とかけて 橋の通わぬ 川ととく」。心は,云わずともわかるだろう。結局,「酔えば切なく なるばかり」と昭和的だが,このような行動には時代も大きな影響を受けるが,最終的には各個人に依るのだろう。
Silent Jealousy(2024.10.14)
平成3年,詞:YOSHIKI,曲:YOSHIKI,唄:X
「I’m looking for you Trying to reach your roses Carried away by the time 静寂の狂気に片眼を潰されたまま」と始まる。
ほとんど英語でほんの少し日本語が入る歌詞で私には聞き取れない。
タイトルが「Silent Jealousy」だが,どこが「Silent」なのかすら私には解らない。たまに聞き取れる歌詞が現実なのか比喩なのかもわからず,歌の全体像がつかめない。私には理解不能な歌。
さよならイエスタディ(2021.3.5)
平成3年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「別れ間際には 無傷じゃいられない やるせないお互いに 涙の初恋」と始まる。
詞は平成の詞だが,内容が昭和演歌だからよく解る。最後の「矛盾だけに正直だった さよならイエスタデイ」などは昭和にはなかった表現だ。
曲はソフト・ロックとでも言うべきか。昭和歌謡にも数々の流れがあるが,そのなかの一つを引き継ぎ発展させているようで私は嫌いではない。もちろん,昭和演歌の方がもっと好きだが,時の流れには抗しきれない。
さよならだけどさよならじゃない(2023.12.27)
平成3年,詞:山田邦子,曲:KAN,唄:やまだかってないWink
「さよならだけど さよならじゃない 明日も心 平気 元気」と始まる。
途中で台詞が入る。「これからも よろしく よろしく あれは2人だけの秘密 また同じ人を好きになっても ぬけがけはしないと ここに誓います」。この台詞は何だろう。
「思い出だけど 思い出じゃない 記念のリボン 君にあげよう きっと きっと ここで会おうよ」とあるのがヒントだろう。どうも女子中学生か高校生が卒業で別れるらしい。「同じ人を好きになっても ぬけがけはしない」などと言っているのは中学生のような気がする。
フジテレビ制作のバラエティ『JOCX-TV PRESENTS 邦ちゃんのやまだかってないテレビ』の番組中で使用された。
しゃぼん玉(2020.10.28)
平成3年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄:長渕剛
「ひりひりと傷口にしみて 眠れなかったよ」と始まる。
歌唱は昭和の延長というか,聴きやすく,歌詞もはっきり聞き取れるのだが,全体としてなにが言いたいかよく解らないのは平成らしい。
「ほんの一瞬でも お前を愛せてよかった」とのメッセージは受け取れたが,「もっと俺は俺で ありますように」が解らない。他の何者だというのだ。昭和の終り頃から現在の自分は本来の自分ではないなどと思うことが流行したようだが,自分は自分だ。
「逃げ場所のない覚悟が 夢に変わった」のはいいが,これが主題なら「お前を愛せてよかった」というのは付録で言ってみたことなのかそれとも主題が二つあるのか。
「いくつのしゃぼん玉を 打ち上げるのだろう?」が繰り返されるし,タイトルにもなっているのでこれが本当の主題だろう。だとすると「しゃぼん玉」とは女性関係か夢かあるいはその両方か
凝ったつくりだということは解る。しかし,歌はもっとストレートに感情に訴えればいいのではないか。
Just time girl(2022.4.25)
平成3年,詞:渡辺克巳,曲:渡辺克巳,唄:KATSUMI
「重なり合う様に歩いては消えてくこんな街の中で 君はいつの日にも何かを忘れずに輝いてみえるよ」と始まる。
君は自信がないのかもしれないけれど,君は十分に素敵だから思うように生きていけばいいという歌。君への応援歌だろう。
リズムが強調されているのは平成の歌だが,歌詞の解り易さは昭和のようだ。
SAY YES(2020.8.13)
平成3年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE &ASKA
「余計な物など無いよね すべてが君と僕との 愛の構えさ」と始まる。
「このままふたりで」「暮らさないか」「君は確かに 僕を愛してる」「迷わずに」「SAY YES」とかなり強引な男の歌。これを優しい声で唄うのがよいのかもしれない。
ところで,このころがバブル崩壊の始まりだったのだろうか。それほどバブルの恩恵を受けなかった私はバブル崩壊の兆しにも鈍感だった。もっとも好景気の恩恵を受けていないと思っていたが後から振り返ればバブルのおこぼれは受けていたようだ。
SAY YES(2024.7.23)
平成3年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「余計な物など無いよね すべてが君と僕との 愛の構えさ 少しくらいの嘘やワガママも まるで僕をためすような 恋人のフレイズになる」と始まる。
「このままふたりで朝を迎えて いつまでも暮らさないか」「迷わずに SAY YES 迷わずに」とかなり強引だ。
歌詞が解り易い点は昭和の雰囲気を残してはいるが,「何度も言うよ 君は確かに 僕を愛してる」と相手の気持ちを忖度する気など無さそうなところは平成らしい。
この曲に限らないが,平成になると男も女も次第に自分の思いだけが強くなっていくような気がする。
フジテレビ系ドラマ『101回目のプロポーズ』(浅野温子,武田鉄矢ほか)主題歌。
Say Anything(2022.9.11)
平成3年,詞:YOSHIKI,曲:YOSHIKI,唄:X
「騒めきだけが 心を刺して 聞こえない 胸の吐息」と始まる。
マイクの力も借りているようだが,声自体それなりに出ているようで,歌手の歌であることは間違いない。唄の際にはバックの音量も絞られているようで,唄を聴かせようという配慮が感じられる。ただ,歌詞内に英語が多く,私のような凝り固まった日本語脳が瞬時に理解するのは困難だ。
例えば「Run away from reality I’ve been crying in the dream」というのはどういう意味なのだろう。特に「crying in the dream」とはどういう状況なのだろう。「dream」の解釈が間違っているのだろうか。などと考えているうちに曲は進んでいってしまう。
「Close your eyes and I’ll kill you in the rain」文字通りなのか何か裏の意味があるのかなどと考えているうちに曲は進む。「Desire is embraced in a dream」のdreamは先に出てきたdreamと同じものだろうか。
卒業(2024.11.26)
平成3年,詞:渡辺美里,曲:小室哲哉,唄:渡辺美里
「うす紅の 花びらを 屋根一面 積もらせてる ゆっくりと 汽車が今 春の駅 離れてゆく」と始まる。
「卒業できない恋もある」,「こんな気持ちを うちあけられないままに」と情景というか心象風景がよく解る昭和的な歌詞の歌。曲も歌詞とマッチしていると感じる。
それが大事(2020.9.30)
平成3年,詞:立川俊之,曲:立川俊之,唄:大事MANブラザーズバンド
「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事」と始まる。このフレーズは何度も繰り返され,この歌の主題であることは確かで,昭和の時代にもよくあった人生の応援歌だ。
「ここにあなたが居ないのが淋しいのじゃなくて ここにあなたが居ないと思う事が淋しい」とひょっとしたら哲学的に深い意味があるのかとも思わせるよく解らない箇所もある。
気になるのは「傷つかぬように嘘は繰り返される」とあるのだが,この「嘘」とは何かだ。直前に「生きていればいつかは逢える」とあるが,このことだろうか。まさかこの歌の主題すべてが嘘だというのではあるまいが。
「嘘は繰り返される」などと言われると「信じ抜く事」など出来なくなってしまう。「嘘」などと言う言葉は,たとえ思ったとしてもこの場で使うべきではなかったのではないか。
太陽と埃の中で(2021.10.27)
平成3年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「名前も国もない 生まれたての元気」と始まる。
この最初のフレーズが全体の中でどのような意味をもつのか理解できないが,唄としての主題は「追い駆けて 追い駆けても つかめない ものばかりさ」ということだろう。
これ以上のことは歌詞からは解りにくいが,恋の駆け引きに負けたということではなかろうか。「愛して 愛しても 近づく程 見えない」と終わるが,私の解釈に誤りがあるかもしれない。
チャゲアスっぽいと感じる。
Choo Choo TRAIN(2021.1.3)
平成3年,詞:佐藤ありす,曲:中西圭三,唄:ZOO
何と言っているのかわからないところから始まる。歌詞を調べても載っていない。この歌は平成15年にEXILEによってカバーされているが,このカバー盤を調べると「The sky’s the limit and you know that you keep on, just keep on」と言っているらしい。普通の歌詞に載っているフレーズとしては「Fun Fun We hit the step step」と始まっているようだ。聴いてみてもこれより前は前奏でここから歌が始まっているように感じられる。
歌詞は英語の方が多いのではないかと思う程度に日本語と英語のチャンポンだ。意味を十分に理解することはできないが,「始めるのさ good trip」というのが主たる内容ではないかと思う。恐らく雰囲気が伝わればよく,細かい意味はどうでもいいのではないか。
ところで歌ではないが,ステージではメンバーが一列にならび,正面から見ると時計のような円運動に見え,一列の後ろに行くほどこの回転の位相が遅れているのでらせん状に見えるパフォーマンスが有名である。このパフォーマンスはEXILEのカバーでも引き継がれているが,EXILE盤では回転方向が逆で反時計回りに回っている。
とにかく,歌よりこのパフォーマンスの印象が強い。
翼をください(2023.9.14)
平成3年,詞:山上路夫,曲:村井邦彦,唄:川村かおり
「今 私の願い事が かなうならば 翼が欲しい」と始まる。
当然ながらオリジナルの赤い鳥版と同じ歌詞なのだが,編曲が違うし歌唱も違う。赤い鳥版では「悲しみのない 自由な空へ」と悲しみから逃れたいという雰囲気が色濃く感じられるのに,川村版からは「この大空に」「翼 はためかせ 行きたい」とより前向きに飛び立ちたいという意欲を感じる。
フジテレビ系『邦ちゃんのやまだかってないテレビ』挿入歌。
原曲は昭和46年に赤い鳥が発表した。その後昭和48年にやまがたすみこがカバーしている。昭和51年以降,音楽教科書にたびたび掲載されている。平成10年の長野オリンピックでは山本潤子版が,令和3年の東京オリンピックではスーザン・ボイルの英語版が流れた。そのほか内外で数100人にカバーされているらしい。
伝説の少女(2025.3.7)
平成3年,詞:尾崎亜美,曲:尾崎亜美,唄:観月ありさ
「古いラジオ 唄ってる ママの時代の love song」と始まる。
歌詞の一音一音をはっきり聞き取れるようにゆっくり唄っているのは好感が持てるが,メロディーが歌詞の日本語アクセントと合致せず,結局は耳に優しく入って来ないのが残念だ。
「幾千万の星から あなたを 見つけ出す」と能動的なのは平成的だと感じる。昭和以前のように『赤い糸で結ばれている』のように運命的でなく,「見つけ出す」というところだ。ひょっとしたらこのように自力で見つけ出したということで後に伝説になるのかもしれない。タイトルの意味が理解できなかったが,昭和以前の少女とは違う新たな少女ということなのだろうか。
遠い街のどこかで(2023.4.29)
平成3年,詞:渡邉美佳,曲:中崎英也,唄:中山美穂
「恋の行方 見えなくなりそうな時 胸の奥で 流れてゆく Love Song」と始まる。
私には,同じメロディーの繰り返しが多すぎるような気がする。繰り返しの多い曲は過去にもいろいろあった。繰り返されるメロディーが私の感性に合えば心地よいのだが。
「ひとりきりの長い夜 いつか きっと 終わるでしょう」というのは願望だろう。
「Happy Merry X’mas たとえ 離れていても 同じ星を見てる遠い街のどこかで」とクリスマスでさえどこにいるか解らないようでは,この恋の行方は見えなくなってしまっているのではないか。
フジテレビ系ドラマ『逢いたい時にあなたはいない・・・』(中山美穂,大鶴義丹ほか)の主題歌。
どんなときも(2020.8.24)
平成3年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:槇原敬之
「僕の背中は自分が思うより正直かい?」と始まる。
「僕が僕らしくあるために」などとあるところが平成の歌だ。昭和後期以降の教育の成果がこんなところに現れている。
「もしも他の誰かを知らずに傷つけても 絶対ゆずれない夢が僕にはあるよ」などと自己中であることを告白しながらもそれを恥じる様子はない。要するに自分に甘いのだ。
結局,昭和の経済成長を経て,生きるためにやらなければならないことが減ったのだ。ボーッと生きていても生きて行けるようになった。昭和の中期まで,夢は夢だったが平成では夢を生きることができるようになったのだ。。
どんなときも(2023.1.14)
平成3年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:槇原敬之
「僕の背中は自分が 思うより正直かい? 誰かに聞かなきゃ 不安になってしまうよ」と始まる。
「僕が僕らしくあるために」とあるが,このような言葉を聞くたびに強い違和感を覚える。周囲のために自分の思い通りにならぬこともあるだろう。そのとき,大人しく周囲に合わせてしまう者,周囲に合わせはするがブツブツ文句を言う者,公然と反旗を翻し戦う者,いろんな人間がいてそれぞれが自分らしいのではないか。『自分らしさ』とは探し求めるものでも,戦って奪うものでもないだろう。
このような歌の中で「僕が僕らしくある」などと聞くと,私には社会の期待に合わせられない自分を正当化するための言葉に聞こえる。社会に合わせられないつまり自己中心的であることの正当化あるいは言い訳をしているようで共感はできない。
「“昔は良かったね”と いつも口にしながら 生きて行くのは 本当に嫌だから」と他人には優しくない。嫌なら自分でそうしなければいいだけで「本当に嫌だから」などと高言することはないのではないか。“昔は良かったね”と言っている人がどういう気持ちで言っているのか考えたことがあるのだろうか。
フジテレビ制作,東宝配給の映画『就職戦線異状なし』(織田裕二,仙道敦子ほか)の主題歌。平成4年の選抜高等学校野球大会の入場行進曲。多くの会社でCM曲として採用されている。出荷枚数は約200万枚と多数売れているし,第33回レコード大賞新人賞(ポップス・ロック部門)も受賞しており,世間では高く評価されているようなので,私の感性が世間とずれているのだろう。
情けねえ(2021.6.8)
平成3年,詞:秋元康,曲:後藤次利,唄:とんねるず
「情けねえ」と始まるというべきなのかもしれないが,この後が前奏のようで,歌は「ちっぽけなしあわせに 魂を売りとばし」と始まるというべきなのだろう。
「人生の傍観者たちを 俺は 許さないだろう」「遠い国のふしあわせ 対岸の火事なのか?」という歌だが,「遠い国のふしあわせ」とは湾岸戦争のことだろう。このようなときに「暖かい陽だまりで 眠ってていいのかい」という歌だ。
この戦争では,日本は金だけ出して血を流さないと,出した金の割には感謝されなかった。金の出し方も逐次投入で目立たなかったのかもしれない。
何も言えなくて・・・夏(2022.8.8)
平成3年,詞:中村耕一,曲:中村耕一,唄:J-WALK
「綺麗な指してたんだね 知らなかったよ となりにいつもいたなんて 信じられないのさ」と始まる。昭和風な歌。
「もう二度と会わない方が いいと言われた日 やっと解った事があるんだ 気づくのが遅いけど」と鈍感な男の歌。鈍感というより自己中心的というべきなのかもしれない。「時がいつか 二人をまた 初めて会った あの日のように導くのなら」などとかなわぬ仮定の話をしても仕方がない。それは解っているようだから,今後の参考にすればいいだろう。
失敗を経て人は成長する。
ネオ・ブラボー!! (2021.8.2)
平成3年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「愛の夏くれば皆“高音万歳(ブラボー)」と始まる。
私には理解できない詞。「情熱の相対性はNEO 終わり無き世のBlues」など,なんのことか解らない。個々のフレーズが解らないので全体としても解る筈がない。
TBS系『筑紫哲也NEWS23』のエンディングテーマとして使われていたこともあるようなので,歌の意味は解る人には解るのかも知れないが,私には理解できない。
流恋草(2023.8.10)
平成3年,詞:里村龍一,曲:聖川湧,唄:香西かおり
「流す涙は乾いても 淋しい心はかくせない 星も見えないこの街で あなたしかない私」と始まる。
タイトルは「はぐれそう」と読ませている。
「ああ… お酒ください ああ… 寒い胸に 涙が凍る心が燃えるあなたが欲しい」と,昔なら心に秘めていたことが昭和末期くらいから言葉に滲み出てくるようになり,最後の「ひとりが辛いこんな夜は」までは昔と変わらないが「あなたを許せない」と終わるのは流石平成だ。昭和中期までは「許せない」などと言うことは許されなかっただろう。
第24回日本有線大賞,第33回日本レコード大賞ゴールド・ディスク賞受賞。
はじまりはいつも雨(2020.9.5)
平成3年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:ASKA
「君に逢う日は 不思議なくらい 雨が多くて」と始まる。
平易な詞かと思うととんでもない。論理的には理解できそうもない。「君の景色を 語れるくらい 抱きしめ合って」とはどういう意味なのか。過去・現在・未来が混在しているようだ。
平成人にはこれをすんなり聴くことが出来るようだが,私には無理だ。歌唱にもやや独特な特徴があるようだが,歌詞が聞き取りにくいのはこの歌唱のせいよりも,歌詞全体としての意味が理解できないからだろう。
ハートをWASH! (2022.5.29)
平成3年,詞:浅田有理,曲:北野誠,唄:永井真理子
「きみは夢みたいって笑うかも A-ha yeah yeah yeah バーガーショップの大きな口 A-ha yeah yeah yeah」と始まる。
歌詞はよく聞こえるのだが,意味はよく解らない。「おとぎ話だから」とあるので,リアルな話ではないのだろう。詩人の夢想だから私の思考とかみ合わないのかもしれない。
「心が旅しちゃうよ」「そういうときには きみは何してる? 放っておいちゃ ご用心」というのが主題だろう。
離したくはない(2023.3.24)
平成3年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「今 オマエをこの腕に 抱きたくて せつないよ 会いたい気持(とき)が どれ程つらいかと 問いかけてた」と始まる。
詞からだけでは経緯が不明だが,「こんなにEveryday Everynight 愛してたなんて もう Everyday Everynight1 離したくない」と何度も繰り返されているので,これが最も言いたいことなのだろう。まだ離す前に気付いたのなら,離さないことだ。既に離してしまったのなら,覆水盆に返らず,諦めるしかない。昔からこのようなことはよくあることおだ。勉強になったと思うしかない。
テレビ朝日系『’92パリ・ルカップ』のエンディング,関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『ホテルウーマン』(沢口靖子)の挿入歌として使われた。
ひとすじになれない(2023.7.6)
平成3年,詞:米米CLUB,曲:米米CLUB,唄:米米CLUB
「今まですぐそばにいてくれたから そこにいるのが当たり前のことだと 思い始めていたよ 君のことを」と始まる。
「愛だけ見つめていてほしいと あの夜君に言われた」。恐らく『夢みたいなことばかり言ってないで』などという言葉もあったのだろう。それに対して出した答えが「愛 ひとすじになれないから 君の思うような 夢はいつのときも捨てずに生きてゆきたい」だ。「軽く“愛しているよ”なんて言えないから 僕のほうがわるいんだね」という歌。
それにしても,相手は「軽く“愛しているよ”」と言って欲しいわけではないだろう。「僕のほうがわるいんだね」というのは正しそうだが,その理由が解っていないようだ。破局はしかたないだろう。
状況はよく解る気がして昭和の歌にもなりそうだが,曲は全く違う。昭和なら,詞は定型詩ではなくても,5音・7音を基調としているので小節との関係が解り易い気がする。曲も昭和末期から平成にかけて隆盛になってきたリズムが目立つ曲だ。やはりJ-POPというしかないのだろうか。
火の国の女(2025.1.16)
平成3年,詞:たかたかし,曲:猪俣公章,唄:坂本冬美
「肥後は火の国よ 恋の国 燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす」と始まる。
「菊池 地獄谷 血がさわぐ たとえ地の底 針の山 来いというならついてゆく」と昭和風だがやや過激で,石川さゆりは阿蘇で『明日はあなたの想い出も すべて燃やしてしまいます』1)と唄っており,こちらのほうが昭和本流だろう、もっとも石川も『天城越え』2)のような過激な歌も唄っているがこれはもう昭和末期だ。
代33回日本レコード大賞最優秀歌唱賞(歌謡曲・演歌部門)受賞。
1) 「火の国へ」(昭和53年,詞:阿久悠,曲:三木たかし,唄:石川さゆり)
2) 「天城越え」(昭和61年,詞:吉岡治,曲:弦哲也,唄:石川さゆり)
BEAT EMOTION(2024.6.18)
平成3年,詞:布袋寅泰,曲:布袋寅泰,唄:布袋寅泰
「BEAT EMOTION BEAT EMOTION」と始まる。
日本語歌詞は「いくら自信に満ちた笑顔つくっても 鏡は容赦なく 未来を映し出す」と始まる。
若い頃は,「全てが思い通り手に入れられると いつも信じていた 自分を愛した」。今では,「まずまずの人生をこのまま送るか? 二度とない人生を求め続けるのか?」という状況だ。「今までは未来の為のプロローグ? あぁ…彷徨う俺の魂 すり切れて笑う」
ロッカーもこのようなことで悩むのかと思ったが,「まずまずの人生」ではロックの魂が許さないのだろう。
BELIEVE IN LOVE(2021.11.27)
平成3年,詞:渡瀬まき,曲:川添智久,唄:LINDBERG
「真夜中に泣きながらドアたたく My Friend」と始まる。
失恋した友人を慰める歌。「Believe in Love」とあるが「Believe in」の意味をよく知らないのでこの箇所は本当のところどういう意味かよく解らない。ということは全体の真意を理解していないということなのだが。
「ありふれた言葉じゃ いやせないね」というのはそのとおりだが,それなら奇抜な言葉をかければいいのかというとそれは違う。結局ありふれた言葉がベストで,あとは言葉をかける方とかけられる方の関係と精神状態によって言葉の効果が変わるのだろう。「いつか思い出にかわってゆくよ」とか「涙の数だけきれいになれる」なとという陳腐な言葉しかかけられないのは普通のことだ。
「何度夢にやぶれたら女の子は本当に強くなるの?」というのは愚問だ。なぜなら『強い』ということはどういうことか未定義だから。同様な経験を繰り返すことにより鈍感になることなのか,無意識のうちに傷を受けないようにする技術が身に着くことなのか,ほかにも強いと表される状態はいろいろあるだろう。
「涙の数だけ強くなれると信じたい」と終わるが,涙を流す経験が増えれば涙を制御することができるようになるかもしれない。それで強くなったと言えるのだろうか。昔の人はそのような状態を涙が涸れたと言った。
涙にはカタルシス効果があるそうだ。どこかの研究では涙を流す前後で血液中の副腎皮質刺激ホルモンの量が変化するとか。よくは解らないが,今のような場合,いろんな慰めや励ましの言葉をかけるのではなく,泣きたいだけ泣かせることではなかろうか。
PIECE OF MY WISH(2020.11.29)
平成3年,詞:岩里祐穂,曲:上田知華,唄:今井美樹
「朝が来るまで泣き続けた夜も」と始まる。
「やがて闇はかならず明けてゆくから」を始めとして,詞は人生の応援歌だ。ただ,昭和の応援歌に比べると優しい。昭和は,頑張れ頑張れもっと根性だせという応援がほとんどだが,「うまくゆかない時もあるわ」と無理はするなと優しい。「愛する人や友達が勇気づけてくれるよ」というのは平成らしい気もするが,「だけど最後の答えは一人でみつけるのね」と責任の所在を明確にして支援ではなく応援をしているのだ。
昭和人間にもよく理解できる歌。
「どうしてもっと自分に素直に生きれないの」と『ら抜き』言葉が使われているのは平成らしい。
二人静−天河伝説殺人事件より(2021.7.5)
平成3年,詞:松本隆,曲:関口誠人,唄:中森明菜
「きっと,愛しすぎたから・・・」と台詞が一言あり,「散り急ぐ花びらを時間(とき)の背中にサヨナラと並べてる指がいじらしいね」と始まる。
タイトルは「ふたりしずか」と読むらしい。東映の角川映画『天河伝説殺人事件』の主題歌。こちらは「てんかわでんせつ」と読む。
「殺(あや)めたいくらい愛しすぎたから・・・」などとあって「添い寝して 永遠に抱いてあげる いい夢を見なさいな うたかたの夢を」などと言われると心静かにはおれない。
冬がはじまるよ(2022.3.23)
平成3年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:槇原敬之
「8月の君の誕生日 半袖と長袖のシャツを プレゼントしたのは」とはじまる。
「今年の冬もそれからもずっと 僕らが 一緒に過ごせる為の おまじない」らしが,このおまじないが効いたのだろう,いろいろあったが,「去年のクリスマスは ケーキを売ってたけど 今年の僕には コワイモノは何もない!」とハッピー状態は維持しているようだ。聴く人間も同様にハッピーなら曲調もハッピーでイイのだろうが,ケーキ販売のアルバイトをしている身だとどう感じるか。ハッピーな人が多いのか淋しい思いの人が多いのかどちらだろう。
日本語アクセントと全く合っていないように感じるメロディーだが,これが平成流なのだろうから私が慣れるしかないのだろう。
ほっとけないよ(2022.7.4)
平成3年,詞:並河祥太,曲:楠瀬誠志郎,唄:楠瀬誠志郎
「『叶わない夢は 見ない』と泣きながら ほんとは いまでも 心に吹く風を 感じているのに」と始まる。
「叶わない夢」がどんなものだったかのか明示されてはいないが,「君は こわれそうで 悲しそうで」,「ほっとけないよ 君を 早く 強く 抱きしめたい」という歌。
TBS系ドラマ『ADブギ』(加勢大周)主題歌。
僕はこの瞳で嘘をつく(2021.8.29)
平成3年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「本気でこんなこと言えないよ 言葉の迷路にはまり込む」と始まる。
「どうにも許されるわきゃないよ あの娘の事は言えない あの娘の影は見せない」だから「嘘をつく」というわけか。
チャゲアスなら解るだろうと思ったが,ちょっとついて行けない。詞は読めば何とかついて行けるが,特に感銘を受ける訳ではない。曲は速すぎてついて行けない。『万里の河』1)くらいなら何とかついて行けたのだが。
普通の感覚なら,年をとると次第にテンポが落ちてくるのではないかと思うが,まあ時代はテンポアップに向かうのが歴史の流れのようなので,個人の加齢より時代の流れに乗っているのだろう。私には無理だ。
ところで「この瞳で嘘をつく」だが,嘘をつくとき,目が合わせられないとか目がおよぐなどと言われる。ところが嘘つき常習者になるとこれを逆手にとり,相手の目を見つめて嘘をつくらしい。チャゲアスはこの境地なのだろうか。
1) 「万里の河」(昭和55年,詞:飛鳥涼,チャゲ,曲:飛鳥涼,チャゲ,唄:チャゲ&飛鳥)
ぼやぼやできない(2022.10.16)
平成3年,詞:松井五郎,曲:後藤次利,唄:工藤静香
「ごらんよ 女たちの胸 薔薇が枯れてゆく」と始まる。
「男たちは 浮かれた疾風(かぜ) なにもわかってない」「こんなんじゃ 退屈過ぎて 壊れちゃいそう」と刺激を求めているようだ。「あれも嘘 これも嘘 どれがほんものなの 迷わせて 惑わせて いま さら どうなるの」となってしまうのは刺激を与えようとしてくれているからかもしれない。刺激を求めなければこうはならないかもしれないが,それでは生き甲斐がないということか。松井の考えがいまひとつ理解できない。
真夏のトレモロ(2025.6.6)
平成3年,詞:及川眠子,曲:工藤崇,唄:Wink
「銀色のオリオンが 波間へと降りてきて 太陽より熱い光 瞳に照り付ける」と始まる。
物理学では思いもかけぬ詩人の言葉。頭で理解しようとしてもよく理解できず,心で受け止めるべきなのだろうが詩心のない私には困難だ。
メタモルフォーゼ(2024.1.31)
平成3年,詞:松井五郎,曲:後藤次利,唄:工藤静香
「だめじゃないのに だめなふりして許す唇 あなたの肩越しに震える星座」と始まる。
松井・後藤・工藤とくれば昭和末期から平成へかけてのアイドルソングの黄金トリオ。
「どうにもならない好きよ どこでも さらって」。バブル時代はこのような歌が流行ったのだ。何も言うことはない。
フジテレビ系ドラマ『なんだらまんだら』(森光子,工藤静香,野村宏伸ほか)主題歌。
LOVE IS ALL(2024.5.15)
平成3年,詞:徳永英明,曲:徳永英明,唄:徳永英明
「もっと涙が溢れても ずっと明日は遠くても いつまでも捜してよ 埃にまみれた愛を」と始まる。
最初からよく解らない。このフレーズは何度も登場するので,これが解らないと全体も解らないのだが。
SPレコード時代には片面の録音時間制限の為,歌詞の長さはほぼ決まっていた。EPやLPが出て,レコード盤からの長さ制限は緩和されたが歌謡曲の1曲の長さはあまり変わらなかった。これはテレビの歌謡番組の時間制限も関係していたのだろう。
CDの登場により曲の長さ制限はほぼ無くなり,散文でだらだらと歌詞を書く作詞者が増えた。
「誰もが同じ 空の下で息をして 語りきれない程の Love is all 胸に抱いて」なども私には何のことか解らない。お手上げだ。
ラブ・ストーリーは突然に(2020.8.3)
平成3年,詞:小田和正,曲:小田和正,唄:小田和正
「何から伝えればいいのか 分らないまま時は流れて」と始まる。
「あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら 僕達は いつまでも 見知らぬ二人のまま」と何度も繰り返される。詞を何度読んでも出会ったのは奇跡だという雰囲気にしか読めない。歌のタイトルも偶然の奇跡だと言っているようだ。しかし,全体から受ける雰囲気は二人の出逢いは運命で,たまたまあの日,あの時,あの場所で出会わなくても,別なところで必ず出会う運命なのだという印象だ。そのような言葉は見当たらないのだが,そのような気分にさせるところが小田和正か。
小田と私は同い年だが,当時の私は仕事に追われてこんな詞を書くことはできなかった。まあ,書きたいとも思わなかったが。この20年前なら書きたいと思ったかもしれない。時間も作ることはできた。しかし,私にはこんな詞は書けなかっただろう。
Love Train(2021.3.27)
平成3年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:TM NETWORK
「Love Train もどれない このまま君を連れ去って」と始まる。
確信はないが,どうも別れた後の歌らしい。「愛を語るルール モラルすべてをWow Wow Wow 崩したい」そうすれば君を取り戻すことができると思っているのだろう。言い換えれば,現在のルールでは君を取り戻すことが出来ないということを理解しているということだ。「悲しい気持ちは君を失って 初めて気がついたよ」というのは昔からよくある話だ。
昔はこうなってしまったら諦めたものだが,ここではルールやモラルを崩したいとまで言っている。そのうちに実際にルールやモラルを壊さないか心配になる。
LADY NAVIGATION(2020.10.13)
平成3年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「綺麗だ 貴女のスイミングスタイル」と始まる。
若い人には聞き取れるのだろうが,私のような年齢では無理だった。仕方がないから歌詞を読む。
昔,『言語明瞭・意味不明瞭』と言われた政治家がいたが,この歌を聴いたところでは原語不明瞭・意味不明量だ。歌詞を文字で読んでも私のようなオジサン(今ならオジイサンだが)には解らない。
解らない(従って聞き取れない)例を挙げると,「スイミングスタイル」という言葉が出て,プールか海を思い浮かべようとすると「涼しげ 忙しい街を行く」と続く。水着で街を歩いているのを想像せよということなのか。
というわけで,オジサンやオジイサンには理解できない歌。世の中では人気があるので私と世の中がずれてしまっているのだろう。
Rosa(2023.2.18)
平成3年,詞:一咲,曲:井上ヨシマサ,唄:中山美穂
「ちょっと ドウシタノ なに ドウシタノ」と始まる。
ややアダルトな印象のアイドルソング。
「あなたは 不埒な 遊びだと 思ってるけど 本当に 転ばなきゃ 何もかも わからない」と転ぶことなど少しも恐れていないと宣言している。
あなたが「おびえてるなら さよなら…….」
中山の雰囲気に合っていると思う。尚,一咲はいくつかある中山のペンネームのひとつ。
愛してる(2020.8.2)
平成4年,詞:米米CLUB,曲:米米CLUB,唄:米米CLUB
「愛してる 愛してる いつまでも 君のことを」と始まる。
どこかで,若い人とは意思疎通ができないというようなことを書いたが,この歌などはよく解る。その意味で昭和と平成の間の歌だ。昭和も末期なら状況も大して違いがないだろうが,
ただし,それより古い時代と違うところは「いつもの 冗談とは 少し違うよ この胸の中の“ホント”を話したい」という点だろう。「出逢った日から 心の中に しまい込んだ ことば」というのは昔もあっただろう。この言葉をしまい込んでもいつも冗談が言える仲,このような仲の範囲が学園紛争時代から各段に広がったのだ。石原裕次郎と加山雄三の世代の違いと言ってもよいかもしれない。それ故に,この歌が昭和中期の歌だったらとして聴くと,米米の歌の雰囲気とかなり違って聞こえる。
浅い眠り(2020.11.28)
平成4年,詞:中島みゆき,曲:中島みゆき,唄:中島みゆき
「忘れないと誓ったあの日の夏は遠く」と始まる。
「ああ二人気づかない 失ってみるまでは」とあるが,今は気づいているのだろう。「恋しさはこわれもの」だった。
中島みゆきは怨み節が多いように思っていたが,この歌は怨みではなく淋しさが前面に出ている。詞の中では「愛を呼んでいる」が何度も繰り返されている。
Urban Dance(2025.1.14)
平成4年,詞:氷室京介,曲:氷室京介,唄:氷室京介
「シャワーは SWING BEAT 誘惑にぬれて 素肌をおちる 幾つかのフィクション」と始まる。
何度も現れる「We should be urban dancin’」の意味が解るような解らぬような。よくわからない言葉があるため全体の理解度が下がり,それが気になるともう全体を聞くことができなくなってしまう。
軽快なメロディーで曲としては嫌いじゃないが,歌としては私はギブアップだ。
日本テレビ系ドラマ『・・・ひとりでいいの』(沢口靖子,かたせ梨乃,別所哲也ほか)主題歌・
一番偉い人へ(2022.5.28)
平成4年,詞:秋元康,曲:後藤次利,唄:とんねるず
「一番偉いひとへ俺たちは 今 何をするべきか?」と始まる。
フジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげです』エンディングテーマ。
「社会とは窓ガラスを割らないルール」などというのは少し古いのではないか。尾崎豊が『夜の校舎 窓ガラス壊してまわった』のは昭和60年だ1)。
私は秋元のこの詞に共感できない。そもそも「一番偉い人へ俺たちは いま何をするべきか?」というのが意味不明確だ。「一番偉い人」に対し何かしようというのか,何をしたらいいのか「一番偉い人」に尋ねているのかよく解らない。何を「教えてくれ」といっているのかも不明確なのでは教えてやりようがない。恐らく教えられてもその通りにはできないだろう。自分でどうすべきかを考えろと言いたい。
1) 「卒業」(昭和60年,詞:尾崎豊,曲:尾崎豊,唄:尾崎豊
いつかどこかで(2023.12.26)
平成4年,詞:小田和正,曲:小田和正,唄:小田和正
「恋に落ちてゆく二人 愛を重ねる二人 別れてゆく その日を 知っていたように あんなに急いで 二人」と始まる。
「いつかどこかで もう一度会えるはず」と既に別れてしまったというのが現状だ。
「このまゝ二人 離れてゆくはずないから」というのは願望だろう。
「生まれて来てから いちばん大切なひと 今なら 素直に言える」とあるが,今では遅いのだ。幸運の女神は既に通り過ぎてしまった。
小田和正が初めて監督し,東宝系で公開された映画『いつか どこかで』(時任三郎,藤原礼美,宅麻伸)の主題歌。
いつまでも変わらぬ愛を(2021.1.21)
平成4年,詞:織田哲郎,曲:織田哲郎,唄:織田哲郎
「小さな週末の冒険 朝焼けが君を照らしてた」と始まる。
「いつまでも変わらぬ愛を 君に届けてあげたい」とのメッセージが繰り返される。
ごちゃごちゃ理屈をこねず,素直な詞で解りやすい。歌は可もなく不可もなくというところだが,歌唱がややキバりすぎに感じてしまう。自然体で唄えばもっといいと思うのだが。
if(2020.11.12)
平成4年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「帰り道の風のように 君を抱いていこう」
たとえばもしも僕じゃなくて 誰かを愛した君がいて」と始まる。
「どんなもしもが 君の未来に わりこんでも かまわないさ 僕はずっと味方さ」というのがテーマのようだが,よく解らない。まあ,これだけなら,『僕の気持ちは何があっても変わらない』と言っているだけのようにも思うが,詞の他の箇所の意味とこのテーマの関係が解らない。歌詞が理解できなくても耳障りではないのはかなり高音で人声とは思えないからだろうか。
IN MY ARMS TONIGHT(2024.9.5)
平成4年,詞:坂井泉水,曲:春畑道哉,唄:ZARD
「そう知らなかった 今も愛してるなんて 雨の降る日は切ない いつもわすれないでいるわ」と始まる。
「声を聴かせて 熱く見つめて あの頃のように」ということだが,あの頃はもう過ぎ去ったのだ。
「Let me hold you in my arms tonight」と終わるが時すでに遅し。
「いつも強がっていたの あなた困らせたくて」。これが問題だったのだ。今頃気付いても遅いが,気付かないよりはよい。坂井にはこのような雰囲気の詞が多いような気がする。
歌詞は昭和末期のようだが,曲は平成風。但し,平成の一時を風靡したダンス音楽ではない。昭和から進化しているという意味だ。
TBS系テレビドラマ『学校があぶない』(森尾由美,田中健)主題歌。
WALK(2023.9.13)
平成4年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「眠れないままに朝の光を 仰いだ 入れ変わるばかりの気持ちに 身体を絞られながら」と始まる。
詩人の詞で,私には理解できない。
「溢れる地下鉄の波を 泳いだ」とは何のことだろう。「クロールの手つきで 心の焦りをかきわけながら」とは人混みをかき分け急いだということなのだろうか。地下鉄の駅か車内かの人の波をかき分けたということなのあろうか。長時間かけてこのような推測を思いついても,他の箇所には地下鉄は登場せず,これは何だったのだろう。
「確かに見えるチャンスをネガに 押し込む 未来が値札を外して そっと そっと 寄り添いかけてきた」私にはなんのことか理解できない。
「君を失うと 僕のすべては止まる いつも側に居て 勇気づけて」というのだから唄いかける相手がいるのだろう。そしてその相手は私ではない。私に理解できるわけはないのだ。
Woman(2023.4.28)
平成4年,詞:売野雅勇,曲:中西圭三,唄:中西圭三
「Woman 君が探してる 未来は君の中にあるよ…」と始まる。
まず,「Woman」が何かよく解らないのでお手上げだ。もちろん女性であることは想像できるのだが,lady, female, girlなどの類似の言葉とのニュアンスの差が解らない。というのはWomanに呼びかけるのだったら私なら「君」ではなく「あなた」となりそうだからだ。なぜこんなところに英語を使って解り難くするのだろう。また,「Woman」が「ウォーマン」と発音されているように感じられ「戦士」のようにも聞こえる。
「夢のささやきが 聞こえるドアを叩けばいい」「君が探してる 未来の君が待っているよ」と応援歌のようだが,「何も恐れずに 夢見るように生きてごらん」というのはやや無責任ではないのか。相手の年齢等もよくわからず,相手の夢がどんな夢かもわからないのに,軽い気持ちで言っているように感じてしまう。
大阪すずめ(2024.4.9)
平成4年,詞:たかたかし,曲:弦哲也,唄:永井みゆき
「おしゃべり夜風に誘われながら 淀屋橋から北新地 好きやねん好きやねん あなたが 好きや」と始まる。
他にも「御堂筋」や「戎橋」が登場するご当地ソング。「人の情けがいきる街 東京なんてめじゃないわ あなたとわたしは 大阪すずめ」という歌。
演歌らしくないハッピーエンド―ソング。平成になったら艶歌もこのようになるのかとおもったが,どうも大阪の歌だかららしい。昭和でも『大阪ラプソディー』1)などというのがあった。と思ったがよく考える
「とこれは演歌ではなさそうだ。少し考えると芋蔓式にいろいろ出て来る。『大阪の女』は歌詞が演歌風であるにもかかわらず,曲は演歌ではなかった。ザ・ピーナツの歌はこまどり姉妹の歌とは明らかに異なる路線の歌だった。
第23回日本歌謡大賞優秀放送音楽新人賞,第34回日本レコード大賞歌謡曲・演歌部門最優秀新人賞。
1) 「大阪ラプソディ」(昭和51年,詞:山上路夫,曲:猪俣公章,唄:海原千里・万里)
2) 「大阪の女」(昭和45年,詞:橋本淳,曲:中村泰士,唄:ザ・ピーナッツ)
おまえだけ(2025.6.5)
平成4年,詞:吉田旺,曲:弦哲也,唄:小金沢昇司
「私のぶんまで その夢追いかけて 傍(そば)に居ちゃ あなたの重荷よと 無理に 微笑(わら)うやつ」と始まる。
「咲かない夢なら 枯れりゃいい 道連れは おまえだけ この世の果てまで」と私でも解る平易な歌。定型詩ならもっと私の心をとらえるかもしれない。
替え唄メドレー3(完結篇)(2024.6.17)
平成4年,詞:嘉門達夫,曲:嘉門達夫,唄:嘉門達夫
「かつお風味の フンドシ 毎度おなじみ このメロディー 替え歌メドレー第3弾」と始まる。
ほんの一部を紹介すると,「ようこそ三重へ 津 津 津 津」というのは桜田淳子の歌1)だ。三重県の県庁所在地が津市だということを歌ったのだろう。『大きなくりの木の下で』を「大きな口の木の実ナナ」とほんのワンフレーズ替えたものもあるが,「スライスして皮をむいて 並べてゆきます 突然来た客に対して つまみに出します ボンレスハムですねえ ちょっとつまんでみませんか」のように長いのもある。これはキャンディーズ2)だ。
このような曲なのでコメントしようがない。
1) 「わたしの青い鳥」(昭和48年,詞:阿久悠,曲:中村泰士,唄:桜田淳子)
2) 「春一番」(昭和51年,詞:穂口雄右,曲:穂口雄右,唄:キャンディーズ)
悲しみは雪のように(2020.8.12)
平成4年,詞:浜田省吾,曲:浜田省吾,唄:浜田省吾
「君の肩に悲しみが 雪のように積もる夜には」と始まる。
「時には 誰かを許すことも 覚えて欲しい 泣いてもいい」と常時気を張って生きているような君に語りかける。
『頑張れ,泣くんじゃない。』と言う時代から『頑張らなくてもいいんだよ,泣いてもいいんだよ。』という時代になったのだ。メッセージはよく伝わるとは思うが,気に入らないのは挿入されている数フレーズの英語だ。平易な英語なので誰にでも解るだろうとは思うが,私にはこの英語部分がすんなりと身体に入って来ない。当時の若者は既にこの程度の英語は日本語と同じように身体に入るようになっていたのだろうか。あるいは特殊な効果を狙ったのか。私には解りにくくするだけで良い効果を生むとは感じられないのだが。
ガラガラヘビがやってくる(2020.10.12)
平成4年,詞:秋元康,曲:後藤次利,唄:とんねるず
「ガラガラヘビがやってくる お腹を空かせてやってくる」と始まる。
このヘビは手当たり次第「なんでもペロリ」。「あの娘は可愛いヘビイチゴ」その「ヘビイチゴ」まで食べられた。「姿を変えてやってくる」から食べられないよう気をつけろと忠告して終わる。
詞の途中には,「藪蛇」「蛇足」「蛇の道は蛇」などを無理矢理挿入しているがこれらこそ蛇足だろう。
ガラスのメモリーズ(2021.11.26)
平成4年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「昔見た青空 照りつける太陽」と始まる。
さすがTUBE,出だしから夏っぽい。しかし冒頭に「昔」とあるので夏の思い出の歌だろう。
「強がって失くした 大切な彼(ひと)」「今でも 好きよキラキラ ガラスのメモリーズ」ということだ。
平成の歌は状況説明なしの心の動きだけを歌詞にしたようなものが少なくなく,解り難いが,このような歌詞なら心の動きでも解るような気がする。あるいは昭和の歌なのかもしれない。
TBS系『日立 世界・不思議発見!』(草野仁)のエンディングとして使われたことがある。この番組のエンディングは頻繁に変わっている。
KISS ME(2021.3.25)
平成4年,詞:松井五郎,曲:氷室京介,唄:氷室京介
「KISS ME その唇 その胸 逃がさない」と始まる。
歌詞が聞こえないわけではないのだが,頭に入って来ない。例えば「吐息だけの 赤いROUGE 嘘をついた 傷口のようだね」など,文字を見れば判るような気がしないでもないが,私の自由な感性ではこのようなことを思うことはないだろう。そもそも「赤いROUGE」とは何だ。『馬から落ちて落馬して』のような言葉を聞くとそれだけで他の箇所も聞きたいとは思わなくなる。
曲は可もなく不可もなくというところか。ただ,このリズムは子供の頃を思い出す。
ベンチャーズからビートルズへ世の中が移って行きつつあった頃,友人の一人がドラムを教えてくれた。最初にロックを教えてくれたのだが,そのとき一所懸命に練習したのとこの曲はよく似ているので懐かしい。今の私にこの曲は合わないのだが,リズムが私の若かりし頃を思い出させ,気が付いたらリズムを取っている。
きっと,また逢える…(2024.7.22)
平成4年,詞:Seiko Matsuda,曲:Seiko Matsuda・小倉良,唄:松田聖子
「抱きしめた あなたの手の ぬくもりが優しすぎて『さよなら』を言いだせずに うつむいて震えてたの」と始まる。
久し振りの昭和のアイドル歌手の歌。昭和末期には歌手でないアイドルが歌も唄うようになる。私の分類ではステージ上で激しく踊るのはアイドルだが歌手ではない。
「大切な人なのに 近すぎて 気付かなくて 失くした時にはじめて 本当の愛をしったわ」といかにも昭和だ。「きらめいていた 二人の時間(とき) 戻せることができたら もう何もかも いらないのよ」と昭和人間ならそれが叶わぬ望みだと知っていたが,平成では淡い望みを持つようになったのか。その後,SNSの発達で夢が叶うかも知れなくなったのか。
TBS系ドラマ『おとなの選択』(松田聖子,高橋ひとみ、別所哲也ほか)主題歌
君がいるだけで(2020.8.23)
平成4年,詞:米米CLUB,曲:米米CLUB、唄:米米CLUB
「たとえば 君がいるだけで 心が強くなれること」と始まる。このフレーズは何度も繰り返されるのでこれが主題だろうと想像されるが,「裏切りの鏡に 映しだされた 笑顔につられて 流された日々」とあり,こちらが何のことかよく解らない。
結局,若い人とは意思疎通ができなくなってしまったのだ。年代としては10年ちょっとしか違わないはずなのだが。
クリスマスキャロルの頃には(2022.3.22)
平成4年,詞:秋元康,曲:三井誠,唄:稲垣潤一
「クリスマスキャロルが流れる頃には 君と僕の答えもきっとでているだろう」と始まる。
現状は「1mm何か足りない 愛のすれ違い」ということで今一つ最後の決断がつかない状況か。「近すぎて見えない支えは 離れてみればわかるらしい」ということで「何が大切なのかひとり考えたい」ということのようだ。
クリスマスまでには心を決めようと思っているらしいが,心を決めた時には時すでに遅しということもある。健闘を祈る。
TBS系のテレビドラマ『ホームワーク』(唐沢寿明,清水美砂,福山雅治ほか)の主題歌。
Good Night(2024.10.13)
平成4年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「君を大切に思えば思うほど してあげたいことばかり増えて 僕をわかってもらえるように 今度は僕の好きな場所へ連れてくよ」と始まる。
「ただわけもなく ただ時間だけ過ぎてく まだ君のこと 今日もひとりじめできずに」という状態で君を送り届ける。「あの角ハンドルきれば 今夜は…おやすみ」と終わる。だから「Good Night」なのだろう。昭和の香りがして解り易い詞だ。
TBS系ドラマ『愛はどうだ』(緒形拳,清水美砂,福山雅治ほか)挿入歌。
決戦は金曜日(2021.6.7)
平成4年,詞:吉田美和,曲:中村正人,唄:ドリームズ・カム・トゥルー
「この夜が だんだん 待ち遠しくなる 張りつめた気持ち 後押しする」と始まる。
「あなたのこと どんどん 好きになってくる」「あなたといる時の 自分が一番好き」
と自覚し,「近づいてく 近づいてく 決戦の金曜日」という歌。緊張感が伝わって来る。頑張れと応援したくなる。曲は私には騒々しすぎるが。
恋をしようよYeah! Yeah! (2023.7.5)
平成4年,詞:渡瀬マキ,曲:川添智久,唄:LINDBERG
「Hello! I Love You 恋をしようよ Yeah! Yeah! Hello! I Love You 恋をしようよ Yeah! Yeah!」と始まる。歌詞の大半がこの繰り返しだ。
「夕暮れの線路沿いを歩く 二人の距離は10cmのまま 右手がドキドキしている かくしているけど きっと もうバレてる」と恋の始まりである。昭和の若者はこうだったと思うのだが,平成も同じなのだろうか。まぁ,だからこそこの歌ができたのだろう。「恋をしようよ」というのがメッセージだろうが,誰かに伝えようというよりも自分自身の浮かれた気分が自然に歌となって流れ出てきているのだろう。
声を聴かせて(2024.5.14)
平成4年,詞:松井五郎,曲:後藤次利,唄:工藤静香
「声を聴かせて もう心を閉ざさないで 愛を聴かせて 昨日が遠い風に変わるまで」と始まる。
「いくじがないだけじゃない そう乾いた胸がつぶやいた 失うことだけ ただ怖くて誰か 待ってた夜更け」と続くのだがこれがもう解らない。私は松井の詞にさえついて行けなくなってしまったのだ。
結局私には「声を聴かせて」くれる関係が現在も維持されているのか既に破綻したのかすら解らないのでどういう気持ちでこの歌を聴けばいいのかが解らない。関係は壊れてしまっているような感じはするのだが。
日本テレビ系『教師夏休み物語』(石橋凌,鷲尾いさ子ほか)挿入歌。
こころ酒(2023.10.18 )
平成4年,詞: 三浦康照,曲:山口ひろし,唄:藤あや子
「泣いて甘える あなたがいたら 耐えてゆけます 辛くとも」と始まる。
「あなた求めて 昔の傷が なんで今更 痛むのよ」と演歌の王道の歌詞だ。
「呑みほしましょうか 呑みほしましょうか こころ酒」と終わる。
テレビドラマで言えば『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』のように,途中を見逃しても最後は何時もほとんど同じ,『これにて一件落着』と予定調和の安定終了で安心して聞いていることができる歌。
第25回日本有線大賞受賞。
心の扉(2025.4.19)
平成4年,詞:陣内大蔵・山中耕作,曲:陣内大蔵,唄:陣内大蔵
「夜を越えるたびに 悲しみ過ぎるたびに いつも 君の胸に抱かれ そっと開ける 心の扉を」と始まる。
「男と違う女の愛し方に 俺はとまどっていた 女と違う男の愛し方を 君は許してくれるのか」と男女の違いを認めた上で,「夜を越えるたびに 悲しみに出会うたびに いつも 君の胸の中で そっと開ける 心の扉を」
「男の愛し方」などといっているが『男の甘え方』ではないのか。あるいは『愛』というものの認識の差だろう。
Gorgeous(2024.3.5)
平成4年,詞:佐藤ありす,曲:中西圭三,唄:ZOO
「When you said Hi gorgeous with the hasty voice 日差し嬉しくて if say Hi gorgeous It’the hasty mood 心 はじける any way 人違いよなんて かわすつもりだったのに 笑顔に引き込まれてしまったUh...」と始まる。
同じ英文の繰り返しも少なくないとはいえ,歌詞中の英文比率が高いので私には聞いただけでは理解できない。もっとも歌詞を見ても良く解らないが。
「名前知らずにキスをしたって」などと言う歌詞があるということはこの時代にこのようなことは特別なことだったということなのだろう。まあ,一部にはこのような者もいた時代の歌ということになる。
サヨナラ(2021.2.11)
平成4年,詞:GAO,曲:階一喜,唄:GAO
「流れる季節に 君だけ足りない はぐれた心の 足跡を探す」と始まる。
歌声は爽やかだし,聴きやすい。詞も平易に感じる。
既に別れたのだが,「君を思い出す」「逢いたい」というわけだ。「あの頃に」「かえりたい」のだが,結局「さよなら」しか言えない。
別れの原因は不明だが,詞には自分の気持ちだけが書かれていているように感じる。ひょっとしたら相手の気持ちに対する配慮不足が別れの原因ではなかろうか。
シュラバ☆ラ☆バンバ(2021.1.2)
平成4年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「修羅場穴場女子浮遊 あこがれのPARADISE☆PARADISE」と始まるらしい。
聴いても何と言っているのか聞き取れない。歌詞をみても解らない。「ちょいと淫らな」思いついた言葉を適当に(適切とか考えずにいい加減に)並べたように見え,これを歌として聴いても理解できるとは思えない。公衆の面前で普通なら大声で唄えないような内容を唄っているんだという,唄っている本人と,内容を知っている一部の人間だけの楽しみになっているのではないか。
知らない人には内容が聞きとれず,眉をひそめられるようなことはないことを目指して作られた曲ではなかろうか。
巡恋歌(2023.6.1)
平成4年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄:長渕剛
「好きです 好きです 心から 愛していますよと 甘い言葉の裏には 一人暮らしの寂しさがあった」と始まる。
「寂しさゆえに 愛が芽ばえ お互いを知って愛が終わる」と私なら『恋』という言葉を使う所で長渕は「愛」という言葉を使っている。世の中では「恋」と「愛」は同義に使われる場合も少なくないのでどちらでもよいのだが,長渕はタイトルでは「恋」を使っているので区別しているのかもしれないがよく判らない。
寂しさから恋をし,それから愛が芽生えたか,あるいは恋心を愛と錯覚したか,いずれにせよ現在は別れる寸前という状況のようだ。
「くやしいけれど ほれたのは どうやら私の方だったみたい」「こらえきれない涙よ 出来る事なら笑いとなれ」。
長渕自身の昭和53年の曲1)の再レコーディング。流石昭和の曲。解り易い。顔で笑って心で泣いてというのも昭和っぽい。
1) 「巡恋歌」(昭和53年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄:長渕剛)
じれったい愛(2022.10.15)
平成4年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「じれったい オマエの愛が うざったい程 痛いよ」と始まる。
「本気の好き 胸にひびくよ」などという言葉が含まれるフレーズが何度も繰り返される。要するに歌詞の内容はこれに尽きる。曲は私のような年寄りにはややうるさく感じる。しかし,私が中高生で,フラストレーションが溜まっていたときならこのような曲が気分にぴったりかもしれない。若者向きの歌だろう。
世界中の誰よりきっと(2021.3.4)
平成4年,詞:上杉昇・中山美穂,曲:織田哲郎,唄:中山美穂&WANDS
「まぶしい季節が 黄金(きん)色に街を染めて」と始まる歌。
「ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも」と詞にあるので,そのような恋心を歌っているのだろうが,他の箇所を含め,全体が私にとって第三者の歌だ。つまり私には関係のない歌。そう感じさせるのは使われている言葉が私には空疎な言葉に聴こえるからだろう。たとえば「世界中の誰よりきっと」などというのは私には真実だとは思えない。しかし,本人の気持ちとしてはそうなのだろうからそれをとやかく言う必要はない(言っているが)。どうぞご勝手にということだ。
まあ,昭和末期のアイドル歌謡路線の延長にあるような気がして,聴いていて悪い気はしないが。
世界中の誰よりきっと(2022.12.9)
平成4年,詞:上杉昇・中山美穂,曲:織田哲郎,唄:中山美穂& WANDS
「まぶしい季節が 黄金(きん)色に街を染めて 君の横顔 そっと包んでた」と始まる。
「世界中の誰よりきっと 果てしないその笑顔 ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも」という歌で,自分の思いを一方的に述べているだけだが,そもそも歌の始まりとはそのようなものだっただろう。ストレートな思いの表出は好感度が高い。
この歌は中山美穂がメインヴォーカル,WANDSがコーラス担当の軽いロックだが,他にもいろんな編曲のヴァージョンがある。例えば「世界中の誰よりきっと(PART II)」はバラードで,上杉昇がメインヴォーカル,中山美穂がコーラスを担当している。私は曲としてはバラード調のほうが好きなのだが。
フジテレビ系ドラマ『誰かが彼女を愛してる』(中山美穂,的場浩司,西村和彦ほか)主題歌。
ZERO(2020.12.16)
平成4年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「ぎらぎらした街をぬけ さっさと家(うち)に帰ろう」と始まる。
解らない歌だ。
「このまま車ごと君の家につっこもうか なんてことまで浮かんでくる」などという発想がどこから来るのか解らない。実行しなければ問題ないと考える人も居るかもしれないが,まともな人間ならこのような反社会的発想は浮かびそうになっても無意識に自身で抑圧するのではないかと思う。
ラップ調の部分もあるが,各フレーズの関係が理解できず,お手上げだ。「あいたい」のか「ねむりたいのか」,「砂漠」にいるのか「波」の中にいるのか,[ゼロになろう もう一回]とはどういう意味だ。
「どうすりゃいいのヘンになりそう」と言っているが,もう既に「ヘン」なのではないかと感じてしまう。「ヘン」なのは私かもしれないが。
TIME(2020.9.17)
平成4年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「こんな晴れた日は 二人で丘に登ろう」と始まる。
「どうすれば時が戻る 今何処でなにをしている」というのがこの歌のテーマではないのかと思うのだが,それにしては他の箇所との整合性が解らない。過去の話なのか未来の話なのか,時制に混乱があるのではないか。胸の痛みは感じ取れなくもないが。現在の状況は眼に浮かばない。
太陽が見てる(2021.7.4)
平成4年,詞:吉田美和,曲:中村正人,唄:ドリームズ・カム・トゥルー
「あの岬よりも遠くへ 3度目のデートはドライヴ」とはじまる。
「何も言わずに抱きしめてくれたら うれしいのに」というフレーズが何度も出てくるので,この願望というか夢が主題だろう。そしてその夢はちかいうちに実現するだろう。
「写真はまだもっていない 何度もみては にやけたい」と交際開始後間もない気分が伝わるが,わざわざこのようなフレーズを入れたのはこの曲が写真フィルムのCMソングだったことと関係があるのかもしれない。
DA・KA・RA(2021.8.28)
平成4年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,唄:大黒摩季
「Dance×2 Dancin’ Together」と始まる。・・・らしい,よくは聞きとれないが。
カップ麺のCMに使われた。
「愛だから できない 偽りだから 知りたい 謎だから 夢見たい」などの日本語部分になると聞き取れる感じはするのだが,意味が理解できないので聞き取れたかどうか確信できない。単語レベルでは理解できても単語と単語の繫がりが理解できない。理解するのを諦めることになり,次第に歌を聴かなくなる。
ところで,この『平成の歌』ではあちらこちらで歌詞の意味が解らないというようなことを書いている。作詞者の心情が昭和から変わってきたのだと思っていたが,先日『うつ』の症状のひとつに文章が読み取れずに仕事の能率が下がるというのを見つけた。ひょっとしたらその歌が流行していた頃,あるいはその記事を書いた頃,私がうつ状態だったのかもしれない。自分では,加齢で若者についていけなくなったと思っているのだが。
TOO SHY SHY BOY(2023.11.21)
平成4年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:観月ありさ
「いつも車を降りて 見送っていた 赤いランプが遠ざかる」と始まる。
「瞳を閉じて 歴史をたどる さほど思い出もないままに 夏の扉はまだノックしないでね No No Knock on wood!」など,何のことかよく解らない。瞼なら簡単に閉じられるが瞳をどうやって閉じるのだろう。なんとなく,昔の歌からいろいろ歌詞を集め,目についた言葉を並べたような印象を受ける。
この後の歌詞は雰囲気が変わるが,「語り始めた 素直な想い いつチャンスなの? Goodtimes? Bad times? 今すぐに 永遠に 永遠に抱きしめて」と私には理解できない言葉の連なりだ。
曲はダンスミュージックなのだろう。抑揚の少ない単調なメロディーの繰り返しが踊りつかれた後でも踊り易そうで身体に心地よい。
夏だね(2021.12.29)
平成4年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「春一番が小さな過去へと 遠くなる六月」と始まる。
夏が好きで好きでたまらないという気分が伝わってくる。
「心はうわの空 指折り数える ばら色の夏休み」とあるが,当時の私には夏休みなどなかった。お盆は休んだが当時は有休消化率0%に限りなく近かったのではなかろうか。夏は心身共に開放的になるので,私も昔は夏が好きだった。しかしいつのころからか食欲の秋のほうが好きになった。人生の秋にさしかかった頃かもしれない。
前田は青春か朱夏にいるのだろう。当時の私は白秋,医学の進歩で今も白秋の感覚ではあるが実は現在の私は玄冬に入っているのだろう。
涙2(LOVEヴァージョン)(2022.9.10)
平成4年,詞:サンプラザ中野,曲:パッパラー河合,唄:BAKUFU-SLUMP
「やがて二人をちぎる別れ 唇には風 そして潤む君の瞳に 愛の意味を知る」と始まる。
「けれど二人は別れる定め」らしい。「さよなら あなたに 出会えてよかった」と別れてしまった。
「海よ空よ 雲よ 月よ星よ 風の中にいつか聞こえる 君の声が ぼくを励ましてる いつか強く,強くなるのだから」と終わる。
涙の別れだが,その思い出を励みに生きて行こうとする歌。
尚,タイトルの「涙2」は「なみだなみだ」と読ませている。
涙のキッス(2020.9.4)
平成4年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「今ずぐ逢って見つめる素振りをしてみても」と始まる。
「互いにもっと解かり合えてたつもり」などと言っているが相手の気持ちなど考えたことはないのではないか。
「涙のキッス」という言葉が何度も登場する。中には「最後のキッス もう一度だけでも 君のために贈る」などというのもある。「君のため」などと言っているが『自分のため』ではないのか。
これが平成の考え方なのかも知れない。
眠れない夜を抱いて(2023.3.25)
平成4年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD
「ざわめく都市(まち)の景色が止まる あの日見たデ・ジャ・ヴと重なる影 もしもあの時 出逢わなければ 傷つけ合うことを 知らなかった」と始まる。
始まりの描写はこれだけだが,「もしもあの時 少し大人になってたら サヨナラ言えなかった」とあるので既に「サヨナラ」は言ってしまったようだ。だからこその「眠れない夜を抱いて」なのだろう。これが何度も繰り返され,「まだ少女の頃の あどけない笑顔に戻って」とはいいつつ,後悔があるのだろう。
no no darlin’ (2022.2.18)
平成4年,詞:飛鳥涼,曲;飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「土曜の夜は 朝まで君を抱く 窓の外 過ぎて行く世の中で ふたり動かずに」と始まる。
昭和から活躍しているデュオなのでもっと解り易い歌を期待したのだが,彼らは時代とともに進化しているのか,私にはさっぱりわからない歌だ。
最初だけは状況描写だが,後は相手に対する呼びかけが続く。直接の呼びかけではなく,心の中での呼びかけのような気がするが。心の中の呼びかけだからだろうか,前後の関係なく思いついたことを言っているように思う。さらにメロディーと歌詞の日本語アクセントが乖離していて聞いただけでは何のことか解らないことが多い。おまけに英語まで含まれている。平成の歌に私がついていけない理由がこの歌にはすべて含まれているようだ。
心の中の想いを歌っても『万里の河』1)のような歌ならよく解るのだが。
1) 「万里の河」(昭和55年,詞:飛鳥涼,曲;飛鳥涼,唄:チャゲ&飛鳥)
背徳の瞳〜Eyes of Venus〜(2023.2.17)
平成4年,詞:V2,曲:V2,唄:V2
「あの日 愛が始まった 空が赤く燃え出した 何も伝えずに 瞳だけ見ていた」と始まる。
私には難解な歌。
例えば「Close your love… I just wanna feel you in my dream」が複数回登場するが,私には理解できない。なぜ英語なのだろう。他の多くは日本語だから,英米のリスナー向け歌詞ということではあるまい。
「美徳に紛れ Eyes of venus」というのもよく解らない。タイトルの「背徳」とこの「美徳」の関係は?詩人の言葉は私には理解困難だ。
大体,「瞳」と「eye」の違いは解っていて使い分けているのだろうかとも思ってしまう。
V2は小室哲哉とYOSHIKIが結成した期間限定ユニット。この大物二人に対して私が文句をつけるなど恐れ多いとは思うのだが,解らないものは解らない。まあ私などリスナーとして対象外なのだろう。
この曲はV2として唯一のシングルリリース曲。
はがゆい唇(2022.7.3)
平成4年,詞:阿木燿子,曲:羽田一郎,唄:高橋真梨子
「他人なら 優しく出来ても 恋はエゴイスト」と始まる。
「歯痒いのよ その唇 キスする場所 間違えてる 心の傷なら そんなとこにない」となんでも解っていてくれることを望んでいるようだが,それは高望みだろう。エゴイストであり同時にナルシストでもあるというのは阿木らしいと感じる。昭和の詞よりもやや客観性が少なく,平成風に個人の感情が多いような印象を受ける。曲はまだ昭和テイストだ。
TBS系テレビドラマ『眠れない夜をかぞえて』(田中美佐子)主題歌。
晴れたらいいね(2023.8.9)
平成4年,詞:吉田美和,曲:吉田美和,唄:ドリームズ・カム・トゥルー
「山へ行こう 次の日曜 昔みたいに 雨が降れば 川底に沈む橋越えて」と始まる。
歌詞には幼少期の思い出もあり,呼びかけている相手はどうやら母親のようだ。昔連れて行ってもらった山に一緒に行こうと呼びかけているようだ。そして「いっしょにね いろんな話ししよう 晴れたらいいね 晴れたらいいね 晴れたらいいね」と終わる。
さすが平成の歌だ。昔の女性は20代で年増だった。子供と「肩がならんで」,子供が「人並には恋だってしたよ」というようになるころには母親は初老といってもよいほど,昔は老けるのが速かった。実際には元気で働く母親も少なくなかったが,イメージでは,『母を背負ひてそのあまり軽きに泣き』1)とか『母さんお肩をたたきましょ』2),あるいは『縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くり返す』3)が明治・大正・昭和の母のイメージだ。
それがこの歌では母親に山へ行こうと誘っている。昭和の高度経済成長期にはハイキングよりもハードな山登りを趣味とする女性も増えた。それが昔なら他人からおばあさんと呼びかけられたような年齢の女性が,山ガールなどといって趣味で山に登るような時代になったのだ。
平成時代には勤め人の定年も後ろにずれ,年金支給開始年齢も後ろにずれた。昔なら,『村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん』4)と言われて当然と思ったかもしれないが,今では,孫からば仕方ないが,他人からは六十でお爺さんと呼ばれたくはない。
結局,時代は移り変わっているということだ。この曲も,母親に対する歌としてはかなりアップテンポな曲になっているが,平成の母親はこのスピードについて来れるのだろう。
NHK連続テレビ小説『ひらり』(石田ひかり,渡辺いっけいほか)主題歌。
1) 「たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず」(石川啄木,『一握の砂』,明治43年)
2) 「肩たたき」(大正12年,詞:西條八十,曲:中山晋平)
3) 「秋桜」(昭和52年,詞:さだまさし,曲:さだまさし,唄:山口百恵)
4) 「船頭さん」(昭和16年,詞:竹内俊子,曲:河村光陽)
Bye For Now(2021.8.1)
平成4年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「素適な別れさ 出会いの未来があるから 夢かなう日まで 今はここでそう Bye For Now」と始まる。
フジテレビ系で放映されたドラマ『ウーマンドリーム』の主題歌。
「君の旅立ちを 誰にも止められない 心に決めた 君だけの勇気だから」というのだが,自分には止められないと認めただけなのだろう。諦めて開き直り,「Bye For Now」
と言うのが精一杯,Now でななくForeverだということは自分でも解っているのだろう。やけくそで唄っているように感じる。
BRIDGE〜あの橋をわたるとき〜(2021.9.26)
平成4年,詞:大友康平・松井五郎,曲:蓑輪単志・後藤次利,唄:HOUND DOG
「昨日まで 信じた 情熱が いま 消えてしまいそうな」と始まる。
子供の頃,ロックとはこういうものだと学んだとおりの曲。詞も「時は戻れないから ふりむかずに あの橋をわたるとき こころ燃やして」と私が学んだロック魂が見える。しかし,私は変わってしまった。昔のようにこのような音楽に身をまかすことができなくなってしまった。
Blue Moon Stone(2025.3.6)
平成4年,詞:藤井郁弥,曲:藤井尚之,唄:チェッカーズ
「両手広げ すべてを受けとめよう いつもそばで 勇気づけてあげよう」と始まる。
タイトルの「Blue Moon Stone」だが,よく知らない。宝石の一種だろうか。歌詞にでてくるのは「見上げれば白夜に浮かぶBlue Moon Stone 銀色の翼を広げ 羽ばたく時さ」の箇所だ。「Blue Moon Stone」とは「月」のことかもしれないなどとは思うのだが,詩人の比喩は私にはなかなか理解できない。「青い月」というのはイメージできるが,では「銀色の翼」は何を表しているのだろうなどと考えると解らなくなってしまう。
「君を愛してる僕があるかぎり」というのはわかるが,「君に出会うため 舞い降りて来たよ」などとあるのを見ると,「翼」は「僕」のものなのかなどとも思ってしまう。
詩人の発想にはついていけない。
BLOWIN’ (2020.9.29)
平成4年,詞;稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「ボロボロにKOされる夢を見て」と始まる。
聴いても全く理解できない。桑田佳祐の一部の歌などに近い歌唱法ではないかと思うが,私は好きではない。もっとも世の中では多くの人が支持しているようだ。これは好みの問題だろう。
歌詞が聞き取れないのは歌唱のせいかと思ったが,歌詞を読んでも理解できない。意味不明なので聞き取れないようだ。英語の箇所も解らないが,日本語の箇所も解らない。
何度か現れる「君」は同一人物だろうが,「ハニー」や「あの娘」は別の第三者だろうか。いずれにせよ「君」と「僕」の現在の関係が解らない。「終わらない旅」というのは何かのメタファーなのだろうがよく解らない。要するに解らないことだらけだ。
恐らく,昭和末期人や平成人は感覚として感じ取れるのだろう。
Promised Love(2021.10.26)
平成4年,詞:高見沢俊彦,曲:高見沢俊彦,唄:THE ALFEE
「哀しみだけが 降り続く街に ひとり生きてきた」とはじまる。
日本テレビ系ドラマ『ポールポジション!愛しき人へ…』(加瀬大周)の主題歌。
昭和の歌のように,詞に込められた物語が解り易い。最初のフレーズに続くのは「君に出逢って 本気で遠い夢を 追いかけはじめた」。そう,ここから物語は始まった。その後の展開は「愛だけがすべて」などと言ってはいるが「夢を掴んだ時に 迎えに行くよ」と現実には進展が見られない。
最後まで「夢を掴んだ時に」などと夢を見続けているだけのようなのは残念だが,頑張ってほしい。
部屋とYシャツと私(2021.5.13)
平成4年,詞:平松愛理,曲:平松愛理,唄:平松愛理
「お願いがあるのよ あなたの苗字になる私」と始まる。
これからずっと貴方について行きますという歌。その思いが「部屋とYシャツと私」という言葉になったのだろう。「時々服を買ってね」とか「人生の記念日には 君は綺麗といって その気でしさせて」などのお願いがいくつか示されている。ほかにも「あなたは嘘つくとき 右の眉が上がる あなた浮気したら うちでの食事に気をつけて」など冗談っぽいとはいえ怖い言葉も含まれている。このようなことが言い合えるほど相互の想いが通じ合っているのだろう。微笑ましいのではないか。
また逢える・・・(2022.4.24)
平成4年,詞:浜口司,曲:安宅美春,唄:KIX・S
「あの夏の日とあなたの瞳 夕陽に染まる海を映した」と始まる。
「See you again 長すぎる 別れでも hold me again 信じてる 出逢える日を…」と別れた恋人を思う歌。
しかし,「あの冬の日があなたの影を 一瞬にして海に消したの 戻らないあなたとサーフボードだけ」というのだから二度と逢えないのだろう。それでも「また逢えるSee you again いつまでも 遠くから hold me again 見守って 出逢う日まで…」
昭和からの伝統を引き継いだ,解り易い歌。
フジテレビ系ドラマ『君のためにできること』(吉田英作,石田ゆり子,南野陽子)挿入歌。
made in HEAVEN(2024.11.24)
平成4年,詞:松井五郎,曲:Toshi,唄:Toshi
「失くした機能も 見つからない明日も いまがあるために 信じるまま ひらく扉 かならず訪れるSUNRISE 心が気がつけば 聴こえる声がある」と始まる。
「CAN’T YOU FEEL IT 傷ついても 壊れた涙も すべてを抱きしめるとき YOUR LOVE MY LOVE WE’RE THE HEAVEN」。
松井もこんな詞を書くのかとやや意外だがToshiには合っているように思う。歌手に合わせて詞を書くのだろう。
もう恋なんてしない(2020.10.27)
平成4年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:槇原敬之
「君がいないと何にも できないわけじゃないと」と始まる。
同棲相手に逃げられた男の歌か。
「やっと自由を手に入れた」というのは最大限の強がりだろう。すぐに「ぼくはもっと淋しくなった」と本音を漏らしている。
「君の趣味で買った服も もったいないけど捨ててしまおう」といいながら「こんなに いっぱいの 君のぬけがら集めて」と諦めの悪さだ。
最後は解りにくいが,「君が大好きだったから もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対」というのは平たく言えば『あたらしい恋を見つけてやる』という構文だ。しかし君のことが忘れられず心が揺れているので最後の決意表現が一度聴いただけでは解らないほど揺れているのだろう。
すべてはあとのまつり。同棲中にもっと気をつけなくちゃ。
もう涙はいらない(2022.8.7)
平成4年,詞:西尾佐栄子,曲:中崎英也,唄:鈴木雅之
「もう涙はいらない 僕が側にいるから」と始まる。
「こんなに愛しているよ」との想いはあるのだが,君は「ここでいいからと小さな背中」「力強く静かに歩く君は…」と「いつからか僕を遠ざける」かのようだ。それでも「雨が降っても嵐が来ても この腕だけきっとほどかない」という歌。涙の説明がないので完全には理解できたとは言えないが,想像はできる。
日本テレビ系ドラマ『刑事貴族3』(松方弘樹,高樹沙耶ほか)の主題歌。
もっと強く抱きしめたなら(2021.4.18)
平成4年,詞:魚住勉・上杉昇,曲:多々納好夫,唄:WANDS
「少しだけ冷たい風が吹く 夕暮れの帰り道」とはじまる。
ハッピー・ソングだ。
「もっと強く君を抱きしめたなら もう他に 探すものはない」というのが今の実感なのだろう。普通の人間なら日々の生活のためにいろんなことを考えなくてはならない場面もあるだろう。しかし,今は,他の何を考えることもなく幸せを満喫するのがいいだろう。
駅のホームで抱き合っている若い男女を見ると,馬鹿者めがと思ってしまうが,この歌からはそのような感情は起きずに爽やかさを感じる。
もっと強く抱きしめたなら(2024.1.30)
平成4年,詞:魚住勉・上杉昇,曲:多々納好夫,唄:WANDS
「少しだけ冷たい風が吹く 夕暮れの帰り道 肩寄せて歩いた 会話さえ とぎれたままだったね」と始まる。
「もっと強く君を抱きしめたなら もう他に 探すものはない」というのだから,まだ強く抱きしめてはいないのだろうが,「このままで時が止まればいいと 君は言うけれど 何一つ 怖れることはない」抱きしめられる前に時が止まればいいと君が言うのだろうか。
最後は「そして もう一度 歩きたい 同じ時を」と終わるのだが,これだと破局の後のような感じも受ける。
どうも,時制の表現が私の日本語と違うようで,私には解り難い歌だ。聴くたびに解釈が揺れる。
もっとも私の日本語能力もあやしいものだ。戦前の教育勅語に『一旦緩急アレハ』という箇所があるが,この『アレ』が已然形なので既に起きてしまったという意味であり,『あったなら』とまだ起きていない状態ならば未然形で『緩急アラハ』にしなければならないという説を聞いてなるほどと思う程度だ。その後,『已然形+ば』で『恒常条件』を表すということを学んだ。ひょっとしたら高校時代にも学んだことがあったかもしれないが忘れていた。この『已然形+ば』の例文として『風吹けば 桶屋がもうかる』を示され反論できなかった。
LOVE SONG(2023.1.13)
平成4年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「聴いた風な流行にまぎれて 僕の歌が やせつづけている 安い玩具みたいで 君に悪い」と始まる。
詞に登場する言葉は私の予想外の言葉が多く,理解できない箇所が多い。理解できたと思えるのは「君に出逢い ほのかに恋をして 長い間 打ち明けられずに」ぐらいかと思うが,続くフレーズが理解できないので解ったと思う所も本当に解っているかどうかは怪しい。チャゲアスは昭和人と思っていたが,どうも平成人になってしまったようだ。
最後は「君が想うよりも 僕は君が好き」と終わるのだが,相手の想いと自分の想いが深さを比較できるほど理解できていると考えるのは思い上がりではないだろうか。