昭和の歌,平成元年〜,平成3年〜,平成5年〜,平成7年,平成8年,平成9年〜,平成11年〜,平成13年〜,平成15年〜,平成17年〜,平成19年〜,平成21年〜,平成23年〜,平成25年〜,平成27年〜,平成29年〜
目次
平成5年
愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない,愛を語るより口づけをかわそう,あなただけ見つめてる,雨の終わる場所,今を抱きしめて,WE ARE THE CHAMP〜THE
NAME OF THE GAME〜,永遠をあずけてくれ,エロティカ・セブン,おさえきれないこの気持ち,がじゃいも,傷だらけを抱きしめて,君がいない,君が欲しくてたまらない,CROSS ROAD,Get Along Together〜愛を贈りたいから〜,恋せよ乙女,このまま君だけを奪い去りたい,go for it,酒きずな,サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜,寒い夜だから,Sons
and Daughters〜それより僕がつたえたいのは,島唄(オリジナル・ヴァージョン),Jumpin’ Jack Boy,すれ違いの純情,刹那さを消せやしない,だって夏じゃない,チョット,翼を広げて,Tears,TRUE LOVE[振り返って],時の扉,Try Boy, Try Girl,慟哭,夏の日の1993,夏を待ちきれなくて,No.1,裸足の女神,果てしない夢を(featuring長嶋茂雄),ぼくたちの失敗,僕らが生まれたあの日のように,負けないで,真夏の夜の夢,真夜中のダンディー,むささき雨情,Make-up Shadow,MELODY,もう少し あと少し・・・,YAH YAH YAH,優しい雨,夢の番人,揺れる想い,RUN,ロード,ロマンスの神様,別れましょう私から消えましょうあなたから
平成6年
愛が生まれた日,愛のために,あなたを感じていたい,ア・ブラ・カダ・ブラ,IT’S ONLY LOVE,innocent world,WINTER SONG,永遠の夢に向かって,everybody
goes−秩序のない現代にドロップキック−,OH MY LITTLE GIRL,がんばりましょう,君だけを見ていた,恋しさとせつなさと心強さと,恋人たちのクリスマス,この愛に泳ぎ疲れても,こんなにそばに居るのに,survival dAnce〜no no cry more〜,しようよ,白いGradation,シングル・ベッド,純愛ラプソディ,SPY,世界が終わるまでには,空と君のあいだに,空も飛べるはず,SORRY BABY,ただ泣きたくなるの,たぶんオーライ,DA.YO.NE,冷たいキス,Tomorrow never knows,Don’t Leave Me,NATURAL,夏が来る,夏を抱きしめて,No.1 Girl,人魚,HEART[振り向かなくても],春よ来い, Hello my friend,VIRGIN BEAT,瞳そらさないで,ひとり酒,ファイト,WHEREVER YOU ARE,Boy,Boy
meets Girl,マリア,Miss You,めぐり逢い,MOTEL,ゆずれない願い,Rusty
Nail,ラストソング,LOVE,ロード〜第二章〜
愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない(2020.9.3)
平成5年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「「もう信じられない」とつぶやいて 君はうつむいて」と始まる唄。
何とも騒々しい曲。中学生くらいのときは騒がしいロックに魅かれたこともあったが,この当時では既に耳がついていかなかった。歌詞を聴くものではないのかも知れないが,ついつい聞き取ろうとしても聞き取れない。外国語もどきの,まともな日本語じゃないから聞き取れないのかと歌詞を読んでみると,まともな日本語だ。歌詞に共感できるかと尋ねられると微妙なところだが,若い頃なら共感したかもしれない。
要するに,現在の私にも,当時の私にも残念ながらこの歌は合わない。世間の評価は低くないようだから私が時代の変化について行けなくなったのだろう。
愛を語るより口づけをかわそう(2021.3.26)
平成5年,詞:上杉昇,曲:織田哲郎,唄:WANDS
「遠い日のフォトグラフ 何故いつも見つめるの」と始まる。「同じはずさ 季節なら変わるけど ずっと僕らは」と続く。
この冒頭部と残りの部分との関係がはっきりとは解らないが,冒頭部のほうは二人の関係が変わっていくのではないかという不安を表現しようとしているのではなかろうか。
残りの大部分は「愛を語るより口づけをかわそう」というメッセージだ。複雑な言葉を使うのは生物の中で人間だけだ。言葉だけでは冒頭の不安を払拭できず,より原始的なコミュニケーションで不安を和らげようというのだろう。不安が的中しないことを祈る。
あなただけ見つめてる(2021.1.1)
平成5年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,:唄:大黒摩季
「あなただけ見つめてる 出会った日から 今でもずっと」と始まる。
ハッピーソングなのだろう。
出会ってから変わっていく自分についての観察記録とでもいうべきか。
「ポケベル持ったわ」というのは時代だとしか言えないが,化粧も変わり服装も変わり,趣味も変わり,言葉使いも丁寧になった。バカ笑いもしなくなったし料理もがんばる。
「あなただけ見つめて」地味に生きて行く。
この歌のような女性の生き方に賛否を述べると大変な議論になるかもしれないので,賛否に関しては黙して語らずとしておこう。
雨の終わる場所(2021.7.3)
平成5年,詞:吉田美和,曲:中村正人,唄:ドリームズ・カム・トゥルー
「トンネルに入るたび 屋根を叩く雨音が止まる」と始まる。
「エンジンの低い回転が今日は 雨に負けている」とあるのは思いどおりに進んでいないということなのだろう。「閉園のチャイムはもう聞こえない 他人の手を借りて 終わりを知るあの頃には戻れない」とあるので自分たちでけりをつけなければならないのは二人共理解しているのだろう。「“帰ろう”あなたが言う前に 私は傘を探している」私は帰る気などないのだ。夢が叶う歌ではなく,悪夢が現実となる歌ではないか。
今を抱きしめて(2023.11.20)
平成5年,詞:YOSHIKI,曲: YOSHIKI,唄:NOA
「道に迷って独りで泣いた 夜に会いたくて 数えきれない想い重ねた 夢に濡れるまで」と始まる。
「瞳を閉じても」などという解らぬ歌詞があるが、自由に開閉できるのは『瞼』だろう。まあ,これは無視するとして,歌詞全体を通して情景が浮かんでこないので感情移入ができない。例えば「言葉持たずに夜に飛び出した すぐに会いたくて 高鳴る想い二人の胸に抱いて 旅立とう 今を抱きしめて」とはどういう状況か情景が目に浮かばない。「すぐに会いたくて」というのだから,二人は一緒には居ないのだろう。「旅立とう」というのは相手のところへ旅立つのか。一緒にいないのに「高鳴る想い二人の胸に抱いて」などと現在の相手の気持ちを勝手に決めつけているようにも感じる。最後の「今を抱きしめて」も『抱きしめる今』とはどんな『今』なのか。会った後の状態なら抱きしめるのは理解できるが,「すぐに会いたくて」つまり会っていない今を抱きしめても仕方ないと思うのだが。
偉大なYOSHIKI様の詞は私には理解できないということだ。
TBS系ドラマ『徹底的に愛は・・・』(仙道敦子,吉田栄作)主題歌。
第36回日本レコード大賞優秀賞。
WE ARE THE CHAMP〜THE NAME OF THE GAME〜(2023.4.27)
平成5年,唄:THE WAVES
「The name of the game (football!)」と数回繰り返した後「Ole ole ole ole we are the champ we are the champions」が繰り返される。他の歌詞もあり,その中には「Nippon! Nippon!」などというのもあるのだが,「Ole ole ole ole we are the champ we are the champion」のインパクトが強すぎて,これしか印象に残らない。
日本サッカー協会公認’93日本代表オフィシャル応援歌。
原曲はTHE FANSの『Ole, Ole, Ole (THE NAMES OF THE GAME)』(昭和60年,曲:Armath)。
永遠をあずけてくれ(2024.7.21)
平成5年,詞:川島だりあ,曲:栗林誠一郎,唄:DEEN
「銀色に ふちどられた街 窓の下 流れてゆくよ 随分と 待たせたことを 許してくれ ずっと 傍にいよう」と始まる。
「プラチナの 小さなリング ポケットに 確かめてみる」とダイヤの指輪などと石には触れられていないので,シンプルなプラチナの指輪なのだろう。歌詞には「White Christmas」という単語もあり,「改札口には 静かに 粉雪が舞う もうすぐに 逢えるんだね」
月収の何か月分もの指輪を用意する経済力が無い若者が目に浮かぶ。頑張れと応援したくなる。
エロティカ・セブン(2020.9.28)
平成5年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ
「夢の中身は風まかせ」と始まる。
よく理解は出来ないが,「黒い悪魔がやって来て ハード・コアな気持ちにさせる」とはどういう意味かなど,想像しながら聴くしかない。「魅せられて地獄の果ては 恋路の都 堕ちたアダムとイブか」など,個々のフレーズは解るのだが全体では解りにくい。
そもそも何歳くらいのリスナーを想定した曲なのか,全く想像がつかない。ひょっとしたら自分の想いを率直に詞にしたのかも知れないが。
おさえきれないこの気持ち(2021.12.28)
平成5年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「夢に見たよな 君の横顔 そんな出逢い」と始まる。
少しうるさい気がしないでもないが,何となく昭和歌謡の発展形のような印象を受け,嫌いではない。
あえて気になる点を挙げれば,「瞳とじて」という言葉を含むフレーズが何度も繰り返されるが,眼の構造からして,閉じるのは『瞳』ではなく『瞼』なのではないか。
がじゃいも(2023.1.12)
平成5年,詞:秋元康,曲:後藤次利,唄:とんねるず
「そこの誰だかわからない 赤いマントをひる返し ピンチになったらきっと助けに来るよ」と始まる。
「メイクィ―ンという名前の それは綺麗な姫が」「男爵にさらわれた」のだそうだ。
「悪を退治してメイクィ―ンを助け出す」そうだから男爵は悪のようだ。
その他,「おでん肉じゃがこふきいも カレーポテトチップス ポタージュスープ」などとあるが秋元が思いつくメニューはこの程度だったのだろうか。
最もわからないのは「がじゃいも」という用語だ。『ジャガタラいも』から『ジャガいも』になるのは解るが,なぜここでは「がじゃいも」と呼んでいるのだろうか。また,「イモと侮るな手強い相手だぞ 奴のバックにはナスがついている」とはどういうことだろうか。イモとナスの関係が解らない。深い意味はないのかも知れないが。
フジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげです』オープニングテーマ。
傷だらけを抱きしめて(2023.3.23)
平成5年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
グラスに映った 街の灯りが にじんで 揺れる センチな気分 歩きだす 俺の歴史の中」と始まる。
私の脳内コンピュータの情報処理のスピードではこの歌のスピードについていけない。スピードが速すぎるわけではない。通常の日本語リズムとこの歌の歌詞リズムがずれていて私の予測を裏切るので私の情報処理速度が追い付かないのだ。何回か聴いて,私の脳がこの歌の歌詞リズムに慣れてくると聞き取れるようになってくる。
何度もくり返される「傷だらけを抱きしめて 涙は強さを知る」は心から出てきた歌詞のように感じるが,「振り返るほどに 意味のない ことの無さに 気付く 偶然もまた いつしか 必然に感じて」などは頭から出てきた歌詞のように感じる。心から出てきた歌詞のほうが私の心に響く。
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君がいない(2022.8.6)
平成5年,詞:坂井泉水,曲:栗林誠一郎,唄:ZARD
「君がいない あの頃の二人も 今はいない」と始まる。
「何もかも 時間(とき)のすれ違いと 感じた その時 切なく good-bye」
唄った坂井自身ももういない。坂井の歌は昭和の香りを残していたのだが。もちろん古臭いという意味ではなく,良いところを残しているという意味だ。
日本テレビ系で放映されたドラマ『彼女の嫌いな彼女』(石田ゆり子)の主題歌。
平成3年の栗林誠一郎作詞・作曲の歌のカバー。
君が欲しくてたまらない(2023.8.8)
平成5年,詞:上杉昇,曲:織田哲郎,唄:ZYYG
「君が欲しくてたまらない 無限の時に響きそうな Dynamic Mind」
「眠れぬ夜は 一人きりで 何をしよう」と言うのだが,歌全体で「君が欲しくてたまらない」ということを訴えているだけだ。
このような直接的な訴え方は私の趣味ではないが,好きな人もいるのだろう。平成ではこれが主流になるのかもしれない。
CROSS ROAD(2021.5.12)
平成5年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children
「lookin’ for love 今達ち並ぶ街のなかで 口ずさむ 『ticket to ride』」と始まる。
「君の姿探しても もう戻らない でも忘れない」という歌。「過ぎ去った季節に
置き忘れた時間を もう一度つかまえたい」と言っているがそれは無理な相談だ。女神の前髪をつかみ損ねたら,後髪はないのだ。
「誰もが胸の奥に秘めた 迷いの中で」などと自分の胸の内を他人もそうだろうと勝手に決めつけているようなところは気に入らないが,よくある修辞のひとつだと思えばそれほど腹も立たない。
「つかの間の悲しみは やがて輝く未来へと」などと悟ったようなことを言っているのも少し気に入らない。素直に悲しんで終わればいいのに。まあ,未来の話は悟りではなく願望かもしれないが。
Get Along Together〜愛を贈りたいから〜(2024.3.4)
平成5年,詞:山根康広,曲:山根康広,唄:山根康広
「想えばただ傷つけ 泣かせた夜もあったね こんな僕ではあるけれど 誰より君を愛している」と始まる。
機嫌が悪いときの私なら,「誰より君を愛している」はどういう根拠に拠るのかなどと言うかもしれない。「誰より」という比較は自分が誰を愛するかという主観を述べているのだろうから証拠は必要ない。しかし『君を愛する多くの人のなかで最も強く愛しているのは私だ』と主張しているようにも聞こえる。そのときは『自分が一番』というのはどういう根拠に拠るのかなど聞いてみたくなる。
「もう二度と放さない君の瞳 僕は君をずっと守ってゆく これからもずっと そばにいて 愛を贈りたいから…」というのだから,あまりひねくれて聴かないようにしよう。
第26回日本有線大賞最優秀新人賞,第35回日本レコード大賞最優秀新人賞。
Get Along Together〜愛を贈りたいから〜(2024.10.12)
平成5年,詞:山根康広,曲:山根康広,唄:山根康広
「想えばただ傷つけ 泣かせた夜もあったね こんな僕ではあるけれど 誰より君を愛している」と始まる。
「もう二度と放さない君の瞳 僕は君をずっと守ってゆく どれからもずっと そばにいて 愛を贈りたいから」という歌。
「傷つけ」たり「泣かせた」のがどういう経緯だったのか不明で,「誰より君を愛している」などとなるのは微妙に違和感があるが,人それぞれだから当人同士がそれでよければそれでよいのだろう。
恋せよ乙女(2022.2.17)
平成5年,詞:上杉昇,曲:大島泰祐,唄:WANDS
「恋せよ乙女 いつかは 散る Mind」と始まる。
平成の歌らしく速いリズムで意味の良く解らない歌詞が歌われている。「恋せよ乙女」と聞くと松井須磨子1)などを思い出す私にはWANDSなと理解できるはずもないかもしれない。「乙女」という言葉からはもっとゆっくりと流れる曲2)を期待してしまう。
歌詞も「むじゃきなままで 時のシグナル 赤く染まる前に はしれ Don’t Stop The Run」とせわしない。どうもこの速さは恋する乙女に対する私のイメージに合わない。
1) 「ゴンドラの唄」(大正5年,詞:吉井勇,曲:中山晋平,唄:松井須磨子)
2) 例えば「乙女の祈り」(嘉永4年,曲:テクラ・バダジェフスカ。注:嘉永4年は1851年。)
このまま君だけを奪い去りたい(2021.3.3)
平成5年,詞:上杉昇,曲:織田哲郎,唄:DEEN
「静かに 佇(たたず)む 街並み」と始まる。
「君の瞳には ボクが にじんで」というのは涙が滲んでということなのだろうがここの解釈が最も困難な箇所だ。本当に涙が滲んでいたのか単にそう思ったということなのか。また仮に涙があったとしてその涙の理由は何なのか。自分に都合のよいように解釈しているようだが,それが本当なのかどうかが解らない。
「君だけを 奪い去りたい」のだが,一応自制して「遠い世界で君を守ろう」というのだから未練はあるが止むを得ないという状況なのだろう。
双方が望まぬ別れの歌として書かれているように感じるが,自分が望んでいないことは明確に解るが相手も望んでいないとは限らないのではないかというのが感想だ。
go for it(2021.6.6)
平成5年,詞:吉田美和,曲:吉田美和・中村正人,唄:ドリームズ・カム・トゥルー
「想像もつかない毎日が 送れると思わない?」と始まる。
「強引な展開」「小さな反抗も空しい」。
「手の平の孫悟空状態 居心地は悪くない・・・ん?」
「何もかも まるで違う2人」「but I love you」という歌。
「以心伝心」の関係を願っているのに,『‘カー’と答えてくれるのを期待して』「‘ツー’と言えば 笑って’スリー’と答える・・・バカ」
まあ,微笑ましいような感じも受けなくはないが,他人を巻き込まずに勝手にやってくれ。
酒きずな(2025.4.18)
平成5年,詞:石本美由起,曲:水森英夫,唄:天童よしみ
「一度 結んだ 命のきずな 結び 通して どこまでも」と始まる。
しかし「私 独りを 残して逝った」というのだから死別だ。どうしようもない。
歌詞の文字数は少ないが,(古い?)日本人の心に染みついた都都逸の7・7・7・5のリズムは,詞に余韻がそれほどなくても何となく深い意味がありそうに感じられ,心に残る。おそらく短いから記憶に残り易いということなのだろうが。
サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜(2024.5.13)
平成5年,詞:財津和夫,曲:財津和夫,唄:財津和夫
「ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて 君は部屋をとびだした 真冬の空の下に」と始まる。
「窓にふりそそぐこの雪のように 二人の愛は流れた」「君が育てたサボテンは 小さな花をつくった 春はもうすぐそこまで 恋は今終わった」と状況はよく解る。これで終わりかと思うと,「この長い冬がおわるまでに 何かをみつけて生きよう 何かを信じて生きてゆこう」と失意のまま終わるのではなく前向きな気持ちで歌を終えている。気持ちの切り替えが早すぎるような気がするのは私だけだろうか。
昭和50年にチューリップが唄った『サボテンの花』の財津によるセルフカバーがフジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下』(江口洋介,福山雅治,酒井法子ほか)の主題歌として使われ,このタイトルで発売された。
寒い夜だから(2025.1.13)
平成5年,詞:TETSUYA KOMURO,曲:TETSUYA KOMURO,唄:trf
「寒い夜だから 明日を待ちわびて どんな言葉でもいいよ 誰か伝えて」と始まる。
逢いたい気持ちを歌ったものなのだろうが,私にはよく解らない点が多い。
「どんな言葉でも きっと構わないから 声が聞きたくて想い歌に託すよ」。誰の言葉を誰に届けるのだろうか。自分に言葉を届けて欲しいというのなら「きっと構わない」というのは場合によっては構う言葉もあるということだから「どんな言葉でも」とはならないだろう。しかし「声が聞きたくて」というのは自分に届けて欲しいということだと思うが,「想い歌に託すよ」というのは伝えたい想いを歌に託すのではないのか。
よく解らないので共感度が低い。
Sons and Daughters〜それより僕が伝えたいのは(2022.9.9)
平成5年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「雨にも風にも 負けない心で 涙も見せずに 生きて行くのは哀しい」と始まる。
何か伝えたいことがあるらしいのだが,私には歌詞から理解することができない。「伝えたいのは あの日の夏」とまで書かれているのだが,あの日に何があったのか。「君を抱きながら 僕を抱いている」とはどういう状況なのだ。
「風薫海航空翔」(かぜかおる うみわたる そらかける)と3回も出てくるが、夏の日と関係ありそうなのだがその関係が理解できない。
島唄(オリジナル・ヴァージョン)(2022.5.27)
平成5年,詞:宮沢和史,曲:宮沢和史,唄:THE BOOM
「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た」と始まる。
同じ曲を沖縄言葉で唄ったウチナーグチ・ヴァージョンもある。宮沢がひめゆり平和記念資料館を訪れ,沖縄戦とその犠牲者への思いを歌った歌。
最も直接的に犠牲者への思いを述べたのが「海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠に夕凪を」ではないかと思う。他は抑制された悲しみに満ちてはいるが直接的な表現はない。怒りの言葉などもなく,ただただ鎮魂の歌だ。
Jumpin’ Jack Boy(2024.11.23)
平成5年,詞:上杉昇,曲:栗林誠一郎,唄:WANDS
「真夜中 サビた 香り 感じて 見下ろした街は まるで宝石のように」と始まる。
「宝石のように」どうなのか判らない。前の「サビた 香り」とこの「宝石」との関連も判らない。Jumpin’ Jack Boy
平成5年,詞:上杉昇,曲:栗林誠一郎,唄:WANDS
「真夜中 サビた 香り 感じて 見下ろした街は まるで宝石のように」と始まる。
「宝石のように」どうなのか判らない。前の「サビた 香り」とこの「宝石」との関連も判らない。
歌詞全体としては「身も心も キミだけを求め」ていることは解るが,他の状況は私には解らない。私に解る様には作詞されていないようなので,私にはお手上げだ。まあ「キミ」に遊ばれているように感じなくもないが。
タイトルが歌詞中に何度か現れるのでそれなりに重要な意味があるのだろうが,私には解らない、英語に詳しければ理解できるのかもしれないのだが。
歌詞全体としては「身も心も キミだけを求め」ていることは解るが,他の状況は私には解らない。
私に解るようには作詞されていないようなので,私にはお手上げだ。まあ「キミ」に遊ばれているように感じなくもないが。
すれ違いの純情(2022.12.8)
平成5年,詞:森友嵐士,曲:織田哲郎,唄:T-BOLAN
「長い髪の香り まだひびくよ まぶた閉じれば 二人きりのメロディ」と始まる。
「あの頃の二人 今じゃ戻れないけど せめてなつかしく あいたくて」という歌。「アイツはもういない」と終わる。
昭和時代からの馴染みの状況,やや巻き舌に聞こえはするが,昭和フォークのような懐かしい歌。
刹那さを消せやしない(2023.2.16)
平成5年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士・五味孝氏,唄:T-BOLAN
「愛しさは まるで夢のようさ 届かない眠れぬ夜も それぞれの好きを信じてたよ」と始まる。
「それぞれの好きを信じてたよ」という一言は自己中心的な性格を表しているように感じる。
まあ,「失って初めて気づく」というのは昔からよくあることだが,これで自分の自己中を反省すればいいのだが。
タイトルにも使われ,歌の中でも何度も繰り返され,タイトルになっており,最後もこのフレーズで終わる「刹那さを消せやしない」の「刹那さ」がに込められた意味が理解できないので歌全体が理解できない。普通に「切なさ」ではなぜいけなかったのだろうか。
テレビ朝日系『JリーグA GO GO!!』のテーマ曲。
だって夏じゃない(2024.4.8)
平成5年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「君が好きだよ八月の夜空 咲いて散る花火乱れ打つYou’re my girl 落ちそで落ちない愛し君はまるで 線香花火チリチリ胸を焦がす」と始まる。
「取れそで取れない甘くせつないくちびるは 金魚すくいあせれば逃がしちゃいそう」などと昭和末期っぽいフレーズがあるかと思えば,「鈴虫の声夏の終わりを告げる前に 誘って声かけてひっついて別れて Maybe maybe no problem」ともあり平成風の箇所もある。時の流れだろう。
チョット(2021.11.25)
平成5年,詞:大黒摩季,曲:織田哲郎,唄:大黒摩季
「チョット待ってよ Good-Bye 優しい声で卑怯な逃げ方」と始まり「傷付けて欲しかった もう 二度と愛せないように」と終わる。
間に挟まれている種々のフレーズの中には共感できないものもあるが,理解できないものはない。心の内部を歌っているが,失恋という状況が明確なので解り易い。
テレビ朝日系のドラマ『いちご白書』のオープニング曲。このドラマの主演は小田茜,エンディングにはT-BOLANの『おさえきれないこの気持ち』が使われている。安室奈美恵と辺見えみりはこのドラマがドラマ初出演である。
翼を広げて(2025.3.4)
平成5年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:DEEN
「夏の落とし物 君と過ごした日々 洗いたてのシャツのような笑顔 今も忘れられない」と始まる。
「翼を広げて 旅立つ君に そっとエールを送ろう 誰のためじゃなく ただ君のため 愛してたよ」
「真夜中 声が聴きたくなって 無意識に ダイヤル回す」などとあるが携帯電話はまだそれほど普及していなかったかもしれないが,プッシュホンはかなり普及していたのではなかろうか。「ダイヤル回す」など昭和中期のテイストだが,詞全体は昭和テイストではない。昭和テイストなら義理と人情あるいは経済的な理由で別れざるを得ないという状況の歌が多かったように思うが,この歌では何故別れるのかよく解らない。夢を抱いて都会へ出て行くのだろうか。昭和ならほぼ一方通行で都会へ出たのだが,平成では新幹線もあるし,いつでも帰ることができる。もちろん深夜バスもある。
Tears(2025.6.3)
平成5年,詞:白鳥瞳 & YOSHIKI,曲:YOSHIKI,唄:X JAPAN
「何処に行けばいい 貴方と離れて 今は過ぎ去った 時間に問い掛けて 長すぎた夜に 旅立ちを夢見た」と始まる。
歌詞を見ると「貴方」と「貴女」が現れているが,二人の登場人物がいるというより,一方は誤字ではないかと感じてしまう。量的に少ない日本語の部分でもこのように解り難い箇所があり,もちろん誤字は耳で聞いただけでは判らない。文字に引きずられなければ勝手に一人の女性をイメージするのだが。更に,歌詞の多くは英語で,ゆっくり唄っているとは言え私の英語耳では内容が心に入り込んで来ない。
このような歌を聴くには今の私は歳をとりすぎたようだ。当時の私は忙しすぎ,歌を聞いている余裕がなかった。
TRUE LOVE(2021.2.10)
平成5年,詞:藤井フミヤ,曲:藤井フミヤ,唄:藤井フミヤ
「振り返ると いつも君が笑ってくれた 風のようにそっと」と始まる。
「TRUE LOVE」というタイトルだが,この「LOVE」の意味がもう一つ解らない。ひとまず「LOVE」の意味はおいておいて,この「LOVE」は現在進行形なのだろうか,終わったのだろうか。「涙に変っても」とあるので終わった話なのだろう。
勝手に一人称複数を使って「僕らは」と言っているが単数の「僕」の間違いじゃないのか。「夢見てたはずさ」などと相手も自分と同じ夢を見ていると勝手に決めつけてしまう。
このような性格からすると,「LOVE」の意味も自己中心的なものだろうから愛想を尽かされるのも当然かもしれない。
愛想を尽かされた後も「夢見てたはずさ」と反省する様子も見えない。
TRUE LOVE(2022.7.2)
平成5年,詞:藤井フミヤ,曲:藤井フミヤ,唄:藤井フミヤ
「振り返ると いつも君が笑ってくれた 風のようにそっと」と始まる。
「変わらないよ あの日君と出会った日から」と変わらぬ想いを訴えているのは確かだが,「僕らは いつも はるか はるか 遠い未来を 夢見てたはずさ」などと二人の関係が変わったことを感じているような表現だ。僕の想いは変わっていない。だから「TRUE LOVE」なのだろう。
チェッカーズ時代より昭和っぽいと感じる。曲調の変化は時代に逆行しているようだ。
フジテレビ系ドラマ『あすなろ白書』(石田ひかり,筒井道隆)の主題歌。ドラマの原作は柴門ふみの同名の漫画。
時の扉(2020.11.27)
平成5年,詞:上杉昇,曲:大島康祐,唄:WANDS
「時の扉 たたいて ここから 今 飛び出そう」と始まる。
よく解らない歌。
「見知らぬ自由を 抱きしめよう」というのだから,何かから自由になったということだろう。「君がくれた この腕時計 今も胸の中 悲しみだけ 刻むけれど」と自由になったのは君かららしい。「忘れえぬ痛み 笑いとばそう」と自由になりたかったわけではなさそうだ。
ということで状況は想像できるのだが,この状況と「時の扉」というタイトルの関係が解らない。過去に戻りたいというなら解らないでもないが,「ここから 今 飛び出そう」と未来志向のようだ。時の扉など叩かなくても自然に未来はやって来るだろう。
Try Boy, Try Girl(2023.5.31)
平成5年,詞:前田亘輝,曲:UNI,唄:前田亘輝
「たまらないね どいつもこいつも 見栄と虚勢のカメレオン くだらないね あれこれ人間関係」と始まる。
中・高生のころならこのような激しいロックに全身を浸らせたいと思うこともあったが,年をとると耳が悪くなり,頭も悪くなり,このような音楽が楽しめなくなった。耳はダイナミックレンジが減少し,周波数特性も悪くなっている。頭は回転が遅くなっているので歌詞を咀嚼するのに時間がかかり,アップテンポの曲にはついていけないのだ。とはいえ,同級生でも未だにロックコンサートに行っている者もいるので耳や頭が悪くなるのは個人差が大きいのだろう。
歌詞を読んでみると大人の社会に反感を持つ若者の詞のようだ。いつの時代でも,近頃の若者はと苦言を呈する年寄りと,大人になることは純粋さを捨てて堕落することだと考える若者がいる。これらのバランスで社会が徐々に進歩していくのだろう。
日本テレビ系『ワールドグランドチャンピオンズカップ’93』テーマソング。
慟哭(2021.8.27)
平成5年,詞:中島みゆき,曲:後藤次利,唄:工藤静香
「避けられてるかもしれない予感 それとなく それとなく感じてた」とj始まる。
フジテレビ系ドラマ『あの日に帰りたい』の主題歌。
さすが,昭和の歌姫中島,情景が手に取るように解る。「ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて 気が付いたの 友達なんかじゃないという想い」と中島ワールド全開だ。より明確に示すため「おまえも早くだれかをさがせよと からかわないで エラそうに」とか「いちばん先に知らせた ともだちが 私だなんて 皮肉だね」
結局,これまで独り相撲だったと気付く中島だが,昭和の女は強い。また立ち直るだろう。と中島ならば立ち直りそうだが,工藤は立ち直れるだろうか。
夏の日の1993(2021.4.17)
平成5年,詞:松本一起,曲:佐藤健,唄:class
「まるで別人のプロポーション Ah 水ぎわのAngel」と始まる。
長い付き合いでずっと「普通の女と思っていたけど」たまたま水着姿を見て「恋をした oh 君に夢中」「いきなり恋してしまったよ」という歌。
ずっと特別な感情を持っていなかったのに,何かのきっかけで特別な感情を抱くようになることはよくあることだ。そのきっかけが水着姿だったようだ。またひとつ恋が生まれた。微笑ましいではないか。
夏を待ちきれなくて(2022.10.14)
平成5年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「I love youさえ言えなくて 想い出には出来なくて 無理をして 輝いていた この胸の yesterday」と始まる。
私には難解な詞。
「冬を越せぬ恋にゃ say good bye」というのでそうかと思うと、「SA・YO・NA・RAさえ言えなくて」とgood byeは簡単には言えないようだ。「ダメなのに とりつくろって」などとはっきりしない。最後には「もう一度 やり直せそう」などとまで言う。私の理解では,夏になれば新しい相手が見つかるかもしれないが,夏を待つまでもなく,昨夏想い出にまでできなかった相手とやり直したいということのようだ。
TBS系バラエティ『ムーブ』の5月の放送のエンディングテーマ。
No.1(2023.9.12)
平成5年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄:槇原敬之
「お互いのことをもう さぐるのはやめよう もうわかっている 君は僕が好きで 僕は君が好き」と始まる。
過剰なのではと思うほど自信満々。「もうこんな僕で いいかなんて思わない 世界で一番素敵な恋をしようよ とりあえずそれが 僕らの目標」と以前はそれほど自信があったわけではなさそうだ。君の反応が自信を持たせたのだろう。
非常に幸せな場合,その幸せがあふれ出て周囲も幸せにするように思うが,この歌からは幸せさは伝わってくるが,聴いてる私まで幸せになるところまではいかない。これは,「僕ら」のことを歌っているようだが,「僕」の幸せぶりは良く感じられるのに「君」の幸せぶりがあまり伝わってこないからではないか。
裸足の女神(2020.10.26)
平成5年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「どれだけ泣けば朝が包んでくれる」と始まる。
「裸足の女神よ キズをかくさないでいいよ」と心に傷をうけた女性を優しくいたわる歌。そうなのだが,最後には「君の肩をひき寄せたいよ」と下心が見える。
とはいえ「女神」と呼びかけているあたり,今の様子を見て突然下心が湧いて優しくしているわけではないようだ。以前から密かに見つめ続けていたに違いない。だからこそ傷心に気づき,手を差し伸べる機会をみつけたのだろう。
果てしない夢を(featuring長嶋茂雄)(2023.7.4)
平成5年,詞:上杉昇・坂井泉水,曲:出口雅之,唄:ZYYG, REV, ZARE & WANDS
「回転DOORを 抜け出した時から 何故か 新しい自分を感じた」と始まる。
「瞳を閉じれば まるで昨日のことのように 彷徨った日々も 微笑んでいる」などと,『瞼』ではなく「瞳」を閉じているところなど,気に入らない箇所が無いではないが,「果てしない夢を」「熱く 熱く 信じていたい」とか「強く 強く 信じていたい」と何度も繰り返されてるて夢に対する思いが伝わってくる。まあ,普通なら,どんな夢かも解らないのに共感や支援などできないと毒づくことが少なくない私だが,この歌は夢の内容こそ詞には示されていないが,全体に(featuring長嶋茂雄)が掛かっていることにより,夢の内容が感じ取れる気がして素直に支持できる。もっとも,私の印象では長嶋は夢など関係なく,思うまま感じるままに振舞っていただけで,夢を見ていたのはファンではなかったのだろうか。
曲はもっと華やかなほうが長嶋的なんじゃないかとは思うが。
ぼくたちの失敗(2021.9.25)
平成5年,詞:森田童子,曲:森田童子,唄:森田童子
「春のこもれ陽の中で 君のやさしさに うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ」とはじまる。おなじフレーズで終わるのでこれが主題のようだ。
自分が弱虫だったと反省するのは昭和テイストなのだが,歌詞からはストーリーの全貌が解らないのが昭和人にはやや不満だ。
女性シンガー・ソング・ライターが書いた男歌というのはあまり記憶にないが,男歌を書いた女性作詞家は昭和の時代にも沢山いたので,珍しい訳ではない。女性から見たら弱虫に見えたのかもしれないが,昭和の男性ならがあれやこれやと理由をつけ,自分が弱虫だとは認めなかったのではないか。男性が自分の弱さを認めるのが平成流なのだろう。曲には昭和のニューミュージックより前のフォークの面影が強く残っている。
この歌はTBS系テレビドラマ『高校教師』(真田広之,桜井幸子)の主題歌である。
僕らが生まれたあの日のように(2024.1.29)
平成5年,詞:飛鳥涼,小田和正,曲:飛鳥涼,小田和正,唄:USED TO BE A CHILD
「君は来るか 僕の腕に この空は青いか 見つめてみないか」と始まる。
出生率低下を受けて厚生省が『ウェルカムベビーキャンペーン実行委員会』を設立し,このキャンペーン趣旨に賛同した7人によって唄われた歌。その7人とは,飛鳥涼,小田和正,カールスモーキー石井,玉置浩二,徳永英明,浜田麻里,山本潤子である。
錚々たるメンバーが集まってはいるが,私には期待外れの歌。例えば小田和正が自分で唄うと決めて自分で作ればもっと小田らしい素敵な歌になっただろう。他のメンバーに配慮したせいか特徴のない歌になってしまっている。
「君はここへ生まれて来る」と生まれて来る者への歌になっているかのようだが,乳児に歌いかけるには解り難い詞になっていると感じる。
負けないで(2020.11.11)
平成5年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD
「ふとした瞬間に 視線がぶつかる 幸福(しあわせ)のときめき 覚えているでしょと始まる。
昭和世代には馴染みのある人生の応援歌。曲には昭和の面影は少なく,これに合わせてか,「何が起きたって ヘッチャラな顔して どうにかなるサと おどけてみせるの」と具体的な表現は異なるが表現されている内容は昭和時代から変わっていない。
「負けないで ほらそこに ゴールは近づいている」と古い酒を新しい革袋に入れたような歌。
真夏の夜の夢(2020.12.15)
平成5年,詞:松任谷由実,曲:松任谷由実,唄:松任谷由実
「骨まで溶けるような テキーラみたいなキスをして」と始まる。
さすがニューミュージックのユーミンと感じたが,ニューミュージックと呼ばれた荒井由実の時代は遥か昔の話だ。それでもなお,これまで聴いたことがない雰囲気のメロディ。
詞に「カリビアン・ナイト」と2回でてくるので,この曲調はカリブ調なのかもしれないが,カリブの音楽というのを知らないから何とも言えない。
ところで,詞には突然「私 遠い夢は待てなかった」とのフレーズ。後は「さよなら ずっと忘れないわ」とか「さよなら ずっとアモーレ・アモーレ」とあり,別れのようだ。「真夏の世の夢」と次に進もうというのが平成らしい。昔昔は『昨日の夢と 焚き捨てる 古い手紙』1)などと夢を諦めるのに未練たっぷりだったのだが。
1)「湖畔の宿」(昭和15年,詞:佐藤惣之助,曲:服部良一,唄:高峰三枝子)
真夜中のダンディー(2023.12.25)
平成5年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:桑田佳祐
「暗い女の部屋でマヌケな肌をさらし おぼえ始めの味でうなじを真っ赤に染めて」と始まる。
「友は政治と酒におぼれて声を枯らし 俺はしがらみ抱いてあこぎな搾取の中に 生まれたことを口惜(くや)んだ時にゃ 背広の中に金銭(かね)があふれてた」とはかってのノンポリ学生の心に刺さったトゲか。
「隣の空は灰色なのに 幸せならば顔をそむけてる」というのも,ノンポリのなれの果てを思い出させるようにも感じるが,恐らくは「幸せならば顔をそむけている」わけではなく,幸せ不幸せに関係なく,隣の空には関心がないのだろう。
「愛しさを知るほどに 嗚呼 老いてゆく」とあるが「愛しさを知る」知らないに関係なく,「老いてゆく」という実感だけはある者が多いだろう。
むらさき雨情(2024.9.4)
平成5年,詞:三浦康照,曲:山口ひろし,唄:藤あや子
「いのちを惜しむ 私なら あなたについて 行かないわ」と始まる。
タイトルにもあるが,この歌に「むらさきの雨」という歌詞が何度も登場する。『むらさきの夜明け』1)なら未明の空の色を表しているのだろう。夜明け前は太陽からの直達光は届かず,大気による散乱光が空の色だ。清浄な空なら散乱はほぼレイリー散乱だろうから波長の4乗に反比例して強くなる。つまり紫色ということになる。日中なら太陽からの強い直達白色光の散乱も加わり,清浄な大気の場合空は青く見えるのだ。『長崎の夜はむらさき』2)になると本当に色の話なのかどうかは怪しく感じる。日没後も日の出前とおなじ理由で空が紫に見えてもよいはずだが,未明に比べ日没後は街の灯りが多すぎるように感じる。紫を感じるより先に黒くなってしまうだろう。『長崎の夜はむらさき』では『待てばやせます ひがみます』とか「ひとり渡れば 胸痛む」などの心情を紫という色で表現したのだろう。しかし,この歌の「むらさきの雨」というのはよく解らない。
話は跳ぶが,黒百合というのは黒ではなく濃い紫だと聞いたことがある。
もっと関係なさそうだが額田王の『あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(万葉集)』などの歌から『紫』と『愛』や『切なさ』のイメージが刷り込まれたのかも知れない。
1) 「むらさきの夜明け」(昭和43年,詞:吉岡治,曲:原信夫、唄:美空ひばり)
2) 「長崎の夜はむらさき」(昭和45年,詞:古木花江,曲:新井利昌,唄:瀬川瑛子)
Make-up Shadow(2022.4.23)
平成5年,詞:井上陽水,曲:彩目映,唄;井上陽水
「初めての口紅の唇の色に 恥じらいを気づかせる大人びた世界」と始まる。
ファッション系の雑誌記事などカタカナが多く,日本語で書かれているようなのに未知の単語が多く,何を言っているのか解らないのが少なくない。この歌も同じような印象を受ける。要するに,解りそうな気がするのだが解らない歌。
フジテレビ系ドラマ『素晴らしきかな人生』(浅野温子,織田裕二ほか)の主題歌。
MELODY(2024.6.16)
平成5年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「君が望むことのすべてを かなえようとしてたけど いつでも届かない 互いに流れる時間は変わり 逢いたいときに逢えなくて 寂しさも打ち明けられず」と始まる。
詞とメロディーは昭和フォークを感じさせる。ただ,「同じ夜明けを迎える暮らし 約束した それなのに 遠ざかる想いさせてた」とあって最後に「離さない 君のこと いつまでも……」とあるのは何となく平成の自己中心さが滲み出てきているように感じてしまう。
斎藤誠の編曲により昭和フォークからは外れてしまったが,このような曲を何と呼ぶのだろうか。J-POPと書いてあるのを何かで見た気がするが,私のイメージするJ-POPとは少し違う。まあ,分類に困る曲はなんでもJ-POPと呼ぶのかも知れない。
もう少し,あと少し・・・(2021.10.25)
平成5年,詞:坂井泉水,曲:栗林誠一郎,唄:ZARD
「きまぐれな九月の雨に 白い傘の少女がすれ違う」と始まる。
これから何かはじまるのかと思ったら,「そう少し あの女性(ひと)より 出逢う時が 遅すぎただけなの」とすでに始まっているようだ。
「いけない恋と知っても もう少し あなたのこと 困らせたい」と,始まっただけでなく,泥沼に引きずり込もうというのか。もっと可愛らしい歌を唄えばいいのに。
テレビ朝日系列のドラマ『ララバイ刑事’93』(片岡鶴太郎,中村あずさ,的場浩二)のエンディング・テーマ
YAH YAH YAH(2020.8.11)
平成5年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄;CHAGE and ASKA
「必ず手に入れたいものは 誰にも知られたくない」と始まる。
発想が全く異なるからだろうが,歌詞を何回読んでも理解できない。一番の理由は各センテンスの主語が不明だからではないか。
「YAH YAH YAH YAH YAH YAH YAH」の箇所は大して意味はないのだろうが,耳に馴染んでいる。積極的に聴くことはなかったが,耳に入って来ることは多かったのだろう。それだけ世の中に受け入れられていたということなのだろうが,その詞が理解できないということは若者とコミュニケーションが出来なくなっている証拠なのだろう。
優しい雨(2021.7.31)
平成5年,詞:小泉今日子,曲:鈴木祥子,唄:小泉今日子
「心の隙間に 優しい雨が降る 疲れた背中を そっと湿らせてく」と始まる。
「出会ってしまった二人」の歌。一目惚れのようだが,夜目・遠目・傘の内と昔から言う。見誤りでなければいいが。
まあ,反感を持つような雰囲気ではなく,頑張ってねと言っておこう。
夢の番人(2020.8.22)
平成5年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE and ASKA
「最後に触れた夜を 思い出せないまま眠りに落ちて」と始まる。
「Ah Ah 僕らは 僕らは夢だよ」というのは,生活が充実していないからこのように感じるのだろうか。
「運び屋の白い粉袋の秘密で」などの歌詞もあり,これは何を意味しているのだろうと深読みしても見たくなる。
歌詞の世界に浸からず,単に曲だけを聞き流すには悪くない曲だ。
揺れる想い(2021.1.20)
平成5年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD
「揺れる想い体じゅう感じて 君と歩き続けたい」と始まる。
解りにくい平成のヒット曲のなかで,珍しく解った気になれる歌。私が誤解している可能性がないことはないが。
「このままずっとそばにいたい」と思うような相手が現れたのだ。それによる幸せオーラが放出されている。このような単純ハッピーソングもたまにはいいもんだ。
ただ,私の心がハッピーオーラに包まれるかというとそこまでいかない。曲が私の感動パターンと若干ずれているようだ。坂井が高音で唄っている箇所は聴いているだけで心地よいので,坂井の低音域の使い方が私の好みとは異なるようだ。
RUN(2022.3.21)
平成5年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄;長渕剛
「賽銭箱に 100円玉投げたら つり銭出てくる 人生がいいと」と始まる。
昭和っぽい歌。どこが昭和かというと,歌詞が日本語だ。平成の歌の多くは歌詞を見ると日本語だが,歌を聴くとアクセント等,日本語に聞こえない。ところで,この歌は日本語なので解るような気がするのだが,よくよく聞いてもはっきりとは解らない。解らないけれど解ったような気がして,何となくスルーしてしまう。
TBS系テレビドラマ『RUN』(長渕剛,国生さゆり)の主題歌。
ロード(2020.9.16)
平成5年,詞:高橋ジョージ,曲:高橋ジョージ,唄:THE 虎舞竜
「ちょうど一年前に この道を通った夜」と始まる。
思い出の歌。「何でもないような事が 幸せだったと思う」のはそれが「二度とは戻れない夜」だから。
「悪魔のような電話」により「突然闇に落と」される。詞には「病室のベッドの上」「眠れる森の少女」とややぼかして記述されているが,Wikipediaなどでも紹介されている作詞のきっかけからはその状況が鮮明に解る。
昭和の歌は状況が鮮明に解る歌が多かった。その意味でこの歌は昭和の歌だ。
ロマンスの神様(2020.10.11)
平成5年,詞:広瀬香美,曲:広瀬香美,唄:広瀬香美
「勇気と愛が世界を救う 絶対いつか出会えるはずなの」と始まる。
昭和ならば,深窓の外に白馬の王子様が現れるのを待つのだろうが,この歌では「今夜飲み会 期待している 友達の友達に」と積極的だ。「土曜日遊園地 一年たったらハネムーン」とあっという間の展開で,「ロマンスの神様 どうもありがとう」と終わる。
昭和でもこのような状況は現れてはいたのだろうが,広言するようになったのは平成になってからではないか。
別れましょう私から消えましょうあなたから(2023.10.17 )
平成5年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,唄;大黒摩季
「たぶん貴方は冷めきってる 自然消滅を狙ってる いつの間にBreak Down, Break Down Mistery」と始まる。
「嘘を考えるより沈黙のDays 別れる理由は便利な House Keeper 伝わるわ Break Down もう Break Down Mistery」と日英混交のフレーズが続く。文字を見てもよく解らないが,聴くだけだともっと解らない。なぜ英語が必要なのだろう。
「燃え上がる愛しさほど 焼け跡は悲惨で 灰になった恋心 残り日に積もる」と未練はあるが修復不能な段階であることも解っている。
だから「別れましょう私から消えましょうあなたから 嬉しいでしょう明日から自由になれる」という歌。「心だけ泣き止まない」。
テレビ朝日系ネオ・ドラマ主題歌。
愛が生まれた日(2021.3.24)
平成6年,詞:秋元康,曲:羽場仁志,歌:藤谷美和子・大内義昭
「恋人よ 今 受け止めて あふれる想い あなたの両手で」と始まる。
昭和人にも解りやすい詞であり,曲である。
「あなたとならば 生きて行ける」「君とだったら 生きて行ける」これがすべてだろう。
「君がいるなら それだけでいい」「あなたがいれば それだけでいい」という訳だ。
「キャンドルの炎に 揺れてるプロフィール」などと私には何のことか解らない言葉も含まれているが,そこは見ない・聞かないことにしよう。ひょっとしたら「プロフィール」は横から見た顔という意味で使っているのかも知れないが。
愛のために(2024.5.12)
平成6年,詞:奥田民生,曲:奥田民生,唄:奥田民生
「となりの席ではフケた男が さんざんからんで人生語る どっかで聞いた事ある話だ 思えばあいつは昨日も来てる」と始まる。
「おっさんあんたはそう言うけれど」と受け,突然「ここらへんで そろそろ僕が その花を咲かせましょう 愛のために あなたのために 引き受けましょう」と何かを引き受けるようだ。ここでタイトルの「愛のために」がでてくるのだが,何のことかよく解らない。
「陸海空 いろんなところから どこでも駆け付けましょう 愛のために あなたのために 生きて行きましょう」と言語明瞭なれど私には意味不明瞭な言葉が続いて終わる。私には消化できない歌。
あなたを感じていたい(2023.5.30)
平成6年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD
「ねぇ そんなにしゃべらなくても 私笑っていられるから」と始まる。
冒頭だけではわからないが,別れの歌だ。
「約束なんて何もないけど 変わらない二人でいようね」,「今すぐ飛んでゆきたいけど すべてを捨てて行けない私がいる」。そして最後は後悔の一言。「『待ってるから』と どうしてあの時 素直に言えなかったのだろう…」
『待ってるから』と言えない事情があったのだろう。ありそうな話で共感できる。しかし,たとえ『待ってるから』と言ったとしても将来どうなるかは判らない。まぁ,新しい出会いまでの思い出としておけばいいだろう。
残念ながら私にはこの曲がこの詞に合っているようには感じられない。
ア・ブラ・カダ・ブラ(2024.10.11)
平成6年,詞:米米CLUB,曲:米米CLUB,唄:米米CLUB
「ア・ブラ・カダ・ブラ 君よ 俺色に染まれ ア・ブラ・カダ・ブラ 恋よ 愛色に変われ」と始まる。
「ア・ブラ・カダ・ブラ」はマジック・ショーなどいろんなところで広く使われている呪文。元はアラム語(シリア・メソポタミア辺りで使われた)らしい。
「なぜに俺たちは出逢い ここでこうしているのか 考えてみて欲しい 別に他の誰かを 好きになっていてもいいのに」などと呪文で煙に巻くような歌。
IT’S ONLY LOVE(2021.2.9)
平成6年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治
「恋人にはもどらない 僕は僕のものになって 好きな夢を見てる」と始まる。
「きっと自由なんだ」と思っているのに「なぜだろう 胸の痛み」などと自分自身の思いが良く解っていないようだ。それでも次第に自分の心の底に気付く。
「忘れたはずさ」「忘れたいよ」と言いながら結局「あふれる涙は IT’S ONLY LOVE」と終わる。
曲調は最後の「あふれる涙」というより,「きっと自由なんだ」と勘違いしている雰囲気での曲調で,自分の気持ちに戸惑いがあるようだが哀しみに打ちひしがれているという雰囲気の曲調ではない。
innocent world(2020.8.21)
平成6年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children
「黄昏の街を背に 抱き合えたあの頃が」と始まる。
心に訴えかけるというより,頭に働きかけてくるような歌。何回も歌詞を読み返し,ようやくこういうことが言いたいのだろうかということが想像できるような詞。その理解も正しいという確信は持てない。
「軽はずみな言葉」というのはイメージしやすい。その結果が今の状態というのも解りやすい。しかし,そこから先が解らない。タイトルにもあるが,「イノセント ワールド」というのがキーワードなのだろうと思うが具体的なイメージができない。
平成の歌に解りにくい歌が多いのは,このように実態がよくわからない言葉が使われていたり,僕と君の関係等,自他の区別が明確に書き分けられていない詞が多いというのが理由ではないか。「いつも帳尻 合わせる」のは僕なのか君なのか?
WINTER SONG(2021.9.24)
平成6年,詞:MIWA YOSHIDA・MIKE PELA,曲:MIWA YOSHIDA・MASATO NAKAMURA,唄:DREAMS COME TRUE
「The dusk is gaining ground, lights flicker all around」と始まる。
英語の歌詞なので私には理解困難だ。理解できないから共感も感動もない。歌声を楽器のひとつだと思って聴くと悪くはない。
永遠の夢に向かって(2023.8.7)
平成6年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,唄:大黒摩季
「流行(はやり)の ビデオ見て 話題の場所に行って 部屋に戻れば淋しくて長電話」と始まる。
「大人になったら… あーしたい こーしたい ふと思いだしたりして それと現実のギャップ考えて たった一度の人生なのに いたたまれなくなる ただ何度も『これじゃいけない…。』」とここまでならそう珍しいことではない。しかし「死んでもいいと思えるような 何かに向かってツッ走りたい」となると大丈夫かと思い始める。最後は「永遠の夢に向かって全てを捨てよう」とまで言っている。
このような若者は最近減ったように思う。それがいいことなのかどうかは私には解らない。
TBS系『COUNT DOWN TV』のオープニングテーマとして使われた。
everybody goes-秩序のない現代にドロップキック-(2021.10.24)
平成6年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿・小林武史,唄:Mr. Children
「複雑に混ん絡がった社会だ 組織の中で ガンバレ サラリーマン」と始まる。とはいえ,「知識と教養と名刺を武器に あなたが支える 明日の日本」と続くと皮肉としか聞こえない。
「“教育ママ”と 近所に呼ばれても 結構 家庭円満な この18年間」と思ってはいるが「娘は学校 フケて デートクラブ で,家に帰るりゃ また おりこうさん 可憐な少女 演じてる」「皆 病んでる」といいたいのだろうか。それとも最後の「必死で生きてる」により重点がかかっているのだろうか。
桜井の詞はどうも素直じゃない印象を受ける。
OH MY LITTLE GIRL(2021.6.5)
平成6年,詞:尾崎豊,曲:尾崎豊,唄:尾崎豊
「こんなにも騒がしい街並に たたずむ君は とても小さく」と始まる。
元歌は昭和58年のデビューアルバム『十七歳の地図』に収録されている。尾崎は平成4年に26歳で亡くなったが,この曲は没後シングル発売された。フジテレビ系ドラマ『この世の果て』の主題歌に採用され,尾崎唯一のミリオンシングルとなる。
「冷たい風が 二人の躰すり抜け」というのが何かを暗示するようでもあるが,すぐに「いつまでも いつまでも 離れられなくさせるよ」と続くラブソングだ。「こんなにも愛してる」としか言えないようだが,
子曰巧言令色鮮矣仁。悪くない。
がんばりましょう(2023.10.16)
平成6年,詞:小倉めぐみ,曲:庄野賢一,唄:SMAP
「かっこいいゴールなんてさ あっとゆーまにおしまい 星はひゅるっと消えていた また別の朝だった」とはじまる。
「東京タワーで昔 見かけたみやげ物に はりついてた言葉は 『努力』と『根性』」。うーん昭和的。なぜこのようなフレーズが入れられているかというと,「努力」や「根性」は昭和的で古くてダサイと思われている平成だが,やはり「努力」も「根性」必要だと思っているからだろう。最後は「かっこわるい 毎日をがんばりましょう」と終わる。『頑張れ』ではなく「がんばりましょう」というのが平成らしい。
フジテレビ系『なるほどザ・ワールド』テーマソング。フジテレビ系『夢がMORI MORI』テーマソング。春の選抜高校野球’95 入場曲。
君だけを見ていた(2024.6.15)
平成6年,詞:高島秀直・岡田浩暉・後藤友輔,曲:後藤友輔,唄:To Be Continued
「冷たい雨が君の頬で涙に変わる 黙って君は僕の胸に顔をしずめた」と始まる。
「言葉足らずの僕の愛は いつでも君のやさしさを 傷つけてしまうけど…」という自覚はあるようだが,結局は「君だけを見ていた」「ずっとそばにいるよ」を繰り返しているだけの歌。それだけ想いは伝わってくるが,やや自己中心的な臭いもするのが平成風なのか。
TBS系テレビドラマ『もしも願いが叶うなら』(中山美穂,浜田雅功)挿入歌・
恋しさとせつなさと心強さと(2020.9.2)
平成6年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:篠原涼子with t.komuro
「恋しさとせつなさと心強さと いつも感じている」と始まる。
「あやまちはおそれずに進むあなたを 涙は見せないで見つめていたいよ」と終わるのだが,同じフレーズが前にも出てくるのでこれがメイン・テーマだろう。
平成の歌らしく,十分には理解できない。小室は私より10歳ほど下,完全な別世代だがそれでも昭和の時代も生きているせいか,昭和の香もかすかに残っている。個々のフレーズはそれなりに理解できるのだが,全体として私に訴えかける点がぼやけている。世代ギャップというべきか私が耄碌しただけなのか。
恋人たちのクリスマス(2023.2.15)
平成6年,詞・曲:マライア・キャリー,ウォルター・アファナシェフ,唄:マライア・キャリー
「I don’t want a lot for Christmas, There is just one thing I deed, I don’t care about the presents Underneath the Christmas tree. I just want you for my own.」と始まり,全体としての内容もほぼこれに尽きる。平易な英語の詞だ。とはいっても私のリスニング力では何度も何度も聞き返さないと判らないが。
原タイトルは「All I Want for Christmas Is You」。
この愛に泳ぎ疲れても(2022.5.26)
平成6年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD
「この愛に泳ぎ疲れても もう引き返さない たどりつく日まで」と始まる。
「あなたとの運命 感じた 傷ついてもいい… 愛したい」というラブソングで,美しい坂井の声を生かすメロディーになっていると感じる。
関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『愛と疑惑のサスペンス』オープニングテーマ。
こんなにそばに居るのに(2023.1.11)
平成6年,詞:坂井泉水,曲:栗林誠一郎,唄:ZARD
「Summer night 何台も車見送って 途切れた隙に Good night kiss」と始まる。
「こんなにそばに居るのに」と何度も繰り返されているので,そばには居るのだろうが,「今は まるで迷い道の中 二人は出口 探してる」とか「友達より遠くに感じるのよ」などと心が通い合ってるとは言い難い状況のようだ。
「離れていく心」を感じ,「この手を 放さないで この愛 つかまえていて」との思いを募らせている歌。
survival dAnce〜no no cry more〜(2020.11.26)
平成6年,詞;小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:trf
「no no cry more 泣かない 想い出作ったら?」と始まる。trfはこの曲から5作連続でミリオンセールを達成とか。年寄りにはついて行けないが,若者には人気があったのだろう。この曲はフジテレビ系ドラマ『17才-at seventeen-』の主題歌。
歌詞は聞こえるような気がするのだが,解らない。「この夏こそは」「この夜こそは」「この夢こそは」「この恋こそは」など聞きとれてもそのあと想像がつかなくはないがその後が解らない。「このチャンスだけ逃したくないよ」ということなのだろうか。これだとあまりにも単純過ぎるのではないか。他の箇所も「yeh yeh」とか「wow wow」とか言っているだけで訳が分からない。恐らく若者はこれらから何かを感じ取るのだろう。
世代が変わったことを強く感じる。
しようよ(2024.7.20)
平成6年,詞:森浩美,曲:Jimmy Johnson,唄:SMAP
「この頃さ すこしずつ君とうまくいかない 理由(わけ)は何だろう?」と始まる。
タイトルには「しようよ」とだけあり、何をしようとしているのか不明だが,歌詞の中には「話をしようよ」と何度も出て来るので,「話をしようよ」ということなのだろう。
「忙しくなってろくに話す暇さえ なくなったなんて嘘だろう?」「なんとなく 分った顔しないでさ もういちど ふたり出会ったときみたい 正直に とにかく何でも気づいたら 話しをしようよ」というわけだ。
最後は,「僕はただ君のことやっまり好きで好きで… 君はどうなんだろう? もし僕と同じなら今から二人もっと 話しをしようよ」と終わる。
一旦こじれた後では話し合いも難しいかもしれない。まあ,SMAPはこの歌を唄うには明るすぎるようナ気がする。このお気楽ハイテンションがすれ違いの原因かもしれない。
白いGradation(2025.3.3)
平成6年,詞:大黒摩季,曲:大黒摩季,唄:大黒摩季
「好きだから もう追いかけない あの頃のような私には戻らない だから」と始まる。
「予告無しにおしかけて 部屋中眺めて安心したジェラシー あなたが言ってた『愛してる。』は 猜疑心から逃れたい 悲しい嘘だった」と過去の状況も自身で十分理解しているようだ。本心は今も「そばにいたい」。
「にじむ Gradation」。「Gradation」の意味が良く理解できないのが残念だが,相反する二つの気持ちが混ざり合っているというような意味なのだろうか。タイトルに「白い」がついているということはどのような意味なのだろう。
シングル・ベッド(2021.11.24)
平成6年,詞:つんく,曲:はたけ,唄:シャ乱Q
「流行の唄も歌えなくて ダサイはずのこの俺 おまえと離れ 一年が過ぎ いい男性(おとこ)になったつもりが」と始まる。
「恋は石ころよりも あふれてると思ってた なのにダイヤモンドより 見つけられない」と,シングルベッドで笑いあっていた頃を思い出している。
「あの頃にもどれるなら お前を離さない」と言っているが,失ってから気づく,戻れないのが人生だ。
純愛ラプソディ(2022.4.22)
平成6年,詞:竹内まりや,曲:竹内まりや,唄:竹内まりや
「明るいだけが取り柄でも 私だって命がけの恋に憧れることがある」と始まる。
「平凡を生きてきた」私だけれど「あなたとの出会いの日を境にして すべてが輝き始めて」とハッピー・ソングかと思えば,「飛び込んだぬくもりは他の誰かのものだけど」と穏やかでないフレーズ。
「あなたの心奪うのは ルール違反でしょうか 遅すぎためぐり逢いを悔やみながら」周囲を見ては「片づいてゆく仲間たちに ため息」。ルール違反に進む道もあっただろうが竹内は踏みとどまり「さよならが永遠の絆に変わることもある」などと悟りの境地か。それでも最後に「So, I sing this rhapsody for you」と終わるのは周囲の耳目を憚っての想いの吐露なのだろう。
日本テレビ系のドラマ『出逢った頃の君でいて』(陣内孝則,酒井法子)の主題歌。原作は内舘牧子の漫画。
SPY(2022.10.13)
平成6年,詞:槇原敬之,曲:槇原敬之,唄;槇原敬之
「おあずけになったデートに がっかりしていたけど」と始まる。
ストーリーが全て歌詞中に表されており,解り易い歌。
デートをキャンセルし,「おめかしと言うよりちょっと 変装に近い服で」なので「跡をつけてみよう」・・・。「真実を知ることが こんなにつらいなら 僕は スパイになんかなれない」「どうか信じさせて」という歌。
関係者の秘密なんか知るとろくなことはない。
TBS系ドラマ『男嫌い』(菊池桃子)の主題歌。このドラマは昭和38年の同タイトルのテレビドラマ(越路吹雪)のリメイク。
世界が終わるまでには(2021.1.19)
平成6年,詞:上杉昇,曲:織田哲郎,唄:WANDS
「大都会に 僕はもう一人で 投げ捨てられた 空きカンのようだ」と始まる。
難しい内容の歌詞が粗雑な言葉で書かれているので解らない。粗雑なのは私の頭かもしれないが。粗雑という意味は,例えば「空きカンのようだ」とあり,これが比喩なのは解るが謎かけのようにその心を示してくれないと,私のように鈍い頭にはどうして「空きカン」なのかが解らない。
「互いの全てを 知りつくすまでが 愛ならば いっそ 永久(とわ)に眠ろうか・・・」というのも解らない。「いっそ」と一言で片づけているが条件節と帰結節の関係が解らない。知り尽くすことなどできないからいっそ死んだ方がいいという解釈しか私にはできないのだが,それが後段とどのように繋がっているのだろう。
歌詞の他の部分も小難しく,作詞者の頭の中の言葉が並んでいるように感じる。昭和の歌の多くは作詞者の心の中の言葉が並んでいたように思うのだが。
最後は「このTragedy Night」と終わる。何が言いたいのか解らないこの一言,私の心には全く響かない。
テレビ朝日系アニメ『SLAM DUNK』の第2期エンディングテーマとして使われた。
空と君のあいだに(2020.10.10)
平成6年,詞:中島みゆき,曲:中島みゆき,唄:中島みゆき
「君が涙のときには 僕はポプラの枝になる」と始まる。
最初の比喩から解らない。中島みゆきなら昭和のデビュー当時たくさん聴いたので解るだろうと思うのだが解らない。実はタイトルすら何が言いたいのかよく解らない。私が時代について行けないというより,老化により私の精神が硬直したのかもしれない。
あちらこちらに解らない箇所が点在するが,さすが昭和時代から活躍している中島みゆき,全体としては解った気になれる。「ここにいるよ 愛はまだ」と言いたいのだろう。しかし,この思いが相手に伝わらないから,このような歌ができるのだろう。
空も飛べるはず(2020.12.14)
平成6年,詞:草野正宗,曲:草野正宗,唄:スピッツ
「幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて」と始まる。
このあたり,よく解らないのだが,フラストレーションが溜まっている感触がある。ところが突然「君と出会った奇跡が この胸にあふれてる」となり,「きっと今は自由に空も飛べるはず」と舞い上がっている。落ち込んでいるのをみるより舞い上がっているのを見る方が心に負担は生じないが,舞い上がってばかりでは心配になってしまう。
きちんと足を大地に着けて,明日へ向かって歩んで欲しい。
SORRY BABY(2021.3.2)
平成6年,詞:SION・OKAMOTO,曲:SION,唄:福山雅治
「SORRY BABY 誰かさんみたいに 俺に明日見えないから」と始まる。
「軽いことばに あいそつきても それにかわる顔がない」は自分のことを言っているのだろう。「それにかわる顔がない」なんて開き直っているとしか感じられない。
「車道には誰かが棄てた ララバイ溢れてる」とあるが何のことか解らない。「ララバイ」を別れに関係した言葉であるかのように誤用しているのではないかとも感じる。
結局,明日が見えないから約束できないなどと誠実そうにみせかけた無責任男の歌。
ただ泣きたくなるの(2021.7.2)
平成6年,詞:国分友里恵・中山美穂,曲:岩本正樹,唄:中山美穂
「あなたの部屋の前 座りこんだら なんて静かなの」と始まる。
「ぬくもりをあげたい 忙しい あなたへ・・・」なんて言ってるが,「忙しい」というのは彼の口実ではないかなどとは考えないのだろうか。
「次々に友達 結婚してく」などという感情は昭和の末期以降次第に薄れていったと思ったが,まだこの頃はこの感情が残っていたのだろう。何となく焦りがあるように感じる。
「昼も夜も ずっと・・・逢いたい」,「叶えたい願いは 扉をあけたい 忙しい 二人で・・・」という訳だが,焦りの結果でなければいいのだが。
たぶんオーライ(2024.4.7)
平成6年,詞:小倉めぐみ,曲:庄野賢一,唄:SMAP
「余計な仕事おしつけられて あんのじょうミスが山積み そりゃまぁ 申し訳ないですけど Uh Yeah Yeah Yeah」と始まる。
「GROOVIN’ BABY たぶんオーライ それでここまで来たんです 人生 たぶんオーライ ジタバタしながらいきましょう Yeah」と昭和でいえば植木等,グループだからクレージー・キャッツ1)というところか。まあ,青島の詞と比べれば小倉の詞は普通人の詞だが。
曲はそれなりにというところか。ジャニーズ事務所のタレントはもともと歌手というよりアイドル路線だった印象があるが,それでもフォーリーブスなどは歌手の要素が強かった。初期の個人アイドルでは郷ひろみ,田原俊彦,近藤真彦など歌手路線を目指していたのだろう。グループではシブがき隊,少年隊,光GENJIなど,歌からステージ・パフォーマンスに重心が移り,どんどんアイドル化していった。その後のSMAPだが,アイドル路線からさらに活動範囲を広げ,マルチ・タレント化していった。TOKIO,V6,KinKi Kids,嵐などは歌手よりはマルチ・タレント アイドルとでもいうのだろう。SMAPはジャニーズ事務所のマルチタレント化への分水嶺だ。
歌は「人生 されどオーライ 楽ありゃ雲あるもんです Yeah 大丈夫 たぶんオーライ ジタバタしながらいきましょう Yeah」と終わる。
フジテレビ系バラエティ『夢がMORI MORI』(森脇健児,森口博子,SMAPほか)主題歌。
1) ハナ肇とクレージーキャッツ:渡辺プロダクション(ナベプロ)2)の初期タレント。クレージーキャッツのボーカル・ギター担当の植木等が唄った青島幸男(元参議院議員,元東京都知事)作詞の『スーダラ節』(昭和36年)などの無責任男シリーズの歌がある。
2) 渡辺プロダクション:歌手は(ほぼ)全てレコード会社専属だった時代に,自社所属のタレントに歌を唄わせた芸能プロダクション。初期の在籍者はハナ肇とクレイジーキャッツ,ザ・ピーナッツら。その後,中尾ミエ,伊東ゆかり,園まり,ザ・ドリフターズ,沢田研二,布施明,森進一,小柳ルミ子,天地真理,キャンディーズ等多くのスターが在籍した。
DA. YO. NE(2022.9.7)
平成6年,詞:GAKU, Mummy-D,曲:YOGGY,唄:EAST END×YURI
「だよね 言うっきゃないかもね そんな時ならね」
私が以前から知っている歌ではない。Wikipediaではヒップホップと書いてあるのでそうなのだろう。しかし歌詞の中に「オレってRAPPERちゃん」とあるので,ラップかもしれない。ラップならば韻を踏むんじゃないかと思うが韻は意識していないようだ。
私はこのような曲を好まないが,考えてみれば私も十代の頃,新たに登場したエレキギターなどに心が魅かれたことがある。平成末期でも電車の中で若者集団が大声で話し,時々大声で馬鹿笑いしている。酒に酔えば声も大きくなるが,若者は素面でも大声で笑う。そういえば私自身も十代末期ごろ電車で大声で話し馬鹿笑いした記憶がある。今思えば仲間と聴衆を意識していたのだろう。
ということで,私の好みではないが若い人は好むのだろう。若者の好みと老人の好みは違うのが普通なのかもしれない。
冷たいキス(2025.1.12)
平成6年,詞:秋元康,曲:ICE BOX,唄:ICE BOX
「キスが冷たいよ いつもと違うよ 何かあるのなら ねぇ はっきり言いなよ」と始まる。
「何を拗ねてるの? 氷のままで いつまでいるつもり? どうするの? ねぇ どうしたいの?」という歌で,どうしてこうなったかは不明だが現状は解る歌。
Tomorrow never knows(2020.11.10)
平成6年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children
「とどまる事を知らない時間の中で」と始まる。
世代の差なのだろうが,どうも人生の見え方が違うようだ。
「無邪気に人を裏切れる程」とあるが,昭和世代は無邪気には裏切れない。
「償うことさえできずに」とあるのは償うべきだという思いが無いわけではないのだろう。しかし償うことなく「孤独なレースは続いてく」と感じているらしい。チームメートはいないのだろうか。
「人は悲しいぐらい忘れてゆく生きもの」とあるが「忘れえずして忘却を誓う心の悲しさよ」というのが昭和世代だろう。実際には忘れるというのも忘れられないというのも両方あるのだろうが,注目するのが忘れるほうなのか忘れられないほうなのかの違いだ。しかし,なぜこのような違いが生じるのだろう。
「誰かの為に生きてみても」とあり,このあとこの世代の本音が聞けるのかとおもうと「oh oh Tomorrow never knows」と理解できないフレーズだ。平成世代はこの「みても」と続く英文の意味がすんなり理解できるのだろうか。
「優しさだけじゃ生きられない」とは昭和世代も知ってはいたが,こんなに開き直ることはなかったと思う。同じ人生を見ても視点が違うのだ。唄をボーッと聞いていると聞き取れないのも当然かも知れない。
Tomorrow never knows(2022.3.20)
平成6年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children
「とどまる事を知らない時間(とき)の中で」と始まる。
詞には「何もかもを欲しがっていた 分かり合えた友の愛した女でさえも」というフレーズがあるが,過去の話だ。「償うことさえできずに」いるけど「人は悲しいぐらい忘れてゆく生きもの」と達観しているのかもしれないが,それよりは開き直っているという感じだろう。
最後は「心のまま僕はゆくのさ 誰も知ることのない明日へ」と終わる。
平成の歌というより,ミスチルの歌という印象だ。
Don’t Leave Me(2020.9.27)
平成6年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「惜しくない 君を失っても」と始まる。
この曲の世界に入り込むには当時の私は歳を取りすぎていた。もちろん今はなおさらだ。加齢と共に耳のダイナミック・レンジが減少し,小さい音は聞こえず,大きい音はうるさいと感じるようになる。十代の私なら対応できただろうが。
詞を聴く歌なのかどうかはよく解らないが,「DON’T LEAVE ME」が何度も繰り返されているのでこれが主テーマだろう。この英語の正確な意味は知らないが,他の箇所では「君の代わりは」いないと言っているようなので,恐らくは別れの後の悲しさ・淋しさの歌なのだろう。これなら昭和はもちろん,おそらくは何世紀も前からある感情の一つだ。詞を読んで,想像ではこのような意味だろうと想像はするのだが,文節の並びは倒置などの修辞が使われているのではないかと思われ,聴いただけでは理解できない。
感情は慣れ親しんだものだが,これをこのような曲にのせるのは私には馴染がないので戸惑う。当時の若者はこの曲で感情移入できたのだろうか。あるいは曲に感情移入するのは古いのだろうか。
NATURAL(2021.5.11)
平成6年,詞:飛鳥涼,曲:CHAGE・村上啓介,唄:CHAGE and ASKA
「愛しているのか迷っても 一緒に居たいのは解る 解る」と始まる。
詞はよく解らないが。
例えば「夢よりは近くの恋をしたいけれど 恋より棘のない夢もいい」など,雰囲気は感じ取れなくはないが正確には何が言いたいのか理解できない。
どのフレーズも正確な意味は不明だが「愛し合えば合うほど 意地悪になってゆく」などの繰り返されているフレーズは重要なフレーズなのだろう。これも気分は感じとれるのだが。
感情の歌なのに,論理的に説明しようとしてしきれず,感情だけが何となく伝わってくる。それがねらいなのかも知れないが。
夏が来る(2021.12.27)
平成6年,詞:大黒摩季,曲;大黒摩季,唄:大黒摩季
「近頃 周りが騒がしい 結婚するとかしないとか…」と始まる。
「心配されるほど意地になる」そうだ。昭和では周囲の心配に自分も気になっていったのだろうが,平成では心配されることがお気に召さないようだ。もう少し後になると周囲は(心の中では心配しても)その心配を口に出さなくなる。
「私が好きになるぐらいの 男には当然 目ざとい誰かいて」というのは正しい。私の職場に若い男性が多数いることを知っている(娘を持つ)私の友人が,誰かいい人を紹介してほしいなどという話が少なからずあったが,希望にかないそうな男は紹介するには時すでに遅しというケースが多かった。
それでも「夏が来る きっと夏は来る 真っ白な馬に乗った王子様が」などと希望を抱いてしまう。ここで『きっと夏は来る』と言っているのは現在が冬ではなく春だと思っているからだろう。
「運命の人だと思っても 経験が邪魔して素直になれない」
意地を張らずにほんの少し理想を下げるだけでいいのに。逃がした魚より大きな魚は二度と来ないのが普通だから。春を楽しんでいると気が付いた時には秋だぞというのが外野からのアドバイスだ。大きなお世話か。
夏を抱きしめて(2022.2.16)
平成6年,詞:前田亘輝,曲:春畑道哉,唄:TUBE
「夜も眠れないほど 胸をしめつける想い」と始まる。
「この恋信じて せつなく青い夏を抱きしめて 辿り着きたい 幸せへと」「この気持ちは止められない 好きだよ」などと恋心全開のラブソングだ。
恋人未満の気になる相手を含むグループでカラオケに行く約束なんかができていたら,練習していって,気になる相手を見つめながら歌おうと意気込んでカラオケに向かいそうな歌。ただし,唄の上手い男に先に唄われてしまうと,二度とカラオケなんかにいかないとその時は思うが,その思いはすぐにわす;れて,またカラオケに行くのだろう。
No.1 Girl(2024.3.3)
平成6年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「アイツはいつでも 身軽なStray Cat やけに笑顔ふりまくSo Crazy 世間知らずだと 思わせ振りな 態度 俺の心くすぐるぜ」と始まる。
「No.1 Girl リアルな魅力 得意のくちびるで バラに溶けてゆく」とは何のことか解らないが,「心をのぞかせろ イラつくけれど So My Baby 勝利は譲るぜ」と既に負けていることは確かのようだ。
このような口調で負けを認めるのは私の感性に合わない。
人魚(2023.9.11)
平成6年,詞:NOKKO,曲:筒美京平,唄:NOKKO
「アカシアの雨にうたれて 泣いてた 春風の中で月が登るまで その笑顔をしぐさをいとしくて」と始まる。
「見つめあう時は 高波のように そばにいるだけで 自分を忘れた その激しさ その声 その畝が 消えてしまった 抱いて抱いて抱いて」と激しい歌詞だが曲は優しい。優しい楽曲のなかでも激しい高まりが表現されており流石筒美。
フジテレビ系ドラマ『時をかける少女』(内田有紀,袴田吉彦,河相我聞,鈴木蘭々,安室奈美恵,菅野美穂ほか)主題歌。
ドラマで内田の妹を演じた安室のカバーをはじめ,恐らく30人以上の歌手によりカバーされている。
HEART(2021.4.16)
平成6年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE and ASKA
「振り向かなくても 何処かで愛していたはずさ」と始まる。
歌詞を見ながらでないと何と唄っているのか聞き取れない程理解しずらい歌。フレーズ間の関係が私には解らない。たとえば「貨物船のように運ばれる街ですれ違う 言葉の船底をこする思いで語り合う」というフレーズ,主述・修飾被修飾等の関係がさっぱりわからない。
「汚れたなら 恋や夢で洗い流せるらしい」と二回でてくるので,これはタイトルの「HEART」と深い関係があるのだろう。この歌全体が「HEART」を唄っているのかもしれないが,そうだとすると「壊れたなら 恋や夢のかけらだってあるらしい」というのはBroken Heartのことなのか。歌なのだから頭から順にフレーズを聞いて理解できるように書いて欲しいものだ。他の箇所と「HEART」の関係は想像すらつかない。
春よ,来い(2024.1.27)
平成6年,詞:松任谷由実,曲:松任谷由実,唄:松任谷由実
「淡き光立つ 俄雨 いとし面影の沈丁花 溢るる涙の蕾から ひとつ ひとつ香り始める」と始まる。
「春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに 愛をくれし君の なつかしき声がする」という歌。
「君に預けし 我が心は 今でも返事を待っています どれほど月日が流れても ずっと ずっと待っています」と昭和的な曲。この後「春よ」で始まるフレーズが何度も登場し,耳に残る。
ユーミンの曲を初めて聞いた時には違和感満載だったが,今となっては違和感どころか,初めて聴く歌でも昭和的に感じ,懐かしくなる。
NHK連続テレビ小説『春よ,来い』(安田成美,中田喜子)主題歌。
Hello, my friend(2020.10.25)
平成6年,詞:松任谷由実,曲:松任谷由実,唄:松任谷由実
「Hello, my friend 君に恋した夏があったね」と始まる。
「淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ 離れても 胸の奥の 友達でいさせて」という歌。
昭和の歌ならこの「君」とは「友達」以上の関係だったのではないか。平成の時代が「友達」と呼ばせたような気がする。
唄はお馴染みユーミン。昭和の頃から少し変わった気もするが,本質的には同じユーミンで平成の歌の中では非常に聴きやすい。
話は変わるが,この年,大江健三郎がノーベル文学賞を受賞している。私にはどこが受賞に値するのか解らない。私には川端康成や三島由紀夫のほうが解りやすい。
VIRGIN BEAT(2024.9.3)
平成6年,詞:松井五郎,曲:氷室京介,唄:氷室京介
「VIRGIN BEAT HIGHER AND HIGHER VIRGIN BEAT HIGHER AND HIGHER」と始まる。
昔の松井の詞はもっと解り易かったが,この詞になるともう私には理解不能だ。「もうすぐこの胸はJUST ON TIME」。いったいどういう意味なのだろう。「褪めた欲望じゃ 燃えつきやしない 孤独に砕かれる」
曲は典型的なロックだと思うのだがWikipediaにはJ-POPとある。どれもこれもJ-POPと言っておけば間違いないということか。
いずれにせよ,私の時代は過ぎ去ったのだ。
瞳そらさないで(2021.7.30)
平成6年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:DEEN
「いつも この時間は家(うち)に居たのに・・・ 最近君は 留守がちだね」と始まる。
「まだ 君の中に 僕がどれくらい居るのか 確かめてみたいんだ」というのは危険な兆候だ。「“約束だから海に来た”って感じが 一緒に居るのに淋しいよ」などと感じられるようになってはほとんど終わりだ。
最後のフレーズとして「いつまでも 君がそばに居てくれると 信じてる」などといってもこのようなことを言うこと自体信じていないということだろう。信じたい気持ちは解るが以前の状態には戻れないだろう。
曲や唄は一般論としては嫌いな方ではないが,私にはこの詞とのマッチングが良いとは感じられない。詞を読むとこの「僕」に同情したくなるが,この曲に載せた唄は自己中心的に聞え,この結果は自業自得だという印象を受けてしまう。
ひとり酒(2025.6.2)
平成6年,詞:たかたかし,曲:水森英夫,唄:伍代夏子
「あなたと肩を並べて飲んだ お酒が恋しい 雨降る路地は」と始まる。
「チビリチビリ チビリチビリ… 夜の居酒屋 ひとり酒」との最後のフレーズで状況の映像が手に取るように判る典型的な昭和演歌。頭を使わずに聴いていられるのところが良い。
ファイト(2020.9.15)
平成6年,詞:中島みゆき,曲:中島みゆき,唄:中島みゆき
「あたし中卒やからね」と始まる。
社会の不条理に対し戦えとアジる歌のようだ。自分に関しては「恐くて逃げました 私の敵は 私です」などとあり,自分が先頭に立って戦う気は無いようだが,それでも「ファイト!」とけし掛ける。
初期の中島の詞には屈折した詞が少なくなかったように思う。しかし,レコードが売れ,次第に心の屈折が伸びて行き,曲調もこれに合わせて明るくなってきたように感じていた。
しかし,この歌は暗さを取り戻している。心の屈折はやや伸びているようだが。
おそらくは中島なりの応援歌なのだろう。
WHEREVER YOU ARE(2024.11.22)
平成6年,詞:吉田美和,Mike Pela,曲:中村正人,唄:DREAMS COME TRUE 未
「Wherever you are, I’ll touch your heart With a song I can reach into your heart」と始まる。全て英語の歌詞なので私には手に負えない。幸い,「いつもいつでも〜WHEREVER YOU ARE”DELICIOUS” VERSION」という吉田作詞の日本語バージョンがある。英語版とは歌詞の内容が違うようだが。
日本語詞だと「8月の天気雨 走るあなたの耳たぶに まるでピアスみたいな雫」と始まる。「離れていても 心の中で 動くあなたに会える」とか「離れていても 心の声が あなたに届く」などは英語詞と通じ合うものがあるようだが,英語と日本語の発想が異なるからか,英語詞と日本語詞で重なる箇所は私にはあまり感じられない。また,日本語のアクセントや音の長さなどの特徴とメロディーがマッチしているとは感じられず,私が普段使わない単語も使われているようで,日本語バージョンでも私には聞き取りにくい。世代の違いをしみじみと感じる。
TBS系ドラマ『長男の嫁』(浅野ゆう子,野際陽子,石田純一ほか)主題歌。東宝映画『7月7日,晴れ』(観月ありさ,萩原聖人)挿入歌。
Boy(2022.8.5)
平成6年,詞:坂井泉水,曲:栗林誠一郎,唄;ZARD
「Boy 今でも 初めてキスを交わした あの日を憶えてる? 夜更けの静けさを」と始まる。
「“愛している”と言葉にすれば 嘘になる様な気がして」いるが「疲れた時は 何も言わずに そっと抱きしめてあげたい」と,燃え上がる恋情とはちがう深い愛,優しさに満ちた詞。曲もこの詞がよく聞こえるように作られており,ZARDの曲は平成の曲の中でも昭和のテイストが残っている。
読売テレビ制作映画『夏の庭 The Friends』(三國連太郎)エンディングテーマ。
Boy meets Girl(2020.12.31)
平成6年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:trf
「Boy meets Girl それぞれの あふれる想いにきらめきと 瞬間を見つけてる」というように始まる。何となく英文法でいうSVOの構文のようだが,Sがどれか解らない。主格を表す格助詞が見つからない。日本語では主語が省略される場合が少なくないが,それは文脈から自明の場合だ。今の場合自明とは思えない。Vは「見つけてる」だろうがOは何だろう。「あふれる想いに」というのは何をどのように修飾しているのだろう。
最初のフレーズはもう少し続くのだが,もうこの最初から理解できない。もちろん,これらに続く歌詞も理解できない。
「あなたとあの日 出逢えた」のだろうと解釈はするが,どうもこれが主題とは感じられない。唄を聴いて理解できないだけでなく,歌詞を読んでも解らない。
歌声は爽やかで,外国語のようになにを言っているか解らなければ爽やかな音として聴けばよいのだろうが,なまじ歌詞が良く聞こえ,知っている言葉が並んでいる印象を受けるのに意味が解らない。聴いているとストレスを感じる。
マリア(2023.7.3)
平成6年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「泣かないで僕のマリア 抱きしめる君の肩に こんなにも悲しく 時間(とき)が流れて」が主要メッセージだろう。
ゆっくり唄っていて,歌詞は良く聞き取れるのだが,意味が頭に定着しない。「Don’t you believe 嘘は 何ひとつないけれど 君の心の色 にじませた 罪だけがただ苦い」と突然言われても,私は普段このような言葉遣いをしないので,意味を把握するのにかなり時間がかかり,なおかつ私の理解が正しいかどうか自信が持てない。
「すれ違うおもいに」とあり,これには気づいているのだろう。「すれ違うおもい」と「罪」とはどういう関係なのだろう。
最後は「ありのままに ただ 愛してただけ 心から今 君に 伝えたたい」と終わるが,一方的に自分の思いを伝えるだけではなく,何らかの反省が必要なのではと想像してしまう。
Miss You(2022.12.7)
平成6年,詞:岩里祐穂,曲:布袋寅泰,唄:今井美樹
「夢のような気持になる 愛しさの中で私を包むあなたの瞳」と始まる。
「想い出は輝く 失った季節の中で」と想い出はどんどん美しくなっていく。しかし「もう二度と会えない」「I Miss You」。
「どうして終わらせたのだろう」とあるので意識して関係を終わらせたのだろう。ここが平成っぽい。昭和なら外的要因によって無理やり終わらせられたり,自分の心の声に気づく前に別れ,別れた後で恋しくなったりしたのだろうが。
めぐり逢い(2023.3.22)
平成6年,詞:飛鳥涼,曲:飛鳥涼,唄:CHAGE & ASKA
「この願い 誰かこの願い いつまでも 鍵が掛からない」と始まる。
私には詩人の言葉は理解できない。冒頭から意味が解らない。鍵ではなく錠ではないかなどというのではない。ここに登場した「鍵」は何をどうするための物なのか。ここだけではない。全部が解らない。
「恋で泣かした人と 恋で泣かされた人 同じ罪を振り分けてもいいね いいね」。何のことかさっぱりわからない。もうお手上げだ。
フジテレビ系ドラマ『妹よ』(和久井映見,唐沢寿明,岸谷五朗,鶴田真由)主題歌。
MOTEL(2021.8.26)
平成6年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z
「たどりついた小さなベッドの上で僕らは眠る」と始まる。
詞からは,何となく気に入らないという気分だけが伝わる。その原因がわからないので共感するものがない。ひょっとしたら,何が気に入らないのか,作詞者自身でも気づいていないのかも知れない。このような気分は思春期のある時期には珍しくはないが,この歳になっても(B’zが何歳なのかは知らないが)思春期の思いを保ち続けるのがロック魂か。
その思いを発散するのにアンプの力を借りて大音量をだす。大音量でストレス発散もわかるが,自力で出せよ。無法松の祇園太鼓は人力だ。嵐を呼ぶ男の裕次郎のドラムも人力だ。アンプの力を借りるようになったのはベンチャーズあたりからか。
ボーカルも首の上から声が出ているように感じ,甘えたような声と共にこれが歌かと思ってしまう。昭和40年頃,淡谷のり子は『今の若手は歌手ではなく歌屋にすぎない』とか『歌手ではなくカス』などの発言で話題になった。淡谷が存命なら,この歌の評価を聞いてみたいが,B’zは淡谷の評価など眼中にないだろう。時代が違うのだ。平成人は何の違和感もなく彼らの歌を聴くのだろう。B’zの人気は承知している。私が時代について行けなくなったのだろう。
ゆずれない願い(2022.7.1)
平成6年,詞:田村直美,曲:田村直美・石川寛門,唄:田村直美
「止まらない未来を目指して ゆずれない願いをだきしめて」とスローなイントロがあり,続いてテンポアップで「海の色が紅く染まってく 無重力状態」と始まる。と感じるのはイントロにはなかった8ビートのドラムがここからはじまり,ヴォーカルのテンポは変わっていないのにテンポアップしたように感じるのだろう。
歌唱はゆっくりで,歌詞もよく聞き取れるのだが,詞が抽象的で,意味はよくわからない。
例えば,「色褪せない心の地図 光にかざそう」とはどういう意味なのか?
読売テレビ系アニメ『魔法騎士レイアース』のオープニングテーマ。
Rusty
Nail(2023.4.26)
平成6年,詞:YOSHIKI,曲:YOSHIKI,唄:X JAPAN
「記憶のかけらに描いた 薔薇を見つめて 跡切れた想い出重ねる 変わらない夢に Oh Rusty Nail」と始まる。
フジテレビ系で放映された関西テレビ制作のドラマ『君が見えない』(賀来千香子,手塚理美ほか)のオープニングテーマ。
「どれだけ涙を流せば 貴方を忘れられるだろう」という歌。最後は「今も あなたを忘れられなくて」と終わる。
この詞なら,こんなに騒がしい曲にしないほうがいいのではないかというのは素人の感想なのだろう。
ラストソング(2025.4.17)
平成6年,詞:吉岡秀隆,曲:吉岡秀隆,唄:吉岡秀隆
「一人ぼっちで僕はどこまで 歩いてゆけるというのか 背負いきれぬ痛みの数だけ 夢をみてしまうのは何故だろう」と始まる。
昭和末期から平成にかけて発表される曲のテンポがどんどん上がってくるなかで,珍しくスローテンポな曲だ。メロディーも抑揚に乏しく,独特な雰囲気を持った曲だ。「今こうして歌ってる・・・君のために」と言ってはいるが元気が感じられない。私が好きになる要素の乏しい歌。
LOVE(2023.12.24)
平成6年,詞:森友嵐士,曲:森友嵐士,唄:T-BOLAN
「訳もなく 悲しくて オマエにすねた夜 今夜 いつもと違う 俺でいさせてよ 柔らかな まなざしに 少し甘えたい」と始まる。
「今は ただそばにいてほしい LOVE オマエに」という歌。
二人の間というか,個人の思いというか,オーディエンスである第三者には全く関係がない歌。
このような歌を気に入るというのは,自分に歌いかけられていると感じるのだろうか,あるいは自分の気持ちを代弁していると感じるのだろうか。
テレビ朝日系ドラマ『彼と彼女の事情』(時任三郎,柳葉敏郎,とよた真帆,今田耕司,筒井真理子ほか)主題歌。
ロード〜第二章〜(2023.11.19)
平成6年,詞:高橋ジョージ,曲:高橋ジョージ,唄:THE 虎舞竜
「あの日 あの時 君と出逢っていなければ こんなに悲しむ事もなかったと思う」と始まる。 でも逢わなけりゃ もっと不幸だった…。」と始まる。
「『幸せになる…。』と言って実家を出るはずの 朝に君は箱の中 独りぼっちで 花にかこまれ まるでフランス人形」
「約束してた揃いのリング 冷たい指に飾った…。」
「人の列は 君と最後の お別れに来ていたね…。」
このような詞にコメントする能力は私にはない。曲はもっとスローなほうがいいのじゃないかと思うが,これが平成流なのだろう。