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目次

平成19

愛唄,ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜私達の未来予想図,蒼く優しく,明日晴れるかな,イッツマイソウル,weeeekWe can make it!Ultra Music Power,永遠に,永遠の翼,風の詩を聴かせて,崖の上のポニョ,Kiss & CryKeep the faithglitterSUPER LOVE SONG,ズッコケ男道,聖なる夜に,旅立ちの唄,弾丸ファイター,CHE.R.RY,蕾,DAYBREAK’S BELLHEART[今すぐ会いたい],花の名,Happiness100万回のKISSBeautiful WorldPEACH,フェイク,fatedFREAKYFlavor Of LifeBRAND NEW SONGHey! Say!,星をめざして,メーデー,もってけ!セーラーふく,喜びの歌[愛してる]Lovers AgainLove so sweetRolling starWINDING ROAD,吾亦紅

平成20

I AM YOUR SINGER愛のままで・・・,海雪,風の向こうへ,キセキ,GIFTGREENSUMMER TIMESecret Code,羞恥心,Step and GoSUPER SHINE想〜new love new world〜,そばにいるね,太陽のナミダ,Ti Amo(The BirthdayTi Amo)Daystruth時の足音,Dreams Come TrueDON’T U EVER STOP,泣かないで,[大丈夫だよ]NEW LOOK(60s 70s 80s)Happy BirthdayHANABI[どれくらいの値打ちが],BURN―フメツノフェイス−,陽はまた昇る,Beautiful daysWhite X’masWHAT A FEELING(60s 70s 80s)冒険ライダー,真夜中のシャドーボーイ,Mirrorcle World無責任ヒーロー,Your Seed,弱虫サンタ,LAST CHRISTMASLIPS ROCK STEADY(60s 70s 80s)ワッハッハ―,One Love

 

愛唄(2023.5.17)

平成19年,詞:GReeeeN,曲:GReeeeN,唄:GReeeeN

 「『ねぇ,大好きな君へ』笑わないで聞いてくれ 『愛してる』だなんてクサいけどね」と始まる。

 「ただ 泣いて 笑って 過ごす日々に 隣に立って 居れることで 君と生きる 意味になって 君に捧ぐ この愛の唄」。好きだ好きだ好きだという気持ちをストレートに歌い上げており,好感が持てる。

 この詞に対して,曲,特にリズムに対して若干の違和感を持つ。昔のカレッジフォークのような曲がいいのじゃないかとも思うが,私がもっとよい曲を作れるわけもないのだから仕方がない。

 

ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図(2024.7.7)

平成19年,詞:吉田美和,曲:吉田美和,唄:DREAMES COME TRUE

 「ちゃんとあなたに 伝わってるかな?」と始まる。

 「ねぇ あなたとだから ここまで来れたの ねぇ あなたとだから 未来を思えたの」と続く。

その後は「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」として「メット5回ぶつけたり ブレーキランプ踏んだり」などが挙げられている。他にも同じことを5回繰り返して「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」としているようだ。微笑ましい。ただ,私の世代だと,5文字だと『さようならは五つのひらがな』1)などを思い出してしまう。この歌が流行っていた頃,吉田は3歳くらいだろうから彼女の記憶になくても仕方がない。

 映画『未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』(松下奈緒,竹財輝之助,原田泰造ほか)主題歌。

1)      「さようならは五つのひらがな」(昭和43年,詞:星野哲郎,曲:中川博之,唄:黒沢明とロス・プリモス)

 

蒼く優しく(2023.12.11)

平成19年,詞:小渕健太郎,曲:小渕健太郎,唄:コブクロ

 「あの日の夢を 今もずっと 追いかけ 続けていたら 今ごろ 僕は どこにいて 何をして いたんだろう?」と始まる。

 「答えのない問いに 白く滲んだ空 踏み出せなかった あの道は 今ここに 続いていた」とあるが,どうも詩人の言葉は私には解り難い。「踏み出せなかった あの道」と続くというのが私の理解だが,そうだとすると,その道が「今ここに 続いていた」というのはどういう意味なのだろう。あの道を進んだから今ここに続いていたのじゃないのか。

「何度負けても 間違っても 夢は 終わりじゃない 何度勝っても たった一度の 諦めに 崩れてゆく」と現在形で書かれており,ここは不変の真理を表しているのかもしれない。

ところで,「見上げるほど長い上り坂 今僕の 目の前に 引き返して しまえばまた 後悔だけが 僕を待ってる 下り坂」とまたもや決断の時を迎えているようだ。

最後は「少しだけ 休んでも 良いかい?」と終わっている。

結局、この歌では「夢」の内容が不明なのでなんとも反応のしようがない。オリンピックで金メダルをとりたいというような夢なら多くの人にとって努力しても叶わぬ夢なのだが,努力すれば叶う夢もある。運だけで叶う夢もあるだろう。平成の歌は,共感を増やそうとするためか,唄の内容を一般化しようとし過ぎて解り難くなっているように思う。

 日本テレビ系ドラマ『ドリーム☆アゲイン』(反町隆史)主題歌。

 

明日晴れるかな(2021.7.17)

平成19年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:桑田佳祐

 「熱い涙や恋の叫びも 輝ける日はどこへ消えたの?」と始まる。

 フジテレビ系ドラマ『ポロポーズ大作戦』(山下智久,長澤まさみほか)のエンディングテーマ。

 心に浮かんだ言葉を次々と並べたような印象の歌詞。最後のほうに「明日(あした)晴れるかな・・・」というタイトルと同じ詞があるのでこれが主テーマなのだろう。しかし,途中の歌詞が明日の天気を心配しているようには感じられない。ひょっとしたら心の闇が晴れるかなということなのかもしれないが,そのような闇あるいは裏返しの希望が開陳されているようでもない。

 「『愛』失くして『情』も無い? 嘆くようなフリ」など、これだけなら深い意味があるかもしれないなどと思うが,「『哀』無くして『楽』は無い」などと続けられると,単なる言葉遊びかと感じてしまう。

 「在りし日の己れを愛するために 想い出は美しくあるのさ」など,これを主題にすれば別な歌ができそうなのに,思いつきのフレーズをただ置いただけとしか感じられない。

 「明日(あした)晴れるかな・・・」とどのような関係があるのだろう。

 もっとも桑田の詞に限らず,平成の詞は心に浮かんだフレーズをただ撒き散らかしたようなものが少なくなく,これらがヒットチャートの上位に在るので,平成人はこれらが心で受け止められるようだ。

 

イッツ マイ ソウル(2023.3.9)

平成19年,詞:上中丈弥(THEイナズマ戦隊),曲:林田健司,唄:関ジャニ∞

 「そーでもない第一印象 メシ会でも気が利くわけじゃーない OH ベイビー なのに君 魚の食べ方がキレイ」と始まる。

 「内輪では最下位だった君 まっ今もそれほど可愛いってわけじゃーない」,「ワガママ」で「無神経な言葉」とか普通なら低評価なはずなのに,「魚の食べ方」とか「スーパーの袋しまっとくよーなとこ」がツボにはまって「惚れたもんだから仕方ない」という歌。

 まぁ,こういうこともあるだろう。昔なら第三者は『たでくうむしもすきずき』などと言ったのだろうか。

 曲のメロディラインは私が昔から聞いて来た曲と比べて異質だ。昔,ユーミンを初めて聞いたとき,そのコード(進行)に驚愕したが,この曲はまた別な異質さだが私の音楽能力ではより深い説明ができない。

 

weeeek(2021.9.11)

平成19年,詞:GReeeeN,曲:GReeeeN,唄:NEWS

 「明日っからまた 日,月,火 ほら水,木回って金,土,日曜」と始まる。

 これが歌かと思うようなラップ調の歌だがオッペケペー節も歌だったのだから当然これも歌だ。

 「日々生き抜いて 心は曇り 僕たちは過ぎ去っていく ゆっくりでいい 辞めないで いつか水滴 必ず石を穿つ!!」と現代人は大変だ。おなじ『一週間』でもロシア民謡ではルーチンワークを淡々とこなし,鼓腹撃壌の雰囲気がある。この民謡が善政を示すために作られたのかどうかは知らない,旧ロシアでも尭の事蹟が知られていたのだろうか。

 GReeeeNは繰り返す日常に疲れている印象を受けるが,それでも「楽しんで生きてこう もういっちょ!」と前向きではあるが,日常の幸せにどっぷり浸かっている感じは受けない。

 

We can make it! (2023.8.29)

平成19年,詞:UNITeRap詞:櫻井翔,曲:Anders Wikstrom, Fredrik Thomander,唄:嵐

 「過ぎ去りし日々 振り返ることもできずに Everyday」と始まる。

  歌詞の構造が理解できない。誰が誰のために歌っているのだろう。英語も使われているが,weが使われたりmyが使われたりしているがweとは誰のことだろう。かと思うと「今すぐにつかみ取れ Your Dream! Your Dream!」などと言うのもある。自分自身を鼓舞している歌のように感じられられなくもないが,youが自分自身のことならwe Iが現れるのはおかしいのではないか。

 Rap部は私には聞き取れない。

 日本テレビ系ドラマ『バンビ〜ノ!』(松本潤)主題歌。

 

Ultra Music Power(2022.1.16)

平成19年,詞:MISS,曲:馬飼野康二,唄:Hey! Say! JUMP

 「J Johnnys’ U Ultra M Music P Power  J Join Together U Universe M Music P and Peace」と始まるといってよいのだろう。あるいは「喜び悲しみ 受け入れて生きる」が始まりかもしれない。

 「誰でもみんなが 孤独な戦士」とは言っているが,「信じているんだ あきらめないんだ 独りじゃないさ」とも言っており,どうも独りじゃないと信じたいようだ。「大きな奇跡起こせるさ 今こそ僕ら立ち上がろう」と前向きな応援歌になっている。

 フジテレビ系『ワールドカップバレー2007』のイメージソング。

 

永遠に(2023.2.2)

平成19年,詞:Satomi,曲:徳永英明,唄:KinKi Kids

 「いま憶えば何気ない言葉で 傷つけた日は 素直に謝ることさえ 何故かできなかった」と始まる。

 「永遠にキミとふたりで 掌(て)を取りあいながら ゆっくりゆっくりでいいから 焦らず 共に行こう」という歌。ラブソングだ。

KinKi Kids 10周年記念ソング。

平成21年には徳永英明がアルバム『WE ALL』内でカバーしている。

しかし,平成の歌手の多くはなぜ声の出し惜しみをするのだろう。このようなバラードならもっと声を出せばいいと思うのだが。

 

永遠の翼(2023.7.25)

平成19年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「真白い雲のただよう果て 何があるの? 桜の丘で ねころんで 夢を見てた」と始まる。

 「永遠の翼がほしい」「永遠の翼広げ ただ君のためだけに」「永遠の翼があるなら きよらかな風に乗って いつかくる優しい未来を 胸に描き 信じながら はばたいてゆこう」という歌。

 東映映画『俺は,君のためにこそ死ににいく』(岸恵子,窪塚洋介ほか)主題歌。

 映画も観ていないし,「永遠の翼」は何を表しているのだろうと疑問に思っていたが,Wikipediaによればメンバーは知覧特攻平和会館で受けた感銘を元にこの曲を作ったらしい。これを知れば「永遠の翼」に稲葉が込めた思いが解る。また,詞全体に対しても受ける印象がかなり変わる。内容が解れば,映画のタイトルの方が内容を強く表していると感じられる。

 平成の歌には解らない歌が多いとしばしば書いているが,これは,恐らく私がその歌のできた背景を知らないからだろう。昭和の時代はコンテンツが少なかったので皆がほぼ同じ知識を共有していたのが,平成では各人が各々の興味に従って自由にコンテンツを選択できるため,全国民の共通認識というようなものが失われたのだろう。

 

風の詩を聴かせて(2024.1.15)

平成19年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐:唄:桑田佳祐

 言うまでもないが,タイトルは「かぜのうたをきかせて」。

 「夢の枕に寄り添って もう一度だけ名を呼んで ひとりぼっちの世界で かりそめの逢瀬」と始まる。.

 「天使のような翼で 空を翔べたなら 逢いに行きたい Are you sailing now in heaven?

 桑田の歌には歌詞や歌唱が下品なものもあるが,これは下品なところがない。純愛の歌といえるだろう。

 東宝配給映画『Life 天国で君に逢えたら』(大沢たかお)主題歌。

 

崖の上のポニョ

(2022.6.17)

平成19年,詞;近藤勝也,補作詞:宮崎駿,曲:久石譲,唄:藤岡藤巻と大橋のぞみ

 「ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子 青い海からやってきた」と始まる。

 ジブリアニメ「崖の上のポニョ」(東宝,平成20年)のエンディングテーマ。

 アニメ,それも魔法が使えるような世界の話だから何でもありなので歌を聴くだけではなんのことかわからないが,映画を見た後なら違和感なく聴けるのだろう。明治・大正の頃の歌は歌自体で全体が理解できるように歌詞による説明がかなり詳しかった。しかし,次第に芝居などに題材をとった歌は,これを聴く者は粗筋を十分に理解しているものとして説明しない歌詞になった。平成ではこの傾向がさらに進み,コンテンツは増えるので粗筋すら知らない私のようなものには理解どころか想像すら困難になってきている。

 

Kiss & Cry(2022.12.29)

平成19年,詞:Utada Hikaru,曲:Utada Hikaru,唄:宇多田ヒカル

 「不良も優等生も先生も 恋に落ちれば同じよね」と始まる。

 「あなたの笑顔がぼくの心に クリティカルヒット いつの間にやらハイテンション」と恋の歌だ。

 「被害者意識って 好きじゃない 上目遣いで誘って 共犯がいい」などは宇多田のイメージどおりだ。

 「お父さんのリストラと」から始まる「と」の脚韻でそろえた箇所は私には意味不明だが,単なる言葉遊びかもしれない。

 「わたしの弱虫 来年の誕生日までに このままじゃなにも変わらない I just want you to hold me 恥をかいたってかまわない」とついに積極的に出ようというのだろうか。

 宇多田の詞は一人称と二人称の言葉遣い(男言葉と女言葉など)の差がなく,私には全体像がつかみにくい。

 

Keep the faith(2021.5.23)

平成19年,詞:氷室京介・SPIN,曲:氷室京介,唄:KAT-TUN

 「わがまま言ってたけど ここならYou know, baby 居場所があったし」と始まる。

 挿入されている英語が多いせいか,全体の意味がよく解らない。何度も繰り返されているのがタイトルにもなっている「Keep the faith」なのだが,このfaithの内容が解らない。

 年寄りが若者の歌を理解しようとするのが無理なのかもしれない。

 

glitter(2024.11.6)

平成19年,詞:ayumi hamasaki,曲:Kazuhiro Hara,唄:浜崎あゆみ

 「この夏 僕達は より強く輝きを増す 今をただ 大事にして」と始まる。これは最後のフレーズでもある。

 「思い出してる 去年の今頃と 遠い昔の今頃の事とか 結局 欲しいものは 変わってない」ということだが何かが変わったようだ。「変わったものは一体 何だろう」「大切なものは」「君の笑顔」「その為には 空も 飛べるはず」

 このように,作詞者の主観を並べた歌。

 

SUPER LOVE SONG(2022.9.30)

平成19年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「もたもたしすぎて またもや季節が終わる」と始まる。

 「相乗効果で ヨクなろう」という前向きな歌。

 「紛争なんか いらないよ」「愛なら衝突することはない」「狂信的な正義が 道行く人々を 脅しまくる そんな行為は 粋じゃない」とあり,社会的な詞のように聞こえなくもないが,「君と僕との間に 今さら 冷戦なんかもアホらしい 見栄を張りあったってキリがない」などというのを聞くと,「愛」とか「正義」というのは人類愛や社会正義ではなく,当事者二人の間の問題についてなのだろう。

 曲は典型的なロックだが,詞もこういうのがロックなのかもしれない。

 

ズッコケ男道(2022.8.26)

平成19年,詞:上中丈弥(THEイナズマ戦隊),曲:ピエール,唄:関ジャニ∞

 「きばってこーぜ イエイ イエイ イエイ 振り切ってこーぜ ほら ブンブン」と寂の部分から入る様だが,歌の始まりは「優しくて 気の利いた あの娘と何だかいい感じ」だろう。昭和の雰囲気で歌詞が非常に聞き取り易い。

 「虚勢は男の生きる道」とか「明日は明日の風が吹く」など,青島幸男1)が書いた詞を思い出させる。

1) 青島幸男:東京都知事も務めたマルチタレント。作詞家としてはクレージーキャッツや植木等の無責任シリーズなど作品多数。

 

聖なる夜に(2025.5.16)

平成19年,詞:ケツメイシ,曲:ケツメイシ,唄:ケツメイシ

 「街に溢れる ケーキ売りにサンタ 街路樹に イルミネーションが咲いた」と始まる。

 これもラップの一種なのだろうか。このリズムにはついて行けない。つまり聞き取れない。歌詞を読んでみると散文で韻を踏んでいる様子もない。詞の内容は「君と過ごす 初めてのクリスマスday」とのことで「足取りは 君の待つ場所へ向かう」途中の想いが綴られている。私のような他人にはどうでもいいことだ。

 

旅立ちの唄(2021.8.13)

平成19年,詞:Kazutoshi Sakurai、曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr,Children

 「怖がらないで」と始まる。

 「手当たり次第に灯り点けなくても いつか 一人ぼっちの夜は明けていくよ」と続くのだが,こういったフレーズに桜井の哲学(訳が解らないけれど,何となく高尚なのではないかと思わせる言葉)を感じるのは私だけだろうか。

 「今が大好きだって躊躇しないで言える そんな風に日々を刻んでいこう」とタイトルどおり「旅立ちの唄」だ。「いこう」というのは一緒に『行こう』というのが自然な解釈だとは思うが,呼びかけている相手とは別れて行こうと言っているようにも感じる。歌詞を何度か読み返してみると,最初の「怖がらないで」も自分自身に言っているように聞こえてきて,結局再出発する自分自身への応援歌のように感じる。

 なにもこのような複雑な構成の歌にしなくてもと思うのだが,自然にこうなってしまうのが桜井かもしれない。

 

弾丸ファイター(2025.2.16)

平成19年,詞:道面宜久,曲:Gajin,唄:SMAP

 「凹(へこ)むアウトが セーフだったり 夢のパンチで夢からさめたり 負けたからこそ 道ができたり タッチ寸前 一発逆転!?」と始まる。

 「Positive 弾丸ファイターで 前進あるのみさ 現実の その先に 真実の 夢をこの手に」と平成の若者は不景気時代でもpositive思考でよろしい。昭和人はこんなにお気楽には前を向けなかったと思う。

 

CHE.R.RY(2024.6.2)

平成19年,詞:YUI,曲:YUI,唄:YUI

 「手のひらで震えた それが小さな勇気になっていたんだ 絵文字は苦手だった だけど君からだったら ワクワクしちゃう」と始まる。

 「返事はすぐにしちゃダメだって 誰かに聞いたことがあるけど かけひきなんて出来ないの」とあるが「かけひき」なんてしなくていい。それにしても「返事はすぐにしちゃダメ」だなんていつから言われているのだろう。

 「〜指先で送るキミへのメッセージ」と何度も出てくるが.昔はこんなことはできなかった。ポケベル時代から指先でメッセージを送ることが可能になったが,じきに携帯電話で置き換えられた。このような通信技術がいつまで使われるのだろう。

 

(2021..3)

平成19年,詞:小渕健太郎,曲:小渕健太郎,唄:コブクロ

 「涙 こぼしても 汗にまみれた笑顔の中じゃ 誰も気付いてはくれない」と始まる。

 詞が聞き取りやすいということだけで好感を持ってしまう。

 「いつかこんな日が来る事も きっと きっと きっと わかってたはずなのに」とよく聞こえはするのだが,判るような判らぬようなフレーズの少し後に「あなたを思い出す」とでてきて,やっぱりと納得する。とはいえ解るのは外形だけで内部事情は解らない。

 「散り際に もう一度 開く花びらは あなたのように 聴こえない 頑張れを 握った両手に 何度もくれた」というので終わっていれば,弱ってきた私の頭でも解った気がして追われるのだが,最後は「優しく開く 笑顔のような 壺を探してる 空に」と終わる。タイトルも「蕾」となっているが,この蕾は何かの象徴なのだろうがその何かが解らない。「あなた」なのだろうか「あなた」の代替なのだろうか。もし「あなた」なら,咲く前の「あなた」ということだろうが「あなた」の代替ならばあまりにも変り身が早いと思ってしまう。

 

DAYBREAK’S BELL(2024.2.19)

平成19年,詞:hyde,曲:ken,唄:L’ArcenCiel

 「ねぇ こんな形の出逢いしか無かったの? 悲しいね 貴方に死んでも殺めて欲しくもない お願い」と始まる。

 「ねぇ 人はどうして繰り返し過ちを重ねてく? 進化しない誰もに流れるこの血が 大嫌い」。

 MBSTBS系テレビアニメ『機動戦士ガンダム00』(1st シーズン)第1期オープニングテーマ。

 ア二メを知らなければ理解できない詞なのだろう。まあ知らなくても『貴方に戦に行って欲しくはない』ということは伝わる。「進化しない誰も」というのもよく解らない。ガンダムの最初のころはニュータイプという進化した人間の戦いだったように思うが,詳しく知らないので私の間違いなのだろう。

 「澄みわたる未来が来たなら草花も兵器に 宿るだろう」はどういう意味だろう。使われなくなった兵器が草花に埋もれている様子なのかとも思うがよく解らない。

 要するにこの歌だけからは訴えたいことが明確には伝わって来ない。

 

HEART(2024.9.25)

平成19年,詞:愛,曲:愛,唄:大塚愛

 「今すぐ会いたい 今,会いたい そんな言葉だけを並べて そっと波に返した」と始まる。

 結局「困る顔見れなくて 言えなくて過ぎた あの夏の夜」ということだったようだ。その結果が現在の「押し寄せる 涙 誰も知らない この歌に乗って ゆれる ゆれる HEART」ということらしい。

 同じような思い出があれば共感できるのかもしれないが,残念ながら私にはこのような経験がないので,『あ・そう』と思うだけだ。

 

花の名(2022.4.9)

平成19年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN

 「簡単な事なのに どうして言えないんだろう 言えない事なのに どうして伝わるんだろう」と始まる。

 昭和のキャンパス・フォーク調の歌。但し,「僕がここに在る事は あなたの在った証拠で 僕がここに置く唄は あなたと置いた証拠で」などというフレーズはキャンパス・フォークよりくどい。

 「迷わずひとつを 選んだ」というのはもちろん貴女を選んだということで,伝えたいメッセージは「僕だけを 待っている人がいる あなただけに会いたい人がいる」ということだろう。

東宝配給の映画『ALWAYS続・三丁目の夕日』(吉岡秀隆ほか)の主題歌。映画は昭和34年の話らしいので,フォーク系より流行歌系のほうが時代に合うと思うのだが。

 

Happiness(2022.3.7)

平成19年,詞:Wonderland,曲:岡田実音,唄:嵐

Yeah yeah yeah 向かい風の中で 嘆いてるよりも 上手く行く事を想像すれば いつの日か変わる時がくる」と始まる。

「止めないで 止めないで 今を動かす気持ち どんなにちいさなつぼみでも 一つだけのHappiness」と終わる。

平成の歌らしく,日本語イントネーションを無視した,というかわざとイントネーションを変えているようにも感じられるが,私のような老人耳にも比較的聴きやすい。平成の歌のヒアリング練習になるかもしれない。

しかし,聴き取れるようになったとしても,十分理解できるかどうかは解らない。詞中の言葉は自分自身への言葉なのか,相手がいてその相手への言葉なのかが解らない。昭和までは男言葉と女言葉,あるいは,立場の違いによる敬語や丁寧語の使い方が明快に分かれていたので主語や目的語が省略されていても完璧に理解できたが,平成の歌では主語や目的語を省略したまま誰もが誰に対しても同じような言葉を使うようになったので状況が映像的にクリアーでないと言葉だけでは状況がつかみにくくなったからだろう。

TBS系ドラマ『山田太郎ものがたり』(二宮和也,櫻井翔,多部未華子ほか)の主題歌。ドラマの原作は森永あいの同タイトル漫画。

 

100万回のKISS(2024.3.25)

平成19年,詞:TAKURO,曲:TAKURO,唄:GLAY

 「昔から人は言葉に頼らずに 想いや恋心 伝えてきたんだ」と始まる。

 「このKISSは 愛を伝えるだけじゃなく あなたの切なさ あなたの淋しさ 全て 唇を 伝わってくるよ」ということで,KISSが心の中の伝達手段として有効だというのだろう。

そこで,「永遠など 信じちゃいないよ uh 僕らは 100万回のKISSを数えて 生きてゆこう」ということらしいが,なぜ突然このようになるのか私には理解できない。若い人の考えることは解らない。

 

Beautiful World (2022.11.4)

平成19年,詞:宇多田ヒカル,曲:宇多田ヒカル,唄:宇多田ヒカル

 「It’s only love」という言葉が繰り返された後,「もしも願い一つだけ叶うなら 君の側で眠らせて」と始まる。

 歌詞には簡単な言葉しか並んでいないのだが,全体として何が言いたいのか私には理解できない。男女が登場しているような気がするのだが,私の日本語力では男女の判別がつかず,全体像が見えないのだ。若い人はこれで理解できるのだろうか。

 思い付きだが,英米では一人称,二人称では性の区別をしていないようだ。老若ではなく英語の熟練度により理解できるかできないかが決まるのかもしれない。

 クロックワークス/カラー配給映画『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』テーマソング。

 

PEACH(2024.8.11)

平成19年,詞:愛,曲:愛,唄:大塚愛

 「太陽サンサン 盛り上がる今年は 歌いたい 気分ルンルン 飲みたい放題 笑いたい」と始まる。

 「PEACH!! ひっくり返る愛のマーク 一点で不安定だからすぐ一転する だけど返してみせるよ」。何となくお遊びチックだが思わす微笑んでしまう。「BEACH!! お尻だらけの誘惑」なども言葉遊びだろう。他にも「PINCH!!」などと言うのもある。遊びは嫌いではないが,私がこの歌をカラオケで歌うことはないだろう。

 フジテレビ系ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス〜』(堀北真希,小栗旬,生田斗真ほか)主題歌。

 

フェイク(2021.11.11)

平成19年,詞:Kazutoshi Sakurai,曲:Kazutoshi Sakurai,唄:Mr.Children

「言ってしまえば僕らなんか似せて作ったマガイモノです」と始まる。

人世に拗ねているように感じる。唯一の救いは「まだ自分を嫌いになれずにいるみたいだ」というところか。

「世界中にすり込まれている嘘を信じていく すべてはフェイク」などと感じていては人生楽しくないだろう。

大人の世界はフェイクに満ち溢れている。一部の若者は全く気付かないか,気付かないふりをしてお気楽に過ごす。大部分は青春のある時期この矛盾に気づき悩むが多くは忘れ,一部はこの矛盾を見ないふりをすることが大人になることだと考える。いつまでもこれらのフェイクが目前にチラつく者の多くは不幸になるが,ごく一部は何らかの形で大成功する。

東宝映画『どろろ』(妻夫木聡,柴咲コウほか)(原作:手塚治虫)の主題歌。

 

fated(2024.12.26)

平成19年,詞:ayumi hamasaki,曲:萩原慎太郎,松浦晃久,唄:浜崎あゆみ

 「運命を君は信じてる? それまでの何もかも全て 変えていってしまう様な 一瞬の出会い」と始まる。

 「今僕の目の前にいるのは ねぇ他の誰でもなく君」。しかし「強くありたいと思う程に心は 反比例する様に弱くなっていく 気がして」,結局「届かない声だと諦めた 叶わない夢だと諦めた ねぇ僕の目の前にいたのは 本当の君だったのに」。

 昭和の歌のように目に見えるようにとはいかないが,ぼんやりと解る気がする詞だ。タイトルの「fated」を私が誤解しているのかもしれない。

 松竹配給映画『怪談』(尾上菊之助,黒木瞳)主題歌。原作は三遊亭圓朝の落語『真景累ヶ淵』。

 

FREAKY(2023.11.6)

平成19年,詞:Kumi Koda,曲:Tommy Henriksen,唄:幸田來未

 「いつも通り 朝 目が覚めて 太陽を見上げたいと泣いた これから忘れられない 旅の行方は どうにでも 変えて行くから」と始まる。

 歌詞は日本語のようだが「Get freaky」だとか「give up! Stop it!」とかが何度も繰り返され,どこが日本語かなのかさえ聞き取れず,私の方がgive upだ。結局何が言いたいのか解らない。Freakyな人間とは意志疎通ができるのだろうか。

 

Flavor Of Life(2021.3.11)

平成19年,詞:Utada Hikaru,曲:Utada Hikaru,唄:宇多田ヒカル

 「ありがとう,と君に言われると なんだかせつない」と始まる。

 君からは「友達でも恋人でもない中間地点」に居ると思われていると感じてる。

 「あと一歩が踏み出せない」のを見ていると「じれったいのなんのって」。

 結局,「ありがとう」といわれるだけで「さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い The flavor of life」ということのようだ。

 考えていること,感じていることは解る気がする。その程度には解り易い詞になっている。しかし,曲はどうにもついて行けない。私の古い耳には思いもよらない音の跳び。ユーミンは聴いているうちに慣れたが,こちらには慣れることができるのだろうか。

 

BRAND NEW SONG(2023.4.13)

平成19年,詞:Gajin,曲:Gajin,唄:KinKi Kids

 「Oh baby, Shooby-doo 蒼色の Shooby-doo あの空に 唄うよ BRAND NEW SONG」と始まる。

 どうして日英混合の歌詞にするのだろう。何度も登場する「Shooby-doo」という言葉を知らないので,歌の意味がさっぱり分からない。もっとも,これを日本語に訳しても,私が理解できるとは限らない。日本語からして,私が使っている日本語と違う気がする。曲も私が過去に聴いて来た歌と違って,何が違うか説明できないが,心穏やかに聴けない。

 オリコンで,週間1位,月間1位を獲得しているので多くの支持を受けていることは確かだ。ということは私が時代から取り残されたということなのだろう。

 

Hey! Say! (2023.10.3)

平成19年,詞:Erykah,曲:BOUNCEBACK,唄:Hey! Say! 7

 「君はそのままが一番」というのが始まりだろうか。サビの部分を最初にチョットというだけなのかもしれない。始まりと感じるのは「Say  Hey Hey Hey-Hey! Hey Hey Hey! (×4)」だ。

 アップテンポで「僕等は平成Only! 昭和でShowは無理! あっちもこっちもいいね Hey-Sayはいいね!」とあるが,私に言わせれば平成のほうが無理だ。このようなところにも世代間ギャップが現れ,時代は進んでいくのだろう。

 「はるかな宇宙で ひとつ光った この星が 僕ら輝くStage」というのが平成の感性なのか。地球が特別な星であるかのような認識のようだが,米ソの宇宙開発競争時代に育った私の認識は地球と同じような星は宇宙にいくらでもあるという認識だ。いくつもあるなかでの一つという意味なのかもしれないが。そこで「出会えた奇跡」というのも平成人の感性なのだろう。古い人間なら,赤い糸で結ばれた二人が出会うのは必然であり奇跡でも何でもないと思うのだろうが。

 何が変わったのだろう。

 

星をめざして(2021.12.14)

平成19年,詞:なかにし礼,曲:Peter BjorklundJohan SahlenClaes Andreasson,唄:NEWS

 「一度 死んで また生き返る」と始まる。

 何のことだろうと思うが,さすがなかにし,「そんな 魔法を かけられていた」とすぐに疑問を解消してくれている。魔法が存在する世界の話だから,以後,何でもありだ。

 「目覚めたら 君がいて 光みちていた」「星をめざして 君に導かれ ぼくは歩きだす」というのだから,そうですかというしかない。

途中で,突然「愛の力の 大きさ貴さを 思い知ったよ」と出てくるのが平成の歌らしいが,昭和人のなかにしにしては少し唐突すぎるように感じる。しかし,魔法のある世界の話にしてあるので,説明不足でもいいだろうということか。

 

メーデー(2023.6.20)

平成19年,詞:藤原基央,曲:藤原基央,唄:BUMP OF CHICKEN

 「君に嫌われた君の 沈黙が聴こえた 君の目の前に居るのに 遠くから聴こえた」と始まる。

 詩人の詞はさっぱりわからない。学生時代、ドイツ語の授業で教科書が詩人の書いた本だったことがあった。これがあちらこちらで精霊や幽霊が突然現れる話で,外国語はテレパシーで理解する私のテレパシー能力では精霊などは感知できず,全ての単語を辞書で調べてもなお理解できない代物だった。

 とはいえ,「君に嫌われた君」というのが明確に理解できなくても,何となく雰囲気は感じられる。「沈黙が聴こえた」などというのも,『隻手音声』のように私の理解を越えた意味があるのかも知れないが,『無色』という色があるように『無音』という音があり,などと考えていくと『沈黙』という声がありそうにも思えて来る。しかし,私にはこのような表層の解釈しかできず,恐らくこれらの言葉にはもっと深い意味が込められているのだろう。

 歌詞を私なりに解釈すると,「沈黙」は「水溜まり」から聴こえるようで,その中には「君が沈めた君」がいると判断したようだ。それで「君を 見つけるまで潜るつもり」なのだそうだ。

 最後は「再び呼吸をする時は 君と一緒に」と終わるのだが,私には詩人の思考について行けない。

 ところで,タイトルは労働者の祭典ではなく,遭難の際の救難呼び出しコールのほうらしい。初期の電気通信は信号の断続で作った符号を用いて行われた。有名な符号がモールス符号だ。通信の最初には相手のコールサインを送信するが,救難信号の場合,誰でもいいから助けてくれと言う意味で,通信冒頭の相手のコールサインの代わりにSOSを送信した。これはSの次にO,その次にSを送信するのではない。モールス信号では文字と文字の間に間隔を空けることになっているが,SOSの各文字間に間隔を設けず一文字として送信する。

 無線技術の進歩により無線通信が電信から電話に変わると,電信のSOSから電話のMaydayが遭難信号となった。これはフランス語のvenez m’aider(助けに来て)が元になっているらしい。

 日本では例えば海上衝突予防法第37条第1項に遭難して救助を要請する船は国土交通省令で定める信号を行わなければならないとされており,関連の国土交通省令では15種の信号が定められている。その5番目に無線電話による『メーデー』という語の信号と規定されている。『メイデイ』ではなく『メーデー』だ。

 蛇足だが,規定されている15種の信号のうち11番目は,左右に伸ばした腕を繰り返しゆっくり上下させることによる信号となっている。このような動作も正規の救難信号なのだ。

 

もってけ!セーラーふく(2025.4.1)

平成19年,詞:畑亜貴,曲:神前暁,唄:泉こなた(平野綾),柊かがみ(加藤英美里),柊つかさ(福原香織),高良みゆき(遠藤綾)

 「曖昧3センチ そりゃぷにってコトかい? ちょっ! らっぴんぐが制服だぁぁ不利ってこたない ぷ。」と始まる。

 ついて行けない。ギブアップ。

 テレビアニメ『らき☆すた』オープニングテーマ。

 

喜びの歌(2021.6.19)

平成19年,詞:JOKERN.B.Comics,曲:zero-rock,唄:KAT-TUN

 「愛してる 愛してる それ以外 見つからない」と始まる。この最初のフレーズはこの歌をよく表している。私には「愛してる 愛してる」だけが耳に残るだけで「それ以外」何があるのか「見つからない」。例によってラップの箇所は全く聞き取れない。

 「愛してる」というのを一番言いたいのは解るが,それ以外何もわからないので『あ、そう』としか言いようがない。まあ,昔も『愛してる』と繰り返す歌はあった1)

 TBS系テレビドラマ『特急田中3号』の主題歌。主演の田中聖は当時KAT-TUNのメンバーだった。

1)     例えば「空に太陽がある限り」(昭和46年,詞:浜口庫之助,曲:浜口庫之助,唄:にしきのあきら)

 

Lovers Again(2022.7.23)

平成19年,詞:松尾潔,曲:Jin Nakamura,唄:EXILE

 「初雪にざわめく街で 見覚えのあるスカイブルーのマフラー」と始まる。マフラーは見覚えがあったが振り向いた顔は知らない顔だったようだ。

 自分から別れを告げて以来2回目の冬。

 「もう二度とあんなに誰かのこと愛せない そう思ってた でも今は情熱が目を覚ます予感がしてる」という歌。

 「時間だけ巻き戻せたらいいのに」などと考えながら,「情熱が目を覚ます予感」というのはどういうことなのだろうと疑問符が付く歌だ。

 また,曲だが,詞の日本語アクセントと合わないメロディーで,私にはどうにも感情移入ができない。平成にはもっと奇抜なアクセントを強いる曲をつけた歌も少なくないが,平成人はこのような歌を日本語の歌と感じて聴いているのだろうか。

 

Love so sweet(2021.4.28)

平成19年,詞:SPIN,曲:youth,唄:嵐

 「輝いたのは鏡でも太陽でもなくて 君だと気付いたときから」と始まる。

 「想い出ずっと ずっと忘れない空」の中の独特な「ずっと ずっと」。似たメロディーが他の何箇所かにも現れ,この曲の特徴になっている。「笑ってもっと」も同じメロディー

だが,詞を見るだけだと『いとしのエリー』1)を思い出してしまうが,この歌のメロディーにのせて唄うのを聞くとこの歌の独自性がよく解る。

 歌唱は聞き取りやすく好感は持てるが,子供だという印象を受けてしまう。私との年齢差が大きいので仕方ないのかもしれない。

1)「いとしのエリー」(昭和54年,詞:桑田佳祐l曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ)

 

Rolling star(2024.4.29)

平成19年,詞:YUI,曲:YUI,唄:YUI

 「もう我慢ばっかしてらんないよ 言いたいことは言わなくちゃ」と始まる。

 「君のFighting Pose 見せなきゃOh!Oh!」と何かと戦いそうなのだが,いつの間にか「恋人たちは隠れ家を探すの でも現実は会えない日が 続きながらも信じてるのRolling days」と戦いはどうしたと言いたくなる。

 話がどう続いているのかよく解らないが,「夢にまで見たような世界は 争いもなく平和な日常 でも現実は日々トラブッて たまに悔んだりしてる そんなRolling days」ということらしい。日々のトラブルの原因が「言いたいこと」をストレートに言ったりするとトラブルになるんじゃないかとも思うが。

 なんとなく,『これからは我慢を止めて戦うぞ』という歌なのかと感じる。

 テレビ東京系アニメ『BLEACH』オープニングテーマ。

 

WINDING ROAD(2021.10.11)

平成19年,詞:絢香・小渕健太郎・黒田俊介,曲:絢香・小渕健太郎・黒田俊介,唄:絢香×コブクロ

 「曲がりくねった道の先に 待っている幾つもの小さな光 まだ遠くてみえなくても 一歩ずつ ただそれだけを信じてゆこう」と始まる。

 「握りしめた拳じゃ 何も掴めやしないと 開いた指の隙間から いつか手にしたままの 夢や憧れの種が」『ポロポロとこぼれ落ちる』と続くのが私の下衆の発想だが,この歌では「僕にだけ気付いて欲しそうに 明日へと芽を出してる」と続く。これでこそ夢のある歌詞だ。必ずしも先の見通しが良くなくても信じて進んできた結果,「振り返ればだだ真っ直ぐに伸びていた 今日までを辿る足跡」。曲がりくねって先は見えないが,光があることを信じて進むという前向きな歌。

 

吾亦紅(2022.5.13)

平成19年,詞:ちあき哲也,曲:杉本眞人,唄:すぎもとまさと

 「マッチを擦れば おろしが吹いて 線香がやけに つき難(にく)い」と始まる。この様子は墓参だろう。

 「仕事に名を借りた ご無沙汰 あなたに あなたに 謝りたくて」と母親に語り掛ける。今頃謝っても遅いのだが。

49回日本レコード大賞・作詞賞受賞。

演歌系フォークとでもいうような曲。仕事のために生まれ故郷を離れる人が増えている現代,親のことは気にはなっても何とかしてるだろうと滅多に帰郷せず,このような事態になって後悔する。

騒がしい歌が多い平成,たまにはこのようにしんみりした歌も心を打つ。

 

I AM YOUR SINGER(2021.6.18)

平成20年,詞:桑田佳祐,曲:桑田佳祐,唄:サザンオールスターズ

 「I am your singer, 僕の生きがいは 数えきれないその笑顔」と始まる。

 「また逢う日のため笑っておくれ」というのだから別れるつもりなのだ。「いつまでも変わらぬ想い」とか「永遠(とわ)の出逢いを忘れない」などと言っているが口先だけにしか聞こえない。習慣となっていて無意識に息をするようにこのような言葉を吐くのだろう。

 夏の間だけの関係という歌は少なくないが,桑田には特にこのような歌が多いように感じる。

 

愛のままで・・・(2021.10.10)

平成20年,詞:花岡優平,曲:花岡優平,唄:秋元順子

 「小鳥たちは 何を騒ぐの 甘い果実が 欲しいのですか」と始まる。

 この歌を聴くと『聖母たちのララバイ』1)を思い出す。この岩崎の曲は昭和の名曲の一つだと思っているから,この秋元の曲は昭和っぽいということだ。

 この歌はオリコン週間チャート一位を獲得しているが,Wikipediaによると女性演歌歌手が首位を獲得したのは城之内早苗の『あじさい橋』2以来227か月ぶりだとか。私が驚いたのはこの歌が演歌に分類されているらしいことだ。ということは私が似ていると感じる岩崎も演歌歌手ということになるのか。平成人はJ-POP以外の歌謡曲は演歌と呼ぶのかもしれない。

 ところで,この歌を聴いていて感じたのだが,歌詞が非常に聴き取りやすい。理由を考えてみたが,唄っているときの伴奏サウンドが薄いのだ。唄がそのサウンドをカバーしている。昭和中期から徐々に素人っぽい歌手がでてきて,ついには素人がおおっぴらに歌いだした。これがフォークソングやグループサウンズへとつながっていく。

 私はフォークやGSが流行った頃高校生から大学生だった。高校生のときは選択科目で音楽を選択したが,その授業でも鼻濁音など,しつこく指導された。最近では(昭和末期もだが)鼻濁音を使わない歌手も多い。声が出ないからだろう,マイクにかじりついてアンプ頼りの歌手もどきも少なくない。ひとつには聴くに堪えない歌を少しでもカバーするように伴奏を厚くし,唄だけではステージ観賞に耐えられないのでダンスを付加する。ところがリズム感が悪いので,伴奏のリズムをはっきりとさせるため伴奏音を大きくする。これによって何とかアイドルをリズムに乗せているのではないか。

 どう聴いても歌が下手なアイドルもいるが,そのようなアイドルでも人気抜群の者もいる。アイドル路線に乗り切れずにバラエティに転向してバラドルなどと呼ばれた者もいるが,新しいジャンルを開拓したのだから立派だ。とても偶像と言えないアイドルがいても,芸のない芸人がまかり通る時代だから問題ない。昭和中期以前の様に社会全体が一つの歌を聴く時代ではなく,現代では個人が個人の好みに応じて選択する時代だ。

 言えることは秋元の唄は昭和の歌に近い。

1)「聖母たちのララバイ」(昭和57年,詞:山川啓介,曲;木森敏之,唄:岩崎宏美)

2)「あじさい橋」(昭和61年,詞:秋元康,曲:見岳章,唄:城之内早苗)

 

愛のままで(2025.5.14)

平成20年,詞:花岡優平,曲:花岡優平,唄:秋元順子

 「小鳥たちは 何を騒ぐの 甘い果実が 欲しいのですか」と始まる。

 「あぁ この世に生まれ 巡り逢う奇跡」と巡り逢うのが『運命』ではなく「奇跡」と考えているのが平成らしい。

 曲は演歌ではない。昔聴いた曲のような雰囲気だが,こんな曲を何と言うのか思い出せない。似た雰囲気だと私が感じるのは『聖母たちのララバイ』1)だ。曲が似ているのではなく雰囲気が似ていると感じる。

1) 「聖母たちのララバイ」(昭和57年,詞:山川啓介,曲:木森敏之,John Scott,唄:岩崎宏美)

 

海雪(2023.6.19)

平成20年,詞:秋元康,曲:宇崎竜童,唄:ジェロ

 「凍える空から 海に降る雪は 波間にのまれて 跡形もなくなる」と始まる。

 さすが秋元,このような演歌の歌詞も簡単に書いているように感じる。第41回日本作詩大賞大賞受賞。まあ,悪くはないが,そもそも歴代大賞受賞曲を眺めてみると私の好みとはかなりずれている。もっとも芥川賞なども私の趣味とは違うので,私に審美眼がないのだろう。

この歌は演歌に分類されているようだが,平成ではJ-POP以外は演歌に分類されるようだ。しかし昭和なら,これは歌謡曲だろう。宇崎の曲が演歌だとは思えない。平成では演歌やロックなどの範囲が広がり,昭和なら歌謡曲とひとくくりにしていたのを演歌だとかロックだとか言うようになったのだろう。昭和歌謡と違うのがJ-POPだ。ジェロの歌唱も演歌とは言えないように思う。

 第50回日本レコード大賞最優秀新人賞受賞。

 

風の向こうへ(2021.4.27)

平成20年,詞:多田慎也,Rap詞:櫻井翔,曲:Pippi Svensson, Anders Dannvik,唄;嵐

 「雨の向こうへ 風の向こうへ・・・」と始まる。

 日本テレビ系『GO!北京』(北京オリンピック)のテーマソング。

 「ただ力の限り」とか「この痛みも糧に」などとあり,「辛くて 苦しくたって 耐えて 歓声浴びる姿描いて・・・」なと歌詞は明らかに応援歌になっている。曲は私には応援歌のようには聞こえないが。

 また,ラップが被せられていることが解るのだが私には聞き取れない。私の耳はこれを聞き取るようにはできていないようだ。

 

キセキ(2021.7.16)

平成20年,詞:GReeeeN,曲:GReeeeN,唄:GReeeeN

 「明日,今日よりも好きになれる 溢れる想いが止まらない」と始まる。

TBS系テレビドラマ『ROOKIES』主題歌。

 「僕らの出逢いがもし偶然ならば? 運命ならば? 君に巡り合えた それって『奇跡』」などと平成人は考えているのか。昭和人はこのようなことは考えなかったのではないか。

 「2人フザけあった帰り道 それも大切な僕らの日々」というのは昭和と同じかもしれない。「『想いよ届け!!!』と伝えた時に 初めて見せた表情の君 少し間が空いて 君がうなずいて」というのは,昭和・平成に関係なく,二人の関係性によるのだろう。

 昭和の歌は歌詞を聞くと情景が目に浮かぶような歌が多かったように思う。それに比べると平成の歌は情景が目に浮かぶような歌は少ないように思う。これは心の内を詞にしているのが多いからだろう。この歌は,「君の右の手の平を ただ僕の手の平が そっと包んでく」の箇所など,少しだけ情景が目に浮かぶ。

 

GIFT(2022.7.22)

平成20年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

「一番きれいな色ってなんだろう? 一番ひかってるものってなんだろう?」と始まる。

結局は恋の歌のように聞こえるが,桜井はこのようなときにも哲学的だ。途中は回りくどいけれど,最後には「ほら 一番きれいな色 今 君に贈るよ」とか「僕は抱きしめる 君がくれたGIFTを いつまでも胸の奥で ほら ひかってるんだよ ひかり続けてんだよ」となる。もっと素直に結論まで行けばいいのにとは思うが,桜井の性格上そうはいかないのだろう。

NHK北京オリンピック・パラリンピック放送テーマソング。

 

GREEN(2024.12.18)

平成20年,詞:ayumi Hamasaki,曲:Tetsuya Ykumi,唄:浜崎あゆみ

 「光り輝いて凛とした樹々達が 身を隠すように色を消して行く」と始まる。

 「どうして人間は心のままに従い 歩いて行くのが難しいのだろう」「見つめるその先には愛しきあの人の姿 風が変わる頃にはこの想い伝えようか」という歌だが,なぜタイトルが「GREEN」なのかよく解らない。「再び芽吹いた樹々達が色付いたら」と関係があるのだろうが,半年なり1年なり経ってしまってから「この想いを伝え」て届くものなのだろうか。

 

SUMMER TIME (2023.7.24)

平成20年,詞:zoppRap詞:LOWARTH,曲:Red-T,唄:NEWS

 「This is the SUMMER TIME  夏のまえにキミに逢えたから 最高の波がきているのさ」と始まる。

 「ちょっとヤバめに 触れた指先 Oh yes キミも気づいてる」くらいしか相手の反応は記されておらず,ほとんどが自分の気持ちなのだが,舞い上がっていることは解る。

 周囲が見えていないようだが,若いから仕方ないのだろう。私ももっと若ければ共感できたかもしれない。ただ,このように浮かれた気分なのに曲が地味に感じる。

 

Secret Code(2024.1.14)

平成20年,詞:Satomi,曲:井上日徳,唄:KinKi Kids

 「どこか冷めきっているキミの 瞳(め)の奥に潜んでいるのは 見憶えのない 終わった恋のカケラ」と始まる。

 「パッと見の最初の印象は 高飛車で上から目線 ちょっと嫌な女」

    「雁字搦めの愛だから どんどん深みへハマってく もし,キミがこの気持ち 弄んだとしても わざと罠へ飛び込んで 素直な気持ちを見せてやる 裸の笑顔を いつも見せてほしいから」

 昔は「弄」ばれるのは女だった。時代が変わったということだろう。もう私の世代の歌ではないようだ。

 フジテレビ系ドラマ『33分探偵』(堂本剛)主題歌。

 

羞恥心(2021.8.12)

平成20年,詞:島田紳助,曲:高原兄,唄:羞恥心

「笑いたきゃ笑うがいい 失敗ばかりだけど ブルーな気分にはならないのだ」と始まる。

羞恥心はフジテレビ系のバラエティ『クイズヘキサゴンU』で結成されたユニット。メンバーはつるの剛士(羞),野久保直樹(恥),上池雄助(心)。

歌詞の「失敗」はクイズ番組の歌なので知識不足を露呈するということだ。

「知識ないと言われてもいい」と開き直っているが,あまりの無知は問題だ。とはいえ知識の詰め込みは,本人あるいは詰め込む親や教師の自己満足にすぎない。特に現代ではインターネット検索が容易だから必要に応じ検索すればよい。ネット情報は玉石混交なので情報選択の能力は必要でこれにはある程度の知識が必要だ。

羞恥心が全くないのも問題だ。適度な羞恥心は向上しようとの原動力となる。多くの人と交われば自分の無知に気付くこともあるが,いつも仲間内だけの付き合いでは自分の無知に気付かないかもしれない。

 

Step and Go(2022.5.12)

平成20年,詞:WonderlandRap詞:櫻井翔,曲:youth case,唄:嵐

 「We’re gonna step and go…」と2回繰り返されて始まる。

 日本語歌詞は「いつも通り仲間達と過ごした季節重ねてた」と始まる。

 歌詞と曲がミスマッチで日本語として聞こえない。平成の歌にはこのような歌が少なくないが,私の好みではない。メロディーの途中で時々音が跳ね上がるのは日本語を知らない者が曲をつけたのかとも思ったが,考えてみると英語は高低アクセントではなく強弱アクセントだから英語の歌詞でも合わないのではないか。何か変わったことをしたいと考えたとしか思えない。

 Rapの部分は私の耳では聞き取れないので無視しよう。

 歌詞全体を読んでみても,地に足がついた生き方をしているかのように見えなくもないが,何かフワフワと時間に流されているように感じる。これが平成流なのだろうとため息しか出ない。

フジテレビ系バラエティ『GRA』のエンディングテーマとして使われた。

 

SUPER SHINEThe BirthdayTi Amo〜)(2022.9.29)

平成20年,詞:michico, VERBAL(m-flo),曲:T.Kura, michico,唄;EXILE

 「目がくらむ程輝いている Super shine 手に入れてみたいあの光 Super shine」と始まる。らしいのだが私にはよく聞き取れない。たまに聞き取れたら「瞳の中のリフレクション」とか。猫の目が夜光って見えるのは瞳の中のリフレクションというような話を聞いたことがあるが何か関係あるのだろうか。どうも「瞳」や「リフレクション」の言葉が私が普段使う言葉と違う意味で使われているような気がして聞き取れない箇所を無理して聞き取ることもなさそうに感じてしまう。

 曲はアフタービートのダンス音楽で,リズムが極めて明快なので素人でも踊れそうな曲だ。

 

想−new love new world(2025.3.29)

平成20年,詞:福山雅治,曲:福山雅治,唄:福山雅治

 「無限の可能性ハジマル ふたつの知能と ふたつの本能が ツナガルツナガル」と始まる。

 福山が作る曲はもっとスローテンポな曲だと思っていたが,このようにアップテンポの曲も作るんだ。詞の内容は彼のトークにも通じるものでなるほど,福山はこう来たかという感じだ。

 タイトルの読みは「そう」。念のため。

 

そばにいるね(2021.11.10)

平成20年,詞:SoulJa・青山テルマ,曲:SoulJa,唄:青山テルマfeat. SoulJa

 「あなたのこと 私はいまでも思い続けているよ」と始まる。

 「過ぎ去った時は戻せないけど 近くにいてくれた君が恋しいの」と別れた相手を想うのは昭和と同じだが,昭和ではある程度の時間経過後(この歌でもやや時間が経過しているように感じるが)強く想いを残すのは男性の場合が多く,女性は想いを残しても淡いものだったように感じる。昭和の別れは運命・義理・(経済などの)力関係などのよるもので,女性の場合はあきらめ,男性の場合は無念さもありより想いが残るのだろう。

 昭和も後半では会えなくなって初めて気付く恋心などというのも少なくなかった。

 この歌では「あたし逃げてたの だけど 目を閉じる時 眠ろうとそる時 逃げ切れないよ あなたの事 思い出しては 一人泣いてたの」と女性から別れて行ったようだ。

 男性は「伝えたい気持ちそのまま言えずに 君は行っちまった 今じゃ残された君はアルバムの中」ということだが,女性が「逃げてたの」だからなかなか言えなかったのだろう。

 現時点では双方想い合っているようだが,互いの想いは伝わりあってはいないようだ,どうなることか。昭和との一番の違いは携帯電話があるということで,ひょっとしたら連絡がつくかもしれない。

 曲だが,平成の歌らしくリズムが明確なのが印象に残る。あと,メロディーが単調だ。昭和の歌謡曲にはメロディーから(歌詞もだが)はっきりここがサビだと感じさせる箇所があったが,この歌ではどこがサビか解らない。

 

太陽のナミダ(2023.3.8)

平成20年,詞:カワノミチオ,曲:カワノミチオ,唄:NEWS

 「眠れぬ夜 寝返りをうつ つかの間の夢を見ていた」と始まる。

 個々のフレーズは理解できる気がするのだが全体として理解できない。例えば「僕が僕自身になるために」だが,何を言っているのだろう。今は醜いアヒルの子と思われているがそのうちに美しい白鳥になるんだとでも思っているのだろうか。現状認識が甘いのだろう。甘い現状認識をもとに,抽象的な夢を語るので理解できないのではないだろうか。

 東宝配給の映画『クロサギ』(山下智久,堀北真希ほか)の主題歌。原作は夏原武原案,黒丸による同タイトルの漫画。当初週刊ヤングサンデーに連載され,後にビッグコミックスピリッツに連載された。

 

Ti AmoThe BirthdayTi Amo〜)(2022.8.25)

平成20年,詞:Kiyoshi Matsuo,曲:Jin NakamuraKiyoshi Matsuo,唄:EXILE

 「日曜日の夜は ベッドが広い 眠らない想い 抱いたまま 朝を待つ」と始まる。

 なぜ囁くような声で唄うのだろう。声が出ないのか。女歌の雰囲気を出すためなのか。あるいは不倫の歌なので大っぴらに唄えないということなのだろうか。あるいは昭和末期からの流行りに乘っただけなのだろうか。

 「帰る場所がある あなたのこと 好きになってはいけない わかっていた 初めから」,「もっと早く会えたら あなたと知り合えたら」これだけ聞けば現状は十分わかる。ただ,「終止符くらいは私に打たせて それが最後のわがまま」というのは本心なのかどうかは解らない。「ずるい人だわ あなたは」というのは終止符を打たせてと言わされていると感じているのかもしれない。

最後は「優しい人ね あなたは 笑顔くずさないで 嘘を見抜きたくない」というのだから.破局は解ってはいるが最後まで気づかずに済むことを願っているということだろう。

 

Days(2024.11.4)

平成20年,詞:ayumi hamasaki,曲:Kunio Tago,唄:浜崎あゆみ

 「何気なく交わしてる 言葉のひとつひとつが 僕にとってはとても 大事な宝物」と始まる。

 「大切な人がいる事は もうずっと前から 知ってるよ」。それにもかかわらず,「逢いたくて逢いたくて せめて声が聞きたくて 用もなく電話したり」。まるで中島みゆきの『元気ですか』と同じ状況じゃないか。

 「君を想うそれだけで 心は生きる意味をもつから 何かを求めてるわけじゃなくて ただこんな風にいつまでも 君を好きな僕でいていいですか?」。このような状況なのに曲はそれほど暗いわけではない。

 中島みゆきは怨念を感じさせるが浜崎あゆみは諦念だ。昭和と平成の違いというより中島と浜崎のキャラの違いによる差が出たのだろう。

 

truth(2021..2)

平成20年,詞:HYDRANT,曲:HYDRANT,唄:嵐

 「ゆらりゆれる光ひとつ 痛み癒すことなく消える」と始まる。

 TBS系テレビドラマ『魔王』の主題歌。難解な歌詞だ。

 例えば,「悲しみ・・・」という歌詞があるが,この言葉が前後の言葉とどのように関係があるのか解らない。ドラマを観ていたら理解できるのだろうか。

これに続く歌詞は「たとえどんな終わりを描いても 心は謎めいて それはまるで闇のように 迫る真実」だ。この箇所自体何のことか解らないのでその前の「悲しみ」とどのような関係にあるか解らない。続いて,対をなしているのだろうが「たとえどんな世界を描いても 明日は見えなくて それはまるで百合のように 汚れを知らない」と続く。個々の言葉はそれなりに解る気はするのだが,全体として何を言っているのか解らない。

まあ,真実というのが愉快なものではなさそうな雰囲気は感じ取れるが。

 

時の足音(2024.2.18)

平成20年,詞:小渕健太郎・黒田俊介,曲:小渕健太郎・黒田俊介,唄:コブクロ

 「別れの 季節に揺れる 儚き 一輪花  同じ温もりの風を 誰もが 探して 歩いてる」と始まる。

 「短い針が君なら 長い針が僕で  同じ時間を刻みながら 何度もすれ違いまた出逢い  歩く歩幅は違っても 描く未来が同じなら  大丈夫また 同じ場所から 始められるから」。

 紹介しきれないほど多くの心に染み入る美しく優しい言葉が並んでいる。私が好きなのはもっとどろどろの心の動きを歌った歌だが。

 「誰もが一人 一つ 一瞬 一秒 一度きり巻き戻せない時を  ためらわすに 生きてゆける そんな出会いを 探している  一人 一つ 一瞬 一秒 一度きり  出逢えて 良かった」。

 日本テレビ系ドラマ『オー!マイ・ガール!!』(速水もこみち,加藤ローザ,ともさかりえ他)主題歌。TBS系ドラマ『夏うたドラマSP幸せの贈り物』(榮倉奈々)主題歌。

 

Dreams Come True (2023.10.2)

平成20年,詞:久保田洋司,曲:馬飼野康二,唄:Hey! Say! JUMP

 「夢みましょう 素敵なこと 夢見ましょう いつまでも 夢見ましょう 夢のような 夢をみましょう」と始まる。

 「僕たちが見る夢には 幸せがかくれてる 喜びと笑顔抱いて 前に進もう」と全体がこんな調子だ。

 夢を見ないと人類の進歩がない。しかし夢だけではいけない。夢の実現に向かい,実現可能な目標を設定し,一歩一歩夢に向かって進む必要がある。単に夢想するだけでは夢は実現しないだろう。

 フジテレビ・TBS系『北京オリンピックバレーボール世界最終予選』のイメージソング。

 

DON’T U EVER STOP(2021.12.13)

平成20年,詞:SPINJOKER,曲:ShusuiFredrik HultCarl Utbult,唄:KAT-TUN

 「誰も知らないStory 話してよSlowly」と始まる。

 私の理解ではラップ的な要素を多く持つがラップではない。ラップ風が強く感じられる箇所など,歌詞を見ながらでも聞き取れない。年齢のせいで耳が悪くなっているのだろう,と思って歌詞を読んでみても日本語のようだが私の知っている日本語ではないようだ。このような歌を聴いている世代と話が合うはずがない。これが世代間ギャップなのだろう。

 

泣かないで(2022.6.16)

平成20年,詞:カシアス島田,曲:高原兄,唄:羞恥心

 「顔をあげなよ もう泣くなよ 大好きだから」との台詞に続き「恋の魔法が解けたんだね 切ない恋の」と始まる。

 「今夜 朝まで付き合うから 笑顔みせてよ 大切な人はいないけど 俺じゃダメかな」と慰めるフリをしながら狙っているようだ。「ほら新しい恋が すぐ目の前にあるよ」と図々しいが,これくらいの押しの強さがないと平成では成功しないのだろう。

 曲はテンポが速いのは平成風だが,歌詞は聞き取りやすく昭和の和製ポップス風だ。

一時,フジテレビ系『クイズ!ヘキサゴンII』のエンディングに使われた。

 

(2025.2.14)

平成20年,詞:太志,曲:太志,唄:Aqua Timez

 「大丈夫だよ 見上げれば もう 大丈夫ほら 七色の橋 やっと同じ空の下で 笑えるね」と始まる。

 最後は「涙を流し終えた君の空に ねぇ見えるでしょ 君と同じの 絆という名の虹が架かったね」となるハッピーソングだ。

 日本テレビ系ドラマ『ごくせん 第3シリーズ』(仲間由紀恵,生瀬勝久ほか)主題歌。

 

NEW LOOK(60s 70s 80s) (2022.11.3)

平成20年,詞:michico, Lamont Dozier, Brian Holland, Eddie Holland,曲:T.Kura, michico, Lamont Dozier, Brian Holland, Eddie Holland,唄:安室奈美恵

 歌詞を見ると「シネマの中のTwiggyのミニ・スカート真似して」と始まるらしいが,聞いただけでは私には聞き取れない。歌詞を見ながら聞くと今ここかとわかる程度だ。

 60年代の曲のリメイクということらしいが,60年代は一小節に収める歌詞の文字数がもっともっと少なかったと思う。使われている言葉には60年代を思い起こさせるものもあるが,唄を聴いて聞き取れないので懐かしいなどと思うこともない。

元歌はスプリームスの『Baby Love(1964)。

 

Happy Birthday(2023.11.5)

平成20年,詞:SEAMO,曲:SEAMO, Shintaro”Growth”Izutsu,唄:NEWS

 「お金じゃ買えないだからこそ 気持ちで伝える宝物 恥ずかしがらずに『おめでとう』と 言葉でいうよ 0時丁度」と始まる。

 「今日は1年に一度 重要度 世界一の 大切な君の記念日」とタイトルどおり誕生日の歌。

 誕生日の歌はあまり記憶にない。昭和でもガロの歌1)くらいしか思い出さない。そういえば誕生日を祝うようになったのはいつからなのだろう。太陰暦を使っていた当時はうるう月などというのがあって,1年間の月の数が一定ではなかったので誕生日は祝いにくかっただろう。太陽暦でもうるう年の229日生まれの誕生日はどうするのだろうと少し疑問があるが。だから昔は数え年で年齢が増えるのは正月だった。ということで,理由は不確かだが誕生日の歌はそれほど多くない。まだクリスマスの歌のほうが多いようだ。

 「何千何億の中で 君と逢えた事 奇跡だね」とある。出逢いが奇跡だととらえているようだ。曲名は忘れたが平成の歌に出逢いが奇跡だと思っている歌が他にもあったように思う。平成では出逢いは奇跡なのだろう。昔は赤い糸で結ばれていて,運命の出会いがあると考えていたように思う。

 詞は誕生日の歌として可もなく不可もなくというところだが,曲は昭和人にとってはせわしない。そんなに急がなくてもいいのではないか。

1)     「君の誕生日」(昭和48年,詞:山上路夫,曲:すぎやまこういち,唄:ガロ)

 

HANABI(2021.9.10)

平成20年,詞:桜井和寿,曲:桜井和寿,唄:Mr.Children

「どれくらいの値打ちがあるだろう? 僕が今生きているこの世界に」と始まる。

「手に入れたものと引き換えにして 切り捨てたいくつもの輝き」などいかにも桜井らしい。

「君がいたらなんていうかなぁ 『暗い』と茶化してわらうのかなぁ」とちゃんと周囲の反応も予想できている。

「めぐり逢えたことでこんなに 世界が美しく見えるなんて」というような経験があったようで,そのことだけにはおめでとうと言っておこう。たとえ「さよならが迎えにくることを 最初からわかっていたとしたって」。

暫くは想い出に生きるのもいいが,また次に向かって生きてほしい。

いずれにせよ,桜井と付き合うと疲れるだろう。

フジテレビ系のドラマ「コード・ブルー・ドクターヘリ緊急救命」(山下智久)(劇場版も)主題歌。

 

BURN−フメツノフェイス−(2024.8.10)

平成20年,詞:稲葉浩志,曲:松本孝弘,唄:B’z

 「欲望が哀しみを 招いてしまうというなら 何もかも捨てるのが 幸せでしょうか?」と始まる。

 「私の永遠度。そんなのがあるなら それは他人(だれか)の心が決めること」と最初は哲学的な問いを投げかけてきているが次第に内容は変化し,途中からは「せめてあなたの中では いつまでも輝いていたい その瞳の奥の方で 太陽のように焼きついて BURN BURN BURN」,「せめてあなたの中では 不滅の人になっていたい」と願いだけを叫び続ける歌になっている。

 

陽は,また昇る(2023.4.12)

平成20年,詞:カシアス島田,曲:高原兄,唄:アラジン

 「このままじゃ 終わるわけない 頑張れ日本 凄いぞ日本 立ち上がれ未だ 日本」と始まる。

 日本に対する応援歌だが,オリンピックなどではなく,「戦え日本 日本のサラリーマン」という歌。

 過去の日本が生み出したものとして,「インスタントラーメン 缶コーヒー カラオケ」「シャープペンシル 新幹線 胃カメラ」「青色ダイオード 昔 亀の子タワシも考えた」などと列挙している。

 ほぼ20年前,日本のサラリーマンは世界を飛び回り,牛若丸三郎太の台詞1)には『話がちがうじゃないか。ルールを無視した商談のすすめ方,私には許せん! YESNOか,ハッキリしてもらいたい』などとあり,『私はジャパニーズビジネスマン。よーく,覚えておきたまえ』と意気軒高だった。

 バブル崩壊後,覇気を失ったジャパニーズサラリーマンを鼓舞しようというのだろう。

 アラジンは,フジテレビ系『クイズ!ヘキサゴンU』から生まれたユニットの名で,この曲はアラジン唯一のシングル。

1) 「勇気のしるし〜リゲインのテーマ〜」(平成元年,詞:黒田秀樹,曲:近藤達郎,唄:牛若丸三郎太)

 

Beautiful days(2022.3.6)

平成20年,詞:Takuya Harada,曲:Takuya Harada,唄:嵐

「空に輝くよキラリ 星がじわり にじんでくよ」と始まる。

嵐にしては昭和っぽい歌。つまり,私にも解る歌。

「空に想い出がぽろり 涙ほろり こぼれてくよ」というのでこのような歌だということがはっきりしている。「楽しくても 苦しくても もう僕らは会えない どんなに願っても」とさらに状況が説明される。

このような状況でもアップテンポな騒々しい曲にするのが平成流かと思っていたが,この曲は私にも詞の状況とマッチしていると感じられる。

TBS系のドラマ『流星の絆』(二宮和也,錦戸亮,戸田恵梨香ほか)の主題歌。ドラマの原作は東野圭吾の小説。

 「悲しみを分けあって 涙の数へらすより 喜びを 分かちあえないほうがつらいね」などはどこかから採ってきたフレーズをもじったようで,いまひとつ共感できないが。

 

White X’mas(2023.8.28)

平成20年,詞:ECO,曲:MAO,唄:KAT-TUN

 「銀色 きらめく街 雨が雪に変わった 夢色 眩しい未来見てた あの日のX’mas」と始まる。

 解らない歌。

 「あなたの 優しさを傷つけた あの日のX’mas」というのだから傷つけたのだろうが,どのように傷つけたのか判らないので,非難すべきか同情すべきか,どのような立場をとればいいのか判らない。

 他にも解らないことは多いが,最後の「歩き出せば戸惑うけど 手で溶けた雪の花びらは またいつか めぐり逢って 心確かめるだろう」など,全く意味不明だ。

 

WHAT A FEELING(60s 70s 80s) (2023.2.1)

平成20年,詞:michico, Keith Forsey, Irene Cara,曲:Shinichi Osawa, michico, Giorgio Moroder,唄:安室奈美恵

 「I love to dance  Everybody call me dancin’ queen」と始まる。

 「人影のないオフィス街真夜中 ビルディングの窓ガラスミラーにして 倒れてしまうまで日が昇り始めるまで」と続く。真夜中のオフィス街は知らないが,講堂などの大きなガラスをミラーにして踊っているのはよく見かけた。彼らが徹夜で踊っていたのかどうかは知らないが,郡上の盆踊りのように徹夜で踊りたくなる気持ちはわかる。「Ooh what a feelin 気分がハイになる Ooh what a feelin! やめられなくなる」というわけだ。

 昔の盆踊りは数少ない娯楽の一つだった。一升瓶を担いで『さのよいよい』と一晩中騒いでいた。当時の私は子供で酒も呑めなかったので,大人になったらと密かに思っていた。また,海外のリズムも次々と輸入され,それにはダンスも付随していた。マンボやチャチャチャ,ロックンロールなどだ。もっと昔からだとワルツとかブルースとか,時代が混乱しているがタンゴやサンバ,フラメンコなどもある。私が知っている時代で一世を風靡したのがツイストだ。ゴーゴーダンスというのがあり,ゴーゴー喫茶などというの流行った時期もある。その後も多くのリズムが輸入され,ドドンパのように日本で作られたリズムもある。

 私の学生時代には盆踊りはすたれてきていた。まず,子供が夜遅くまでこのような行事に参加することは望ましくないなどということから始まり,夜間の騒音なども問題にする人がでてきたからだろう。一番の要因は世の中が豊かになり,他の娯楽が増えたからだと思う。大学祭ではフォークダンスや社交ダンスのパーティなどが盛んだった。Oklahoma Mixer(米)は高校でよく使われたが,大学ではMayim Mayim(イスラエル)やコロブチカ(露)がよく使われたように思う。市中にはダンスホールもそれなりにあった。ホールにもよるのだろうが,ブルースかジルバが多かったように思う。私など滅多に行かないが,三拍子の曲がかかると(踊れないので)休んでいた。

 そういえば,ジルバはいつ入ってきたのだろう。戦後のハリウッド映画と共に入ってきたのだろうが,私にはよく解らない。

 その後ディスコの時代。ディスコサウンド,ユーロビートの時代になる。この歌はこの時代の歌か。

元歌はアイリーン・キャラの『Flashdancd… What a Feeling(1983)

 

冒険ライダー(2024.7.6)

平成20年,詞:中原明彦,曲:TSUKASA,唄:Hey! Say! JUMP

 「遥かな青空の向こうはどうなっているの? 誰かの答えじゃなく カラダで感じたい」と始まる。

 「冒険ライダー 到来だ! 奇跡と呼ばせはしない ひとつずつ 夢かなえて行くよ 冒険ライダー さすらいだ 虹を飛び越えていくよ 太陽へ Let’s fly with sky rider」という歌。歌詞から思うに,少年・少女向けの歌だろう。中年以上に響く言葉はない。

 フジテレビ『お台場冒険王ファイナル〜君が来なくちゃ終われない〜』テーマソング。

 

真夜中のシャドーボーイ(2023.5.16)

平成20年,詞:ma-saya,曲:馬飼野康二,唄:Hey! Say! JUMP

 「こっち向いてよ チェリー そっちじゃない チェリー いつでも願いは 届かない」と始まる。

 「真夜中のカーボーイになって 君を君を奪いたい」という歌。

 とはいいながら,「こっち向いてよ チェリー そっちじゃない チェリー いつでも願いは 届かない」と「奪いたい」などというのは口先だけのことで実行力はないようだ。

 平成19年に東京ドームの最年少公演記録(平均15.2歳)を樹立したらしいから,この歌のときには16 歳くらいか。それならまだ普通自動車免許がとれないので「カーボーイ」にはなれないのかもしれない。

 日本テレビ系ドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(山田涼介,知念侑季,中島裕翔,有岡大貴)主題歌。

 

Mirrorcle World(2024.9.24)

平成20年,詞:ayumi hamasaki,曲:Yuta nakano,唄:浜崎あゆみ

 「現在(いま)のこんな未来を僕は想像してただろうか? 現在(いま)のこんな未来を君は想像してただろうか?」と始まる。

 「始まりなのかって? 終焉なのかって?」というような対句がずらっと並んでいる。

 「犠牲者面して 逃げてる場合じゃない ねぇ僕等とこの世界は 減速する様子もなく このまま加速度だけが増し続けたら」と「ただ前に進めと あなたが言うんじゃない」,それに最後の「泣かないでいられるのは 強くなったから それとも」だけが対句ではないようだ。

 最後まで来ても,私には歌詞が良く理解できない。タイトルの「Mirrorcle World」からして理解できないのだから。

 平成になって私は時代から取り残された。

 

無責任ヒーロー(2022.4.8)

平成20年,詞:上中丈弥(THEイナズマ戦隊),曲:馬飼野康二,唄:関ジャニ∞

「オイラ伝説の無責任ヒーロー 夢は無限大の無責任ヒーロー」と始まる。

 「昭和と平成 またいできました」とあるとおり,昭和の香りが強い。馬飼野の曲のせいだろうか,歌詞が聞き取りやすい。聞き取れても全体の意味がよく理解できないのが平成の歌だ。個々のフレーズで思いついたことを無責任に言いっぱなしだから「無責任ヒーロー」なのかもしれない。自覚してるならもう少し自身を矯正すべきではないのか。

日本テレビ系『江川×堀尾のSUPERうるぐす』で10-12月の間テーマソングとして使われた。

 

Your Seed(2024.6.1)

平成20年,詞:ma-saya,曲:h-wonder,唄:Hey! Say! JUMP

 「Believe yourself you can get it on  Believe yourself you can make it up  Believe yourself信じるんだ Believe yourself自分自身」と始まる。

 『自分を信じろ』というのがこの歌のメッセージのようだ。

 歌詞の大部分が英語だが,その英語のほとんどが「Believe yourself」の繰り返しだから英語音痴の私でも何となく解る。むしろ,日本語部分のアクセントとメロディーが合っていないような気がして聞き取りにくいが,平成のJ-POPの中では母音が比較的長く発音されているので聞き取り易いほうだ。

 タイトルと内容の関係は私には謎のままだ。「seed」という言葉に私が知らない意味があるのだろうか。

 映画『カンフー・パンダ』(ジャック・ブラック,ダスティン・ホフマン,アンジェリーナ・ショリ―ほか)日本語吹き替え版イメージソング。

 

弱虫サンタ(2024.4.28)

平成20年,詞:カシアス島田,曲:高原兄,唄:羞恥心

 「テーブルの上の携帯電話 今年も もうすぐ午前零時だよ 君の事思いながら 『私幸せになれなかったら 迎えにきてね』 君の最後の言葉から もう3度目のクリスマス」と始まる。

 「あの時 何がたらなかったんだ 確かに愛だけはあった 俺は弱虫サンタ 君を大切に出来なかった ガキの俺にはまだ答えが出せない」とこれが現在の心境ではないかと思ったのだが。

 もう少し当時の思い出がある。「俺には突然だった 『私 お母さんじゃないんだよ』 悲しそうな顔で君は伝えたね 言葉の意味すらわからず」。

 「何が一番大切なのか 今の俺にはわかる」「ガキの俺は少し大人になったよ」というが本当だろうか。「好きだよ 好きだよ 好きだよ 俺はまだ一人でいるよ」という言葉に偽りは感じないが,ついさっき「まだ答えがだせない」と言っていたではないか。平成の若者はすぐに解ったようなことをいうが,本当に解ったかはやや疑問に思う。

 

LAST CHRISTMAS(2024.3.24)

平成20年,詞:George Michael,日本語詞:松尾潔,曲:George Michael,唄:EXILE

   「Last Christmas 今はまだ 思い出になんてできないよ でも愛はもう ここにはいない this year」と始まる。

 「思えば僕は 君にはたぶん重すぎたよね わかったふりの強がり 張り裂けそうなMy beating heart」と反省してはいるようだが,後から反省しても時すでに遅しだ。

   「もうあの頃には戻れない 君の微笑みは戻らない “Maybe, next year!” だけど今でも 君は今でもspecial」。

 私はこのような問題に詳しくはないが,何となく昭和では『重い女』が破局の原因だったように思っていたが,どうも平成では『重い男』が破局の原因になっているようだ。世の中が変わったのか私が無知だっただけなのか。

 

LIPS(2022.1.15)

平成20年,詞:Axel-GRap詞:JOKER,曲;Yukihide”YT”Takiyama,唄:KAT-TUN

 「Love 君の未来 二つに分かれて・・・」と始まる。これがどのような意味なのか最後まで解らない。

 「その赤く染まるLips(くちびる) 近づけて壊したい 激しく」というフレーズが何度も出てくるが,その意味は解るような気がしないでもないが,本当のところは全く解らない。若い人達がこのようなフレーズを並べることでコミュニケーションできているとすると,私などはコミュニケ―ションに参加できないということになる。世代の違いか私の認知能力の衰えか。

 なお,歌詞中のLipsは「くちびる」と読ませているが,タイトルは「リップス」と読ませている。

日本テレビ系ドラマ「1ポンドの福音」(亀梨和也,黒木メイサほか)のエンディングテーマ。(ドラマの原作は『週刊ヤングサンデー』に不定期連載されていた高橋留美子作の同タイトル漫画。)

 

ROCK STEADY(60s 70s 80s) (2022.12.28)

平成20年,詞:michico, Aretha Franklin,曲:MURO, michico, Aretha Franklin,唄:安室奈美恵

歌詞を見ながら聴いても今どこを唄っているのか判らないので,私にとっては歌ではない。ただ曲は昭和の曲で馴染みがあり,聴きやすい。

昭和のダンス・ミュージックという雰囲気で,リズムに合わせて身体が動きそうにはなるが,もちろん踊れない。私が子供の頃は学校でダンスを習うなどということはなかった。・・・と思ったが,運動会では『新四日市音頭』1)を踊った記憶がある。運動会で踊るためには何度も練習したはずだ。

元歌はアレサ・フランクリンの『ROCK STEADY(1971)

1) 「新四日市音頭」(昭和32年?,詞:佐伯孝夫,曲:吉田正,唄:三浦洸一)「あれは万古のかまどの煙 こちら工都の朝けむり」と市の繁栄の象徴として煙が唄われており,市内の盆踊りでよく踊られていたが,その後,公害問題が顕著になり,大気汚染による四日市ぜんそくの元凶は工場の煙だということでこの歌を聞くことはなくなった。

 

ワッハッハー(2023.12.10)

平成20年,詞:竹森マサユキ,曲:竹森マサユキ,唄:関ジャニ∞

 「悲しみや悩み事は少なからず誰にでもあるみたい 浮かない顔 抱えては生きてる」と始まる。

 「頑張れのその一言が また君に無理をさせてはいないかい」とある。昭和の高度成長期には『モーレツ』に働き,バブル末期には『24時間戦えますか』と叱咤激励形が多かったが,さすが平成だ。

 「僕が笑えば 君が笑うから 君が笑えば また誰かが笑うさ」「君のあくびが僕にうつるように この笑顔もつながると思うんだ」と頑張るんじゃなくて笑い飛ばせと言う形の応援だ。

 昭和の人間に比べて平成の人間は打たれ弱いということか。

 

One Love(2021.5.22)

平成20年,詞:youth case,曲:加藤裕介,唄:嵐

 「伝えたくて 伝わらなくて 時には素直になれずに」と始まる。

 『花より男子F』の主題歌。映画は観ていないが,嵐の松潤が出演しているようだ。

 「百年先も 愛を誓うよ 君は僕の全てさ 愛している ただ愛している 同じ明日約束しよう」

 ふたりの歌でも,そのストーリーを描いたものは解り易いが平成の歌には少ない気がする。平成の歌の多くは心の動きを歌っているようだ。心の歌でも一途な思いの歌は理解しやすい。一人の心の内にアンビバレントな思いがあることは珍しくはないが,これをそのまま歌にすると解りにくい歌になる場合が多いような気がする。この歌は一途な思いの歌で,平成の歌の中では理解しやすい歌だ。