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目次

平成9

愛されるより愛したい,愛なんだ,I love you[車を止めて]Wake Me Up! [何だかパッとしない],永遠,ESCAPEEverything(It’s you) [世間知らずだった],硝子の少年,君に逢いたくなったら,CAN YOU CELEBRATE?,口唇,GlassCalling[この声が]Go! Go! Heaven,サーキットの娘,1/3の純情な感情,幸せな結末,The Other Side of Love,スカーレット,STAMINA〜スタミナ〜,セロリ,魂のルフラン,ダイナマイト,出逢った頃のように,とまどい[派手なケンカ]Dreaming I was dreamingDon’t you see!,渚にまつわるエトセトラ,1/2HIGH PRESSUREHOWEVERHow to be a GirlBURN,ひだまりの詩,ひまわり[北へ南へ東へ西へ]BEATFIREBALLFACE For the momenntPRIDEpromiseHate tell a lieWHITE SILENT NIGHTWHITE BREATHWhite Love[果てしない]MajiKoiする5秒前,めざせポケモンマスター,Melty LoveYOU ARE THE ONELiar! Liar!Love is …LOVE IS ALL MUSICRed AngelWanderin’ Destiny

平成10

I HAVE NEVER SEENI for You,青の時代,明日が聴こえる,ALIVEwinter fallwanna Be A Dreammakerever freeAutomaticALL MY TRUE LOVE終わりなき旅,花葬,さまよえる蒼い弾丸,浸食〜lose control,シンデレラ・クリスマス,ジェットコースター・ロマンス,SWEET HEARt MEMORYSTORMsnow dropThere will be love there〜愛のある場所〜,全部だきしめて,SOUL LOVEタイミング〜Timing〜,Time goes byDIVE TO BLUEChildren’s Holiday,つつみ込むように・・・,DESTINY,遠くまで,長い間,ニシエヒガシエ,ノラ,Heart[あきらめなかった]Happy Happy GreetingHONEYHURRY GO ROUNDPowerBE WITH YOU,ピンクスパイダー,Face the changeforbidden loverHOT LIMITHOMEwhite keymy graduation,未来へ,you,誘惑,夜空ノムコウ,ラストチャンス,LOVE AFFAIR〜秘密のデート,ROCKET DIVE,ロマンス

 

愛されるより愛したい(2021.2.27)

平成9年,詞:森浩美,曲:馬飼野康二,唄:KinKi Kids

 「どうだっていいじゃんそんなこと なんだっていいじゃんそんなこと“」と始まる。

 どうも解らない歌だ。タイトルは歌の中でも繰り返されるのでこれがメインテーマだということは解る。しかし,詞にある「泣き顔の天使」や「悲しみの天使」がなにか解らないし,「オトナ」も解らない。これが解らないから「オトナたちが積み重ねてるすべてのもの」が解らないし,「カッコのいい オトナになんてなれないなら」がどういう意味なのかも解らない。

 そもそも「いいじゃん」などとあるので三河の歌かと思ってしまった。『じゃん』『だら』『りん』は代表的な三河弁の語尾だ。しかし歌詞の他の箇所では三河弁の特徴がでているわけではないようだ。まあ「じゃん」が語尾に着く言い方は全国的に広く分布しているらしい。横浜の「じゃん」は文明開化以後,地方から流入したらしく,横浜元祖でないことは確かなようだ。

 

愛なんだ(2025.5.28)

平成9年,詞:松井五郎,曲:玉置浩二,唄:V6

 「風のガードレール 行きたい場所もなく どうしてこんなに 渇いているんだろう」と始まる。

 「孤独なんか なんでもないふりで どうして心は 道に迷うんだろう」などと言ってるうちに「きっと涙も愛なんだ 微笑みもそう愛なんだ」「きっとここから愛なんだ 始めることが愛なんだ 傷つくことを恐れや だめ だめ」と突然悟りを開いたようだ。

 「つよい気持ちでいれば かならずある明日の太陽」などと言われてても,悟りを開けない私はどうしてそんなことが信じられるのだろうと疑問を持ってしまう。

 

I love you(2022.2.13)

平成9年,詞:河村隆一,曲:河村隆一,唄:河村隆一

 「車を止めて 見つめ合う二人 星の囁く 冬の終わりに」と始まる。

 「I love you いつまでも あなただけ Ah 見詰めさせて」

 相手がこの歌を気に入るならそれでいいのではないか。二人の問題で他人が入り込む余地はない。まあ,私はこのような甘ったるい唄い方は好みではないが。

 

Wake Me Up! (2023.1.8)

平成9年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「何だかパッとしない毎日 イマイチ恋もうまくいってないし」と始まる。

 「あゝ生きてるって いい事ばかりじゃきっと味気ないよね」などと悟りの境地に一瞬なろうとしても「ダッシュで行けば いつものに間に合うよ」と心は前向きに変わる。

「夢は遠くても あきらめたくない」「どんな時でも 明日を信じてる」と自分自身に向けた人生の応援歌だ。もちろん唄っている本人だけでなく,聴いている者にも『自分も頑張ろう』と思わせる応援歌になっている。

昭和の人生応援歌というと水前寺清子を思い出すが,平成では人生応援歌もこんな形になるのだ。私が平成の歌についていけないのは仕方ないことなのかもしれない。

 

永遠(2023.12.21)

平成9年,詞:坂井泉水,曲:徳永暁人,唄:ZARD

 「朱(あか)い果実をみたら 私のことを思い出してください あなたの決心が固まったら きらきらとガラスの粉(かけら)になって このまま 消えてしまいまそう 誰も知らない楽園(くに)へ」と始まる。

 ニブい私にはここまででは別れの曲かハッピーソングかの判断すらできない。

 最後は「君と僕との間に 永遠は見えるのかな この門をくぐり抜けると 安らかなその腕にたどりつける また夢を見る日まで」となっており,ハッピーソングなのだろう。幸せの中に時々不安が沸き上がるということか。

 曲としては,坂井の美しい声を生かす曲で,好感が持てる。

 

ESCAPE(2024.7.17)

平成9年,詞:佐々木取,曲:佐々木取,唄:MOON CHILD

 「綱渡りのevery day 過ぎゆく日々の背に 唾吐きすり抜けてrunaway」と始まる。

 残念ながら私の論理では理解できない詩人の詞なので何の感想も持ちようがない。例えば「そう君と秘密を分け合うように」は比喩なのだろうがこのような例えを出されてもこれがこの前の比喩なのかこの後の比喩かさえ私には解らない。

 日本テレビ系ドラマ『FiVE』(ともさかりえ,鈴木紗理奈,篠原ともえ,遠藤久美子,知念里奈,榎本加奈子ほか)主題歌。

 

Everything(It’s you) (2020.12.28)

平成9年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

 「世間知らずだった少年時代から 自分だけを信じてきたけど」と始まる。

 「守るべきものは ただ一つ 君なんだよ」ということがいいたいなら,それだけ言っていればいいではないか。「他人の傷みを 見て見ないふりをして」とか関係ないだろう。「嘘や矛盾を両手に『それも人だよ』と悟れるの?」などと何を気どっているのだ。なぜくどくどと弁解がましい言葉を連ねたあとでないと「君に会いたい」と言えないのか。見栄を捨てて,もっと素直になればいいのに。

 

硝子の少年(2020.10.7)

平成9年,詞:松本隆,曲:山下達郎,唄:KinKi Kids

 「雨が踊るバス・ストップ 君は誰かに抱かれ」と始まる。

 最初から世代差を感じる。私が子供?の頃,バス停で抱き合うアベックを見ることはなかった。駅のホームの片隅で,やや人目を忍びながら抱きあうカップルを見るようになった頃には私の青春時代は終わっていた。バス・ストップでは人目を忍びようもない。そのようになったのか。

 「ぼくの心はひび割れたビー玉さ」というのはやや観念的なのではないか。基本的にビー玉は極めて丈夫で傷つくことは滅多にない。一部が欠けたビー玉はたまに見たことがあるが,ひびの入ったビー玉は見た記憶がない。

 曲の中では「Stay with me 硝子の少年時代の」が印象に残る。硝子というのは壊れ易い少年の心を表しているのだろう。確かに,私の子供時代の窓ガラスなど脆いものだった。しかし,当時でさえ,ビー玉はガラスでできていても丈夫だった。

 若干の違和感はあるものの,平成の歌のなかでは昭和人間にもついて行けそうな感じを残す歌だ。

 

君に逢いたくなったら(2023.10.13)

平成9年,詞:坂井泉水,曲:織田哲郎,唄:ZARD

 「君に逢いたくなったら その日までガンバル自分でいたい 青く暮れかけた街並み また思いきり騒ごうね」と始まる。

 どうも,肝心なところは言わなくても解るだろうと言わんばかりに歌詞に明示されていないので,鈍感な私には解り難い。

 ハッピー状態のような雰囲気なのだが「たまには少し距離をおいて みたかったの しばらくは 恋愛じゃない 恋人じゃない関係でいて」とはどういうことなのだろう。「壊れやすいものだからこそ 大切にしたいと思う」というのは「距離」をおくことが「大切」にするということだと思っているのだろうか。

 いずれにしても「遠い将来がこんなに 早く来るとは 思わなかった 本当に私でいいのかゆっくり考えて」とは,私にはゴールイン目前としか思えないのだが。それなのにまだ「これが最初で最後の恋に なればいいなと思う」などという状況なのだろうか。

 どこで私の解釈がおかしくなっているのだろう。

 TBS系ドラマ『理想の結婚』(常盤貴子,竹野内豊ほか)の主題歌。

 

CAN YOU CELEBRATE? (2020.9.24)

平成9年,詞:TETSUYA KOMURO,曲:TETSUYA KOMURO,唄:安室奈美恵

 「Can you celebrate?  Can you kiss me tonight?」と始まる。

 「二人きりだね 今夜からはどうぞよろしくね」という歌。

 プロの声楽家という感じではないが美しい声で初々しさが現れている。

 歌詞にある英語は気に入らないが,流行りなのだろうから仕方がない。

 

口唇(2021.6.29)

平成9年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「口唇に奪われた あの愛の蜃気楼の中で 乱れていた この胸 心どうでもイイと・・・」と始まる。

 TAKUROの詞は解りにくい詞が多いが,この歌は「口唇」以外にも具体的な名詞がいくつも登場して,何となく他の歌に比べて解り易いような気がする。

 「逢いたくて でも逢えない 嫉妬に狂いそうになる」ということだ。

「悪魔の囁きに 今オマエの手まねきに揺れてる」。「オマエ」が「俺を悩ませる 惑わせる 壊してく」と自分を観察した歌。その観察が客観的かどうかは疑問だ。自分の内部の声を素直に出したほうが解り易い詞になるのではないか。

 

Glass(2021.5.8)

平成9年,詞:河村隆一,曲:河村隆一・吉田美智子,唄:河村隆一

 「この街は止まらない たとえキミを強く抱きしめたって」と始まる。

 論理的に整理されていない心の声を垂れ流したように聞こえる。個々のフレーズは理解できるような気がするが,フレーズ間の関係が不明な点が多いので全体として解らない。解らない原因は自分とキミの書き分けが弱いからのような気がする。元々日本語では男言葉と女言葉の違いや敬語などから主語(行為の主体)を明示しなくてもはっきりと意味が伝達できたが,男女や身分の差による言葉の違いがなくなって,誰もが同じような言葉を使うようになったからではなかろうか。

 最後の「ガラスのメロディ」というのも何のことか解らないが。

 ところで,歌声は私の好みとは言えない。

 

Calling(2021.6.2)

平成9年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「この声が聞こえるかい wow wow wow wow」と始まる。

 テレ朝系ドラマ『ガラスの仮面』のテーマソング。『ガラスの仮面』は昭和51年から雑誌『花とゆめ』に連載が開始された美内すずえによる少女漫画。

 この歌の主題は「きみといるとき ぼくはぼくになれる」というのではないかと思うが,この歌と『ガラスの仮面』の関係は私には解らない。『ガラスの仮面』を意識して作られたわけではないのだろう。

 

Go! Go! Heaven(2023.4.23)

平成9年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,歌:SPEED

  「成熟した果実のように あふれ出してく 欲望に正直なだけ 満たされてたい!」と始まる。

 「味気ない大人にだけは なりたくないから」と言っているが,いつの世でも若者はこのように考えるのだろうか。

それにしても,何度も「Go Go Heaven」と出てくるが,「Heaven」とは何かが語られていないため,何のことかわからない。「歪んだこの世界から 脱け出して」という言葉がでており,「私たちだけの天国へ 嘘も汚れもない空を見つけに行こう」ともあるので,この世界を抜け出したらそこに天国があるかのように思っているのかもしれないが,その考えは甘い。漠然と天国などと考えているようでは見つかるはずがない。天国とはこのような場所との明確なイメージがあって,それを自分たちで創り上げていくものだろう。出来合いの天国がその辺に転がっているはずがない。

 

サーキットの娘(2022.8.2)

平成9年,詞:奥田民生,曲:奥田民生,唄:PUFFY

 「笑って 笑って 笑って だまって さそって あしらって」と始まる。

 「サーキットでの はりつめてる空気を おだやかにするのが 私の 喜び」とか「サーキットには魔物が住むから おとなしくさせるのは 私の ミリョクで」とか言っているがこれが伝えたいメッセージとは思えない。聴いた印象ではメッセージは特にないアイドルソングだ。

 「誰よりも早く帰って来てね 私の所へ おねがい」と一応は応援ソングだが,特定の誰かを応援しているのかどうかは全く不明だ。

 

1/3の純情な感情(2023.5.27)

平成9年,詞: SIAM SHADE,曲:SIAM SHADE,唄:SIAM SHADE

 「壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない 純情な感情は空回りI love youさえ言えないでいるMy heart」と始まる。

 「見つめられると言えない 言葉が宙に舞う 離れれば離れるほど 愛しい人だと気付く」「夢の中では確かに 言えた筈なのに 壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない」と,詞としては解り易い歌だが,スピードについて行けない。若い頃は16ビートもすんなり耳に入ったが,今では8ビートも早すぎる。歌詞はゆっくり唄われても,伴奏がせわしないと心が急いて聞き取れない。私が社会のスピードについて行けなくなっていることの証明のようだ。

 フジテレビ系アニメ『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』エンディングテーマ。

 

幸せな結末(2022.9.5)

平成9年,詞:多幸福,曲:大瀧詠一,唄:大瀧詠一

 「髪をほどいた 君の仕草が 泣いているようで 胸が騒ぐよ」と始まる。

 「今なら言える 素直になれる いつまでも 愛してる 今夜君は僕のもの」とタイトルどおりハッピー・ソングだ。

 ところで,私はハッピーそうな他人を見ると,幸せのおすそ分けで私自身もハッピーになる時もあるが,反感を持つときもある。何とも思わないこともある。この違いは何なんだろうか。私自身のその時の状態にもよるのだろうが,それだけではない気がする。この歌では私はハッピーにはならないし,反感も持たない。「踊り出す街に 二人の今を 探し続けて はしゃいだあの日」などというフレーズもあるが,このようなフレーズの内容実態がよくわからないので,全体として共感も反感も持てないのだろう。

 

The Other Side of Love(2022.6.28)

平成9年,詞:坂本龍一,曲:坂本龍一,唄:坂本龍一featuring Sister M

In my heart, I know I must be right」と始まる。

平易な単語しか使われていないようだが,私には何も伝わってこない。Paul Ankaの詞などだと,もっとはっきりと意味を受け取ることができたように思う。時代のせいだろうか。

日本テレビ系ドラマ『ストーカー 逃げきれぬ愛』(高岡早紀,渡部篤郎ほか)の主題歌。まあストーカーの心情を歌った歌とは思えないが,もしストーカーの心情と関係があるのなら私に理解できないのも当然なのかもしれない。

 唄っている坂本龍一featuring Sister Mとは坂本龍一の娘坂本美雨。美雨の母は矢野顕子。

 尚,日本語版もあるらしく,これは中谷美紀が歌った『砂の果実』だそうだ。こちらも私には理解できないが,何となく全共闘世代の反省のような印象を受ける。

 

スカーレット(2024.6.12)

平成9年,詞:草野正宗,曲:草野正宗,唄:スピッツ

 「離さないこのまま時がながれても ひとつだけ小さな赤い灯を 守り続けていくよ」と始まる。

 「喜び悲しみ心ゆがめても 寒がりな二人を暖めて 無邪気なままの熱で」

 歌を聴いて情景が目に浮かぶとまではいかないが,何となく雰囲気は感じる。自分だけが解っているような歌が多い平成時代では,解り易い歌の部類に入る。その分昭和的に感じる。

 TBS系ドラマ『メロディ』(小泉今日子,小林薫,玉置浩二,諸星和己)オープニングテーマ。

 

STAMINA〜スタミナ〜(2023.2.12)

平成9年,詞:ビビアン・スー&ブラックビスケッツ&森浩美,曲:林田健司,唄:BLACK BISCUITS

 「Stamina [for your life]  Stamina [for your love] 最後は[そうさ] スタミナ[Goes men]」と始まる。

 「知識やお金じゃないから そうやっぱり持久力だね」という歌。

 日本テレビ系のバラエティ『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(ウッチャンナンチャン,キャイ〜ンほか)のエンディングテーマ。同番組内企画でつくられたユニット,ポケットビスケッツ(ポケビ)に対抗するユニットとして番組内で作られたユニットがブラックビスケッツ(ブラビ)。

 この歌はブラビのデビューシングル。

 

セロリ(2022.3.17)

平成9年,詞:山崎将義,曲:山崎将義,唄:SMAP

 「育ってきた環境が違うから好き嫌いはイナメナイ」と始まる。

 「夏がだめだったりセロリが好きだったりするのね」というところで「セロリ」が出てくるが要は好き嫌いの例として挙げられているだけのようだ。

 いろいろ合わないところもあるが,「がんばってみるよ やれるだけ」と言っている。とはいえ,「なんだかんだいっても つまりは 単純に 君のこと好きなのさ」という歌。

フジテレビ系のドラマ『いいひと』(草g剛)のエンディングテーマ。ドラマの原作は高橋しんの同タイトル漫画。

 

魂のルフラン(2023.11.16)

平成9年,詞:及川眠子,曲:大森俊之,唄:高橋洋子

 「私に還りなさい 記憶をたどり 優しさと夢の水源(みなもと)へ もいちど星にひかれ 生まれるために 魂のルフラン」と始まる。

 「祈るように まぶた閉じたときに 世界はただ闇の底に消える それでも鼓動はまた動き出す 限りある永遠を捜して」に代表されるように,良くは解らないなりにリアリティが感じられる。『瞳を閉じ』たりせずに「まぶた」を「閉じ」ていることなどがリアリティの源になっているのだろう。「奇蹟は起こるよ 何度でも」のように理性で考えれば眉唾の言葉でも,他の箇所にリアリティを感じるので「奇跡は起こる」のではないかと思わせるものがある。

 東映アニメ『新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生』主題歌。

 

ダイナマイト(2022.4.19)

平成9年,詞:森浩美,曲:小森田実,唄:SMAP

 「痛いくらいのキスをして せつないくらいに濡れた声」と始まる。

 ダイナマイトというのは「Dynamitehoney」とか「Dynamitebody」という歌詞があるので.「この街はうたかた 昨夜と今夜の闇 渇ききったカラダ生命を吹き込んで」爆発しようというのだろう。

 詞を文章としてみると極めてあいまいな文章で,何が言いたいか解らないが,詩というものはこういうものかもしれない。昔々ドイツ語の授業で習った何とかいう詩人の詩も全く解らなかった。島崎藤村くらいなら私にも少しは解った気になれる詩もあるのだが。

 

出逢った頃のように(2024.4.4)

平成9年,詞:五十嵐充,曲:五十嵐充,唄:Every Little Thing

 「My Love is Forever あなたと出逢った頃のように 季節が変わっても きっと色褪せないはずだよ」と始まる。

 最初から最後まで「あなたと出逢った頃のように いつまでもいたいね ときめき大事にして 青く澄んだ瞳に この胸は高鳴るよ 季節が変わっても」というのだから,これが実現できればハッピーなのだが。きっと実現できるだろう。せめて希望だけは持ちたい。

 

とまどい(2025.4.13)

平成9年,詞:竹内まりや,曲:竹内まりや,唄:広末涼子

 「派手なケンカ できるくらい 何でも話せたふたり だけどなぜか近頃は 目に見えない 距離がある」と始まる。

 「恋をしても 忘れないで できるならば 時を止めて あどけないままのふたりで 永遠にいたいの」「I wish you could still be my best friend」という歌。

 日本テレビ系バラエティ『TVおじゃマンボウ』(中山秀征,麻木久仁子ほか)エンディングテーマ。

 

Dreaming I was dreaming(2024.10.7)

平成9年,詞:MARCTK,曲:COZY KUBO,唄:安室奈美恵

 「いつも二人 壊れないために 抱き合って」と始まる。この辺りは解るのだが,「消えかけた キャンドルそっと 唇 近づけて 時間に戻したら」などとなるともう私には理解できない。

 「許してる あなたを」などとあるが,許す立場にあるのだろうか。感性が私とは違いすぎる歌。

 

Don’t you see! (2024.5.9)

平成9年,詞:坂井泉水,曲:栗林誠一郎,唄:ZARD

 「友達に手紙を書くときみたいに スラスラ言葉が出てくればいいのに もう少しお互いを知り合うには 時間が欲しい」と始まる。

 「Don’t you see! いろんな人を見るより ずっと同じあなたを見ていたい」というのは解るような気がする。この歌がそのような気持ちを歌ったものなのだろう。しかし,「Don’t you see!」が何度も登場し,タイトルにもなっているほどなのに,私には意味が良く理解できない。例えば「Don’t you see! 願っても祈っても 奇跡 思い出 少しは気にかけて」とはどういう意味だろう。文の構造もよく解らない。

 美しい歌声と優しい雰囲気に浸っているうちに,何が何だか解らないうちに終わってしまう歌。

 フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』第2期エンディングテーマ。

 

渚にまつわるエトセトラ(2021.7.27)

平成9年,詞:井上陽水,曲:奥田民生,唄:PUFFY

 「車で 駆けてこ キャラメル 気分で」と始まる。

 キャラメル 気分で とは何か。最初から解らない。

 「気になる ラジオはBBC」となり,BBCはあのBBCか,それなら舞台は英国かなどと考えているうちに,「マゼラン祭りで」などとでてきて,これはどこの祭だろうと思い,

少し調べてみるとフィリピンに似た名前の祭があるようだ。「ハッスル音頭で」などともあるが,これからはプロレスラーの小川直也くらいしか思い浮かばない。

 このころになると,「飛び交う カモメはBOAC」などと出て来てもBOACBritish Overseas Airways Corporationのことだろうと自然に思えるようになる。しかし,昭和世代にはBOACは馴染があるが,この会社は昭和49年に他の航空会社と合併して名前が変わっている。平成のこの時期にはもう無かったはずだが。平成人はこのBOACから何を想うのだろうか。

 「カニ 食べ 行こう はにかんで 行こう」に何が言いたいんだろうと思っていると,そのうちに「カニ 食べ 行こう 割り切って 行こう」「ハリキッテ 行こう 風 切って 行こう」などとでてきて言葉遊びとしか思えなくなってくる。

 結局,メッセージがあるとすれば「海へ 行こう」ということなのだろう。

 私にはどこがいいのか解らない歌だが,オリコンチャートで週間1位をとったこともあり,世の中からはそれなりに支持されているようだ。

 

1/2(2022.5.23)

平成9年,詞:川本真琴,曲:川本真琴,唄:川本真琴

 「背中に耳をぴっとつけて 抱き締めた」と始まる。

 典型的な平成の歌。とても私にはついていけない。歌詞を見ながらなんとかついていっても,結局何が言いたいのかわからない。「愛してる 愛してる 愛してる」という雰囲気は感じるのだが。

フジテレビ系アニメ『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』オープニングテーマ。

 

HIGH PRESSURE2021/10/21

平成9年,詞:井上秋緒,曲:浅倉大介,唄:T.M.Revolution

 「カラダを夏にシテ カゲキに さあ行こう 夏を制する者だけが 恋を制する」と始まる。

 平成の若者の歌なのだろう。ノリの良い曲だが,詞もノリだけで生きてそうな若者の詞だ。バブルははじけたと思うのだが,バブル期のままのノリの良さだ。

 

HOWEVER(2021.1.16)

平成9年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「やわらかな風が吹く この場所で」と始まる。

 難解な詞だ。日本語としての違和感がないのに,フレーズとフレーズの繫がりには必然性を感じるのに,全体としてみると「今二人ゆっくりと歩き出す」というのか「今度戻ったら一緒に暮らそう」というのかすら解らない。

 全く解らなければ異世界の歌と没交渉を決めつけることもできるが,なまじ解りそうな雰囲気なのに実は解らないというのが始末の悪い点だ。

 

BURN(2023.3.19)

平成9年,詞:吉井和哉,曲:吉井和哉,唄:THE YELLOW MONKEY

 「赤く燃える孤独な道を 誰のものでもない 髪をなびかせ」と始まる。

 歌詞はよく聞き取れるが,意味が理解できない。「あの日を殺したくて閉じたパンドラ」とは何のことだ? ほとんどのフレーズの意味が理解できないので当然全体としても理解できない。お手上げだ。

 TBS系ドラマ『職員室』(浅野温子,仲村トオルほか)主題歌。

 

ひだまりの詩(2020.10.22)

平成9年,詞:水野幸代,曲:日向敏文,唄:Le Couple

 「逢えなくなって どれくらいたつのでしょう」と始まる。

 「いまごろ気づくなんて」と失って初めて気付く愛の大きさの歌。いつの世にもある話なのだろう。しかし,ここでは「二度と逢えなくても生きてゆくの」と前向きだ。ウジウジ後悔する昭和世代とは一味違うようだ。

 

ひまわり(2022.10.10)

平成9年,詞:長渕剛,曲:長渕剛,唄:長渕剛

 「北へ南へ東へ西へ 人は流れ流れて河川を下る」と始まる。

 さすが,昭和からのシンガー・ソング・ライター,解り易い歌だ。より正確に言えば聞き取りやすい歌ということだ。「もしも私が風ならば」とか「もしも私が土ならば」などという詩人の感覚が私に十分理解できるかと尋ねられるとyesとは言い難い。そもそもこの歌が,自分自身のことなのか,特定の誰かに向かっての歌なのか,一般論を歌ったものかすら私には解らない。なんとなく,ケセラセラの人生の中に小さな幸せが見つけられればいいというように感じるが。

テレビ朝日系テレビドラマ『ボディーガード』(長渕剛)の主題歌。

 

BEAT(2021.9.21)

平成9年,詞:河村隆一,曲:河村隆一,唄:河村隆一

 「ねえ キミに ふれた オフショアの日」と始まる歌。

 「高鳴りに on the beat キミと出逢った場所で oh 弧を描くよ」とはどういう意味だろう。全く解らない。

他の箇所もよく解らない。「キミの香はないけど」というのだから,既に別れているのだろう。「熱い季節のmemory 消せやしないけど また恋を きっとするね」と想いがまだ残っているようだが,「また恋を」というのは新しい恋ということなのだろうか。

歌声が私の好みではなく,積極的に聴くことはないので,意味が解らなくてもフラストレーションは生じない。

 

FIREBALL(2021/12/24)

平成9年,稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「夜明けまで続きそうな おしゃべりに 頭が割れそうで 僕を見ようとしない きみに声をかけるスキはない」と始まる。

 平成の歌には,各フレーズは理解できるのにフレーズとフレーズの関係が理解できない歌があるが,この歌はフレーズとフレーズの関係は解るような気がするのに,全体としてどの方向に話が進むのか解らない。話がどう続いてこうなったのかはよく解らないが,「My soul is flyin’ like a fireball」とあり「飛んでゆける 空を燃やしながら 夢のもとへ そして自分のもとへ」と続くのは解るような気がする。しかし,「いいかげんな情熱も灰になれ どうでもいい信念も灰になれ」などと言っており,飛んで行った後の「My soul」には何が残っているのだろうか。「快感のしっぽ」なのだろうか。

 要するに若い人の言葉は私には理解できない部分が多いということのようだ。

 

FACE(2020.11.7)

平成9年,詞:TETSUYA KOMUROMARC,曲:TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「太陽が飲まれてく 夜がときどき 強がり」と始まる。

 女性パートは聞き取れるが途中のラップ調の男性パートは聞き取れない。私の耳が慣れていないからだろう。何度も聴けば聞こえるようになるのだろうが,それほどまでしようとは思わない。そもそも,聞き取れたとしても意味を理解することができないのだ。

 挿入されている英語が解らないのも全体が理解できない理由のひとつだろうが,いくつもの人称代名詞?が登場するのだが,それぞれが指す人物が解らないのも理由の一つだろう。

 最初の方にでてくる「自分の」というのは何かの象徴なのだろうがよく解らない。次に登場するのも「自分の」だが,これは唄い手(女性)自信だろう。

 次には「あなた」が2回,次に「君」が出てくる。そして「私たち」,「あの人」が2回に「あなた」が出てくる。これらの中で同一人物はどれとどれなのだろう。

 平成人は前後の関係から自然に理解しているのだろうが,私には無理だ。

 詞が解らなくても曲が気に入れば何度も聴こうという気になるが,この曲はそのようなこともない。メロデッィーには気に入った部分もあるが,多くの箇所が私の趣味ではない。

 

For the moment(2022.12.4)

平成9年,詞:五十嵐充,曲:五十嵐充,唄:Every Little Thing

 「タクシーのヘッドライトが 眩しくて瞳を閉じた」と始まる。どうして瞼でなく瞳なのかなどという詮索はやめておこう。それより重要なのは「友達から聞いたあなたの噂話」だ。「今 誰かのそばにいるの?」「不安だけが駆けめぐるよ」「素直じゃない解っているから 腹が立つ 強がりにさよなら!」

 遅まきながら気づいたようだが,幸福の女神は前髪を掴まなければならない。幸福の女神には後髪はない。気づくのが遅かったというのは昔からよくある悔恨だ。

 歌詞の最後は「二人で一緒に想い出をつくろう 瞬間(とき)を大切にして」となっており,どうやらぎりぎり気づくのが間に合ったようだ。ハッピーエンドとなっていることを祈る。

 

PRIDE(2020.12.11)

平成9年,詞:布袋寅泰,曲;布袋寅泰,唄:今井美樹

 「私は今 南の一つ星を 見上げて誓った どんな時も 微笑みを絶やさずに 歩いて行こうと」と始まる。

 なぜこのような決意をしたかというと「貴方を想うと ただせつなくて 涙をながしては」という状況だったからだ。「だけど今は 貴方への愛こそが 私のプライド」と思えるように意識が変わった。それでも「翼があったら飛んでゆくのに 貴方の胸に今すぐにでも」と思ってはいるが。

 歌詞の各フレーズは聞いたことがあるような気がする馴染のものだが,その配置の意外性により新しい歌になっている。新しい歌にするためのキーワードが「プライド」だ。

 唄も良く歌詞が聞き取れ好感が持てる。

 

promise(2025.2.28)

平成9年,詞:広瀬香美,曲:広瀬香美,唄:広瀬香美

 「恋の始まりも 夢の続も きっとあなたと」と始まる。

 「揺れる 廻る 振れる 切ない気持ち」の箇所のメロディーが何回か繰り返され,印象的だ。

 「永遠に愛してる 今日より愛してる」と何度もでてくるが,気分は解るが「今日より」の「より」の意味がよく解らないのではっきりとは解らない。

 

Hate tell a lie(2021.4.13)

平成9年,詞:小室哲也,曲:小室哲也,唄:華原朋美

 「Say good-bye! おはようさえいわなかった街の雑踏で」と始まる。

 歌詞が聞き取れない。歌詞を見ながら聞いてようやく聞き取れるが,フレーズとフレーズの繫がりが理解できないので頭に入らない。私の頭の回転がついていけないため歌を聴くというより,音楽を聴くということになる。

 曲は単調だ。メロディーが単調で,BGMにはいいかとも思うのだが,時折無意識のうちに聞きとれてしまう歌詞がBGMとしては邪魔になりそうだ。あと,単調なリズムが強く刻まれているのでダンス音楽としてはよさそうだ。私には踊れないが。

 

WHITE SILENT NIGHT(2024.11.18)

平成9年,詞:IZAM,曲:KUZUKI,唄:SHAZNA

 「White Silent night あなたにトキメキを憶えて 溢れた恋心」と始まる。

 こころがトキメイていると「宝石箱のような白くキラメク街を」というような表現がでてくるのだろう。独り淋しい時を過ごす身にはクリスマスの街の喧騒はとても宝石箱とは言えない。

 「星に願おう たった一つの素直な恋のために」というようなハッピーピーポーのためにクリスマスはあるのだろうか。

 

WHITE BREATH (2023.8.4)

平成9年,詞:井上秋緒,曲;浅倉大介,唄:T.M.Revolution

 「凍えそうな 季節に君は 愛を どーこー云うの? そんなん どーだっていいから 冬のせいにして 温め合おう」という歌。

 昭和にもこのような歌はあったが,学生が酒席で唄うような歌だった。「温め合おう」というのは言葉を換えて何度も出てくるのでこれが最も訴えたい内容なのだろう。

 

White Love(2021.2.6)

平成9年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「果てしない あの雲の彼方へ 私をつれていって」と始まる。

 歌詞が概ね聞きやすいのは好印象。

 「真冬の星座から 舞い落ちた白い恋」などとメルヘンだ。

 「神様 見つめてて 生まれたての愛を 永遠に大切にするから」とある。詞に共感するよりも,神様ではないが,保護者として見守るような雰囲気になってしまう。とはいえ,保護者のように頑張れと応援するわけでもなく,勝手にどうぞ,まあ頑張ってとつきはなした見方になるのは,自分にはもうこのような時代は戻ってこないという諦めがあるからかもしれない。

 

WHITE LOVE(2023.9.8)

平成9年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「果てしない あの雲の彼方へ 私をつれていって その手を 離さないでね」と始まる。

 ハッピーソングだ。

 タイトルの「WHITE」の意味は理解できない。歌詞の中では「真冬の星座から 舞いおちた白い恋」くらいが「WHITE」と関係ありそうな言葉だが,これから想像すると冬とか雪とかのイメージだろうか。歌詞にはもうひとつ「白いため息で」という言葉もあり,これも冬のイメージだ。「雪が溶けて やがて春がくる頃 あなたにとって 木洩れ日のような やすがぎに なってたい」とやはり冬に恋に落ちたようだ。

 『白秋』という言葉があるように,白は秋と関係しており,冬なら『玄冬』と黒のイメージだ。しかし,日本の秋は紅葉でカラフルなイメージで,白や黒の無彩色は冬のイメージにふさわしく,ハッピーソングだから白だろうというのが伊秩の考えかもしれない。あるいは単に『White Christmas』のような言葉に触発されただけかも知れないが。

 「儚い 雪みたいに この今の しあわせが いつか 消えてしまわぬように」とハッピーソングのはずなのに,「雪」を想起させる「WHITE」をタイトルに入れているのはこの恋の行く末を暗示しているのかもしれない。

 

MajiKoiする5秒前(2024.8.31)

平成9年,詞:竹内まりや,曲:竹内まりや,唄:広末涼子

 「ボーダーのTシャツの 裾からのぞくおへそ しかめ顔のままの背中 すり抜けてやってきた 渋谷はちょっと苦手 初めての待ち合わせ」と始まる。待ち合わせ場所に「すべり込んだ5分前」ということのようだ。

 「ゴメン!“と笑いかけて 走り寄るまなざしに MajiKoiしちゃいそうな 約束の5秒前」とハッピーそうな情景が良く解るスタートだ。続いて「ふたりで写すプリクラは」などの途中経過の描写があるが,最後までハッピーそうな歌だ。何よりも状況が良く伝わってくるのが良い。

 親の気持ちになればそうそう落ち着いても居られないが,これは私が昭和人だからかもしれない。

 フジテレビ系ドラマ『木曜の怪談 ’97 悪霊学園』(広末涼子,中村玉緒ほか)主題歌。

 

めざせポケモンマスター(2025.1.8)

平成9年,詞:戸田昭吾,曲:たなかひろかず,唄:松本梨香

 「(ポケモン ゲットだぜーッ!)」と掛け声があり,「たとえ 火の中 水の中 草の中 森の中 土の中 雲の中 あのコのスカートの中 (キャー)」と始まる。

 「ああ あこがれの ポケモンマスターに なりたいな ならなくちゃ ゼッタイなってやるーッ」という歌。まあ,ポケモンのCMソングの一種だろう。

 劇場版『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』オープニング。

 

Melty Love(2024.1.25)

平成9年,詞:IZAMU,曲:AOI,唄:SHAZNA

 「Melty Love…  Melty Love…」というのが何回か繰り返された後,「君があこがれてた恋を 今追いかけてゆこうか たとえば僕と2人で 変わらない景色 肌をくすぐる春風の中で君をつかまえた」と始まる。

 「2人が夢見てる恋は 淡く優しい春色 変わることなくいたいね 僕は君のこと 大切に思う今なら 何を失くしてもいい」。ハイハイそうですかに続いて何か毒づくことが多いのが最近の私だが,この歌ではそうではない。曲が聴きやすいからだろう。それでも「Melty Love」とは何か解らないのだが。

 

YOU ARE THE ONE(2020.11.23)

平成9年,詞:TETSUYA KOMURO/MARC/D.J.KOO/hitomi,曲:TETSUYA KOMURO,  唄:TK PRESENTSこねっと

 「明日もし君がいなくてひとりきりもし走るのなら」と始まる。

 平成7年の阪神・淡路大震災の復興に向け,小室ファミリーが集合して唄ったチャリティー・ソング。

 多くの歌手が唄っていて,聞き取りやすい歌手もそうでない歌手もいて,ラップの部分などは聴き慣れていないせいか,ほとんど聞き取れない。

 歌詞は震災と関係があるといえばありそうだが,それほど深い関係がありそうではない。

 「君が好きだから やっぱり好きだから」というのが何回か現れるので重要なメッセージのひとつなのだろう。

 最後は「明日からもっと自由に 愛や夢描いてくれるね」と終わる。

 

Liar! Liar! (2021.8.23)

平成9年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「まっ黄色いシャツ着ちゃって歌いだしそうな表情さらして」と始まる。

 「ダンナと仲良く腕組んで道横切ってんのはオマエだろう」って何をイラついてるんだ。ダンナとならいいじゃないか。それともオマエと何か関係あるのか。(ひょっとしたら元カノかなどということにはオジサンはなかなか気づかない。)

 「つっこんじゃうぞアクセルべったり踏んで」などと物騒なことを言っている。

 大人は嘘つきばかりだとイラついている若者の歌。若者には大人がそのように見えるのだろう。

 

Love is …(2024.2.29)

平成9年,詞:河村隆一,曲:吉田美智子,唄:河村隆一

 「You are my only… You are may treasure.  I’d give you my whole thing, even if you don’t want  Love is my only… Love is my treasure.  Please close to me more and don’t eave me alone.」と始まる。

 最後にもこれらのフレーズは登場するが,英語はこれだけで,あとは日本語だ。

 「いつまでも 離さない たとえ誰を傷つけても」と自己中にも聞こえなくはないフレーズもあるが,「キミよお願い もう一度僕だけを見つめて」と案の定破局のようだ。それでもなお「二人はきっと夢を見てる 目を覚ませば また愛し合える」と自分に都合の良い思いしか浮かばないようだ。

 甘えているような歌声も好きにはなれないが,これがいいという人もいるのだろう。

 TBS系『日立 世界・ふしぎ発見!』エンディング・テーマ

 

LOVE IS ALL MUSIC(2023.6.30)

平成9年,詞:小室哲哉,曲:小室哲哉,唄:華原朋美

 「ほっとした瞬間 しゅんとした瞬間 どっちの時だって 結局あなたを 考えちゃうから 信じちゃうから」と始まる。

 「LOVE  IS ALL  MUSIC  LOVE IS ALL  PEOPLE」と英語が入っているが,私には理解できない。

詞にいろいろ書かれているが,ほとんどが個人的な状況・心情で私のような第三者には関係ない。最後の「ララララ 大好きで ララララ 大切で ララララ だいじょうぶ ララララ 守りたい!! OH YEAH UH…」がまとめのフレーズだ。ハッピーらしいが,ハッピーなら外野はあれこれ言わなくてもいいのだろう。

 

Red Angel(2021.3.21)

平成9年,詞:CHIAKI・ポケットビスケッツ,曲:パッパラー河合,唄:ポケットビスケッツ

 「この星の ウィルスも少し 壊れ始めて 無機質な 恋愛グラフも 上がり始める」と始まる。

 最初から何が言いたいのか解らない。しかし「全身で 恋をする 癖を許して」というのは解る気がする。「2人を邪魔するもの すべて消して ゆくんだから」ということらしい。それほど激しく恋してるということのようだ。それがわかっても共感のしようもないし,応援しようという気にもなれない。

 

Wanderin’ Destiny(2022.6.27)

平成9年,詞:TETSUYA KOMURO & MARC,曲;TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「遠くで星達 息をひそめて見守ってる」と始まる。

 聴いてもさっぱり解らない。歌詞を見ながら聴くと明瞭に唄っているように感じるのだが。普通の会話では伸ばさないところを伸ばしたり,高低アクセントが日本語から外れている箇所があったりするから私には聞き取れないのではないかと思うのだが,平成人は十分聞き取れるのだろう。昭和人には『主人』と『囚人』,『美容院』と『病院』など区別して発音してもらわないと解らない。私としては歌声を人間楽器の音として聞くしかない。

 歌詞を読んでみても,気持ちが揺らいでいることしか感じ取れない。「運命の絆 永遠の友情」に「something change」を感じ取って揺らいでいるのかも知れないが。

TBS系ドラマ『青い鳥』(豊川悦司)の主題歌。

 

I HAVE NEVER SEEN(2023.4.22)

平成10年,詞:Tetsuya Komuro,曲:Tetsuya Komuro,唄:安室奈美恵

 「初めてのキスの事 気づかずに忘れそうな時もある」と始まる。

 「昨日も今日もそばにいたい 何もくれなくていい」というのが訴えたいことだと感じるのだが,他の箇所に現れる「けっしてNOは言いたくない」「甘え続けていきたい」「孤独で力強い愛情 とてもとても感じてる」などはその補足説明だろう。タイトルにもなっている「I HAVE NEVER SEEN」というフレーズも何回か歌詞の中に現れるが,これが私には意味不鮮明で,共感できない。『こんなこと初めて』というような感覚なのではないかと想像するのだが,英語なので心で感じることができず,頭の中の翻訳機を通すので感情に訴える力が弱いのだ。なぜ英語にするのだろう。

 日本テレビ系ドラマ『夜逃げ屋本舗』(中村雅俊)主題歌。

 

I for You(2025.4.12)

平成10年,詞:LUNA SEA,曲:LUNA SEA,唄:LUNA SEA

 「ねぇ本当は誰も ねぇ愛せないと言われて 怖がりの キミと出逢い やっとその意味に気づいた」と始まる。

 「傷つく為 今二人 出逢ったなら 悲しすぎるよ」と何かわかったようだ。私にはまだわからないが,

 私には経緯が理解できないまま「心から キミに伝えたい キミの笑顔いつも見つめられたら 心から キミを愛してる」という結論は本当の想い(本人の思い込みに過ぎないのかも知れないとも思うが)なのだろうと感じる。

 フジテレビ系ドラマ『神様,もう少しだけ』(金城武,深田恭子)主題歌

 

青の時代(2021.4.12)

平成10年,詞:canna,曲:canna,唄:KinKi Kids

 「砂に書いた あの文字は 僕への励ましの言葉」と始まる。

 彼らもそれなりに歌唱練習などしているのだろうが,他の平成の歌手同様,玄人っぽさがない。素人っぽい発声だが,他の平成歌手に比べて素直に歌っているようで感じが良い。

 「ひとつぶの雨が かれた花をぬらす」と「愛の意味を知る」という動詞の終止形で終わるフレーズが何度か登場する。他にも「愛の意味を知る」とか「青の時代さがす」などともありこのように動詞の終止形が多用されるのは歌詞としては珍しいのではないか。

 最初だけは「あの文字」とあるので過去のことかも知れないが,他は全て現在形だ。「1人でいたあの頃」というのも過去の話かもしれないが,一瞬過去に飛んだだけですぐに現在に戻っている。

 詞の書き方にはやや面白味を感じるが,個々のフレーズの内容にはそれほど魅かれない。「空に舞う 青い鳥は 幸せを運ぶ鳥たち」など,平凡だ。最後に「青の時代さがす」と出てくるが,この青は空の青なのだろうか,鳥の青なのだろうか,それとも最初のほうにでてくる「青い涙」の青なのだろうか。私には「青の時代」の青とは何を意味するのかが理解できない。

 

明日が聴こえる(2021.6.1)

平成10年,詞:松井五郎,曲:織田哲郎,唄:J-FRIENDS

 「涙なんかかなわない もっと強くなれる」と始まる。

 J-FREIENDSは阪神・淡路大震災へのチャリティー活動としてTOKIO, V6, KinKi Kids13名で結成された期間限定ユニット。この曲は日テレ系の『長野オリンピック』中継でイメージソングとして使われた。

 「きっと越えてゆける くじけないとまらない ずっと駈けてゆこう」と応援歌である。

 昭和の応援歌は応援とはいっても鞭をふるって頑張れ頑張れの雰囲気だが,さすが平成,寄り添いの歌だ。その分,昭和人には力強さに欠ける気がする。

 

ALIVE(2021.12.23)

平成10年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「絶え間なく 打ち寄せる波よ この切なさは 何処からくるの」と始まる。

 「涙の数だけ きっといつか 花は咲く日が来る」「雨が降り続いても 闇が深くても 朝は来るように」「ひとりじゃない この胸にずっと愛はいきてる 生きていこう 愛は生きてる」という歌。「Love is Alive…」という歌。

 松竹系で公開された映画『アンドロメディア』(島袋寛子,上原多香子,今井絵理子,新垣仁絵)主題歌。

 平成7年,日本テレビ系の『THE夜もヒッパレ』に出演しグループ名を公募したときには最年長の新垣が14歳,上原と今井は12歳,最年少の島袋は11歳だった。SPEEDとグループ名が決まりメジャー・デビューしたのが次の年だ。花の中三トリオ1)など,中学生のデビューは過去に多く見てきていたが,さすがに小学生の歌を積極的に聴こうとは思わず,当時はテレビ等で流れていても,ほとんど聴いていなかった。

 今聴いてみると,タイトルが英語なのが気に入らないが,全体としては私の好きなタイプの歌だ。当時,もう少し年長者が唄っていれば私も聴いたかもしれないのだが。

1) 「花の中三トリオ」:昭和48年度の森昌子,桜田淳子,山口百恵。

 

winter fall(2022.10.9)

平成10年,詞:hyde,曲:ken,唄:L’ArcenCiel

 「真白な時は風にさらわれて 新しい季節を運ぶ こぼれだした手の平の雪は儚くきらめいて」と始まる。

 ラルクの歌は難解だ。もう一言説明があれば解りそうなのだが。

 結局,「遅すぎた言葉はもう届かないね」,「僕は失くした面影探してしまうけど 春の訪れを待ってる」という歌なのだろうが,経緯が不明なので同情も共感もできない。

 テレビ朝日系で放送されたアメリカCBC製作のドラマ『シカゴ・ホープ』第2シーズンイメージソング。

 

wanna Be A Dreammaker(2025.1.7)

平成10年,詞:MARK & TK,曲:TETSUYA KOMURO,唄:globe

 「Want! You!  Wanna Be A Dreammaker  Wanna Be A Dreammaker」と始まる。

 歌詞を見ると「waiting 4 the dreams もっともっといい夢を だけどあなたはいない 気持ちもここにいない」と続くようだが私には聞き取れない。聞き取れないのは使われている日本語のイントネーションとリズムが私の日本語とかけ離れているからだろう。

 曲としては悪くない。ボーカルも早口言葉のような箇所は聞き流すしかないが,一つ一つの母音を長く発音する箇所では高音部の特徴など確かにglobeだと感じられ親しみが持てる。

 第40回日本レコード大賞大賞受賞。

 

ever free(2022.9.4)

平成10年,詞:hide,曲:hide,唄:hide with Spread Beaver

 「恋に恋した気持ち 無くしちゃって 誰かに聞いてみる」と始まる。

 「夢に夢見た季節 忘れちゃって」などというフレーズもある。「あの子に聞いてみる すると 微笑むあなたは言いました『夢って 食べれるの?』」。「あの子」と「あなた」は同一人物なのだろうか?

 曲は私がイメージするロックにピッタリだが,詞が理解できず訴えたいことが受け取れない。何となく自由を求めているような気がするのだが,どんな自由を求めているのかが不明だ。私から見ると十分自由に生きているように見えるのだが。

 この曲はhide最後のシングル。Wikipediaによればhideはこのころバンドや音楽活動で悩み酒量が増えていたとか。

 

Automatic(2020.12.10)

平成10年,詞:Utada Hikaru,曲:Utada Hikaru,唄:宇多田ヒカル

 「七回目のベルで 受話器を取った君」と始まる。

 電話技術に時代を感じる。

 昔は電話の呼び出し音はベルだった。だから無意識にベルと書いたのだろう。正確に言えば七回目は発信者が聴いているのはリング・バック・トーンと呼ばれる音だ。これは着信者のところでベルを鳴らしていますよという音で,呼び出しベルの音そのものは当然ながら発信者には聞こえない。電話の着信時,発信者情報は着信者には全く解らない。話してみて初めてどこからの着信かが解る。

 この歌でも「声ですぐ分ってくれる」と言っている。逆に言えば声を聞くまでは誰からの電話か分らないということだ。

 君に合えばいつでもハッピー,「君に合えない my rainy days 声を聞けば自動的に sun will shine」と声だけでもハッピーという歌。ここの自動的というのを英語で言うと「automatic」ということらしい。

 「Ir’s automatic 抱きしめられると 君とParadiseにいるみたい」とハッピー・ハッピー・ハッピーという歌。

 

ALL MY TRUE LOVE(2021.8.22)

平成10年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「あの空を越えて 生まれゆく魂よ」と始まる。

 「翼なんかないって 気づいてから」と「あの空を越えて」の関係が解らないが,「昨日を脱ぎ捨てて もう一度 夢を見よう」ということらしい。

 「帰るトコなんてなかった日々」もあったけど,「今あなたに逢えて 生まれ変われそうだよ」と前向きな気持ちになっている。

「いつでも自由さ ふたりで旅立とう 未来へ」とこの時代の若者には未来への希望がある。昭和以前には「自由」とは文字だけで,もっと以前には「自由」という言葉自体が無かった時代もある。

いずれにせよ,その時代に合わせて若者は精一杯生きる。頑張って生きてとほしい。

 

終わりなき旅(2022.4.18)

平成10年,詞:KAZUTOSHI SAKURAI,曲:KAZUTOSHI SAKURAI,唄:Mr.Children

「息を切らしてさ 駆け抜けた道を 振り返りはしないのさ」と始まる。

 声のせいか,私の耳には何度聴いても聞き取れない箇所もあるが,歌詞を見れば歌詞のように唄っているように聞こえないこともない。

 「人はつじつまを合わす様に 型にはまってく」というのは昔からの青春卒業の儀式なのだが,「誰の真似もすんな 君は君でいい」などという変な扇動を真に受け,「もっと素晴らしいはずの自分を探して」などと自分探しの旅にでてしまう。

 自分探しなどができるようになったのは生活に余裕ができてから,日本が世界第2位の経済大国になった頃からだろう。それまでは生きるだけで精一杯だったのだ。

自分は自分でしかありえない。他人に見えている自分が自分なのだ。探すだけでは他人に見える自分は変わらない。自分を探すのではなく,自分を鍛えなおすべきだ。

 ところで,歌の中で印象に残るのは「きっと きっとって」とか「そっとそっと」などの箇所のメロディーだ。ミスチルの曲ってこんなだったかな?

フジテレビ系のドラマ『殴る女』(和久井映見ほか)のエンディングテーマ。

 

花葬(2021/10/20)

平成10年,詞:hyde,曲:ken,唄:L’ArcenCiel

  「ばらばらにちらばる花びら 雫は紅 欠けた月よ廻れ 永遠の恋をうつし」と始まる。

 「愛しい貴方はただ そっと冷たくなって」と死別の歌。伝統的宗教による死別の儀式ではなく,なんとなくおどろおどろしい儀式のように感じるが,私には理解できない。

 

さまよえる蒼い弾丸(2023.6.29)

平成10年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「風の強い日はアレルギー そんなのかまっていられない 無菌状態に慣れ過ぎ みんなあちこち弱ってる」と始まる。

 「血管の中が 沸騰するような 異常な事態(ステキな事態)」を望む,エネルギーがあり余っているが,どのように放出したらいいか解らずにいる若者の歌。「旅すりゃいい 僕はさまよう 蒼い弾丸」と頭ではわかっていそうだが,現実には金がないとかあれこれ理由を探しだして旅にでることはない。「平和というのは そんなもんだろうか そんなのアリですか?」

 明日は今日よりも良いと信じられた高度成長期を過ぎ,バブルがはじけ,明日に大した期待が持てず,かといって生きるために必死になる必要もなく,エネルギーの放出場所が解らず,ストレスを溜めている若者の歌ではないだろうか。

 

浸食〜lose control (2022.5.22)

平成10年,詞:hyde,曲:ken,唄:L’ArcenCiel

 東宝配給映画『GODZILLA』の挿入歌として一部が使われている。

 「I lose control とぎれた心 そっと風にさらわれて僕は天を仰ぐ」と始まる。

 詞は私には理解できない。個々のフレーズも解らないがフレーズ間の関係も解らない。当然全体でも理解できない。

 曲はこんなものなのだろう。歌声の一部は一時の井上陽水を思い出させ、私としては好きではない。シャウトの箇所は曲のロックリズムとよく合っているとは思うが。

 

シンデレラ・クリスマス(2023.11.15)

平成10年,詞:松本隆,曲:長岡成貢,唄:KinKi Kids

 「雪の舞う駅は寂しくて ポケットで手を暖めあう 君は時計をみるたびに 哀しい色濃くして 綺麗になる 不思議さ」と始まる。

 出だしは何のことかよく解らないがそのうちに解る。「黙りこくっておかしいね 逢えない日はあんなに 話したいことがあるのに」というのが現状だ。

 ここで「シンデレラ・クリスマス 12時までのDream」。この辺りで気づいてもよさそうだが,鈍い私はまだ気づかない。「意地悪な時が 二人を引き裂いても この愛だけ永遠」と続くのでどんな運命が待ち受けているのかと思うと,「閉じた汽車のドア」とある。ここまでくればいかに鈍い私でも気づく。

 これは昭和62年,JR東海が東京発新大阪行の最終新幹線にシンデレラ・エクスプレスと名付け,大々的にCMを流したあれだ。要するに遠距離恋愛の歌だ。また会えるのだろう。

 昭和の歌なら『哀愁の駅』1)とか『お別れ公衆電話』2)など,駅で実際に別れるのではないが,再び会うことはないであろう別れで,こちらの方が心に刺さる。「なごり雪」3)もつかの間の別れではなさそうなので心に残るのだ。松本も昔は『木綿のハンカチーフ』4)のような心に刺さるストーリーのある歌詞を書いていたのに。

1)      「哀愁の駅」(昭和39年,詞:辻本茂,曲:袴田宗孝,唄:松山恵子)

2)      「お別れ公衆電話」(昭和34年,詞:藤間哲郎,曲:袴田宗孝,唄:松山恵子)

3)      「なごり雪」(昭和50年,詞:伊勢正三,曲:伊勢正三,唄:イルカ)

4)      「木綿のハンカチーフ」(昭和50年,詞:松本隆,曲:筒美京平,唄:太田裕美)

 

ジェットコースター・ロマンス(2022.3.16)

平成10年,詞:松本隆,曲:山下達郎,唄:KinKi Kids

 「波はジェットコースター 素敵な風をあつめながら 君をさらいたい いいだろう?」と始まる。

 昭和の曲ではないが昭和の延長にあるように感じる。多くの平成の曲に比べて情景描写が詳しいように感じるが,描かれている状況は平成的だと感じる。

 「守る誰かができた時に 男って強く変われる」は昭和なら「男は」と言っただろう,というか,フレーズ全体がわざわざ言上げするのは野暮だっただろう。

 要するに「君を愛してる」という歌。

 全体はファンタジーではなくリアルな情景のようだが,「時のレール」などとでてくると,これは何だと考えてしまう。私には修辞のレベルが高すぎるようだ。

 

SWEET HEART MEMORY(2024.4.3)

平成10年,詞:IZAM,曲:AOI,唄:SHAZNA

 「この丘の上の景色は 今の所僕だけのもの 遠くで裸足のままはしゃぐ子供たち とても無邪気だね」と始まる。

 「僕の恋はあてもなく 訳もなく待ちぼうけ 運命の人,夏の日に この丘で逢えたなら」とあるが,タイトルにある「MEMORY」との関係がよく解らない。「逢えたなら」というのは未来のことであり「MEMORY」は過去のことではないかと思うのだが。

 「繰り返す日々の真ん中に『恋』という支えが欲しいなら 信じ続けていれば 何処かで巡り会える予感がするよ」とあるが,「予感」と言いながらタイトルは「MEMORY」とはどういうことだろう。。

 「想い出は いつまでも ため息まじり」ともあるが,「SWEET HEART MEMORY」はそのようなものなのだろう。タイトルが日本語ならもう少し解り易いのではないかと思うのだが。

 テレビ朝日系バラエティ『トゥナイト2』エンディングテーマ。

 

STORM(2023.2.11)

平成10年,詞:LUNA SEA,曲:LUNA SEA,曲:LUNA SEA

 「ふと 目を覚ました 真夜中の プラチナの光の中 ギラギラと 輝いた この街も悪くない」と始まる。

 「君となら この嵐も 乗り越えられるはずさ」とあるが,「この嵐」が現実の気象現象の嵐か,あるいは何かを嵐にたとえたのかすら判断できない。たまに「真実はきっと 臆病だからその姿を決して見せない」などと意味ありげな歌詞も飛び出すが,これも深い意味があるというより,思い付きを書いたように感じる。私には難解すぎるようだ。

 

snow drop(2021/11/20

平成10年,詞:hyde,曲:tetsu,唄:L’ArcenCiel

  「透明な雫はあなた 可憐な水の音 きらめくように揺れる波紋は春の予感 目覚めの呪文」と始まる。

 「春」とか「朝」などのキーワードがあり,明るいイメージの詩なのだが,曲と歌声からはそれほど明るいイメージが受け取れない。まあ,後半 はかなり明るく唄おうとしているようだ。

 フジテレビ系のドラマ『走れ公務員!』(さとう珠緒,奥菜恵,金子賢)主題歌。

 

There will be love there〜愛のある場所〜(2022.8.1)

平成10年,詞:川瀬智子,曲:奥田俊作,唄:the brilliant green

「大きな曲がり角を曲がったなら走りだそう」と始まる。

英語が挿入されており,聞いても解らない。歌詞を読むと平易な英語なのだが,歳をとると日本語脳と英語脳の切り替えに時間がかかり,唄のスピードについていけないので,英語の箇所だけでなく日本語の箇所も解らなくなってしまう。

歌詞を読むと「悩みはいつも絶えなくて不満を言えばきりがない」などとあるが,具体的な悩みや不満が何なのかはさっぱりわからない。「愛する一人のために生きてゆきたい」などとあっても,その「愛する一人」が全く見えないんで,観念的な「愛する一人」,つまり,そんな人がいるといいなあというようにしか私には感じ取れないので,切実感を感じない。

TBS系ドラマ『ラブ・アゲイン』(渡部篤郎,石田ひかりほか)主題歌。

 

全部だきしめて(2021.3.20)

平成10年,詞:康珍化,曲;吉田拓郎,唄:KinKi Kids

 「きみのすべてを ぼくの自由にしたくて」と始まる。

 まず感じるのは忙しい歌だということだ。1小節の中に多数の文字が詰め込まれているのだろう。詞は解るような気がするが解らないところもある。

 「なにも 信じられなくなっても ぼくを試したりしなくて いいんだよ」というのは「なにも」というのを「ぼくを」と置き換えたほうが解り良いだろう。しかし,信じられなくなったから試したいというのに,試さなくていいんだよと言われても困るのではないか。昭和以前の人間なら何でも試してくれと言っただろう。

 「落ち込んでだれかを傷つけたいなら」などとも言っているが,自分が落ち込んだときには誰かを傷つけたいと思っているからこんな言葉がでるのだろう。「全部だきしめて きみと歩いて行こう」というのは全てを君に捧げるというようにも聞こえるかもしれないが,私には自己中男のタワゴトにしか聞こえない。もちろんKinKi Kidsには罪はない。作詞家の問題だろう。

 

SOUL LOVE(2020.12.27)

平成10年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄;GLAY

 「新しい日々の始まり 春の風に吹かれていた」と始まる。

 言葉の使い方が私と違っているようで,内容が理解できない。

 「軽い出逢いは突然」ということで,出逢いがあったのだろうとは思うが,その解釈が正しいのかどうかも解らない。

 「ふいに心を奪った瞬間の あのトキメキよりも眩しい程に」というのもよくは解らないし,この後に続くフレーズとの関係も理解できない。

 若い人はこれで意味が通じているのだろうか,あるいは意味は無関係で,並んでいる言葉の雰囲気だけから全体を感じ取っているのだろうか。

 

タイミング~Timing~(2020.11.22)

平成10年,詞:森浩美&ブラック・ビスケッツ,曲:中西圭三&小西貴雄,唄:BLACK BISCUITS

 「急に冷たくなって ソッポ向かれたり なんでなんでなんで?」と始まる。

 「僕のココロ和ます」「フシギなチカラ」を持つ「君と出会う前まで キモチ張りつめ 折れそうだったよ」という歌。

 どうもその「チカラ」は「君の“タイミング”」から生まれていると言っているようなのだが具体的にはよくは解らない。しかし,全体としては君と出会って心が安らかになったということだ。ただ,君を恋愛対象として見ているわけではなく君の存在が場の雰囲気を変えるという印象だ。恐らくは現在強くは自覚していないが,万一君を失うことがあったらそのとき初めて君を恋しく想うのだろう。

 なお,BLACK BISCUITSはブラビと呼ばれるがもちろんBrad Pittとは違う。日本テレビ系で放映されていた『ウっチャンナンチャンのウリナリ!!』内で結成されたユニット。メンバーは南々見・天山・ビビアン。

 

Time goes by(2021.2.26)

平成10年,詞:五十嵐充,曲;五十嵐充,唄:Every Little Thing

 「きっと きっと 誰もが 何か足りないものを 無理に期待しすぎて」とはじまる。ほんとうはその前に「Wow wow wow….」というのがあるのだが。

 平成の歌にしては歌詞の内容がよく解る気がする歌。

 「会えばケンカしてたね」とあるのに同時に「Kissをしたり 抱き合ったり」ともある。どうもこれが平成流なのだろう。しかし,今では別れたようだ。いくつか反省の言葉もあり,最後には「いつかまた笑って 会えるといいね Time goes by」と終わる。

 昭和ならばこの雰囲気なら『別れても好きな人』1)になりそうだが。

 友達以上の関係だったのに,恨みもないし未練もない。ひょっとしたらまた友達関係に戻ったのではないかと思うほどでこのようなところが平成流というか私には理解できないところだ。

1) 「別れても好きな人」(昭和54年,詞:佐々木勉,曲:佐々木勉,唄:ロス・インディオスとシルビア)

 

DIVE TO BLUE(2022.12.3)

平成10年,詞:hyde,曲:tetsu,唄: L’ArcenCiel

 「『はばたくのさ すぐに』 誰かささやいた 『ひざ下の境界線飛んでしまおうよ』 背中合わせの自由 『さびた鎖に最初からつながれてなんてなかったんだよ』」と始まる。

 「ひざ下の境界線」というのは繋がれていると思っていた鎖は錆ており,その気になればいつでも「定められた運命を切り裂いて空へと抜け出」ることができるということなのだろう。

 「目覚めた翼は消せない」と自由を手に入れた気でいるようだが,「何が正しいなんて答えは無いさ 枝分かれした道 神のみぞ知る」とあるので,その自由をどのように使うつもりなのだろうか。

 「何もかもが堕ちてくけど 君だけは大人にならないで」とはどういう意味なのだろう。自由な大人になっていくと堕ちていくということなのか。「君だけは大人にならないで」なんて「君」を自分好みにコントロールしたいということなのだろうか。

 昔から若者は『自由』の真の意味も知らぬうちからその言葉に憧れたものだ。しかし,昔の人間は歌謡曲や演歌などから社会の仕組みを学習していったのだ。誰もが次第に「大人」になっていくはずだが,平成の若者は学習して「大人」になる前に,若者として自分の思いを表現しているようだ。

 独特な声で唄っている。昔もこのような発声をする歌手がたまにいた。このような発声の良し悪しは私には判断できないが。

TBS系『特捜!芸能ポリスくん』のエンディングテーマ。

 

Children’s Holiday(2021.7.26)

平成10年,詞:松井五郎,MICHAEL JACKSON,曲:MICHAEL JACKSON,唄:J-FRIENDS

 KinKi Kidsが「小さな手が ふれるもの」と歌いだす。TOKIOが「輝きがあふれている そう」と続き,更にV6が「子供たちのためになにか できることが きっとあるはずだね」と続ける。

 全員で唄う箇所もあるが,坂本・松岡・城島が唄ったり,堂本・井ノ原・城島が唄う箇所もあり,長瀬・山口・長野が唄う箇所もある。

 「一緒にかなえよう 僕たちの夢」「君ができること それがはじまり」「ほんとにできる(から)」「みんなにできる(から)」という人生の応援歌。

 曲の雰囲気は昭和の応援歌とは大分違うが。

 

つつみ込むように…(2023.10.12)

平成10年,詞:島野聡,曲:島野聡,唄:MISIA

 「雨上がりの道を カサさして歩いた 水鏡にうつそう 幼い子供みたいに」と始まる。

 何が言いたいのか,私には解らない歌。

 「恋人と呼びあえる時間の中で 特別な言葉をいくつ話そう 夢に花 花に風 君には愛を そして孤独を 包み込むように」は2回現れるので重要なのだろう。それなのに私にはこの箇所と他の箇所の関係が理解できないのだ。起承転結のある漢詩でも転とはいっても他の箇所との関係は何となく感じ取れるのだが,この歌の各部分は想いの断片を無秩序に並べたように感じる。

 

DESTINY(2024.11.17)

平成10年,詞:小林武史,曲:小林武史,唄:MY LITTLE LOVER

 「あなたを感じたなら 想いがもっと届いたら 涙が溢れること たった今 想い出せたの」と始まる。

 「近づくほどに遠く 海のように揺れるけど あなたも泳いでるなら きっと逢える 運命の時に」。これが「DESTINY」ということなのか。英語に弱い私にはよく解らない。せめてタイトルが日本語なら解り易いだろうに。

ところで,海を泳いでるなどと聞くと『盲亀の浮木』などを思い出し,逢えないのではないかと心配してしまう。

 フジテレビ系ドラマ『WITH LOVE』(竹野内豊,田中美里,及川光博,藤原紀香)オープニングテーマ。

 

遠くまで(2023.3.18)

平成10年,詞:稲葉浩志,曲:稲葉浩志,唄:稲葉浩志

 「歩こう肩をよせて どんより滲む空の下 二人 呼んでくれ 好きな呼び名で」と始まる。

 途中,早口言葉のように極めて高速で唄う箇所があるが,年寄りにはついて行けない。さすが若者の歌と感じてしまう。

 昔の若者に比べ,今の若者のほうが生きるのに楽だと思うのだが,当事者である若者はそうは思っていないのだろう。それでも稲葉は「悲しむことでも 喜ぶことでも 強くなってゆけるよ ひとつずつ 少しずつ」と前向きに生きているようだ。

 「逃げるようにじゃなく 夢を追うように 進むこともできるよ 一歩ずつ すこしずつ」と前向きな若者は応援したくなる。B’zの曲の多くは耳の悪い私には騒々しく感じられるのだが。

 

長い間(2021.1.15)

平成10年,詞:玉城千春,曲:玉城千春,唄:Kiroro

 「長い間待たせてごめん また急に仕事が入った」と始まる。

 この電話の声を受け,「気づいたのあなたがこんなに 胸の中にいること 愛してる まさかねそんな事言えない」と続く。このあとは「愛してる でもまさかねそんな事言えない」とほぼ同じフレーズが繰り返されているだけだ。

 自分の想いに気づいてしまった。否定しようと思っても否定しきれない。それどころか心の底から笑みが湧いてくるような,幸せ感が漂う歌。

 失ってから気付くケースが少なくない中,失う前に気づいて良かった。

 

ニシエヒガシエ(2023.12.20)

平成10年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

 「また 君の中の常識が揺らいでる 知らなきゃ良かったって 思う事ばかり そして いつしか慣れるんだ」と始まる。

 「受け売りの知識 教養などをほうばり 胸やけしそうなら この指とまれ」と言っていたと思うと,「愛だ恋だとぬかしたって 所詮は僕等アニマルなんです」と開き直る。

 哲学者を目指したが,なりきれず脱落したような印象で,そすいう若者がこのような歌を好むのかもしれない。

 フジテレビ系ドラマ『きらきらひかる』(深津絵里)主題歌。

 

ノラ(2025.5.27)

平成10年,詞:ちあき哲也,曲:徳久広司,唄:門倉有希

 「やめて下手な嘘 抱いて今はただ 雨にぬれたノラ 帰りついたあんた」と始まる。

 「そう 棄てたもの 夢なんか きっぱり 癪(しゃく)だけど もしかしたら これが これが しあわせ 好きよ好きよ好き 愛はひとり芝居」

 タイトルと曲以外,つまり歌詞は演歌ど真ん中だ。カタカナタイトルは演歌に似合わないし,この曲は私が慣れ親しんだ演歌ではない。私がもう少し音楽に詳しければ曲の分析もできるのだろうが。作曲が徳久と聞くと,そうなのかと納得はするのだが。

 

Heart(2024.6.11)

平成10年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治

 「あきらめなかった 僕を見つけることを この街の中で やがて昇る朝陽のように」と始まる。

 「僕を見つけることを」というのだから動作の主体は「君」なのだろう。このように他人の思いを勝手に想像する歌詞に対して私は,作詞者が自己中心的だというような批判を書くことが多い。しかし,この歌では何故かは解らないが自己中心的だという印象はない。あまり違和感がないうちに最後の「ずっと探してた 愛を探してた そして今 心に 約束の言葉を刻もう 二人の明日を刻もう」となる。ハッピーエンドのようだから文句はない。

 TBS系ドラマ『めぐり逢い』(常盤貴子,福山雅治)主題歌。

 

Happy Happy Greeting(2023.9.7)

平成10年,詞:松本隆,曲:山下達郎,唄:KinKi Kids

 「星が沈む海に 太陽がのぼる 光の矢の中で 君を抱いていた」と始まる。

 星や太陽が動いているように見えるのは,1日くらいの範囲では地球の自転が原因だろう。だとすると太陽も星も東の空から出て西の空から沈む。星が沈む西の海へは太陽も沈むのではないか。

 もちろん星のなかには北極星のように動かないように見える星もあるし,北斗七星などは北極星の周りを廻るが海には沈まない。こういうことが気になって歌を楽しめない。

 歌はいろんなおめでとうを言っているハッピーソングだ。新年おめでとう,誕生日おめでとう,更にはバレンタインに結婚。一応歌詞中のおめでたはこれで終わって,「夢はまだ小鳥さ 大事に育ててゆこう」となって後はこれからとなっている。

 まあいいのだが,ひとつだけ文句をつけるとすれば歌詞に簡単な単語ではあるが英単語が含まれているところだ。Birthdayなどなぜ誕生日ではいけないのか。あるいはバースデイのようなカタカナ日本語でいいのではないかと思う。togetherとかforeverはカタカナ日本語はややハードルが高いので漢字かなの日本語にしてもらうとより好感が持てるのだが。

 

HONEY(2021.2.5)

平成10年,詞:hyde,曲:hyde,唄:L’ArcenCiel

 「ずっと眺めていた 遠く幼い頃から」と始まる。

 歌詞に英語が入っているのも気に入らないし,曲も騒々しい。

 しかし,何を隠そう。私が中・高生時代にはこのような曲に憧れていたのだ。もともと守屋浩とか橋幸夫などを中心に聴いていたのだが,プレスリーも聞こえてくる。そのうちにニール・セダカやポール・アンカなども聞くようになり,ベンチャーズやビートルズが登場する。ボブ・ディランやPPMなども流れていた。そのような中で毎日のストレスが吹き飛ばせるのではないかと激しいリズムを求めたこともあった。解りもしない(これは私の場合に限る)英語に何となく憧れていた時代もあった。

 私がもっとずっと若かったらこの歌も好きになっていたかもしれない。しかし,現在(この歌がでた当時も),私は若者文化に眉をひそめる年寄りになってしまった。

 

HURRY GO ROUND(2024.10.6)

平成10年,詞:hide,曲:hide,唄:hide with Spread Beaver

 「狂い咲く季節が 止めど無く溢れる また いつかと同じ 繰り返す戯れ」と始まる。

 「蔦は絡まり 身は朽ち果てて 思い出の欠片 土に帰り また 花となるでしょう」など,時間の経過や再生を表しているのだろうが,この歌の中でどんな意味があるのだろう。「あの日見えなかった 愛(め)でるべき花たち」は何らかの後悔を表しているのだろうか。

 その他の箇所の歌詞も日本語なのだが私が使う日本語とは異なるようで,私には状況が理解できない。世代間ギャップを強く感じる歌。

 日本テレビ系『スーパーテレビ情報最前線』エンディングテーマ。

 

Power(2022.6.26)

平成10年,詞:CHIAKI/ポケットビスケッツ,曲:パッパラー河合,唄:ポケットビスケッツ

 「南風よ伝えて あふれる想い あの人まで」と始まる。

 「いつも あなたは そこにいたのに 素直になれなくて」と気づいた時には後の祭。

 そもそも「深呼吸して マジメにやったら 何か変わるのかな 3つ数えて 瞳閉じたら きらめく世界へと」などと考えるのがそもそも甘いのだ。そんなにインスタントに変えることができるなら,古今東西苦労はない。そう簡単ではないからこそ皆が悩み苦しむのだ。

 「ハッピーエンドのかけら集めて 走りだそう」と思えるのだから頑張れと応援したくはなるが前途は厳しいだろう。

 

BE WITH YOU(2021.6.28)

平成10年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「あなたに会えた事・・・幸せの後先」と始まる。

 「さえぎるもののない あなたに続く道の上 今愛を束ねて・・・そして あなたの愛になりたいと思うよ」と最後にまとめのフレーズがあり,このような歌なのか解る。

 しかしここに至るまでは理解できないフレーズが続く。最初は「目の前には境界線 未来は近くはてしなく遠い」など,自分の主観的想いを表しているのだろうが,第三者には何のことか解らない。最後のフレーズに向け,次第にあなたへの愛というのが見えてはくるのだが,「苦しみを包み込む様な生命(いのち)のきらめき思うとき 誰も独りでは生きられぬ弱さが愛しくて その手をつないだ」のように,手をつなぐだけでもこのような七面倒な前置きを置いている。手をつなぐといっても「その手」があなたの手を指すのか,弱さの手を指すのかすら明確ではない。

 作詞者の頭の中では明確なイメージができているのだろうが,私にはそれが伝わって来ない。

 結論に至るまで,小難しい抽象的な言葉を並べるより,もっと素直な具体的な言葉を使えばいいのにと思ってしまう。

 

ピンクスパイダー(2021.5.7)

平成10年,詞:hide,曲:hide,唄:hide with Spread Beaver

 「君は 嘘の糸張りめぐらし 小さな世界 全てだと思ってた」と始まる。

 「極楽鳥」にそそのかされ,「捕えた蝶の」翼を使って飛び立つが,「借り物の翼では うまく飛べず まっさかさま 墜落してゆく」というところで終わっていればよくある話と見過ごしたのだろうが,この歌では「もう一度飛ぼう この糸切り裂き 自らのジェットで」と続く。ジェットというのが何のことか解らないが,そんなものがあるのなら蝶の羽など使わずに最初からそのジェットを使あえばいいと思うのだが。

 墜落してそこで終わるのは凡人だろう。再度ジェットで挑戦というのは天才か。


 

Face the change(2024.1.24)

平成10年,詞:五十嵐充,曲:五十嵐充,唄:Every Little Thing

 「胸に懐かしく響くよ 二人で行った浜辺だから だけどさみしさ誘うのは 季節のせいじゃない」と始まる。

 「会えば独占欲から 気持ち押しつけてた いつも強がっていたよね 本当にごめんね」と後から気付くのは若さゆえだろう。

 昭和の時代にこのような内容の歌は記憶にないが,『後から気付く』というのは昭和から続く路線なので違和感なしに聴くことができる。ただ,タイトルが私には何のことか解らない。日本語で書いてくれー。

 

HOT LIMIT(2023.5.26)

平成10年,詞:井上秋緒,曲:浅倉大介,唄:T.M.Revolution

 「YO! SAY,夏が 胸を刺激する ナマ足 魅惑の マーメイド」と始まる。

 アップテンポの平成の歌について行けないことが多い私だが,この歌もそうだ。曲はノリのよさそうな曲で,私がもっともっと若かったら気に入っていただろう曲だ。

 詞は解るような解らないような。詩人の文なのだろう。論理的に読んではいけないのかもしれない。「宝物(ホンモノ)の恋を しま鮮花?」くらいなら私にも解るような気がするが,なぜ「しま鮮花?」と表記するのかの理由は全く理解できない。

 

forbidden lover(2023.1.7)

平成10年,詞:hyde,曲:ken,唄: L’ArcenCiel

 「あぁ凍える暗い海へ 流されてゆく歴史の波にのまれ」と始まる。

 「あやまちを育てその汚れた愛で瓦礫に築く楽園」とあり,タイトルの「forbidden lover」というのが「あやまち」と関係あるのだろう。天罰を受けているようだから「怯えた瞳は天を仰いで叫ぶ神の名を」なのだろうが,私にはこの歌から信心深さは感じられない。

 最後に「やがて来る日にも 同じ道をまた通るだろうか」とある。ここは疑問形のように書かれてはいるが,確信しているに違いない。

 私には信仰に向かい合っているようには感じられず,共感できない歌。四畳半フォークにシンパシーを感じる私には,この歌はスケールが大きすぎる。

 日本テレビ系『知ってるつもり?!』のエンディングテーマ。

 

HOME(2022.2.12)

平成10年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「愛されるばかりが能じゃないだろう さあ見つけるんだ 僕たちのHOME」と始まる。

 「君を傷つけて いっぱい泣かせて 僕はもう眠れなくて 後悔してるのに またくり返すどうしようもなくダメなんだ」と自覚してはいるようだが,「言葉ひとつ足りないくらいで 笑顔ひとつわすれただけで ほんの少しのすれ違いだけで 全部あきらめてしまうのか」と自覚の程度が全く不足で,「さあ見つけるんだ 僕たちのHOME」などと勝手なことを言っても相手の心には響かないだろう。

 

white key(2024.7.16)

平成10年,詞:Marc & TK,曲:Cozy Kubo &T.K.,唄:鈴木あみ

 「かすかな光の中 こころどこへ 灯火で影が揺れ 白い雪が 降り止まない夜は カギを開けて ゆらゆらとロウソクが 消えちゃう前に」と始まる

 ここに現れる「カギ」が何を表しているのか私には解らない。タイトルのwhite keyは歌詞中に何度も登場するがこの「カギ」と同じものだろうか。

 「二人で過ごした もう過去の歌」とか「一人で見ていた 透き通った月」。これらの間に時間経過はあったのだろうか。「white key ほしい」とか「white key 抱えて」とかが何度も現れるが,white keyは持っているのか持っていないのか。最後は「誰かの 優しい shite key ほしい」と終わっているので,人それぞれが持っている物かも知れない。私には理解困難な歌。

 作詞・作曲のT.K.は小室哲哉,唄は女優の鈴木亜美。

 

my graduation(2020.11.6)

平成10年,詞:伊秩弘将,曲:伊秩弘将,唄:SPEED

 「あなたと出逢えてよかった 今一人瞳を閉じる」と始まる。

 しかし,とうとう「ずっと忘れない 離れてもくじけない」という状況になった。だから「今日は私の my graduation」ということらしい。直接的で解りやすい。

 「幼かった昨日の私に さようなら」と少し大人になっていっているようだ。

 私の年齢になると,「愛にはぐれたTonight」などというフレーズは気にもかけず,保護者目線で,大きな火傷をせず,成長していくことは目出度いことだなどと思ってしまう。

 

未来へ(2025.2.27)

平成10年,詞:玉城千春,曲:玉城千春,唄:Kiroro

 「ほら 足元をみてごらん これがあなたの歩む道 ほら 前を見てごらん あれがあなたの未来」と始まる。

 「未来へ向かって ゆっくりとあるいて行こう」という歌。

 その中に「離れた母に素直になれず」とは言っているが「母がくれたたくさんの優しさ」と母への感謝は十分に現れている。この歌は卒業ソングとしても唄われるとか。

 昭和の時代にも未来に続く道を歩く歌はあった1)。しかし卒業式では「仰げば尊し」2)と「蛍の光」3)が定番だった。

1)      「若いふたり」(昭和37年,詞:杉本夜詩美,曲:遠藤実,唄:北原謙二)

2)      「仰げば尊し」(明治17年,小学唱歌)

3)      「蛍の光」(明治14年,詞:稲垣千穎,曲:スコットランド民謡)

 

you(2024.8.30)

平成10年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治

 「忘れてしまおう もうすべて 眠りはやさしい そう唄を」と始まる。

 「こんなに 心震えるから あなたの そばにいるだけで こんなに。 心焦がれるから あなたが そばにいるだけで 雨が 止む前に その前に むかえにゆくよ」。論理的な話の流れは良く理解できないが,気分は何となく伝わって来るような気がする。平成的な中にも昭和的ななにかがあるのかもしれない。

 TBS系ドラマ『めぐり逢い』(常盤貴子,福山雅治)イメージソング。

 

誘惑(2020.10.6)

平成10年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「時に愛は2人を試してる Because I love you」と始まる。

 騒々しいロックだが,若い頃はこんな曲に引かれた時期もあった。この頃では選んで聴きたいわけではないが,流れていれば何となく身体が反応しそうだ。

 歌詞はよく解らないが,歌詞は理解できなくても曲に乗ることはできる。

 最初と最後に「愛は2人を試してる」とある。2回もでてくるのだから重要なのだろう。しかし,私の認識では「愛」は人の内部にあるもので,人の外部に客体として存在するものではない。要は愛が主体となって何かを試すということが理解できないのだ。私の認識では愛を試すことはあっても愛が試すことはない。このような認識の差が積み重なって詞が理解できなくなる。

 

夜空ノムコウ(2020.10.21)

平成10年,詞:スガシカオ,曲:川村結花,唄:SMAP

 「あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ・・・」と始まる。

 「歩き出すことさえも いちいちためらうくせに つまらない常識など つぶせると思ってた」と反省の言葉。若干後悔を含んでいるかもしれない。「つまらない常識」を説くのが大人の務めだ。しかし,これを「つぶせると思う」のは若さの特権であり,このような試行を経て世の中は変わっていく。

 いろいろあるが,「夜空のむこうには もう明日が待っている」というのが結論だ。残念ながらどんな明日かの記述がなく,この明日はリスナーごとに違うのだろう。明るい明日が待っているのか,暗い一日が始まるのかすら解らない。それでも明日は確実に来る。

 

ラストチャンス(2021.9.20)

平成10年,詞:Something Else,曲:Somotihg Else,唄:Something Else

 「知らぬまに電車は動きだしていた」と始まる。「今日も君に逢いたいけれど すれ違ってゆくばかり」ということらしい。

 日本テレビ『電波少年』の,ヒットに恵まれず事務所と契約切れ寸前だったバンドに,もう一度だけシングルを出すがそれがオリコンで初登場20位以内に入らなければバンドを解散するという企画に挑戦してできた曲。

 平成の流行りの曲というより昭和の曲の末裔という感じを受ける。

 「友達が幸せそうに見えた でも最近じゃ自分をもっと 好きになろうと心に決めたんだ」と自己肯定感を鼓舞しているところは平成らしい。

 「いつか僕に愛する人ができたら すべて投げ出して守り続けたい」などと言っているところなどやはり甘い。「この声が君に届くように」の「君」とはどういう君なのだろうか。最初にでてきたすれ違ってゆく君のことなのだろうか。この君は「愛する人」ではないのか。一途な思いが感じられず,逃げ道を残しておきたいという未練を感じてしまう。

 

LOVE AFFAIR〜秘密のデート(2024.5.8)

平成10年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ

 「夜明けの街ですれ違うのは 月の残骸と昨日の僕さ 二度と戻れない境界を越えた後で 嗚呼この胸は疼いている」と始まる。

 Wikipediaによれば家族を捨てることができない男の不倫の歌らしい。それらしいところを歌詞から拾ってみると,「連れてかえれない黄昏に染まる家路」,「まだ離れたくない早く去かなくちゃ 夜明けとともにこの首筋に夢の跡」,「棄ても失くしも僕は出来ない ただそれだけは臆病なのさ 連れて歩けない役柄はいつも他人」等々だが,このような男の歌は昭和では記憶にない。こんな男もいただろうが,自分を歌にしようとは思わなかっただろう。平成の男はどんなつもりでこのような歌を作ろうと思ったのだろう。

 TBS系ドラマ『Sweet Season』(松嶋菜々子,椎名桔平)主題歌。

 

ROCKET DIVE (2023.8.3)

平成10年,詞:hide,曲:hide,唄:hide with Spread Beaver

 「だいたいおんなじ毎日 そいで まあまあ それなりOK」と始まる。

 「何年待ってみても 何も降って来やしないんだろう?」から始まって「黙っていても日は昇る 待ってるだけの昨日にアディオース」と扇動し,「何にもないって事 そりゃあ なんでもアリって事 君の行きたい場所へ何処でも行ける」とアジる。「翼,広げて君がFLY」「新しい星が瞬く世界へ」というのだが,「新しい星が瞬く世界」というのがどういう世界かは示されていない。

 曲はノリの良いロックで,中・高生の頃の私ならハマったかもしれない。

 フラストレーションを溜めた若者に「飛ぼう」と呼びかける歌だが,飛ぶ先が明示されていない。変な活動を推奨するのは問題だが,音楽とかスポーツどかを勧めてもいいのではないか。まずはフラストレーションを発散し,できればその精力を『精力善用自他共栄』といきたい。

 

ロマンス(2024.2.28)

平成10年,詞:HAKUEI,曲:PENICILLIN,唄:PENICILLIN

 「愛に気づいて下さい 僕が抱きしめてあげる 夢も涙も忘れて 君を求めていた」と始まる。

 どうも自己中心的な上から目線という印象で共感はできない。相手の想いが解るような言葉が歌詞の中に見当たらないのは,相手の想いを感じとる力がないのではないか。

また「僕がささやいてあげる」などにも違和感がある。昔々は『あげる』にどのようなニュアンスがあったのかは知らないが,動作の相手を敬っていう言葉だと聞いたことがある。だから,『金魚にエサをあげる』は誤用で『金魚にエサをやる』が正しいとのことだ。そのころからかなり時間が経過し,今では『犬にご飯をあげる』などにも違和感が無くなってきた。そのような感覚で「抱きしめてあげる」などと聞くと,相手をペットのように見ている印象を受けるのだ。

曲も私にはメロディーが乏しく,騒々しく感じる。